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2022年1月21日 (金)

和田政宗氏:憲法改正、「やるやる詐欺」は許されない!

26939_20220120115001  このブログの論点の一つは憲法改正です。過去何度も取り上げてきました。しかし未だに国会での議論は進んでいません。憲法審査会では、〇〇首相の元では改正審議に乗らないとか、国民投票の制度がどうとか、主に反対の党の意見に振り回されてきた歴史があります。

 国民主権を謳った憲法の、中身の検証の判断は国民に委ねられるべきです。その国民の半数以上が改正に賛成であり、かつ議員の過半数が賛成党に属していながら、国会発議どころか、その前段の審査会さえまともに開催できないのはなぜでしょうか。 

 そのあたりの状況を、自民党参議院議員の和田政宗氏が、月刊hanadaプラスに投稿した記事から見てみましょう。タイトルは『憲法改正、「やるやる詐欺」は許されない!』(1/19)で、以下に引用します。

21年11月、吉村洋文大阪府知事から「党是で改憲、改憲と言っているが『やるやる詐欺』だろう」と批判された自民党。「憲法改正推進本部」から「憲法改正実現本部」へと名称は変わったが、岸田政権は本気で憲法改正を実現しようと思っているのか。本音で語れる政治家、和田政宗議員が憲法改正への決意を語る!

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戦後レジームからの脱却を

今年は寅年で私は年男。この先12年を含め、政治家として何を成し遂げていくかを改めて考えた。

国会議員になってからずっと取り組んできた不妊治療の保険適用は今年4月から始まる予定だが、もっと大きなテーマについては、政治家として生きるなかでもしかしたら一つしかできないのかもしれない。だからこそ絶対に大きな一つのテーマは確実に実現しなくてはならないと決意した。

では、それは何か。私は憲法改正をはじめとし、真に戦後レジームから脱却した日本の実現と考える。現状はいまだ戦後を脱したとは言えない。

ある友人が昨年こんなことを私に言った。彼は寿司職人として米国に移住し、日本国籍から米国籍になった人物である。

「和田さん、いざとなったら俺は尖閣に移り住むよ」

私が「なぜそんなことを急に言うの?」と聞くと、「俺は米国籍だろ。もし尖閣に住んで中国に攻撃を受けたら米国政府や米軍は絶対に私を守りにくる。日本が守れないなら俺が行く」と答えた。

私は情けない気持ちになった。彼のみならず他の米国の友人も、国を圧倒的に信頼している。世界のどこで戦乱や災害に巻き込まれても、いざという時は国が絶対に自分を守ってくれる、助けてくれるという信頼である。

世界でも珍しい憲法の構造

ひるがえって日本はどうか。世界のどこかで誘拐されたり、戦乱に巻き込まれたりしても絶対に日本政府が救いにきてくれると思う日本人はどれだけいるだろうか。

北朝鮮による拉致被害者の方々はいまだに救出できていない。国際法では、自国民を自衛権を行使し救出することが可能であるが、日本は憲法上の制約があり救出ができない。憲法上、世界のどこかで困難な状況におかれた日本人全てを我が国は救えないのだ。

国家は国土を守り国民を守るためにある。こう述べるときになぜ国土が先にくるかといえば、国民の命を軽視しているわけでは決してなく、国土が存在しなければ「国民」は存在しないからである。我が国はそうした国家の使命を果たせる状況になっていない。憲法が大きな足かせとなっているからだ。

実は、我が国は世界でも珍しい憲法の構造になっている。それは憲法に、いざという時にどのように国を守るかが明記されていない点である。

こうした国は日本のほかに、クック諸島、ニウエ、モナコの3カ国しかない。なお、ニウエは南太平洋の小さな島からなる国で人口1860人、クック諸島も南太平洋の島々からなる国で人口2万人、モナコは人口3万8千人と、いずれも国土は小さく、人口も4万人以下の国である。

