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2022年8月

2022年8月31日 (水)

高橋洋一氏:統一教会バッシングと国葬反対論が、なぜつながってしまうのか? その謎を解く

Images-2_20220830104901 安部元首相の襲撃事件の山上容疑者の取り調べで、にわかに持ち上がった旧統一教会と政治家の関係性問題。かつて、ことあるごとに安部元首相の周辺を取り上げ、批判を繰返してきたメディアが、またぞろ大騒ぎを始めています。

 岸田首相が英断を下した安倍氏の国葬にも、同様な批判が同様のメディアから同時に起こっています。旧統一教会と国葬問題、実際には背景は異なりますが、何故かそこに大きなつながりが見えるようです。

 その詳細を元内閣三時間で経済学者の高橋洋一氏が現代ビジネスに寄稿しています。タイトルは『統一教会バッシングと国葬反対論が、なぜつながってしまうのか? その謎を解く』、で、以下に引用して掲載します。

高齢者ほどテレビや新聞を読んでいる事実

最近、安倍元総理の国葬への反対と、マスコミによる旧統一教会バッシングが目立っている。筆者の見るところ、両者には何らかの関係があるように見えるが、それを今回は考えたい。

まず、国葬への賛否、旧統一教会への対応について、世論調査を見てみよう。FNNによる8月20・21日の両日の世論調査(全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1,178人から回答)を使おう。この調査では、年齢別の回答があるので、それを見てみよう。

国葬については、賛成が40.8%、反対が51.1%。年代別に見ると、18歳~20代:賛成60.0% 反対31.4%、30代:賛成62.0% 反対28.0%、40代:賛成38.9% 反対52.6%、50代:賛成34.9% 反対57.6%、60代:賛成34.4% 反対58.1%、70歳以上:賛成28.4% 反対64.2%。

旧統一協会への対応について、政府の対応を評価するは38.6%、評価しないは54.1%。年代別にみると、18歳~20代:評価する57.9% 評価しない31.5%、30代:評価する53.4% 評価しない34.0%、40代:評価する44.2% 評価しない52.9%、50代:評価する37.3% 評価しない59.1%、60代:評価する25.6% 評価しない68.5%、70歳以上:評価する25.1% 評価しない66.2%。

この二つの調査は数字を入れ替えてもわからないくらいに酷似している。「国葬」「旧統一教会」ともに、年齢の高い世代ほど反対、あるいは評価しないと考える傾向がはっきり出ている。

そこで、なぜ高齢者ほどそう思うのか。一つ考えられるのは、高齢者ほどテレビ視聴時間、新聞閲覧時間が長いことが影響していることではないか。

年齢別の国葬賛成率とテレビ視聴時間・新聞閲覧時間の相関係数は▲0.82、

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旧統一教会への対応の評価率とテレビ視聴時間・新聞閲覧時間の相関係数は▲0.98だ。

(*上記グラフの傾向と同じ。グラフは省略します)

もちろん相関関係は因果関係とは違うものの、テレビ・新聞を見ていれば、旧統一教会への対応が手ぬるいと思うようになる。次に、旧統一教会と自民党は関係があるのは悪いという発想になり、安倍元総理もその自民党の一員なので、国葬なんてとんでもないから反対──そういう連想が働くとすれば、世論調査の結果の一つの説明ストーリーになる。

以上の「説明」は、テレビ・新聞報道を通して、旧統一教会バッシングと国葬反対がつながっているらしいことの推測だ。両者は話の構造でも似ているところがある。

反対する自由もあるけれど

国葬の反対論の根拠として、国葬は弔意を押しつけているという意見がある。

このロジックは普通の人にはわかりにくい。筆者を含めて、内面の自由を当然のように考える人からみれば、ありえないとなる。弔いたい人が参加すればいいわけで、そういう気持ちの人を邪魔することはないと思う。

国葬で莫大な経費がかかるのであれば、反対する気持ちはわからなくはないが、追加費用は2.5億円。警備費は計上されていないとか言って、37億円かかるなどと言っている人もいるが、警備費は通常予算の枠内で追加的な支出ではない。警備は全国から集めるからだ。

もちろん、反対する自由はあるが、一定の司法手続きにしたがって判断すればいい。2.5億円の追加支出で、G7・G20級の国際会議をできると考えれば、会議費支出としても行政府の判断でいいとなるはずだ。国葬は国によって扱いが異なるが、世界からの弔意を受け取るのはふさわしい形式だし、国際的な非難を浴びることもなく、国益にもかなうだろう。

国葬反対論者の「弔意押しつけ」という意見で、弔意を表せないように押しつけているようにみえるのは、なんとも皮肉だ。しかも、国際的な弔問外交を否定しているようにもみえるのは、国益にそぐわない。

国策反対論者の内面はうかがい知れないが、あまり他人の内面の自由を尊重しているように思えない。

旧統一教会との「接触」は問題ではない

旧統一教会バッシングについて言えば、マスコミの対応はあまりに酷すぎる。宗教と政治の関係は配慮すべきであるのは言うまでもないが、宗教側がどの政党を選ぼうと自由だし、政党から見ても特定宗教の支持があってもいい。ただし、政府は特定宗教に肩入れしてはいけない。ここがレッドラインだ。

そう言うと、「旧統一協会の霊感商法を許すのか」と言う人がいる。だがそうした「行為」については、どのような宗教であっても、公序良俗に反したり、詐欺であれば違法行為として取り締まられる。幸いにして、安倍政権で消費者契約法を改正したので、霊感商法は消費者契約として取り消しできるようになっている。いずれにしても、「行為」にして法規制すべき種類のものであり、宗教法人の「主体」を否定したら、それこそ魔女狩りになってしまう。

野党もマスコミも、旧統一教会との”接触”を問題にしているのはやり過ぎだ。野党では、早速ブーメランとなって、立憲民主党は新執行部になった途端、接触のあった人が続出してしまった。

もし旧統一教会との接触が悪いのであれば、信者はもっと悪いことになる。国会議員は700余名で、その配偶者を含めれば1400名程度だ。その中に旧統一教会の信者がいれば、本当の魔女狩りになってしまう。

マスコミも同じだ。今回、旧統一教会から、【異常な過熱報道に対する注意喚起(2)】が出された。日本テレビ「24時間テレビ」で旧統一教会の女性信徒が7年間ボランティアスタッフの中心的として活躍していたとしている。

これに対し、日本テレビから、「弊社の番組に関わるプレスリリースについて」が出されたが、その中で、「一般的に、参加される方の個人的な思想・信条について確認することはいたしません。」と言わざるを得なかった。

これまでマスコミは、旧統一教会と接触のあった国会議員を批判しており、あたかも事前にチェックしなかったことが悪かったかのように報じていた。日本テレビの回答のとおり、事前に相手に宗教を聞くことは内面の自由に反することなのでできない。しかし、報道では内面の自由に反することでもやるべきだと示唆していた。要するに、旧統一教会報道では、他人の内面の自由を配慮していなかったわけだ。

いずれにしても、筆者から見ると邪推かもしれないが、他人に対する内面の自由への配慮が足りないという点で、国葬反対論と旧統一教会バッシングは似ているのだ。

国葬反対論と旧統一教会バッシングは、似たような構造の中でマスコミが橋渡しして、両者が連動した動きになっているのだろう。

 高橋洋一氏が指摘しているように、この両者の問題を「悪」と位置づけて報道している、テレビや新聞を視聴や購読している人ほど、「反対」意見が多いと言うことから、まさにマスコミが作り上げたシナリオだと言うことができるでしょう。

 このように世論形成にマスコミが果たす効果は極めて多く、これまでも様々な形で、政権批判や政権与党の法案に反対の世論形成を画策してきた歴史があります。逆にインターネットを主に利用する層や、こうしたメディアを信用できないといった理由で利用しない層は、その論調に惑わされず、理性的な反応を示しているのも見て取れます。

 今後高齢者を中心に、こうしたメディアを多く利用している層は、徐々に減っていくものと思われます。日本も正常な国になっていくことを期待していますが、新聞では産経新聞や、読売新聞など正常な論調の新聞もある反面、テレビは皆同じ方向を向いているように思われます。こちらはかねてから言われているように、改革の手を早い段階で入れる必要がありそうです。明日の日本のためにも。

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2022年8月30日 (火)

「日韓トンネル」、何故消え去らない荒唐無稽なこの構想

2_20220829155501  約40年前から持ち上がり、消えては浮かぶ「日韓トンネル」構想。多額の費用がかかる割には、日本にとって殆ど何もメリットがないこの構想が、何故未だにくすぶっているのかでしょうか。この構想、あの旧統一教会ともつながりがあると言います。

 そのあたりの詳細を、フリーランスの日野百草氏がNEWSポストセブンに寄稿した記事から引用して紹介します。タイトルは『総工費10兆円の「日韓トンネル」構想 技術的には可能でも必要とは思えない』です。

約40年前に着工したものの停滞している大プロジェクト「日韓トンネル」は、総工費が約10兆円と言われている。1961年に建設開始し1988年に開通した青函トンネルの建設費が7455億円かかったことを思うと、いかに大規模なものかが分かるというものだ。俳人で著作家の日野百草氏が、旧統一教会との接点によっていま注目を集めている日韓トンネル実現の可能性について聞いた。

* * *

「日韓トンネルですか。調べてみましたけど、日本の技術なら可能です。でも、何もメリットはないでしょう」

海洋土木に強みのある中堅建設会社の施工管理技士が語る。こういった内容では学者より海洋土木の現場を知る技術者のほうが、経験に裏打ちされた肌感など有意に思う。ちなみに本稿、専門用語や業界特有の言い回しなどは適時置き換えている。ヒアリングの本旨はあくまで「日韓トンネルは実現可能か、必要か」という点にある。

日韓トンネルとは日本の佐賀県唐津市から壱岐、対馬を経て韓国の釜山まで海底トンネルでつなぐとされる壮大な計画である。その全容は全長270km、海底距離150km、最大水深170m、予定工費10兆円(諸説あり)とされる巨大プロジェクトであり、今年6月にも「日韓トンネル実現九州連絡協議会」を中心に総会が開かれるなど再び脚光を浴びている。

1980年ごろから計画されていまだに実現を見ないこの計画だが、宮崎県知事に再出馬する予定のタレントで元衆議院議員、東国原英夫も前知事時代の2010年、この日韓トンネルを「僕個人の夢物語」として中国メディア「サーチナ」に熱く語るなど(実際に通るのは佐賀県なのだが……)、当時は九州の政財界を中心に一定の支持を集めていた(今は「反対の立場」と8月25日に釈明)。

一方、韓国側でも世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一教会などを中心として日韓トンネル実現のために資金を集め、関連団体による試掘をおこなったとされる。2008年に自民党の衛藤征士郎(日韓議員連盟)や民主党(当時)の鳩山由紀夫らを発起人とした日韓海底トンネル推進議員連盟が立ち上がり、韓国側にも日韓トンネル研究会(日本にも同名の研究会はある)という旧統一教会による事業団体がある。

こうした熱心な方々には申し訳ないが正直、筆者の感想としては荒唐無稽としか思えない。しかし日本の技術なら可能、とはどういうことか。

「日本の海洋土木は世界でもトップレベルです。青函トンネルの時代からずっとそうです」

青函トンネルの開通はよく覚えている。小学生のころ、建築関係の仕事をしていた父に連れられて『海峡』という映画を観た。全体的に冗長なのはともかく、最後の貫通では素直に喜んだ。時を経て1988年3月に青函トンネルが開通、本当にやったんだな、日本は凄いなと思った。

◆日本の海洋土木はいまも世界トップレベル

「トルコのボスポラス海峡の海底トンネルも日本が手掛けました。大成建設は世界最深度への沈設も成功させました」

ヨーロッパとアジア(オリエント)を隔てるボスポラス海峡はトルコのイスタンブールにある。この要衝にトンネルを作ることはトルコ150年の夢と言われた。強潮流で水深の深い箇所のあるボスポラス海峡に沈設することは難しいとされてきたが2011年2月、日本は大成建設を中心にこの夢を実現した。「地図に残る仕事」というキャッチフレーズでこのプロジェクトを紹介したCMは記憶に新しいだろう。

「ユーロトンネルも日本の技術が貢献しています。川崎重工のTBMが使われています」

かつて「ナポレオンの夢」と呼ばれたユーロトンネルはドーバー海峡、イギリスとフランスの間をつなぐ50.49kmの海峡トンネルである。TBMとはトンネルボーリングマシン(全断面トンネル掘進機)のことで巨大なカッターヘッドで岩盤をドリルのように掘削する超大型トンネル掘進機である。古くからの爆破(発破)作業を伴うことなく高速掘進が可能で、掘削そのものを完成断面にできる。

「日本の技術力低下がよく言われますが、海洋土木はいまだに世界トップレベルにあります。個人的には技術面では日韓トンネルの接続は可能だと思います。その意味では、決して荒唐無稽ではありません。しかし実現度としては、おっしゃる通り荒唐無稽でしょうね」

青函トンネルもユーロトンネルも、ボスポラス海峡のトンネルもその膨大な費用と時間に見合うからこそ実現した。日韓トンネルはそれに見合わないということか。

Post_221190_3 「まず地理的な問題があると思います。壱岐、対馬を通って韓国の釜山ですよね。いま見せていただいた東国原さんの『新幹線、あるいは高速道路』という意見をとるなら、それを通したところでどれだけの経済効果があるのか。言い方が難しいですが唐津と釜山ですよね、日本と韓国と大きく置き換えても10兆円でやるか、となる人もいるでしょう」

いずれも重要な都市ではあるが、10兆円の大工事となると確かに難しいかもしれない。

「現実のインフラ効果は極めて限定的に思います。ドーバーはロンドンに近いですし、大陸側のカレーもパリはもちろんダンケルクからブリュッセルやロッテルダムもありますよね。多くの国がフランスを通ってユーロトンネルを使うというメリットもあるでしょう。しかし日韓トンネルはあくまで2国間に限った話です。せめて北朝鮮が通れるような国であるなら効果も期待できるでしょうが、現実的ではないでしょう」

なるほど、多くの国と接するからこそ高価な海底トンネルも費用対効果に見合うということか。釜山や唐津がそれぞれ首都に近いのならともかく、地勢的にも10兆円に見合うかどうかは難しいところだろう。何より日本と韓国という国レベルですら「2国間のトンネル」でしかない。日本は単独の島国だし、韓国と中国・ロシアの間は北朝鮮が「うんち」(人気ゲーム『桃太郎電鉄』シリーズで「うんちカード」を使うことにより線路の通せんぼをする「うんち」のこと)のように陸路を通せんぼしている。この状態で日韓トンネルを通しても極めて限定的な2国間のトンネルでしかなくなる。ましてやその「うんち」はゲーム中と違い、いつ消えてくれるかわからない。

「これは私の専門外なので一般人の意見として言わせてもらいますが、日韓関係を考えたら10兆円も出してトンネルで繋がりたいか、という意見もあるでしょう。調べてみましたが、なぜか日韓トンネル構想は日本側が言い出したことになっていて、韓国は仕方なく繋がってやるという姿勢のようです。費用面でも日本が不利な条件で、お花畑な日韓友好で血税を出すわけにはいかないでしょう」

前述のようにそれを出したがっている、出したがっていた日本の政治家がいることはともかく、現実的にはそうした反対の声も大きいだろう。費用の負担面でも韓国側が3割、日本側が7割(8割案も)など、なぜか日本の負担が多い計画案が多い。それなのに韓国与党の「共に民主党」は「日本だけに有利な事業」(中央日報、2021年2月8日)として、日本が通したがっているという体にしている。

確かに戦前、大東亜縦貫鉄道という日本と朝鮮半島を結ぶ計画があったが、それは朝鮮半島が日本領で中国の一部も日本の傀儡政権である満州国だったからこそ自国領および属国をつなぐ意味があったわけで、そんな大昔の話を持ち出して「日本がトンネルで韓国と繋がりたがっている」という体をとられても反対する人たちにとっては迷惑な話である。また韓国と北朝鮮はいまだに「休戦」状態である。トンネルとはいえ地続きとなると日本の防衛体制も再構築しなければならない。

◆本当に10兆円でおさまるのか

「あと技術的な面ですが、先ほど日本の技術なら『可能』とは言いましたが大変な作業であることは事実です。途中に有用な島を挟むとはいえ青函トンネルの4倍の長さですからね。水深200mの箇所もありますから新たな工法が必要となるかもしれません。コロナ禍ですし作業員の数や安全を考えれば10兆円では済まないと思います」

この10兆円というのも古くから言われているもので、現在の鋼材、セメント材、アスファルト合材など建設資材の高騰をみればその金額で済むとは思えない。ましてやそれだけの大工事をするだけの見返りがあるか、結局のところそれに尽きるのかもしれない。アメリカやロシアにはベーリング海峡にトンネルを作ると称して資金を募る詐欺商法が古くからあるが、日韓トンネルもそれと同じとまでは言わないが、そのベーリング海峡トンネルと同様に「荒唐無稽」であることには変わりがないのかもしれない。

「日本のゼネコン、マリコンもそれだけの大きな仕事があれば受注したいでしょうし、施工管理者や作業員たちもやるからにはやってやる、とはなるでしょう」

巨大プロジェクトに夢を見るのは、技術者として当然かもしれない。

「でも日本の状況を考えれば『ほかにすることはないのですか』でしょう。福岡から釜山まで飛行機で50分とかですよ。関空なら1時間半、成田でも2時間半です。東京から博多まで新幹線で移動する人が少ないのに、日韓トンネル通したとして、東京から釜山、ソウルまで電車で行きますかね、物見遊山か一部のマニアでもなければ使わないと思いますよ」

計画によれば日韓トンネルを新幹線が走れば1時間15分ほどで結ばれるという。東京から博多まで新幹線「のぞみ」で単純計算して約5時間+1時間としても、6時間以上もかけて釜山に行くひとはあまりいないように思う。国土交通省によれば東京から福岡は飛行機移動が90%を超える。また物流面のメリットで言えばコンテナ海運が主流の中、いまさら10兆円かけて貨物列車というのもこの計画のみで考えれば非現実的だろう。

「せっかくなのでもうひとつ、個人的な意見を言わせてもらえば日本の海洋土木の技術的の向上や、他国への技術面での売り込みという点ではこれだけの空前絶後のプロジェクト、価値があるとは思います」

確かに、青函トンネルにもその意味はあった。世界に日本の海洋土木技術を見せつけた。

「それなら壱岐を経由して対馬まででいい、という考え方もあります。最初から採算度外視なら日本の技術向上と国防のために対馬まで東水道(対馬海峡の日本側)のみ海底トンネルを作るというのもありだと思います」

対馬市議会は2013年に日韓トンネルの早期実現を求める意見書を採択している。対馬は韓国人の人気観光地として知られるが、古くから日本を守る国防の島でもある。しかし人口はピーク時の7万人から3万人あまりとなってしまった。

「実のところ、技術的に一番ハードルが高いのは対馬から釜山の深度だと思うのです。ルートにもよりますが西水道(対馬海峡の韓国側)は200メートル級の深度で遮られています。東水道なら深いところでも100メートル前後、これでも大変ですが、やる前提なら対馬まででよいのでは。もっとも、いずれにしろ資金面で難しいと思いますが」

一部政治家や研究者の間でさかんに起こる「日韓トンネル」計画。しかしネットも含めた一般国民は日韓両国とも反対か興味なし、もしくは「非現実的」と笑うような代物である。

それでも九州の地方議員や研究者を中心に「日韓トンネル推進会議」的な団体があり、今年の6月11日にも「日韓トンネル実現九州連絡協議会」(会長・梶山千里九州大学名誉教授)の総会が開かれている。この計画を本気で実行しようとしている人々もいる。

10兆円で韓国と地続きになるとされる日韓トンネル、このコロナ禍と少子化、福祉政策をはじめとする財政危機の中、本当に必要なのだろうか。

 もちろん必要ではないでしょう。逆に今までの日韓関係を考えれば、むしろ安全保障上あってはならないと思います。対馬がますます属国化するでしょうし、佐賀県も危うくなります。韓国の反日団体が国境の検問所をくぐり抜けて押し寄せるかも知れません。折角の四方が海という安全保障の要諦が崩れることにもなります。

 このリターンなき荒唐無稽な構想は、天文学的な費用を要することもあり、簡単には日本の国会でも了承されないでしょうし、またコンセプトの曖昧さから日本国民の多くが賛成しないと思います。たとえ一部の利害関係者が賛同してもこの構想は潰すに越したことはありません。

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2022年8月29日 (月)

習近平の『皇帝化』は歴史の必然、「悪党」を生み出す中国というシステム

Images-1_20220829095201  中国は習近平国家主席の登場により、一段と権威主義化が進み今や個人独裁の様相を呈しています。本人は毛沢東を目指すという見方もありますが、何故中国では独裁者が生まれるのでしょう。

 それを紐解く興味ある説が、京都府立大学教授の岡本隆氏の著書「悪党たちの中華帝国」に記されています。今回はデイリー新潮に記載された、著者岡本氏とのインタビュー記事を引用して以下に紹介します。タイトルは『「習近平の『皇帝化』は歴史の必然」――中国史の第一人者が暴露した「悪党を生み出す中国というシステム」』です。

 習近平はもちろん、ポスト習近平も必ず「悪党」にならざるをえない――中国史の第一人者がそのように結論づけた新刊『悪党たちの中華帝国』が話題を呼んでいる。この本の著者で、京都府立大学教授の岡本隆司さんに話を聞いた。

 ***

719cu964il ――『悪党たちの中華帝国』とは剣呑なタイトルですね。失礼ですが、岡本さんは「反中」思想の持ち主なのですか?

 これでも歴史家・研究者のはしくれなので、「反中」とか「親中」といった政治的な立場やイデオロギーで、中国を見ることはありません。本書も、中国史上「悪党」とされた人物を取り上げて、なぜそのような評価を下されたのかを考察したものです。

中国の偉人はなぜ「悪党」ばかりなのか――? 安禄山、永楽帝から、朱子、梁啓超まで12人の「闇落ち」した男たち。彼らが「悪の道」に堕ちた背景を解き明かす。現代中国の悪党も射程に入れた、圧巻の1400年史!

――「中華帝国」とは、いつの時代の中国を指しているのですか?

 1915年末からの数カ月、ごく短期間ながら袁世凱(えんせいがい)を皇帝とする「中華帝国(Empire of China)」という国号を称した時期がありました。

 しかし通常「中華帝国」といえば、皇帝(emperor)を戴いた秦の始皇帝以降の二千年がそうであり、実際、中国語もその意味で使います。

 本書では「帝国=異なる文化圏を含む広域支配を実現している国」という点を重視して、隋・唐の時代以降を「中華帝国」としています。

中国史の年表

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――すると、広域支配を実現している現在の中国も「中華帝国」になるのですか?

 そこがポイントです。実際、現在の中国共産党が抱えている統治上の課題は、隋・唐以降の1400年にわたる歴代王朝が抱えてきたものと、大きくは変わっていないと思います。

 結論を先取りすれば、もともと「一つの国」とはとてもいえないような広域で多元的な社会を、一元統合しようとするところに矛盾が生じる。それゆえに、中国の統治者は無理に無理を重ねて、どんどん「悪党」に堕していく。

 辛亥革命で共和制になっても、共産革命で社会主義国になっても、結局、蒋介石や毛沢東といった「悪党」の独裁に陥り「帝国」化していく。今に至る中国の歴史は、そのくりかえしともいえます。

――たしかに、本書に出てくる「唐の太宗」や「明の永楽帝」などの悪党たちの行状を見ていると、習近平の顔が思い起こされるようなところがありますね。

 明君の自己顕示に余念のないところは唐の太宗でしょうし、対外威嚇に忙しいところは明の永楽帝でしょうか。まさに歴代王朝の帝国統治の延長線上にあるといっていいでしょう。

 くわえていまは20世紀以来の「国民国家」形成の課題があります。「一つの中国」を標榜して、香港に圧政を敷き、新疆ウイグルやチベットを弾圧し、台湾を力づくで併合しようとしています。

 このようにして習近平はこれからも「悪党」であり続けるでしょうし、またポスト習近平が誰になろうと「悪党」にならざるをえない。これは個人の道徳的資質の問題ではなく、中華帝国を受け継いだ「中国」というシステムが必然的に統治者を悪党にしてしまうのです。

――では、中国が「一つの中国」を無理に追求することをやめれば、「悪党」も「帝国」も解消に向かうということでしょうか?

 中心至高を意味する「中国」という概念は、「一つ」「唯一無二」の意味もあわせ内蔵していますので、それは不可能だと思います。「一つ」でないと「中国」ではなくなります。台湾はさておき、新疆ウイグルやチベットなどを手放すことはないでしょう。かといって、ウイグル人やチベット人を漢人社会と調和的に統合するのが難しいことも歴史が証明しているところです。

――ということは、これからも私たち日本人は、「悪党」が率いる「中華帝国」と向き合い続けなければならないということですね。

 そうなる可能性は高いと思います。だからといって悲観する必要はありません。日本人は有史以来、中国とさまざまなあつれきを抱えながらも、ほとんどの時期はつかず離れずの距離で比較的うまく付き合ってきたといえます。これからも、それを続けていけばいいのです。決してたやすくはありませんが。

――中国と付き合っていく上で、気を付けなくてはならないことは何でしょうか?

 重要なのは、中国は日本とはまったく異なる価値観・行動原理を持っている国だと、しっかり肝に銘じておくことです。日本人のように「普遍的価値」を尊重するなどとは夢にも思ってはいけません。ロシアのプーチンが西側諸国の予想を裏切ってウクライナに侵攻したように、中国も独自の論理で動きます。

 ですから、彼らがなぜ「悪党」となり、どうして「帝国」のように振る舞うのか、その内在論理を歴史からしっかり学んでおく必要があるのです。

 岡本氏の言うように「習近平はこれからも「悪党」であり続けるでしょうし、またポスト習近平が誰になろうと「悪党」にならざるをえない。これは個人の道徳的資質の問題ではなく、中華帝国を受け継いだ「中国」というシステムが必然的に統治者を悪党にしてしまうのです」と言う見解ににわかに賛同できないとしても、うなずける部分もあります。

 ただ「悪党」と知りながらうまく付き合っていく、これは非常に難しい課題のようです。近代になって明治維新以降、戦前の日本がアジアで最強だった時代は、中国は日本が侵攻することはあるにしても、さほど相手にもならなかった国でしたし、戦後も毛沢東時代までの中国は、国力も日本とは比較にならないほど弱かったのですが、鄧小平の改革開放以降、現在の習近平中国に至っては、日本の数倍の経済力と軍事力を持つモンスターになってしまいました。

 つまり力の弱い相手だった中国とはうまく付き合って来られたにしても、力をつけた「悪党」とどう向き合うのか、と言うよりどう立ち向かうのか、それが日本の政権に突きつけられた課題でしょう。岡本氏が言うように「性善説」をもって普遍的価値を共有しよう、などと思っても絶対に受け入れる要素はありません。日米同盟やクワッドなど、国際的な同盟の枠組みの中で対峙していかねばなりませんが、最低限日本の領土と国民を守れるだけの軍事・非軍事的抑止力だけは早急に装備する必要はありそうです。

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2022年8月28日 (日)

野田聖子議員、否定し続けた夫の「元暴力団員」。最高裁敗訴確定でゲームオーバー。

1_20220828095701  岸田改造内閣が発足して20日足らずですが、内閣支持率は芳しくないようです。その大きな要因は旧統一教会がらみの閣僚を交代させたつもりが、新閣僚の中にも関係のある閣僚が6人もいたことから、そこを大々的に報道したメディアの影響を受けたからでしょう。それ以外にもコロナ対応や外交政策にも批判があつまっていたことのようです。

 そうした中で野田聖子氏も、旧統一教会との関係を公表したことから、閣外に去ったと思われています。しかし本当のところは要因は別のところにありました。野田氏の夫が「元暴力団員だった」ことが明確になったからです。もともとそういう報道は以前からありましたが、最高裁の判決で確定したことで、結論づけられたようです。

 それに対し野田氏はもう反論を続けているようですが、そのあたりの詳細を週刊新潮の記事から引用して紹介します。タイトルは『野田聖子氏、「夫が元暴力団員」判決に猛反論 立場を利用して捜査情報を入手した疑惑も』です。

 近ごろ評判が芳しくない岸田文雄総理(65)だが、この人事は“英断”といえるだろう。内閣府特命担当大臣を務めていた野田聖子氏(61)が、今月10日発足の第2次岸田改造内閣で留任を果たせなかった。折しも組閣前、彼女の夫が「元暴力団員だった」との判決が最高裁で確定。彼女は猛反論の構えをみせているのだ。

 ***

 今月8日、最高裁第1小法廷で、野田氏の夫・文信氏が、本誌(「週刊新潮」)記事(2018年8月2日号「女性総理」の夢を壊した「野田聖子」総務相の「元反社夫」)を事実無根だとして、発行元の新潮社を相手取り、1100万円の支払いを求めて訴えた裁判の審判が下った。

 結論から言えば、最高裁は文信氏の上告を棄却。一審の東京地裁と二審の東京高裁の、記事は野田氏の夫の名誉を毀損しておらず、〈原告が指定暴力団・会津小鉄会の昌山(まさやま)組に所属していた元暴力団員であるとの事実の重要な部分は、真実であると認められる〉とした判決が確定したのだった。

金融庁の担当者に“圧力”をかけた疑惑

 ことの発端は4年前の18年7月にまで遡る。当時、安倍政権で総務大臣を務めていた野田氏の秘書が、文信氏と懇意にしていた仮想通貨事業者を同席させ、金融庁の担当者を事務所に呼びつけて説明を求め、いわば“圧力”をかけたのではないかとの疑惑を、朝日新聞(18年7月19日付)が報じた。

 この一件で方々から批判を受けた野田氏は釈明に追われて、“金融庁に一般的な説明をしてもらっただけ”“圧力ではない”と弁明。この出来事を、本誌は前述の記事で報じたのである。

 また誌面では、“金融庁への圧力”の背景には野田氏の夫・文信氏の存在があると指摘し、かつて彼が暴力団に所属する構成員であったという経歴を紹介した。こうした内容が、野田氏側にとっては“事実無根”だとして、本誌に対する提訴に至ったというわけだ。

〈捜査官の方からは…〉

 さらに、一審で本誌の証人として法廷に立ち、「夫が元暴力団員」だと証言した元組長についてもこう書く。

〈他方、週刊誌に頼まれて夫が暴力団に所属していたと証言をした人物(元暴力団組長※これが真実性に関する唯一の証人)については、昨年、京都府警が偽証罪の疑いがあるとして捜査を開始し、本年5月に至るまで熱心に捜査を続けてくださいましたが、残念なことに、当該偽証をした人物が死亡し、捜査は打ち切りとなってしまいました。ただ、本年7月、捜査を担当した捜査官の方からは、この人物が偽証をしたものと考えていたとの見解を頂いています〉

 これにも少々説明が必要だろう。実は元組長が決定的な証言をした後、野田氏側は彼を偽証罪で京都府警に刑事告訴していた。相談されれば政治権力に弱い警察は形だけでも動かざるをえまい。そうした経緯に触れず、警察が自ら捜査へ動いたとも読める記述はアンフェアではないか。

 ちなみに、本誌と同時期に文信氏の過去に触れた「週刊文春」も野田氏側に訴えられたが、一審では一部で名誉毀損が認められてしまい、二審で本誌記事の裁判で証人に立った元組長の裁判記録を証拠として追加提出。本誌判決と同じ日、最高裁で「夫は元暴力団員」だと認められている。

 ともあれ、野田氏は最後に裁判所へもかみつくことも忘れない。

〈最高裁の判断は誠に遺憾ではありますが、最高裁は法律審であり、上記のような事実を踏まえていないものであります〉

日本の司法を認めないのか

 改めて判決確定で問われるのは、一人の政治家として、また大臣や与党の要職を歴任した野田氏が、夫婦そろって司法の判断と異なる説明を繰り返し、過去をひた隠しにしてきたことだろう。政治アナリストの伊藤惇夫氏も、こう指摘する。

「夫が元暴力団員だとしても、立派に更生したのなら責められることではありませんが、野田さんはずっと否定し続けてきました。しかも司法の判決が確定して揺るがないにもかかわらず、なおも反論する姿は、法律を作る立場の立法府に身を置きながら、日本の司法を認めないのかとの疑問を周囲に与えてしまいます」

 他にも彼女の反論には看過できない点があった。

「ブログで捜査員から聞いた話を明かしていますが、通常、警察が捜査状況を一方の当事者に話すことはありえず、政治家の立場を使い捜査情報を入手したとなれば問題だと思います。このままでは総理はおろか、今後閣僚に選ばれるのも難しいのではないでしょうか」(同)

 実際、件のブログなどでも常日頃から「日本初の女性総理を目指す」と公言してやまない野田氏に、改めて見解を尋ねたところ、期限までに回答はなかった。

 彼女が目指す内閣総理大臣という仕事は、国民の生命と財産を守るという高度な危機管理が求められるが、果たしてそうした資質を備えているのか。その審判は、もはや我々有権者が下すしかないのか。

 自民党総裁選で岸田氏と争った高市早苗氏、河野太郎氏は閣僚として残りましたが、野田氏は外されて当然でしょう。厳密に言えば仮に夫が元暴力団員だったとしても、それを素直に認め、「今は完全に足を洗って更生に勤めています」とでも言えば、世間の風当たりも和らぐかも知れませんが、否定を重ね裁判に持ち込み、敗訴してしまえばもはや政治家を続ける限りついて回ることでしょう。判決確定後いくら猛反発しても、そうすればするほど自分の首を絞めることになります。

 誰がそう言ったのか分かりませんが、と言うよりご自分でいつも言っていたようですが、「初の女性総理を目指す」。でもこの人に女性総理の目はなかったと思います。主義主張が明確でないし、高市早苗氏のように政策に明るくもないようです。

 それにしてもこの問題、大手メディアではあまり報道されていないようです。政治的圧力なのか何かはよく分かりません。総務相歴任の経歴がメディアの忖度の要因だとすれば、困ったものです。

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2022年8月27日 (土)

旧統一教会問題、ズブズブなのは朝日・毎日ではないか

Images_20220827104601  メディアによる旧統一教会の取り上げ方がどうも異常に見えます。テレビでも連日殆どの局で取り上げられ、その要因となった安部元首相の襲撃事件の容疑者の報道はどこかへいってしまった感があり、挙げ句の果てには擁護するような報道も散見され、もう辟易としてしまいます。

 しかも野党にも多くの関係した政治家がいるにもかかわらず、自民党ばかり追求している姿勢は、偏向報道姿勢のDNAがまたもや前面に現れてきているようです。

 ところがそのメディア、特に朝日新聞や毎日新聞は、かつてこの教会と「ズブズブ」の関係にあったことを経済評論家の朝香豊氏が月刊WILL誌で明らかにしています。その詳細を引用して以下に紹介しましょう。タイトルは『ズブズブなのは朝日・毎日ではないか テロリストを擁護するような記事を書いてどうする』です。

テロリストを擁護?