一定の国土と人口規模を持つ国で、憲法にいざという時に国を守る手段が記されていないのは日本だけなのだ。

もう議論の入口の段階は過ぎた

よく非武装国として例示されるコスタリカやパナマは、いざという時にどのように国を守るか憲法に明記されている。コスタリカ憲法には「国防のため軍隊を組織できる」とあるし、パナマ憲法には「全てのパナマ人は、国家の独立および国の領土を守るために武器を取ることが求められる」とある。

これに対し、他国の領土を掠め取ろうとしたり、攻撃したいと考える国からすれば、反撃できるかどうかすらわからない憲法を持つ国は、攻撃するのにどれだけ楽か。これでは、国土と国民を守れない。

であるならば、速やかに憲法を改正すべきであるが、戦後80年が迫ろうとする現在にあっても憲法改正は実現できていない。

岸田政権が発足し、自民党の「憲法改正推進本部」は名称が「憲法改正実現本部」となった。そして岸田総理は、今月17日の国会での施政方針演説で、「国民的議論を喚起するには、われわれ国会議員が国会の内外で議論を積み重ね、発信していくことが必要だ」と述べた。

国会内外での議論を積み重ねることは重要である。しかし、もう議論の入口の段階は過ぎたのではないか。

自民党がいかに覚悟を持って決断するか

Hw414_as20180412003899_comm 自民党は、すでに4年前に憲法改正の条文イメージ(たたき台素案)を発表している。国会の憲法審査会において、憲法改正が必要と考える各党が具体的な条文案を提示し議論すべきではないか。これは当然、第一党である自民党が引っ張るべきであり、自民党がいかに覚悟を持って決断するかである。

憲法改正の発議の提案、すなわち改正条文案の提出は、憲法審査会が行う提出のほかに、実は国会法において、1人の提出者に対し、衆議院で100人以上の賛成または参議院で50人以上の賛成があれば、国会に提出できる。

憲法改正原案を提出すれば、国会の審議に正式にかけられるわけであり、採決が行われ発議されれば、国民投票となる。自民党は憲法改正原案の提出に必要な議員数はいるわけであり、自民党がどう行動するかに全てがかかっているのである。

中国の覇権的行動などを考えれば、猶予はない。岸田政権は「憲法改正実現本部」の名の通り、今夏の参院選では憲法改正を前面に掲げ、勝ち抜かなくてはならない。「国民的議論の喚起」も我々自民党がいかに行動するかである。

そして、憲法改正の先には、北朝鮮による拉致被害者の奪還、さらには対等な日米同盟へと変えていく。戦後100年を迎えるのは令和27年(2045年)。確実に戦後レジームから脱却し、戦後が終わり、誇りある輝く日本となっているようにしたい。

 ◇

 和田氏の言うとおり、憲法審査会が改正案を提出しなくても、「国会法において、1人の提出者に対し、衆議院で100人以上の賛成または参議院で50人以上の賛成があれば、国会に提出できる」、とあります。なぜ審査会の議論が進まないのか、と言う問題を超えて、議論が進まなければなぜ国会法を元に国会に提出しないのか、と言う疑問もわきます。

 それは最近話題になった「佐渡島の金山」の世界遺産登録申請が、「韓国からの批判」に怯えて外務省が及び腰になり、見送りとした件に顕著に見えてきます。つまり相手の批判に反論せず逃げ回る政治家や官僚の態度です。相手が中韓などの外国でも然り、そして国内では野党相手でも然りです。つまり腰が引けた閣僚や官僚が、そこにいるからです。

 和田氏の指摘の通り、この憲法がいかに日本を弱体化し、国際的な発言力や国民の安全の担保を奪ってきたかは、明らかなところでしょう。櫻井よし子氏のよく言う言葉、「覚悟を持って」事をなさなければ、憲法改正はできません。よく言う「丁寧さ」も必要ですが、それが外交においては「韓国の増長」を許してきたし、国内では「特定野党」の増長を許してきたのです。

 これ以上の日本の弱体化を食い止めるためにも、日本人の手で改正した憲法を持って、日本人のために「強い日本、たくましい日本」に変えていく「覚悟」を、岸田政権に強くお願いした、そう念じて止みません。

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