 安倍晋三元総理が白昼堂々のテロ行為によって亡くなった。

 現場で手製の銃を放ち逮捕された山上徹也容疑者の母親が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に入信し、多額の献金を行って一家を破滅させた過去が明らかになっている。その一方で、旧統一教会と安倍氏、安倍派、自民党との関係が問われるなど、旧統一教会と政治に関わる一連のメディア報道が急激に盛り上かっている。

 特に注日したいのは、山上容疑者の生い立ちや心理について理解を深め、共感する気持ちを醸成するような報道が溢れていることだ。

 例えば、朝日新聞は「深流 安倍氏銃攣事件」という全六回(電子版)の特集記事を掲載した。

 山上容疑者が高校生時代、母校が甲子園に出場した際に応援団のメンバーとして活躍し、「団長」というあだ名をもらい、かっこよかったとの話を載せ、「謙虚で、冷静で」「人に心配をかけまいと、優しさが先行するタイプ」だったとの評価も与えている。

 山上容疑者の兄が自殺した際の描写では、山上のことを「てっちゃん」と親しげに呼ぶ男性の証言として、《てつちゃんはずつと泣いていました。「兄ちゃんアホやな、なんて死んだんや。生きてたら何とかなるやん」つて。あの姿は忘れられません》との言葉を載せている。こうした山上容疑者への肯定的な評価をあえて載せることで、テロリストとして扱うべき山上容疑者に対して「本当はいい奴なんだ」と感じさせるように、朝日新聞は読者を誘導しているのだ。

 朝日新聞はさらに、サイコスリラー映両『ジョーカー』のセリフ「心を病んで、孤独で社会に見捨てられ、ゴミみたいに扱われた男を欺くとどうなるかわかるか? 今から教えてやるよ!」を引用し、山上容疑者のテロリストとしての行動への理解を読者に求めるようなことまでしている。旧統一教会と政治との関係の報道も異常だ。朝日新聞の「深流 安倍氏銃撃事件」が挿人した印象的なエピソードはこれを象徴している。

 《伯父が、山上容疑者の母親が旧統 一教会に入信したと証言する1991年、一人の大物政治家が世を去った。元外相・安倍晋太郎氏。67歳たった。その地盤は、秘書で次男の安倍晋二氏(当時36)に引き継がれた》

 山上容疑者の母親が入信したことと、安倍晋三氏が父の跡を継いで政治家になったことには、当然ながら何の因果関係もない。だが、こうした書き方によって、両者を無自覚のうちに運命的に結びつける人間の心理を巧妙に突いたレトリックを朝日新聞は挿入しているのだ。印象操作に敏感な読者は少ないだろう。 

本当にズブズブ?

 もちろん、旧統一教会側か政治家に接近していたのは間違いのない事実であり、政治家側もそうした勢力を選挙活動において利用してきたのも確かである。こうした関係を通じて政治家の側が、旧統一教会側に、ある意味でお墨付きをりえていたのも事実だし、肯定的にとらえることはできない。だが、それが「ズブズブの関係」とまで言えるかは、話か別だ。

 第二次安倍政権が発足した後の2013年、「消費者裁判手続特例法」が制定された。それまで霊感商法などの被害者が個人で裁判しなければならなかったが、これによって、十分な訴訟知識を持つ消費者団体が、個人に代わって訴訟できるようにした。霊感商法に法の歯止めがかけられたのだ。同じく安倍政権下の2018年には、「消費者契約法」の改正案が成立した。これにより霊感商法そのものが不法契約となり、クーリングオフ期間を過ぎても契約解除できるようになった。

 これらはいずれも旧統一教会にしてみれば、不利益を被る立法だったろう。旧統一教会に法の網がかけられ、政治との関係が決して「ズブズブ」だったわけではないことを示している。

 マスコミが旧統一教会と政治との関係を扱う際に「消費者裁判手続特例法」の制定や「消費者契約法」の改正について公正に扱う報道がなされているのだろうか。ワイドショーなど、旧統一教会をめぐるテレビ報道に触れている人たちに聞いてみたが、誰もそんな話は知らないと言う。こうした話は地上波放送では、まともに扱われていないようだ。

 旧統一教会系の団体である天宙平和連合(UPF)系の「希望前進大会」に安倍氏がビデオメッセージを寄せていたことも旧統一教会と「ズブズブ」だった証拠のように語られている。だが、旧統一教会関係のジャーナリストとして有名になった有田芳生・元立憲民主党参議院議員は、自身のブログで次のようなことを書いている。

 《安倍氏が小泉政権下で自民党幹事長時代、安倍氏のもとに統一教会が何度も接触を試みようとしてくるものの、安倍氏はなるべく会わないようにしていた》

 安倍氏が選挙で旧統一教会を利用していた事実は問違いなくあるが一方で旧統一教会に利用されないよう、なるべく距離を置こうとしていた事実もあるのだ。この状態を「ズブズブ」と表現するのは、あまりにも公正さに欠ける。なお、UPFは国連経済社会理事会において総合協議資格を有する国際NGO団体として認められており、ローマ教皇フランシスコもUPF議長と接見している。このことを指摘している主流派メディアはあるのだろうか。

 このUPF系の団体として朝鮮半島の平和統一を目指す「シンクタンク2022」が発足している。

 「シンクタンク2022」によって開催された「希望前進大会」の共同組織委員長の一人、潘基文元国連事務総長を中心に人脈が広げられ、丁世均元韓国首相の他、マイク・ペンス前米副大統領、マイク・ポンペオ前米国務長官、ニュート・ギングリッチ元米下院議長、マーク・エスパー前米国防長官、ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会元委員長、フン・センカンボジア首相、国連世界食糧計画(WFP)のデビッド・ビーズリー事務局長などが「シンクタンク2022」発足への祝辞を述べている。さらに潘氏の要請でトランプ前大統領が「希望前進大会」へのメッセージを寄せ、トランプ氏がメッセージを出すなら安倍氏も、という経緯があった。

 こうした事実をもって、安倍氏がメッセージを寄せたことを好ましくないと考える立場はあり得るし、私もその立場である。だが、それでも安倍氏は旧統一教会に対して積極的にお墨付きを与えたいと思ってメッセージを寄せたわけではなく、国際政治における人問関係を重視する中で判断したことについては正しく理解すべきではないか。

 UPF系の行事にメッセージを寄せたことを問題視するのであれば、UPFを公認団体化した国連や教皇自身が接見したバチカンはもっと問題視すべきだが、そんな報道は一切見受けられない。

 中国における宗教弾圧と人権状況を告発するオンライン雑誌Bitter Winter』は、UPFの創設者は旧統一教会と同じだが、UPFが信者獲得のフロントになっている事実はなく、人的関係も必ずしも一致しておらず、両者を単純に結びつけるべきではないとの見方を発信している。その上で、安倍氏暗殺は特定の属性を持つ人間に対する無差別的な暴力であり、許されないヘイトクライムである点も指摘しているが、この重要な視点を日本の主流派メディアが十分に自覚しているとはとても言えない。

まさに魔女狩り

 山口壯前環境相が昨年、旧統一教会に二件祝電を出したことで、「頼まれたら祝電はみんな出すようにしている」と発言、主流派マスコミによって問題視されたが、実務的に考えれば、それほど非難される行為だろうか。

Photo_20220827104901  非難するマスコミ側にしても、例えば朝日新聞が旧統一教会系の世界平和女性連合(WFWP)を好意的に紹介した記事が十本以上あることが指摘されている。毎日新聞や中日新聞、京都新聞、新潟日報、福井新聞、岐阜新聞なども、UPFの関連イベント「ヒースロード」を好意的に紹介する記事を掲載していたことが明らかになっている。マスコミは自分たちが取材した記事については「確認不足でした」で済ましつつ、政治家たちに対しては「知らなかったでは済まされない」と糾弾する。「ズブズブ」という安直な印象操作は問題だ。

 マスコミは数多くの事実の中から、自分たちの主張にとって都合のいいものをピックアップし、主張したい結論に沿って配置する。さらに「善玉」と「悪玉」に峻別し、読者・視聴者を「善玉」の側に寄せながら、「悪玉」とされた側を徹底的に叩く。この魔女狩り的なやり方は「善玉」の側に立つと極めて心地いいものだが、全体主義につながり、警戒すべきである。

 例えば、旧統一教会の田中富広会長と山田達也法務局長が日本外国特派員協会で問いた記者会見を、ワイドショー番組『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)では同時中継し、専門家による「生ツッコミ」が行われた。田中氏が甘頭「犯人とされる容疑者が、当法人への恨みを動機として行動に出たという報道に触れ、私どももとても心重く受け止めております。社会の皆さまにもさまざまにお騒がせしていることに、深くおわび申し上げます」と謝罪すると、「謝ってるポイント違います。あくまでひとごとです」と、コメンテーターの「生ツッコミ」が入った。

 霊感商法や高額な献金、カルト的な体質こそ問題視したいことは理解できる。だが、一方で、田中氏の謝罪内容も十分理解できる範囲ではないか。旧統一教会側の謝罪まで、すべて否定的に取り上げることは、まさに″魔女狩り”である。

 内閣改造と同じ日に記者会見したのは、もちろん世問の注日度をできるかぎり引き下げたいという戦術だろう。だが、ここにも非難の目を向けるのはどうなのか。誰だってその程度の戦術を採用するのは普通のことだろう。そうした人問の弱さについても全否定するのか。

 旧統一教会をかばう気は微塵もないが、マスコミの問題の取り上げ方-とりわけ、その″角度゛については様々な疑問があり、極めて歪んだ報道姿勢であることは言を俟たない。

失われた矜持

 我が国は自由主義陣営側にあり、報道については最大限の自由は認められてしかるべきである。ただ、この自由主義社会を保持するという矜持には節度も要求される。そのバランス感覚を主流派メディアとして持たなければならないのは言うまでもない。

 日本国憲法第十二条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と規定している。「自由及び権利を不断の努力によって保持する努力」を憲法は国民に対して求めている。この努力に対して最も敏感であるべきなのが、マスコミである。だが、この自由主義社会を保持していくという矜持を主流派メディアは持っていないのではないか。

 旧統一教会を追及することや、旧統一教会と政治との関係を扱うことは重要である。だが、その報道によって政治家の暗殺に正当性をりえることは断じて避けなければならない。

 ところが、実際の報道を見ていると、山上容疑者に対する同情が駆り立てられ、旧統一教会の政治に対する影響力が実態以上に大げさに扱われている。むしろ、銃撃によって命を奪われ、テロの被害者である安倍氏のほうが不当に貶められ、哀悼の気持ちが薄まっている。さらに旧統一教会へのバッシングが強くなるだけでなく、安倍氏の国葬に反対する世論が急激に高まっている。

 同情を集められるストーリー性があれば、そのテロ行為によって狙った社会変化を引き起こせることを日本のマスコミは許容している。裁判で判決が出たわけでもないのに、すでに山上容疑者の減刑を求める運動まで始まっている。これは我が国が事実上、テロに屈したとも言える。

 安倍氏がどんな悲劇に見舞われたとしても、安倍氏の社会的評価をなるべく引き下げ、それによって保守派に打撃を加えたいとの思いを、主流派マスコミは持っているのだろう。

 そしてその思いは、テロリストに共感を寄せるような報道は絶対に避けなければならない、テロを再び起こさせないように報道しなければならないという本来持つべき矜持よりも、はるかに強いものであることが今回の一連の報道で露呈した。このあり方は民主主義国家においてあってはならないものだ。

 今更言うまでもありませんが、朝日新聞やその他の左派系メディアが先導し、そのゆがんだ報道のまま、世論形成を企てた例は、過去にも多くあります。「安保法制」や「特定秘密保護法」、「テロ等準備罪」の立法過程での、「戦争につながる」「個人情報を破壊する」と言った、一方的な論理で反対の大合唱を続けてきました。

 しかしそれによる利点や必要性は、何ら斟酌をせずただ単に彼等にとって反対だったこれらの法律も、成立した後はその有効性の元に、抑止力向上効果やテロ対策につながっていることなど、みじんも報道しません。

 「モリカケ」や「サクラ」と同根のこの「旧統一教会」バッシングは、殆ど国や国民の多くの課題の解決につながりません。現在進行形の感染症医療体制や少子化問題、更には食料、エネルギー問題など、今後の国民への死活的問題より、こうした問題に優先順位を置くメディアの姿勢は、日本という国の弱体化に加担しているようにも見えます。特定野党も含め、反日姿勢を強めるこうした集団に轍を踏ませなければ日本は危ういと、この記事を紹介しながら、考えさせられます。

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2022年8月25日 (木)

石平氏が「地獄の入り口に立つ」と表現する、中国の経済停滞の実態

Images_20220825111801  習近平国家主席の3期目が秒読み段階に入っているようですが、足下では恒大集団の経営危機に象徴されるように、不動産バブル崩壊が現実化し、中国の奇跡の成長の終焉を示す、経済的停滞が始まっているという見方が強くなっています。

 その詳細を、中国に詳しい評論家の石平氏が、現代ビジネスに寄稿した記事から読み解きます。タイトルは『中国よこれで「共産主義国」か!不動産経済崩壊で大失業時代到来とは 地獄の入り口に立つ中国経済・その1』で以下に引用します。

地滑り的沈没

7月中旬から8月中旬にかけて、中国国内の各業界や企業、あるいは政府当局が一連の経済関連数字を公表したが、それらを一目で見れば、中国経済全体は今、地滑り的な沈没が起きている最中であることが分かる。

例えば7月11日、中国汽車(自動車)工業協会が発表したところによれば、今年上半期、中国全国自動車販売台数は1205.7万台、前年同期比では6.6%減となった。

「6.6%減」は数字上では大きなマイナスではないが、裾の広い自動車産業が経済全体に占めるウエートの大きさからすれば、自動車市場の衰退は中国経済にとっての大打撃であることに変わりはない。

7月21日、国内各経済紙が報道したところによると、今年上半期、中国3大航空会社の中国国際航空・東方航空・南方航空は合わせて470億元(約9150億円)の赤字を計上したという。ゼロコロナ政策による人的流動の制限もあって、中国の航空業界は今、未曾有の大不況に見舞われているのである。

IT大手、利益半減

8月10日、中国を代表するIT大手のアリババグループは今年第2四半期の営業成績を発表した。グループ全体の純利益は前年同期比で53%減となったことがこれで判明された。

同じ日に、国内各経済紙が一斉に、アリババに関するもう1つの重大ニュースを伝えた。今年上半期、グループ全体は何と、1万3616人の従業員を解雇したという。言ってみれば利益半減の中で大リストラを断行したわけであるが、アリババが大苦境に陥っていることはこれでよく分かる。

8月12日、今度は中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が上半期決算を発表した。売上高は前年同期比で5.9%減となった一方、純利益は前年同期比ではなんと52%減となった。そして8月17日、アリババと並ぶIT大手テンセントも第2四半期の営業成績を発表したが、純利益は前年同期比で56%減となった。

このようにして、中国を代表する先端企業の超大手のアリババ、ファーウェイ、テンセントが揃いに揃って「利益半減」の憂き目にあったのはまさに前代未聞の深刻事態、中国経済全体の沈没ぶりを表しているのである。

ファーウェイといえば主力製品の1つはスマートフォンであるが、中国のスマートフォン市場も今は縮小中である。8月17日、有力経済紙の毎日経済新聞が報じたところでは、国内調査機関発表によると、今年第2四半期、全国スマートフォン(知能手機)の販売台数は前年同期比で14.2%減となったという。しかもそれは、最盛期の2016年第4四半期の販売台数からの約半減である。

若年失業率20%超

個別の企業や業界の衰退ぶりはさることながら、経済全体の沈没を示すいくつかの重要数字も8月になって公表されている。

8月12日、中国人民銀行が発表したところでは、7月に全国で行われた人民元融資の総額は6790億元、それは前年同期比で約38%減となったという。人民元融資の大幅減は当然企業活動の衰退と投資意欲の低減を意味し、経済全体の沈没を示す格好の数字の1つである。

そして8月15日、中国国家統計局が発表したところによれば、7月においては、16〜24歳若年層の失業率は19.9%に上り、前月より0.6%上昇したという。政府当局が2019年8月にこの統計数字の公表を始めて以来の最高記録である。

もちろんこの「19.9%」という数字にも人為的操作の疑いがあろう。20%を超えないように、ギリギリの線で数字を操作しているかのように見えからである。16〜24歳若年層の実際の失業率はおそらく、20%以上になっているのではないかと思われる。

以上は、7月初旬から8月中旬にかけて中国国内で出回っている一連の経済関連数字を時間列で並べてみたところだが、中国を代表する大企業たちの利益半減にしても、自動車業界や通信機器業界が遭遇している深刻な販売不振にしても、そして金融市場の冷え込みや若年層の失業拡大にしても、諸々の数字が表しているところはすなわち、中国経済全体の深刻な落ち込みぶりである。

中国経済の屋台骨は今、音を立てて崩れている最中である。

「ゼロコロナ政策」が主な原因ではない

問題は、これほど深刻な経済沈没をもたらした要因は一体何だろうか、である。

習近平政権が強行している「ゼロコロナ政策」は当然、要因の1つであろう。今年4月と5月、中国屈指の経済大都会である上海がまる2ヵ月間ロックタウンされて生産・消費活動がほぼ完全に止まった。それが上海だけでなく中国経済全体に与えたダメージの大きさが簡単に想像できよう。

しかしだからと言って、ゼロコロナ政策は中国経済沈没の主因であるとは思えない。今年に入ってから、ロックダウンされたのは上海などの一部の都市であって大半の都市部がロックタウンを経験したことはない。そして上海ロックタウンが解除された6月初頭以後、ゼロコロナ政策は事実上緩和されることとなって重要都市のロックタウンは一度も実行されたことはない。

こうしてみると分かるように、中国経済沈没の主因、特に7月の若年層失業拡大で示されたような沈没の加速化の主因はやはりゼロコロナ政策ではない。

不動産市場と不動産開発業の崩壊

ならば、中国経済をダメにしている主因、つまりその「元凶」は一体何ものなのか。これについては、筆者の持論として1つ申し上げると、不動産市場の急速な冷え込み、それこそは、中国経済全体の沈没をもたらした最大の元凶なのである。

ここではまず、中国政府当局が8月に公表した一連の不動産関連数字を見てみよう。

8月15日、国家統計局はまず、今年に入ってからの不動産市場の大不況を示すいくつかの数字を発表した。今年1〜7月、全国住宅販売面積は前年同期比で27.1%減となって、売上高は前年同期比で31.4%減となった。そして個人による住宅ローンの借り入れ総額は前年同期比では25.2%減となったという。

その一方、今年1〜7月、全国で行われた不動産投資総額は7万9400億元で前年同期比6.4%減。そして住宅竣工面積は前年同期比22.7%減、住宅新着工面積は前年同期比で36.8%減となったわけである。

上述の6つの数字を合わせてみると、今年に入ってからの中国の不動産市場と不動産開発業の惨状は手に取るように分かるのであろう。

不動産市場が急速に冷え込み、住宅を中心に不動産が売れなくなった結果、不動産投資が減り、住宅の新着工面積が激減する。このような現状は、「不動産バブルの崩壊」というよりも、不動産市場と不動産開発業の崩壊の始まりであると言って良い。

不動産投資の上に成り立っている国

そしてこのことこそは、現在の中国経済沈没を作り出した最大の要因ではないかと筆者の私が見ているのである。

例えば2021年、中国全国で行われた不動産投資の総額は14.14兆元(約283兆円)であって、それが同じ21年の中国の国内総生産(GDP)の14%以上を占めている。一国のGDPの14%以上が不動産開発投資によって作り出されているとはまさに世界経済史上前代未聞の話であるが、不動産投資の波及効果を考慮に入れるとその割合はさらに大きい。

実際、「波及効果を計算に入れると不動産投資は中国のGDPの3割程度を作り出している」というのは、中国国内の経済学者たちが公の場でよく口にする台詞の1つであって、いわば常識の部類に入るものである。

だからこそ中国では、不動産開発業が経済を支える「支柱産業」だと普通に呼ばれているが、そうであれば不動産市場と不動産開発業の不況は中国経済全体に与える悪影響は極めて大きい。

前述のように、今年に入ってから不動産は以前のように売れなくなって不動産開発投資と新着工面積が大幅に減少することとなると、経済全体は大きく落ち込む以外にない。「支柱産業」が傾いたら経済全体が沈没していくのは当然のことであろう。

中国の長期停滞が始まった

さらに大きな問題は、中国における不動産市場と不動産開発業の衰退が、今後の長期的傾向となっていくことにある。長年において膨大な不動産投資が行われてきた結果、今の中国では住宅を中心に不動産が作り過ぎで完全に飽和状態となっている。

国内の一部経済学者が「中国全国で既に34億人の住む分の住宅が出来上がっている」と公言していることからしても、「深刻な住宅過剰」は疑う余地のない事実であることが分かる。

このような状況の中で住宅を中心に不動産がいずれか売れなくなるのはもはや時間の問題である。昨年の恒大危機で露呈した開発業者たちの債務問題が表面化して不動産そのものへの信用が落ちてくると、今年になってからはやはり、「不動産が売れなくなる」ことは目の前の事実となっている。

その一方、若年層の失業が拡大し経済全体が落ち込む中では不動産市場のさらなる衰退は避けられない。つまり、不動産市場の繁栄が不動産投資の拡大を生み出し、不動産投資の拡大が経済の成長を支える、という今までの成長モデルそのものがすでに崩壊してしまい、構造上の問題としての不動産市場の止まらない衰退に伴って、経済の落ち込みの継続化は避けられない。

そして不動産市場の衰退はさらに進むと、経済全体において景気はより一層悪化して失業がさらに拡大する、という悪循環が発生してくるから、中国経済は今後より一層の冷え込みに見舞われ、まさに「地獄」へと落ちていく方向に進んでいくのであろう。

 日本のバブル崩壊も、株式等の資産の暴騰の終焉もありますが、その大きな部分は不動産に起因しています。30年遅れで中国にもその波が襲ってきているのでしょう。人口のピークアウトも同時に発生しているのも同様です。

 これからおそらく中国にも、不況の嵐が吹き始める可能性は大きいと思われます。不動産関連で言えば、人口の3倍もの住宅が作られた中国の方がより深刻でしょう。独裁国家ですから、仮に地方の財政を補うため、さらなる住宅やインフラの投資を続けることができても、将来大きな付けとなって経済に跳ね返ってくることは間違いありません。

 輸出で稼いだ資金で国内に過剰な投資をしてきたのですから、この先国内産業の衰退で輸出が停滞していけば、中国の未来は暗澹たるものになるでしょう。今がその過渡期です。日本企業はそのことを念頭に、中国に依存しない体制を敷くようにしていく必要があります。

 ホンダが部品の中国依存から脱する決断をしたのは、その先駆けとして大いに賞賛すべきでしょう。「ホンダに続け」、それが日本企業の合い言葉になるよう期待したいですね。

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2022年8月23日 (火)

韓国を襲った未曾有の洪水被害で浮かび上がった、経済の危ない現実

10_20220823100501  今回は久々に韓国の話題です。8月の初旬韓国では未曾有の豪雨に見舞われました。日本でも近年豪雨被害は毎年のように発生していますが、韓国の豪雨は日本ほど騒がれていませんでした。そうした中での今回の豪雨、かなりの被害を出したようです。

 韓国系企業に勤務の経験を持つフリーライターの田中美蘭氏が、現代ビジネスに寄稿した記事から引用します。2記事続けての寄稿で、タイトルの一つは『「日本に勝った」韓国で、国民から“不満が大噴出”…!悲劇の「豪雨災害」で浮かび上がった「深刻な問題」』、もう一つは『韓国が騒然、豪雨で「半地下住宅の悲劇」…!あの「映画『パラサイト』の光景が現実になった」という、韓国経済の“危ない現実”』です。以下に引用して掲載します。

韓国「豪雨」の悲劇

熱波や洪水、干ばつなど世界で異常気象が続く中、ここ韓国でも先日、観測史上最高となる雨量を短時間で記録し、首都ソウルを中心に甚大な被害が出た。

大量の雨は都市の姿を一瞬にして変え、自然の前に都市機能がいとも簡単にダメージを受ける様子をまざまざと見せつけられた。

各地で未知なる自然災害が頻発する近年、いかに被害を食い止め、事前の予報や告知を行っていくかという課題は年々大きくなっている。

もともと、今年の韓国は雨量が平年と比べて少なく水不足の懸念もされていた。

現在、韓国国内をツアー中のPSY(サイ)のライブでは「びっしょりショー」というタイトルの通り、大量の水を客席に向けて放水する演出が話題を呼んでいる反面、「水不足の時期に水の無駄使いをするとは何事だ」という批判も出ていたほどだ。

このように、当初は水不足から農作物への影響も心配されていた矢先、8月8日の夕方、ソウル及び、首都圏である京畿道(キョンギド)を中心に降り始めた雨は急速に雨足が強まり、降水量が1時間に100mmを超える地点が続出した。

また、帰宅ラッシュと豪雨が重なったことも被害を大きくした。

豪雨が浮かび上がらせる「深刻な格差問題」

一等地で人気エリアの江南では、多くの車が腰の高さほどまでの大量の雨水が流れ込往生をした。

また、雨水は地下鉄の駅構内や建物の地下にも雨水が押し寄せ被害を及ぼす結果となった。

江南が洪水に見舞われている光景に衝撃を受けた人も多かったが、もとは江南をはじめとするソウルの南部は海抜も低く水はけの悪い地域であったことから、今回の豪雨での被害は起こるべくして起こったとも言え、2019年に関東地方を襲った台風19号でやはり人気エリアの武蔵小杉が水害の被害にあったことを思い出させた。

もともと韓国経済をめぐっては格差拡大に国民の不安が高まっていた中、今回の豪雨災害では半地下住宅の住民の被害が報じられるなど、災害がさらに格差問題をクローズアップさせている側面は見逃せない。

人命や物損被害の爪痕は大きい上、ソウル近郊の農地でも被害が出たことで農作物の不作や高騰が予想される中、来月に控えた旧盆の秋夕(チュソク)さらには冬のキムチジャン(キムチ漬け)などにも影響を及ぼすことから、さっそく国民の不満がさらに噴出している。

一人当たりGDPで日本を追い越すとして「日本に勝った」「日本を超えた」との声も出ていた矢先、災害への弱さに加えて、ここへきて韓国経済が抱える深刻な問題が浮上してきた形といえるだろう。

ある家族3人の「悲劇」

8月11日現在、今回の豪雨による被害は死者12名、行方不明者7人、被害家屋3,796棟、避難者は約6,000人と発表されている。

増水によって川辺の公園や遊歩道が水没した漢江や支流の川では水が引き始めているものの、以前として流れが速い上に木々や該当、看板がなぎ倒されてその勢いの激しさを物語っている。

また、道路の通行止め区間には、水没の被害を受けた車がいまだに放置されているほか、地下鉄も一部区間での運休や、エレベーターやエスカレーターが使用できず高齢者や障がい者の駅の利用に困難をきたすなどまだまだ被害が続いている。

そして、今回の豪雨で「悲劇」として伝えられているのが、ソウル市内の半地下住宅に住んでいて家族3人が犠牲となったことである。

映画「パラサイト」の光景が現実になった、と…

死亡した40代の女性2人は姉妹で、姉には障害があり、妹には10代の娘がいた。

また、姉妹の70代の母親もこの半地下住宅で暮らしたものの、最近は体調を崩し入院中であったために今回の難を逃れたという。

自宅にいた3人が外に出ようとした時には既に玄関の扉は水圧で開かず、また、窓からの脱出も狭い上に防犯のために取り付けられている格子によって阻まれたことが命を落とす結果となり、壮絶な状況を想像しただけで胸が締め付けられる。

半地下住宅はボン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演でアカデミー賞も獲得した『パラサイト・半地下の家族』で一躍注目を集め、世界に知られることとなった。

映画でも、一家の半地下住宅が大雨に見舞われ、水浸しになるシーンがある。命からがら家から脱出した家族が近所の待避所(避難所)で一夜を明かすシーンが描かれている。

映画の影響もあり、半地下住宅は「格差社会の象徴」のように語られるが、もとは朝鮮戦争時の倉庫や防空壕の役割を果たしていたこと、さらに、1980年代の韓国の経済成長で都市部での住宅需要に対応するために半地下の部屋を備えた建物が多く建設され「家賃が安い」といった理由などから当時は人気を集めていた。

しかし、老朽化や再開発による取り壊しで半地下住宅は減少を続け、現在では低所得者が居住する場所というイメージが定着していた。

今回の被害を受けて政府は今後、地下、半地下を住居目的として建築することは法律で禁じることを発表した。

自然災害への「耐性」

日本と比較して韓国はもともと地震もないとされ、雨や台風といった自然災害は多くないというイメージであった。

実際には雨量については、東京の年間降水量が1,528mmであるのに対し、ソウルは1,233mmである。このため、韓国の人々の間では「自然災害は少ない」と危機意識が薄いという印象を感じていた。

自然災害に限らず停電や断水など日常生活における緊急時の備えの大切さを日本の感覚で伝えても「大げさな」という反応で返され、笑われることも多かった。

しかし、2016年9月に南東部の慶州(キョンジュ)、2017年11月にやはり南東部の浦項(ポハン)でそれぞれM5.8とM5.4のこれまでで韓国内で観測された最大規模の地震が起きた。

地震の揺れは第2の都市・釜山でも感知され、地震の揺れに慣れていない人々は半ばパニック状態となった。

「半地下家族の悲劇」を繰りかえさないために

釜山在住の日本人に当時のことを聞くと、居住する高層アパートでも揺れを感じたものの、日本での地震と比較すれば大したことはなく慌てることはなかったものの、周囲は地震に対する恐怖心を隠しきれない様子であったという。

またアパートの緊急放送で「この建築物は耐震設計をしているので落ち着いてください」というアナウンスが流れたものの、「日本のような大地震を経験したことがない韓国でいくら『耐震設計がしてある』と言われても説得力に欠ける」という意見を聞いてなるほどと思った。

この時の地震を期に韓国内では学校や公共施設を自然災害時の退避場所として指定し、表示などを義務化するようになった。

また、各自治体による携帯電話への注意喚起も行われるようにはなっている。

しかし、今回の豪雨では注意喚起だけでは不十分であることが浮き彫りとなり、前項の半地下住宅の家族の悲劇も日本のようなメディアや自治体を通じた避難勧告があれば防げたかも知れず、悔やまれる。

新たに浮上した「課題」

今回の豪雨は新たに災害への退避勧告の基準を整えて行くことや、災害に対応した住居や都市部の治水対策などが課題になったといえる。

世界各地で例を見ない異常気象やそれによる災害が起こっていることを鑑みれば「韓国は大丈夫」という正常性バイアスはもはや通用しない。

時間をかけてでも意識を変えて自然災害に備えていくしかないだろう。

 災害列島日本では、地震や台風での災害の対応が、おそらく世界でもトップクラスのレベルに達していると思われますが、これは毎年のように発生する大地震や風水害の経験に基づく、対策に対する知恵のなす業でしょう。

 しかし韓国に限らず、もともと災害の少ない国にとっては、近年の地球温暖化によると思われる異常気象による天候異変は、未曾有の経験となり、対応に苦慮しているに違いありません。

 そこで今後日本はこの災害対策施策やグッズが、競争力のある商品となり、復旧支援もかねての大きな戦略商品の一つになるものと思われます。自然災害ではありませんが、将来ウクライナへの復興支援も必要となるでしょうから、重機販売や建設業への仕事も増えることが予想されます。

 ところで韓国の所謂「格差問題」や少子化問題、また前文政権の残した不動産価格高騰問題など、韓国を取り巻く経済的な下押さえ要因は多く、中国同様もはや経済的ピークを過ぎたのかも知れません。何度も取り上げていますが、円安を契機に中韓に進出している企業の国内回帰が急がれるように思いますね。

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2022年8月22日 (月)

日本の宗教と政治の問題、中国の見方は? そこから見える中国の本音。

9_20220822102501  現在メディアを騒がせている旧統一教会問題(勝手にメディアが騒いでいるのでしょうが)。中国の目からはどう映っているのでしょうか。Record China誌に掲載された記事から引用して紹介しましょう。

 いくつかの団体が紹介されていて、旧統一教会に関する部分はあまりありませんが、殆どが批判的に紹介されている中で、やはり「創価学会」は好意的に捉えられているようです。記事のタイトルは『日本の内政・外交政策形成で宗教が重要な力を発揮、創価学会には好意的―中国共産党系紙』です。

安倍元首相の銃撃事件に関連して中国共産党系紙は日本の政治と宗教の関係を取り上げ、「内政・外交政策の形成で宗教が重要な力を発揮」と報じた。創価学会については好意的な見方を示した。

安倍晋三元首相の銃撃事件でクローズアップされた日本の政治と宗教の関係を中国共産党系紙が取り上げ、「内政・外交政策の形成で宗教が重要な力を発揮」と報じた。公明党の支持母体である創価学会については「自民党の憲法改正の狙いをある程度けん制」と好意的な見方を示した。

共産党機関紙・人民日報系の環球時報は「日本国憲法は政教分離を明記しているが、戦後の歴史を振り返ると、日本の政界と宗教団体は一線を画するのではなく、互いに利用し影響を及ぼしている」と指摘。「戦後日本で長期的に政権運営しているのは自民党であり、安倍氏も戦後の在任期間が最長の首相になった。この背景があり、自民党および安倍氏と保守的な宗教団体との関係が日本の政治に大きな影響を及ぼした」と続けた。

同紙が影響力のある団体として列挙したのは「日本会議」に加え、「神道政治連盟」「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」「創価学会」など。日本会議については1997年に「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」を統合して結成された日本最大の保守団体で、「憲法改正と首相による公式な靖国神社参拝を求め、東京裁判を否定し、『女性宮家』の創設に反対している」と説明した。

神道政治連盟に関しては「神社本庁を母体とし、その政治的主張には天皇の権力の強化、憲法改正、政府当局者による靖国神社参拝、学校での神道による道徳教育の実施などがある」と言及。連盟の公式サイトの統計によると、2022年に「神道政治連盟国会議員懇談会」に出席した議員は264人に上ると付け加えた。

記事は「大きな力を持つ神道政治連盟と日本会議は、日本による近年の政治右傾化の重要な推進者だ」と断言。「その影響を受け、安倍氏は首相再任後に集団的自衛権を解禁し、新安保法を可決し、さらには『日米防衛協力のための指針』に署名した」とした。中央民族大学歴史文化学院の学者である羅敏氏は「日本のハイレベル政治家がアジアの隣国の感情を傷付けることも顧みずたびたび靖国神社を参拝しているが、これらの動きの裏側には宗教の日本政治への大きな影響力が隠されている」と述べた。

Images-9_20220822102601 一方で環球時報は「創価学会は日本会議や神道政治連盟と異なり、改憲や歴史などの問題で慎重な態度を示している。命の尊厳の思想を根本とし、平和・文化・教育を促進し、人類の幸福を祈ることを宗旨としている」と報道。「学会の政見は公明党を通じ示される。例えば公明党は改憲の問題をめぐり慎重な立場を維持しているが、これは自民党の改憲の狙いをある程度けん制している」と論評した。(編集/日向)

 旧統一教会への評価は何もありませんが、それはこの教会が「反共産主義」を掲げた部分に触れたくなかったからかも知れません。しかしなんと言っても創価学会を礼賛している点で、親中の姿勢をとり続ける公明党を持ち上げていることが分かります。

 中国は日本の保守勢力を支える思想が、神道や皇室中心主義にあるとし、戦前の日本に先祖返りをすることを恐れているようです(おそらく国内向けであり、口先だけと思われる)が、本質的には日本の保守の源流は、戦前から続く「反共思想」(つまり非民主独裁)であり、そのことを敢えて覆い隠しているのかも知れません。

 いずれにしろ中国に親しく思われている創価学会・公明党は、憲法改正にも、抑止力強化にも及び腰で、日本の将来を考えた場合、自民党の連立与党として相応しいのか、再考する必要があります。

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2022年8月21日 (日)

かつてのテレビ、半導体に続き「太陽電池、EV、車載電池」、何故負け続ける日本企業

7_20220821103801  バブル崩壊後、失われた30年という言葉が巷間飛び交うように、日本の経済力の減退が現実となってきています。それは少子高齢化による労働力の減少の所為だけではないようです。

「戦略の欠如」、前のブログでは、中国との間の国家レベルでの戦略の格差を取り上げましたが、今回は企業レベルの戦略性の欠如が、企業競争力の大きな壁となっている実態を取り上げます。

 東京大学社会科学研究所の丸川知雄氏が、ニューズウィーク日本版に寄稿した記事を引用して紹介します。タイトルは『肝心な時にアクセルを踏み込めない日本企業』です。

<太陽電池、EV、車載電池──技術開発で先行しながら市場拡大の波に乗れずに敗退する理由は何なのか>

前回の本コラムで、日本企業が太陽電池、電気自動車(EV)、車載電池の分野において世界に先行して事業化していながら、世界で需要が急増する肝心な時になって、なぜか生産能力の拡大に消極的で、後発の外国メーカーにどんどん追い抜かれていることを指摘した。

すると読者のなかから、この続きが読みたいという反響が寄せられた。なぜ日本企業は肝心な時に事業拡大のアクセルを踏み込めないのか? 実は、この問題に対して私よりも的確な答えを出してくれそうな人が日本には軽く数百人はいる。つまり、日本企業と経営学に詳しい専門家たちである。専門外の私としては「答えは日本企業の専門家に聞いてください」と言って済ませたいところであるが、それではやや無責任な感じもするので、今回はまず専門家の意見を紹介したい。

戦略不全の病

とりあげるのは、ひと昔前の本であるが、三品和広『戦略不全の論理』である(三品、2004)。本書によれば、多くの日本企業が低収益に甘んじているのは、経営戦略が欠けているからである。戦略とは、大きな収益が期待できる事業分野を見つけ出し、あるいは作り出し、そこに会社の資源を注ぎ込むことである。創業経営者が経営を握っている時は、日本企業も戦略的に事業分野を選択し、高収益を得ていた。しかし、経営者が代替わりしてサラリーマン経営者になると、経営から戦略性が失われてしまう。

こうした戦略不全の病に対処するためには、日本企業は経営者を育成しなければならない、と三品教授はいう。つまり、事業観を持ち、大局的な経営戦略を立案し、実行できるような人物である。従来の日本企業の人事システムでは営業、製造、開発と言った職能部門の部門長までは育成できるが、会社全体の戦略を考えられるような経営の専門家を育成する仕組を持たなかったという。

三品教授の議論は理論に裏打ちされているうえに、多くの日本企業の実態を踏まえており、説得力がある。ただ、三品教授の分析を、私が提起した問題に対する答えとするにはやや問題設定が大局的すぎるように思う。私が挙げた3つの事例、すなわち太陽電池、EV、車載電池において、日本企業は事業分野の選択を誤ったわけではないからである。

この3つの事例に関しては、日本企業は将来性のある事業分野を見つけ出すことに失敗したわけではなく、それどころか、日本企業こそが太陽電池を日常使う電気の発電源とする、EVを量産化する、リチウムイオン電池をEVの駆動用電池とするという事業を軌道に乗せるうえでパイオニア的な役割を果たした。

ところが、事業の赤字を長年我慢して開発に力を注ぎ、いよいよ世界で需要が立ち上がってきて、後発の外国のライバルたちがアクセル全開で大規模な投資に踏み切ろうとしているときに、日本企業はなぜかいつもクールに構えているのである。事業分野の選択という大局的な戦略では大成功したのに、どのタイミングで大規模な投資に乗り出すのかという戦術的判断において日本企業は外国のライバルとは異なる判断を下す。

8_20220821104001 太陽電池の生産量において2006年まで世界のトップを独走していたシャープは、その後の5年間で世界での年間太陽電池導入量が22倍に拡大するなかで、生産量をわずか2倍に増やしただけだった。そのため、後発のドイツ、アメリカ、中国のメーカーにどんどん追い抜かれ、2011年には世界10位にまで後退してしまった。

こうして世界市場の爆発的拡大というチャンスを逸したシャープの幹部が2011年秋にどのような戦略を描いていたかというと、「中国メーカーがなかなか追いつけないような匠の世界を目指す」というものだった(丸川、2013)。

この言葉が何を意味するのか、いま一つ明確ではないが、おそらく高度な製造技術を用いて製品差別化を図るということを言おうとしたのだと思う。だが、もし世界の太陽電池市場がすでに飽和していて、企業間で限られた市場のパイを巡って争わなければならない状況であれば製品差別化は有効であったかもしれないが、2011年時点では世界の太陽電池市場はまだそのような状況になかった。なにしろ5年間で22倍という急成長が起きていたし、2011年3月に東日本大震災と福島第一原発の事故が起きたことで、国内外で太陽光発電への期待が膨らんでいた。実際、その後の6年間で世界の太陽電池市場はさらに3.3倍に拡大した。

足りない能力増強資金

つまり、2011年の時点でも求められていたのは太陽電池産業の量的拡大であった。そのような時期に製品差別化戦略を打ち出すのは「奇策」というほかない。シャープに戦略が欠落していたというよりも変な戦略を採っていたのである。

市場が量的拡大を求めている時に、日本企業はなぜ生産能力の増強というごく普通の経営判断ができないのだろうか。それは外国のライバル企業に比べて投資の資金が不足していたからである。

外国のライバルは、例えば太陽電池におけるQセルズ(ドイツ)、サンテック(中国)、ファーストソーラー(アメリカ)、EVにおけるテスラ(アメリカ)、BYD(中国)、車載電池におけるCATL(寧徳時代・中国)、LGエナジー(韓国)など、いずれも当該分野に特化した専門メーカーである。

このように外国企業はみな当該分野と心中する覚悟で臨んでいる。それに対して、日本企業の場合は、総合電機メーカーのシャープやパナソニック、ガソリン自動車をメインとする日産や三菱自動車など多角的な経営を営む大企業がいわば片手間に新事業に取り組んでいるのである。

専門メーカーの場合、当該産業が投資家たちの注目を集めることに成功すれば、株の新規上場(IPO)や増資によって投資資金を調達することが可能になる。実際、中国の太陽電池メーカー、サンテックは2005年12月にニューヨーク証券取引所に株を上場し、一気に4億ドルの資金を獲得した。これに刺激されて2006年から2007年にかけて中国の多数の太陽電池メーカーがニューヨーク証取やナスダックに株を上場して資金を調達した。

太陽電池より液晶パネルに注力

一方、総合電機メーカーの一事業部として太陽電池を作っていたシャープなど日本メーカーは株式市場での太陽電池ブームに乗ることができなかった。投資家の側から見れば、シャープが太陽電池のトップメーカーだと分かっていても、多数の事業部を抱えるシャープに投資した場合に果たしてその資金がどの事業に回るのかわからない。実際、当時シャープが力を入れていたのは液晶テレビや液晶パネルであり、太陽電池は二の次、三の次であった。そのような事情のため、太陽電池に将来性を感じる投資家の投資対象として日本メーカーは選ばれないのである。

ただ、2009年からヨーロッパでの太陽光発電に対する買い取り優遇政策の取り消しなどにより太陽電池産業の雲行きが怪しくなり、太陽電池専門メーカーの株価は低迷した。中国の太陽電池メーカーは2010年から国家開発銀行などの融資を得るようになったが、各国の政策の変化に翻弄され、有力メーカーだったサンテックや江西賽維LDKが破産した(李、2018)。太陽光発電は各国での買い取り優遇政策のさじ加減によって需要が大きく変化するため、トップメーカーとして需要拡大の波に乗った企業ほど激しい落ち込みによって打撃を受けてしまった。ブームに乗って事業を拡大することは、ブームが去ったときに破産するリスクも背負い込むことになる。

もっとも、20年間の急速な発展を経て、今では太陽光発電のコストは火力発電にも対抗できる水準にまで下がっている。太陽光発電が買い取り優遇政策に頼らなくても事業が成り立つ時代が到来したため、今後政策のさじ加減によって需要が激しく変動するようなことはなくなるであろう。

EVと車載電池に関しては、株式市場でのブームは今も続いている。そのことは各社の株式時価総額を見れば明らかである。例えば、テスラは2021年の自動車(EV)生産台数が93万台と、トヨタの10分の1にも満たなかったが、株式時価総額は9606億ドルで、トヨタ(2182億ドル)の4倍に近い。また、BYDの2021年の自動車販売台数は73万台で、日産(382万台)の5分の1以下だったが、時価総額は1254億ドルで、日産(154億ドル)の8倍以上である。

「これからEVの時代が来る」と予測した投資家は片手間でEVをやっている日産やEV化に取り組むのかどうかあやふやなトヨタの株よりも、EVと心中する覚悟を見せているテスラやBYDの株を買うということである。であるのならば、日産もEV事業を独立の子会社として切り分け、株の3割程度は保有し続けるとしても、残りの株を一般投資家に売って資金調達すれば、EV事業を大きく羽ばたかせることができるのではないだろうか。

車載電池トップから落ちたパナ

車載電池でも同様のことが起きている。2016年まで世界の車載電池産業のトップであったパナソニックは電池以外に家電、住宅設備、自転車、パソコン、電子部品、産業用機械など非常に多くの製品分野を手掛ける多角経営を行っている。そのため、車載電池に将来性があると感じた投資家といえども、パナソニックの株を買うのには二の足を踏むだろう。

一方、CATL(中国)は車載電池に特化している。CATLはパナソニックよりも後発のメーカーだが、積極的な増資による資金調達によって事業をどんどん拡大し、世界トップの車載電池メーカーとなった。その時価総額はいまや1883億ドルと、パナソニック(197億ドル)の10倍に近い。

韓国のLG化学も車載電池の有力メーカーだったが、CATLに対抗するために、車載電池部門をLGエナジーという子会社として切り分け、2022年1月に韓国の証券取引所に上場した。それによってLGエナジーは1兆2000億円を調達し、主に北米での工場増設に投資するという(日経XTech、2022年1月28日)。LGエナジーの時価総額は822億ドルで、パナソニックの3倍以上である。

優れた研究開発能力を持ちながらも長年低迷してきたパナソニックは、ようやく旧来の企業体制では新事業の足を引っ張るばかりだということに気づいた。パナソニックは、2022年に持ち株会社のパナソニックホールディングス株式会社と、8つの事業会社に会社を再編した。事業会社の一つは電池を専門とするパナソニックエナジー株式会社である。今後、パナソニックエナジーを株式市場に上場すれば、パナソニックの一事業部にとどまるよりも多くの資金を調達して積極的な投資を展開できるようになる可能性がある。ようやくパナソニックの電池部門もCATLやLGエナジーなどのライバルに対抗するためのスタートラインに立ったといえよう。

──最後に、本稿の議論をまとめる。

1. 日本企業は将来性のある事業分野を見つけ出すという意味での戦略を誤ったわけではない。むしろ、その研究開発能力を生かして将来性のある分野を的確に見出し、それを事業として成り立たせるまで育てるうえで日本企業は世界的に見ても大きな貢献をした。

2. しかし、新分野が事業として採算がとれる見込みが立ち、外国のライバル企業が一斉に投資拡大のアクセルを踏み込んでいる時に、日本企業は投資に消極的である。

3. それは市場が量的拡大を求めている時に差別化を目指してしまうといった戦術的な判断の誤りに起因する部分もあるが、日本企業には量的拡大を目指そうにもその資金が足りないという事情があった。

4. 外国のライバルが株式市場でのブームを追い風に新規上場や増資によって資金を調達しているのに対して、日本企業の場合は、多角経営を営む大企業の一事業部として新事業が取り組まれていることが資金不足の原因である。

5.新しい事業分野が投資家の期待を集めているのに、社内の資金が足りなくて投資拡大のアクセルを踏み込めないのであれば、新事業を子会社として切り分け、株式市場に上場するべきである。

 規模の拡大や多角化、あるいは集中、ニッチ戦略など、企業戦略にはいろいろあるようですが、最近の先端技術の応用分野では、やはり集中戦略と短期大規模投資戦略が必要なようです。

 丸川氏も述べているように、日本企業は開発段階で先行した技術開発商品を、市場投入の時点で集中投資戦略を採らず、あっという間に市場シェアを失った例が、多く見られるようです。かつての半導体やテレビ、パソコン、携帯電話などの家電製品の二の舞、三の舞を続けています。所謂投資への思い切りと集中化に決定的な後れを取っているのです。

 ある意味日本企業の特質、つまり慎重な企業態度が、それを作り出していると言えるでしょう。つまりリスクテーキングに弱い。それは政治から、官僚から日本全体を覆うトラウマのようなものかも知れません。かつての本田宗一郎氏や松下幸之助氏のような、チャレンジャー魂のあふれた経営者の登場を願ってやみません。

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2022年8月20日 (土)

止められるか中国に盗まれる重要技術、極めて重要な「経済安全保障」の枠組み

Images-8_20220820101401  日本の技術が他国、特に中国に流出しているという話が、以前から取り沙汰されています。流出の中身は漏洩、窃取そして持ち出しなどがありますが、ハッキングなどの手段やスパイ行為など、多くは違法な形での流出となっています。いずれにしろそれが中国の軍事技術に応用されている実態もあり、安全保障上ゆゆしき問題となっているのが現実です。

 こうした状況の中、「経済安全保障推進法」が成立し、経済安全保障所管大臣に高市早苗氏が就任、遅まきながら対応に向けて動き出しました。これまでの流出の実態とその影響、今後の課題を日本戦略研究フォーラム政策提言委員の平井宏治氏が週刊新潮に寄稿しているので引用して紹介します。タイトルは『中国の「極超音速ミサイル」に日本の最先端技術を流用か 注意すべき「スパイ留学生」の実態』です。

 すべての人民にスパイ行為を、また外国企業には技術移転を強要する中国。かつての“世界の工場”は、経済面でも日本や西側諸国の深刻な脅威と化した。日本戦略研究フォーラム政策提言委員の平井宏治氏が、我が国が直面する経済安全保障リスクの現実を解説する。

 ***

 去る5月11日、「経済安全保障推進法」が参議院本会議にて賛成多数で成立した。(1)半導体などの重要物資を安定的に確保するサプライチェーンの強化(2)サイバー攻撃を想定した電気や鉄道など14分野の基幹インフラに関する事前審査(3)宇宙や量子などに関連する先端技術開発における官民協力(4)原子力や自衛隊の装備品に関する特許の非公開という四つの骨子からなる法は、今後の日本の安全保障環境に大いに資することは明白だ。

 にわかに注目を集める「経済安全保障」とは何か。法案の狙いとその課題を検証する前に、法整備が急ピッチで進められた背景を振り返っておきたい。

 覇権主義国家と化した中国は、日本をはじめとする西側諸国が持つ高度な技術の取り込みをもとに、急激かつ圧倒的な軍事的拡大を進めている。国際法をものともせずに「力」による世界秩序の変更を目指すかの国の脅威は、いよいよ我が国の安全保障に留まらず、一般庶民の日常生活にも影を落とし始めているのだ。

経済面における安全保障が必要な最大の理由

 例えば、コロナウイルスの感染が日本で広がった一昨年のことを思い起こしてほしい。街中のドラッグストアから、マスクや消毒用アルコールが忽然と消え、医療用手袋、ガウンといった医療関係者の必需品が手元に届かない事態が生じた。それにより、各地の医療現場では手術どころか診療もままならない事態に陥った。

 その理由は、日本で使用されている医療用手袋などの9割以上が中国製に頼っていたからだ。当時は「サプライチェーンの問題」と繰り返し報じられたから、ご記憶の方も多いだろう。

 中国に限らず、特定の国や地域に医療用品の調達を頼っていては、相手国との関係が悪化して輸出を止められた場合、途端に医療崩壊が起きてしまう。これが経済面における安全保障が必要になった最大の理由だ。

 独裁国家の中国は、軍拡と経済成長が一体化した歪な国だ。技術開発は軍事組織がリードし、その成果を民間企業が生産・販売して国家の経済成長を図る。この方針は「軍民融合政策」と呼ばれ、人民の生活や権利など二の次として国力増強を目指す。

 軍民融合政策の背景にあるのはハイテク技術を駆使した戦いだ。現代における戦い「智能化戦争」と呼ばれ、主に人工知能(AI)や高速インターネット通信、自動運転技術といった最新技術が“兵器”に活用される。中国は超大国であるアメリカに勝利を収め、自国に有利な世界秩序に変更することを企図している。

Images-7_20220820101401 スパイだった東北大学助教授

 少し長いが引用する。

〈マッハ5以上の速度で飛行し、現状のミサイル防衛では迎撃が困難とされる極超音速兵器。戦争の様相を一変させる「ゲームチェンジャー」とも称される最新技術の開発を巡り、中国が日本の知見を流用した恐れがある――。

 公安調査庁はこう警告する報告書を関係閣僚にひそかに提出した。昨年5月のことだ。

 報告書は「我が国から帰国後、中国の大学・研究機関で極超音速関連研究に従事する中国人研究者が多数存在する」と指摘し、ジェットエンジンや流体力学、耐熱素材などの専門家9人を挙げた。

 同庁関係者によると、うち1人は中国の軍需企業傘下の研究所研究員を経て1994年、東北大の助教授に就任。科学研究費助成事業(科研費)を受け、宮城県の宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))の関連施設に出入りした。2000年頃、中国に戻ると、中国科学院の研究所に所属し、17年にJAXAの施設と形状が似た極超音速実験施設の開設に関わったという〉

 これが事実なら、日本独自の高度な技術が国立大学を通じて中国に渡り、それがほぼ迎撃不能とされる最新兵器の開発に利用されたことになる。これまで日本の学術界は一貫して「軍事技術開発には協力しない」との立場を取ってきた。ところが実際には、日本の安全保障には一切協力しないが、その裏では中国の軍拡にせっせと協力していたのだ。日本学術会議は、先の主張に基づいて、国防七校と提携する大学に提携の破棄を求めるべきだ。

世界の製造覇権国家

 2015年5月、中国政府は軍民融合政策と智能化戦争への準備が組み入れられた産業政策「中国製造2049」を公表した。そこには、中国共産党が主導した中華人民共和国の誕生から100年後に当たる2049年に、中国が米国に取って替わって“世界の製造覇権国家”になることが目標と明記されている。

 そのスケジュールは明確で、2025年までに中国が製造強国入りを果たし、2035年までに製造強国の中堅ポジションに入り、2049年までに製造強国のトップになる、というものだ。対象は以下の10の産業分野である。

・次世代情報通信技術(IT、半導体を含む)

・先端デジタル制御工作機械とロボット

・航空・宇宙設備

・海洋建設機械・ハイテク船舶

・先進軌道交通設備

・省エネ・新エネルギー自動車

・電力設備

・農薬用機械設備

・新材料

・バイオ医薬・高性能医療機器

 中国政府はこれらの目標達成のために、海外企業から技術を窃取している。各企業に中国市場へのアクセスを許可する代わりに、保有技術の開示を要求するのだ。ただ、その実態は強要である。

日本の3社が世界的なマーケットシェアを失う事態に

 7月3日、読売新聞は〈中国政府が、日本を含めた外国オフィス機器メーカーに対し、複合機などの設計や製造の全工程を中国内で行うよう定める新たな規制を導入する方針であることがわかった〉と報じた。

 これが典型的な例だ。複合機は富士フイルムビジネスイノベーション、キヤノン、リコーの3社が知的財産権をクロスライセンスしている。複合機の電子写真技術には、物理、化学、電気、精密機械などの複合技術が使われる。

 これらの技術を開示したら最後、中国は手に入れた技術をもとに独自の製品を生産し、WTOルール違反の疑いがある産業補助金を使ったダンピング輸出を各国に向けて行うだろう。その場合、日本の3社は世界的なマーケットシェアを失って、壊滅的な打撃を受けることになる。しかも、ネットワークにつながっている複合機にバックドア(不正侵入の入り口)を仕掛け、そこから機密情報を盗み出すことも可能になるのだ。

 中国製造2049の第2段階である「中国標準2035」では、中国がIoT、情報技術機器などの国家標準や業界標準の国際標準化を推進することが目標とされている。日本政府はすぐにも電子写真関連技術をコア業種に指定して、日本の技術を保護しなければならない。

全ての国民にスパイ活動を強いる法律

 外国企業が抱えるリスクはほかにもある。「国家情報法」の7条で、すべての国民にスパイ活動を強いており、「いかなる組織及び個人も法に基づき国家諜報活動に協力し、国の諜報活動に関する秘密を守る義務を有する」とされている。つまり、日本企業で働く中国人従業員や日本の大学に留学する中国人留学生が、企業や研究機関で知り得た機密情報を窃取する事態が憂慮されるのだ。

 ほかにも、恣意的濫用が懸念される中国版エンティティ・リスト、輸出管理リストと輸出管理法をはじめ、裁判や法務当局とは関係なく政府の判断だけで外国や国内外企業への報復を正当化する「反外国制裁法」、国内で開発された技術や製造物などのデータの国外移転を厳しく管理・規制する「データ安全法」と「個人情報保護法」がそれぞれ施行済みだ。

 習近平が率いる中国は、かつての指導者・トウ小平が掲げた「改革開放路線」を打ち捨てて、自身の権力基盤を盤石にする「統制と規制路線」へと舵を切った。そんな中国の無法を西側諸国も見過ごしてはいない。

 米国は中国製造2049が、中国に莫大な利益をもたらし、米国から国際的な覇権を奪う意図がある、と受けとめた。すぐに議会も動き、2019年度国防権限法を成立させ、外国企業が米国の機微技術や軍民両用技術を持つ企業を買収する際は、対米外国投資委員会が厳格に審査するよう改めた。

 英国や欧州連合(EU)においても、中国を念頭に置いた企業買収の厳格化を進めており、先端技術の海外移転に対する規制強化が着々とはかられている。

 わが日本も例外ではなく、2020年に「外国為替及び外国貿易法(外為法)」を改正した。政府は武器や装備品をはじめ、航空・宇宙、原子力、電力、通信、鉄道、上水道などのインフラ事業をコア業種に指定。上場会社や非上場会社を問わず、事前申請対象を拡大して条件を厳格化する措置を講じた。

台湾が侵攻された場合、石垣島なども攻撃対象に

 では今後、中国が台湾の侵攻に踏み切った場合はどうか。人民解放軍の矛先は、彼らが「台湾の一部」と公言する尖閣の島々に留まらず、石垣島や西表島、宮古島を含む先島諸島の全域も攻撃の対象になるだろう。

 調査会社の帝国データバンクによると、2020年1月時点で中国(香港とアモイを除く)に進出している日本企業は1万3646社に上る。2022年2月時点でロシアに進出している企業は約370社というから、実に36倍以上の規模だ。それだけに有事の際には多くの日本人が中国当局に拘束されたり、行方不明になることが予想される。中国内に保有している資産や施設などが取り上げられれば、経営には甚大な影響が及ぶ。場合によっては倒産という事態にもなりかねない。

「強力な反撃・威嚇力を形成」

 さて、わが国の経済安全保障推進法である。一つ目のサプライチェーンの強化とは、既存の供給網の脆弱性を確認し、それを修正・補強することだ。半導体や医療品をはじめ、一旦供給が途切れたら国民生活が破綻するものは供給網の安全を確保し、常にリスクを分散させ、必要に応じて回避していくことが必要だ。

 過去20年で世界経済のグローバル化は飛躍的に進行した。「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」は、国境を越えて自由に行き来する時代とされ、日本からは多くの工場が中国や東南アジアなどの海外に移転し、国内にあった生産拠点は閉鎖された。一方で、一昨年4月には中国共産党中央委員会の機関紙「求是」が、習近平総書記の「産業の質を高めて世界の産業チェーンのわが国への依存関係を強め、外国による人為的な供給停止に対する強力な反撃・威嚇力を形成する」という指示を報じた。

中国の明白な意志

 もはや中国は明白な意志をもって、経済的影響力を通じて周辺諸国をひざまずかせようとしている。サプライチェーンの見直しが個別企業の安全に留まらず、日本の安全保障に直結していることがお分かりいただけるだろう。

 二つ目の柱は、国民生活の土台となる基幹インフラの安全確保だ。通信、電力などの各種エネルギー、水道、輸送といった基幹インフラのほとんどは、いまや情報通信技術で支えられている。ここがサイバー攻撃を受けて通信や物流が遮断されたりかく乱されたりすれば、私たちの日常生活はすぐに立ち行かなくなる。

 だからこそ、基幹インフラ関連事業者は、設備投資の際にマルウエア(悪意のあるプログラム)の有無や、バックドアなどのスパイ機能が仕込まれた機器の購入の回避、取引先企業と懸念国の資本関係の有無などを確認する必要がある。

 過日、中国国営企業の上海電力が日本法人を通じて台湾有事の際に防衛の要となる、山口県の岩国基地の近くに設置されていた7万5千キロワットもの大規模太陽光発電所を買収した。

 前述の通り、中国には国防動員法がある。中国共産党の思惑で、有事の際に岩国基地へ影響が生じることはないのか。国の基幹インフラ事業に中国の国営企業の参入を許す、政府の姿勢には大いに問題がある。

日本の技術、生産物を経済的抑止力に

 そして三つ目の「高度な技術開発における官民協力」とは、わが国が各国から依存されるような強みを持つことだ。仮にどこかの国が日本と深刻な対立関係に陥った場合、その国が日本に大きく依存する物品の輸出を制限することは、外交上の有利なカードとなり得る。

 それこそ2年前に中国の医療用品の輸出制限で日本が混乱したように、経済活動や生活に必須な物品の輸入を日本に頼っている国は、ひとたび国内が混乱に陥れば、たちまち音を上げてギブアップするだろう。今後、日本の高度な技術や生産物は大いなる経済的抑止力となるのだ。

 ただし、これには「セキュリティークリアランス制度」の導入が不可欠だ。これは秘密情報を扱う人物の適格性を確認する制度で、研究者を装って入国してくる他国のスパイ対策である。過去には国会で議論されたが、公明党などが個人情報の保護を理由に反対し、導入が見送られた経緯がある。

 民間人を対象としたセキュリティークリアランス制度は、米、英、カナダ、豪、ニュージーランドをはじめ、欧州の主要国では導入されている。いまだ導入のメドすら立たない日本は、西側諸国との機密性の高い共同研究に参加できない不利益も被っている。とくに防衛関連や情報通信産業から、共同研究や製品発注などの話がもたらされても対応できていないのが現状なのだ。

特定の特許出願を非公開とすべき

 四つ目の技術特許の非公開は重要だ。現行制度では、新たな発明は出願から1年6カ月を経過すると一律に公開される。仮に国の安全保障に関わる重要な発明であっても、一定期間が過ぎれば世界中に公開されてしまうのだ。実際に公開された特許情報が外国により核兵器の開発に利用された例もあると聞く。だからこそ、特定の特許出願を非公開とし、国内外への安易な流出を防ぐ必要がある。

 経済安全保障推進法は成立したが、日本が抱える課題はいまなお山積している。政府は一刻も早く、同法の不備を改め、実効力あるものに強化しなければならない。

 この記事を読むまでもなく、経済・軍事分野の戦略性、計画性に於いては、日本は中国の足元にも及びません。日本がいくら経済大国、技術大国を誇ってもそれは過去のこと、今では中国にいくつかの技術では追い越されているのが実態です。それもやはり多くの部分、戦略性のなさが要因となっているように思います。

 高市経済安全保障担当相に期待する部分は大きいのですが、彼女一人ではやはり力不足です。一方の中国は独裁国家ですから、政権が決めたことは反対もなく即決即断できます。日本は野党や反日マスコミというやっかいな阻害分子がいて、時間もかかり中身も抜け穴だらけとなりやすい。特定秘密保護法制定の時など、野党や朝日新聞などの反日メディア、日弁連などが反対の大合唱を起こしたことは記憶に新しいと思います。こうした政治構造の違いも日中で大きな計画性の格差を生じさせています。

 いずれにしろ今からでも遅くありません。独裁国家の中国に世界の覇権を取らせては絶対になりません。旧統一教会問題に明け暮れする、政治やメディアの昨今を見ると実に嘆かわしいと思いますが、そんな現状に目を奪われず、粛々としかも早期に経済安全保障のしっかりとした枠組みを作り出して欲しいと思います。

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2022年8月18日 (木)

これが国会議員か、立憲民主内部で声を荒げる蓮舫議員。

Images-6_20220817140401  参議院選が終わり一ヶ月以上が経ちました。議席を減らした立憲民主党の執行部の結果責任問題が、くすぶり続けていますが、未だに総括もできない状態のようです。それでも今月内に執行部人事を計画して乗り切ろうとしているようですが、泉代表は続投の意思を示しています。

 そんな中、東京選挙区で大幅に得票を減らしたものの、何とか当選にこぎ着けた蓮舫氏が泉代表に詰め寄る事案があったようです。週刊現代の記事から引用します。タイトルは『選挙で「票が激減」の焦りか…蓮舫氏の「ヤバい剣幕」に立憲議員がドン引き』です。

泉代表に詰め寄った

「あなた、街頭演説で100人聴衆が集まったことがあるんですか?」

7月の参院選で議席を減らし、惨敗を喫した立憲民主党。その「反省会」として7月25日に開かれた拡大両院議員懇談会で、蓮舫参院議員が泉健太代表に詰め寄った。

「蓮舫さんは前回、117万票のトップ当選だった。ところが今回は67万票で、東京選挙区で4位に終わりました。人気の低迷は明らかです」(全国紙野党担当記者)

焦りの表れだろうか。この日の蓮舫氏は、自らの苦戦の責任を執行部に求めるような発言を連発、出席者を唖然とさせた。

会議室に響き渡る声

「私も候補者だったんです。全国の応援に回っている間、自分の票がどんどん減っていると思い不安でした。党は私に何をしてくれたんですか!」

会議室にはお馴染みの声が響き渡った。立憲の中堅議員が言う。

「民進党時代には代表まで経験したベテランなのに、まだ一候補者みたいなことを言っているのかと呆れました。そもそも蓮舫さんのああいう態度が、党勢低迷の一因になっている自覚がない」

蓮舫氏はその後も執行部批判を続け、さらには「今回国政復帰を果たした辻元清美さんも、『泉おろし』に呼応し始めた」(前出・全国紙野党担当記者)という。だが、現体制の刷新は難しそうだ。

「ヒートアップする蓮舫さんに皆引いている。結局、あの人についていこうという議員はほとんどいない」(前出・中堅議員)

まずは、自身の評価を虚心坦懐に受け止めることから始めるべきだろう。

 二重国籍問題も未だにうやむやで、国会質問ではひたすら「批判・口撃」しかしない姿が目に焼き付いてしまっている蓮舫氏。

 10年以上前になりますが、民主党政権時代の所謂「事業仕分け」の中で、次世代スーパーコンピューター開発に関し、文科省や理化学研究所の担当者が、「世界一を取ることで(国民に)夢を与えるのは、プロジェクトの目的の一つ」と説明したのに対し、蓮舫氏は得意げに、「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」と聞いた後、「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言した話は余りにも有名です。 

 しかしこの問答も型どおりの批判の姿勢、本来なら政権側の人間として、相手が「国民に夢を与えるのが理由」だと言っているのですから、「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」と聞くのもおかしいし、逆に蓮舫氏の考えとして「2位であっても〇〇××の理由で、いいはずですから・・・」と述べるべきでしょう。

 とにかく政権党にあっても提案ゼロで批判先行のこの姿勢は、野党になればますます加速、そしてそれが党全体のDNA化につながっているようです。枝野氏も辻元氏も全く同じ。ですから泉代表が「提案型」を目指すといった方針を持ち出しても、参議院選に負けた理由として「提案型」を掲げたため、何をやりたい政党か分からない、などと訳のわからない自己批判をしているようです。

 「提案型」を掲げたのがまずいのではなくて、提案できなかったことがまずいのです。執行部を含めそこが分かっていない。そこに加えてこの蓮舫氏のような子供じみた批判を執行部に向ける人が出てくるようでは、先が見えてきたような感じさえしますね。このままでは、民意を吸い上げず政策もなく、ひたすら政府批判を続けた社民党の歩んだ道を辿りそうです。

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2022年8月16日 (火)

細野豪志氏:「メガソーラーには絶望しかない」「残された道は原発再稼働一択」

5_20220816100801  先日西村経済産業大臣が、原発再稼働推進の発言をしました。6月下旬の電力危機の際、特に関東、東北地区は余力すれすれで、肝を冷やした経験をお持ちだろうと思います。この冬はもっと深刻な状態も予測されるようです。

 福島原発の事故以来、原発に対する過剰とも思える安全基準のハードルをあげ続けた原子力規制委員会。安全に越したことはありませんが、テロや戦争など言い出したらきりがありません。そして稼働停止に伴う電力不足分の化石燃料の輸入額は、毎年数兆円にかさみ、国費の無駄遣いをし続けている状況です。

 一方太陽光発電に関しては、導入時クリーンと再生エネルギーの美名の元に、各地にメガソーラーが設置されましたが、自然破壊や異常に高い買い取り価格設定のため、今では課題が山積するようになっています。天候に作用され、夜間は発電できないなどの問題もあります。

 ですから、何とかして休止している原発を再稼働していかなければ、電力危機は相変わらず続き、電力料金はますます上がって産業の競争力は減退し、更に化石燃料の輸入の増加で国力は衰退してしまいます。そこで今回はイトモス研究所所長の小倉健一氏が現代ビジネスに寄稿した記事を引用して紹介します。タイトルは『「メガソーラーには絶望しかない」と元環境大臣が覚悟の告白…「残された道は原発再稼働一択」 細野豪志に直撃』です。

なぜメガソーラーはトラブルが絶えないのか

ロシアによるウクライナ侵攻、そして、円安によってエネルギー価格が高騰している。さらに、日本では、太陽光発電を中心とする自然エネルギーを普及するために莫大な補助金を支出しており、わたしたちは「再エネ賦課金」(再生可能エネルギー発電促進賦課金)として、電気代に上乗せされる形で徴収をされている。

問題は電気代の値上がりだけではない。その太陽光発電・メガソーラーが、全国各地で、環境破壊を起こしトラブルが頻発しているのだ。

細野豪志元環境大臣は、3.11の東日本大震災時には、内閣総理大臣補佐官とし菅直人政権を支えていた。その後、原発事故担当大臣として東電に常駐しながら事故対応にあたり、その年に、環境大臣に就任。自然エネルギーの推進を図りながら、大飯原発再稼働に向けて当該地域の知事への説得役も担ってきた。

原発処理を担当した大臣として、自然エネルギーを推進する立場にあった環境大臣経験者として、「メガソーラー・太陽光発電」をどう考えているのか。イトモス研究所所長・小倉健一が、直撃インタビューを敢行した。

6_20220816100901 ──日本中で、メガソーラー(発電所)の設置が大問題になっています。そもそもメガソーラーは、発電規模が1,000kW以上の大規模な太陽光発電システムを指します。一般家庭の屋根に設置する太陽光発電システムは10kW未満ですから、その100倍以上になります。メガソーラー設置には、サッカーのフィールドの約2倍の敷地が必要です。震災を前後して、国が積極的に支援をしてきました。最近になって近隣住民とのトラブルが多発しています。細野元環境大臣の地元である函南町でも同様です。なぜ、メガソーラーはトラブルが絶えないのでしょうか。

細野 根本的な問題は、メガソーラーの買取価格を高くつけすぎたことです。産業用の電力買取単価は、2012年は「40円+税」(※)を20年間約束するというものです。今では「10円+税」を20年間ですから、およそ4倍です。高い値段をつけてすぎてしまったがために、発電に適していないところでも十分に収益が可能となってしまい、自然環境や住民にとって迷惑な場所での開発が全国各地で起きてしまった。急斜面でつくったり、森林を伐採するので地域全体の保水力が落ちて土砂災害が起きます。

細野 10年前の権利を持っている人、もしくは転売を受けた人は、あと10年間は権利を持っていることになりますから、無理にでも開発しようという動機が生まれてしまいます。もし、今の10円という価格なら、森林を開発してまで収益を得ることはできません。

原発に比べて甘い管理監督

──政府として、一度約束してしまったものは、対策が難しいということですね。乱開発をする業者に対しても国が管理・監督を怠ってきたツケのようなものを感じます。メガソーラーには絶望しか感じません。

細野 たしかに、過去にさかのぼって法律の効力を持たせる「遡及法」でないと、メガソーラーを止めることは難しい。ただし、同じエネルギーに関していうと、原発は「遡及法」が適用されています。建設した当初よりも相当厳格な基準、世界でも厳しい基準、でないと稼働が認められていません。原発もルールを格段に厳しくしたのですから、太陽光・メガソーラーに関しても同様に厳しい基準を後から課すことは可能だと思います。

細野 それと管理監督面でも、メガソーラーは原発と比べて相当甘い。地元・静岡を回っていると、富士山の麓ということもあって、メガソーラー天国のようにたくさん設置されているのが見て取れます。よく見ると、下草が生い茂っていたりと野放しに放ったらかしになっているものも多い。管理ができていない。

原発は経産省が管轄していて、さらには独立性の高い原子力規制委員会が厳しいチェックを繰り返しています。テロ・戦争の危険性まで指摘を受けている状況です。

細野 対するメガソーラーと太陽光発電ですが、林地開発は農水省の管轄で、エネルギーは資源エネルギー庁が管轄ですが、扱っている案件が多すぎて監督しきれていません。

一番心配なのは、これから10年前に設置したメガソーラーや住宅用太陽光発電の大量廃棄時代がやってくることです。個別の所有権は次々と移っていく中で、有害物質をきちんと取り除いて廃棄されるのか。悪質なメーカーが対処しないのではないか。多くの懸念がありますが、これは政権に課せられた大きな宿題だと思ってます。

もう原発再稼働しかない

──細野元環境相の地元で開発が進められている「函南町メガソーラー」も住民トラブルが発生しています。報道を確認すると、川勝平太静岡県知事が「メガソーラーが森を破壊する」「住民の理解なしに進めるのは間違い」と口にしているものの、静岡県では着々と函南のメガソーラー事業を進めている印象を受けます。

細野 函南で進められているメガソーラー事業は、決して認められるものではないと考えています。絶対に阻止しなくてはいけません。林地開発許可が降りているので難しいという人もいますが、この許可の前提となる「河川協議」ができていません。事業者は「協議はした」と主張してますが函南町は「していない」と言っています。当事者のうち、片方が協議をしていないというのでは話になりません。このような状態で許可をおろしてはいけません。知事は問題だと言っているけど、行政の側は認めてしまっている。

──元環境大臣として、原発再稼働に賛成し、太陽光に対しては反対。地球環境を守るためには、自然エネルギーには手を出さないほうがいいということでしょうか。

細野 そういうことではありません。例えば、太陽光発電は多くのデメリットがある半面、防災施設には最低限の電源として導入するのがいいと思います。地震が起きて、他地域から送電ができなくなっても太陽光発電を備えた施設は、発電ができた事例があります。

経済安全保障の観点からも、メガソーラーや太陽光発電は中国資本が強く、風力は欧州勢が強い。エネルギー供給の基幹部分を他国に委ねるのは危ないと思いますし、発電するたびに、国富が海外へ流れていくのはもったいないですね。風力についてはもう一度国産でできないかを考えるタイミングだと思います。

細野 環境大臣時代には、地熱発電に期待していたこともありました。温泉や火山がこれだけある国土ですから、可能性を感じていたのです。ただ、実際に設置場所を考えたときに、景観を破壊せず、そして既存の温泉施設が近くにないという条件がネックになって、限定的なものになってしまいました。

今後、蓄電技術やペロブスカイトなどの技術面でのブレークスルーは大歓迎です。

しかし、今起きているこのエネルギー危機を解決する策は、原発再稼働しかありません。「再稼働」というぐらいですから、一度は動かした実績があります。ブラックアウト(大規模停電)リスク、産業リスク、低所得者がエアコンを切ることによる熱中症、健康リスクなど、一刻も早いエネルギーの安定供給を図るべきです。今すぐにやれることは、「原発再稼働一択」といって過言ではありません。

 もちろん太陽光発電にもメリットもあり、従って太陽光発電はやめてしまえと言うことでは無いと思います。ただ環境破壊を伴うようなメガソーラーはやはり問題です。基準をはっきり決め法的な規制をする必要があると同時に、いくら10年前に権利を得たからと言って、これからも新設の発電設備で40円で売電できることはいくら反対があっても禁止すべきでしょう。それこそ世論に訴える必要があります。

 その上で稼働可能な原発の再稼働は早急に実現するべきです。電力危機が毎年のように起こるような事態は、もはや先進国と言えないでしょう。規制委員会の規制基準の見直しも必要だろうと思います。いずれにしろ電力コストを下げ、企業の国際競争力向上に少しでも貢献するような、電力行政が必要とされていると強く思います。

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2022年8月15日 (月)

根底から揺らぎ始めた中国、共産主義体制の限界

Images-5_20220815105401  米下院議長ペロシ氏の台湾訪問が起爆剤となった形で、台湾包囲網を敷いて軍事威嚇演習を始めた中国。予定期日を過ぎても威嚇は続いています。習近平政権になってから中国はこのように、現状変更の試みを隠そうとしません。台湾問題は日本にも直接の影響が予想され、今後の動きが気になります。

 ただこのような力を背景とした覇権行動を続ける中国ですが、内情は多くの課題を抱えています。特に少子化問題は日本同様、中国の国力をそぐ最大の課題となっているようです。

  そのあたりの詳細を、経済専門家の川島博之氏が、JBpressに寄稿した記事から引用します。タイトルは『中国が米国を超える大国にはなれない理由、根底から揺らぎ始めた中国社会 変革の動きが一切封じられる共産主義体制の限界』です。

 中国の人口は本年(2022年)にも減少に転じるとされるが、その詳細についての考察は少ない。ここでは7月に国連人口局が発表したデータを基に、中国社会に重大な変化が起きていることを示したい。

 図1に出生数と死亡者数の変遷を示す。これを見れば中国の人口が本年にも減少に転じることが分かろう。

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図1 中国の出生数と死亡数(単位:万人) データ:国連人口局

 中国の出生数には2つの大きな山があるが、1つ目の山の前の急激な減少は1958年に始まった大躍進政策が作り出したものである。大躍進政策とは経済原理を無視した過激な工業化政策と言ってよい。それによって農業がないがしろにされて食糧生産が急速に落ち込み、全国的に飢えが広がった。1960年前後の死亡者数の増加と出生数の減少は大躍進政策がいかに無謀な政策であったかを示している。毛沢東はその責任を問われて国家主席の座を劉少奇に譲り、政務の一線から退かざるを得なかった。その後、再び主導権を取り戻すために文化大革命を行ったことはよく知られている。

 大躍進に伴う飢餓はその後にベビーブームを作り出した。中国の出生数は、1963年から1970年まで7年間にわたって、毎年3000万人を超えている。中国版団塊の世代の誕生である。団塊の世代が20代になった1980年代後半に団塊ジュニアが誕生している。

 その中国の団塊の世代は2023年以降に次々に60歳を迎えて定年退職する。中国の労働人口はこれから数年間の間に急速に減少する。

出生数が急速に減少

 ただ、ここで注目したいのは人口の高齢化ではない。出生数の急激な減少である。

 中国では2018年以降に出生数が急減しており、それは大躍進政策の失敗に伴う減少にも匹敵する。出生数の減少は1970年代や90年代にも生じたが、それらはベビーブームの終焉によるものであり、平常状態への回帰と言ってよい。

 図2に2000年以降のTFR(合計特殊出生率)の変遷を示す。比較のために主要国のTFRも示すが、中国の2021年TFRは1.16とわが国の1.30よりも低くなっている。

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図2 各国の合計特殊出生率

 なぜ中国においてこれほどまで急速に出生数が減少したのであろうか。それを考える前にデータの信頼性に言及する必要がある。国連のデータは国連が独自に推計するものではない。国連は各国が報告するデータを集計しているに過ぎない。ただ国連には人口問題の専門家がいるために、あからさまに出鱈目なデータを報告することは難しい。北朝鮮は食糧生産について、鉄面皮にも出鱈目なデータを報告することがあるが、それは例外と言ってよい。

 このところ一部では中国が公表する人口は過大ではないかと疑われている。教育や福祉に関する予算が子供の人数に応じて分配されるために、地方政府は多めの数字を中央に報告する傾向にあり、それをそのまま集計すると実際より人口が多くなってしまうという疑惑である。ここでその真偽を論じることは難しいが、そんな中国においても、出生数が急速に減少していることを報告せざるを得ない状況にあるようだ。

中国の奇跡の成長を支えたもの

 この出生数の急速な減少は、中国で大躍進政策の失敗に匹敵するほどの大きな変化が進行していることを示している。

 1978年に改革開放路線に舵を切った後に中国は奇跡の成長を遂げた。奇跡の成長を達成する上で、地方政府が農地の収容に伴う利益を独占して、その利益を道路や橋の建設に投資することは重要な役割を果たした。道路や橋が作られて都市が拡大すると、農地の収容によって得られる利益も増加した。中国の奇跡の成長は地方政府による農地収容を媒介にした過剰投資を原動力にしたものだった。

 それは不動産価格の高騰を招き、人々は不動産バブルを利用して富を蓄積しようとした。最初そのような行為は富裕層だけに留まっていたが、習近平が政権の座についた2012年頃から、一般庶民にまで広がっていった。その不動産バブルは昨年から崩壊に転じ、出口が見えない混乱が始まった。

 中国の奇跡の成長のもう1つの原動力は、農村の若者を農民工として利用したことにある。安価な労働力は中国の輸出産業を支えた。だが、現在、それも最終段階に来ている。中国の今年の大学卒業者数は1000万人とされる。今年大学を卒業する者は2000年前後に生まれたと思われるが、その頃の出生数は約1700万人である。大学進学率は6割近くになり、日本を上回っている。

 このことは、農村部でも多くの若者が大学に進学する社会が出現したことを示している。あの貧しかった中国の農村でも多くの若者が大学に進学するようになった。それに要した時間は40年ほどである。これは奇跡と言ってよい。だが、成功した結果として、安価な労働力が消え失せてしまった。

将来への漠然とした不安

 不動産価格が高くなりすぎて、若者がマンションを買うことができなくなったことは、出生数減少の第1の理由とされている。中国では結婚に際して男性が住居を用意しなければならないとする慣習がある。しかしマンションが高くなり過ぎて、男性はマンションを用意することができない。その結果として婚姻数が減少した。

 また第2の理由として、教育に多額の費用がかかることがある。1人の子供を大学に行かせるだけでも大変である。これも少子化の原因とされる。

 ただ、それらは表面的な理由であろう。真の原因は多くの人が心の底で中国の奇跡の成長は終わったと思うようになり、その結果として現状に不満を抱くとともに、将来に漠然とした不安を持つようになったためと考える。昨今よく話題になる「寝そべり族」なる言葉は、多くの人が現体制に不満を持ち、行き詰まりを感じていることを端的に示している。

 農村の多くの若者が都市に出て大学教育を受けるようになったが、時を同じくして不動産バブルが崩壊したことによって失業率が上昇し始めた。そんな状況では、今後、婚姻数はますます減少しよう。当然の結果として出生数も減る。

 国連は人口予測において低位、中位、高位の3つのシナリオを用意しているが、このような状況に鑑みるに、今後、中国の人口は低位推計で推移する可能性が高い。低位推計では2030年の出生数は686万人にまで減少する。

建国100周年、2049年の人口ピラミッド

 この秋の党大会で習近平は3期目に突入するとされる。それは中国共産党が現状維持を選択したことを意味する。これまでの成功があまりにも素晴らしかったために、共産党のエリート層は現体制に変わるシステムを考えることができない。そして彼らは現体制における利益の享受者でもある。自分たちでこれまでのシステムを変更することはできない。

 ここに共産主義の最大の欠点がある。民主主義と市場主義を組み合わせた社会では、紆余曲折はあるもの、それまでの体制がうまく動かなくなったときには、体制を変革しようとする動きが生じる。しかし共産主義ではそのような動きは一切封じられる。

 出生数の急速な減少は、中国が米国を抜いて世界最大の強国になるのは不可能であることを示している。

 図3に中国の人口が低位推計で推移した時の2049年の人口ピラミッドを示す。2049年は建国100周年にあたり、中国共産党が密かにその年までに米国を抜き去り世界最大の強国になることを目指しているという年である。だが、その時の人口ピラミッドはかくも不安定なものになる。それは老大国の人口ピラミッドであり、世界をリードする国のものではない。

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図3 2049年における中国の人口ピラミッド(単位:万人) データ:国連人口局

 ここに述べたことは日本企業に対する警鐘になっている。図3のような人口ピラミッドを有する国では、老人介護ビジネスは発展の余地があろうが、若者が消費する自動車やスマホは売れない。

 日本には中国はいまだに有力な市場だと主張する人々がいるが、急減する出生数はそれが間違った予測であることを示している。

 人口の急増を懸念して一人っ子政策を維持してきた中国。しかし人口減少のリスクが目の当りになり、急遽2人また3人と政策を転換してきましたが、この記事にあるように、今や政権の意図とは裏腹に、経済環境が複数の子供を持つ事への障害になると同時に、結婚さえできない若者の増大を招いています。

 日本も同じ状況ですが、中国の最大の欠陥は高齢者福祉の立ち後れでしょう。日本と同様の福祉政策を採ろうとすれば、膨大な経費が必要となり、これも国力の衰退につながります。日本を超える打撃が中国経済を襲うでしょう。

 これらが3期目に入ろうとする習政権に立ちはだかる、最も大きな課題だと言えます。あと5年は踏みとどまることができるかも知れませんが、それ以降の衰退ははっきりとしたものになるでしょう。期待して見守りたいものです。

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2022年8月11日 (木)

異変の日本共産党、中で何が起こっているのか?

Images_20220810164801  日本共産党は急速に勢いを失いつつあります。日本にとってそれはそれでいいことだと思いますが、その要因は何でしょうか。以前党員の高齢化を取り上げましたが、それだけでしょうか。

 この点に関し、もと共産党幹部で参議院議員の筆坂秀世氏がJBpressに寄稿したコラムを取り上げます。タイトルは『日本共産党に異変、「全会一致」にならなかった中央委員会総会 本当に真面目にやっているのか? 綻びが出てくるのも当然』で、以下に引用します。

 日本共産党の第6回中央委員会総会が8月1日、2日の2日間行われた。ここで珍しいことが起こった。中央委員会総会には、通常、幹部会を代表して志位和夫委員長が報告を行い、討論を踏まえて結語(まとめ)が述べられる。この報告と結語が採決にかけられるのだが、共産党の場合、ほとんど全会一致で可決される。私自身、何十年も中央委員を務め、何十回と中央委員会総会に出席したが、全会一致以外知らない。

 ところが今回は違ったのだ。書記局の発表には「幹部会報告と結語を圧倒的多数で採択した」とあるのだ。

 志位委員長によると「保留」の態度を表明した人が一人いたそうだ。「保留」の理由は明らかにされていないので知る由もないのだが、志位氏の報告や結語を読んでみるとさもありなんと思えてくる。

 小さな綻びのようだが、そうとも言い切れない動きもある。

党内から公然と出てきた委員長公選論

 いま党内の一部から共産党の委員長を党員による投票で決めたらどうかという意見が出ている。代表的なのが、私も以前党本部で机を並べていた松竹伸幸氏だ。松竹氏はブログで「共産党の党首公選を考える」というタイトルですでに11回も意見を掲載している。もっと続くようだ。

 同氏のブログによると、「党首公選を求める声は少なくない。SNSを見ていると、共産党員と思われる人も、そんな発言を活発にしているようだ」という。

 松竹氏は、 「現在、共産党だけに党首公選の仕組みがなく(あとで書くように公明党にも存在しない。公明党と同じだなんて恥ずかしいな)、他党には存在するので、その違いを政党のあり方、成り立ちの違いからくる普通のことと受け止めている人もいるかもしれない。しかし、日本のほかの政党も、設立以来ずっと党首公選などはしてこなかった。党首公選は、時代の変化、世論の変化をふまえた新しいシステムなのである」とも指摘している。

 松竹氏には、難しい挑戦だが、党首公選実現のため大いに頑張ってほしいと思う。何しろこれまで共産党は、党内で選挙というものをやったことがないからだ。共産党規約3条には、「すべての指導機関は、選挙によってつくられる」という規定がある。

 また13条には、次のように規定されている。

〈党のすべての指導機関は、党大会、それぞれの党会議および支部総会で選挙によって選出される。中央、都道府県および地区の役員に選挙される場合は、二年以上の党歴が必要である。

 選挙人は自由に候補者を推薦することができる。指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する。〉

「指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する」。この規定が曲者なのだ。例えば新しい中央委員会のメンバーを現在の中央委員会が決めるということなのだ。その数は200人を超える。この段階でほぼ決まったのも同然である。なぜなら実際に行われていることは、この200人を超える中央委員、准中央委員候補の名簿を見て、信任したくない人に印を付けるだけだからだ。

 もっと分りやすく言えば、志位氏ら幹部が候補を選んで名簿を作成した段階で決まっているのだ。候補者名簿が掲載された人で当選できなかった人はいない。すべての段階でこのやり方なのだ。

 そもそも本当の意味での選挙は、共産党には存在しない。党員ならこの実態を誰でも知っているはずだ。

 共産党は今年創立100周年を迎えた。いまの綱領路線が確立してからだけでも約60年になる。この間、トップに座ってきたのは宮本顕治、不破哲三、志位和夫の3人だけだ。3人とも世間の常識から外れた長さだ。この異様さに、そろそろ党内から大きな声が上がって当然だ。

責任転嫁の「惨敗」参院選総括

 第6回中央委員会総会は、惨敗を喫した参院選の総括と来年(2023年)の統一地方選挙への取り組み方針を決めるために行われた。

 志位氏によると参院選挙は「二重の大逆流」の中で行われたそうだ。それは何か。

 1つは、野党共闘と日本共産党への攻撃が総選挙後にさらに強まり、「野党共闘は失敗した」「共産党との共闘が失敗の原因」などのキャンペーンが行われたことだという。だがこれは事実であって、これを「大逆流」などというのは責任転嫁に過ぎない。そもそも立憲民主党が政権獲得する目途などまったくないときに、閣外協力に合意し、それを選挙の最大の売り物にした。この見通しの甘さ、悪さが国民に見透かされただけのことだ。

 もう1つの大逆流が、ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略だそうだ。志位氏は、「ロシアの蛮行に乗じた日本共産党攻撃、憲法9条攻撃が荒れ狂い、軍事力大増強の大合唱が始まりました。一時期は、わが党の訴えへの冷たい反応が一挙に広がり、取り組みの足が止まるという状況が各地で起こりました」と述べている。

 嘘でしょう! と言うしかない。9条攻撃がどこでどう荒れ狂ったと言うのか。そんな事実を知らない。「取り組みの足が止ま(った)」のは、党員の活動力が低かったというだけのことだろう。そもそも止まるほど活動していたとも思えない。

 こんな責任転嫁の選挙総括では、次の展望も出てこないだろう。昨年の総選挙のあとも“政治対決の弁証法”という意味不明な造語を使って選挙総括をし、参院選を「反転攻勢に転ずる選挙」にすると語っていた。“政治対決の弁証法”というのは、共産党が躍進すれば敵の攻撃が強くなり押し返される。だがこれを打ち破れば、また前進できるということを言っているだけなのだ。勝ったり、負けたりを、マルクス主義らしく“政治対決の弁証法”などといって目くらまししているだけだ。

笑ってしまった「折り入って作戦」

 今回の志位氏の報告を聞いて、昨年の総選挙以来、共産党の選挙戦術に「折り入って作戦」というものがあることを知った。志位氏はこの作戦について次のように説明している。

〈「折り入って作戦」とは、“後援会員、支持者、読者に「折り入って」と協力を率直にお願いし、ともにたたかう選挙”にしていくということです。それは、現在の自力のもとでも勝利をつかむうえでのカナメをなす活動として、また、「国民とともに政治を変える」という党綱領路線にもとづく選挙活動の大道に立った方針として、昨年の都議選、総選挙のとりくみから重要な教訓として導き出したものです。その決定的な意義を、全党のみなさんにしっかり伝えていく中央としての活動に弱さがありました〉

 調べてみると「折り入ってお願いがあります」と冒頭に書き込んだ候補者のビラがあった。別に「折り入って」と言わずともできることだ。共産党の中央委員たちがこれを重要な作戦だとして真面目に議論していたと思いたくないほど、ばかばかしい戦術である。選挙に負け続けていることに納得した。

活動と支持拡大を7倍に引き上げようという無茶な提起

 共産党は参院選挙の直前の6月に第5回中央委員会総会を開き、そこで志位氏が、「折り入って作戦」と合わせて、有権者との対話、支持拡大を、7倍に引き上げようという提案を行っている。この提起に対しどういう反応があったかについて、志位氏は結語で次のように語っている。

〈「7倍」という提起に対して、討論のなかで、予定候補者の同志からも「7倍にして勝ちます」という決意が語られましたが、全国からの感想でも「7倍」が非常に衝撃的に受け止められています。「7倍はとてもやれそうもない」というのではなくて、「ここまで来たからにはテンポを7倍にアップしてやろうじゃないか」という決意として返ってきていることがとても心強いことだと思います。ここまでみんなの力で攻撃や大逆流を押し返してきた。そこに確信をもって、いまここで、その流れをうんと飛躍させて、組織活動のテンポを「7倍」に引き上げ、勝利に必要なことを掛け値なしにやりきる決意を固めあいたいと思います〉

 またいつものパターンだ。腹の中じゃ誰もできるとは思っていない。こんな無責任な提起と議論しかできない指導部や中央委員に引導を渡したくなるのも当然だ。

 「大逆流」を選挙敗退の理由にしたり、「折り入って」お願いしたり、活動を7倍に引き上げても、肝心カナメの政策が最近の国際情勢から乖離し、あさっての方向を向いていれば、支持拡大や選挙での勝利は全くおぼつかないでしょう。

 自衛隊違憲(最近曖昧ですが)や日米安保に反対、更には天皇制への否定など、それこそ今の日本の肝心カナメの施策として国民に浸透した考えを否定する党の方針を変えない限り、明日は社民党と同じ運命を辿るでしょう。

(私事ですが只今入院中なので、10日から2週間お休みします)

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2022年8月 9日 (火)

韓国「ニホンノセイダーズ」と日本「アベノセイダーズ」との共通項

Oip  安部元首相の襲撃事件から1か月を過ぎましたが、多くのメディアは相変わらず「国葬」の是非や「旧統一教会」と政治のかかわりを中心に報道し、この事件を起こしたテロリストともいうべき、山上容疑者のことは二の次になっているようにも思えます。

 いずれにしろ多くのメディア、特に反日メディアは反権力志向が強く、特に長期政権を築いた安部元首相に対しては「アベガー」と何でも批判の矛先を向けていました。一方隣国韓国は、ご承知の通り日本に対して何でも批判・非難の対象としており、この両者は何故か共通したものがあるようです。

 国際投資アナリストの大原浩氏が、そのあたりの事情を詳述していますので、以下に引用して紹介します。タイトルは『韓国「ニホンノセイダーズ」と日本「アベノセイダーズ」との共通項 テロリズムを許容するその心根』(現代ビジネス)です。

宗教問題ではない、民主主義に対するテロ

まず、安倍元首相暗殺事件は「『民主主義』に対する『暴力テロ』」である。決して、「宗教がどうのこうの」というたぐいの話ではない。

もちろん、現在色々と報道されている旧統一教会の過去行った行為を擁護するつもりはない。「霊感商法」などは社会悪と言っても良いと思う。だが、今回の「民主主義の言論の実践の場である選挙応援演説中」に卑劣な暗殺犯が「暴力(銃弾)によって国民に民主的選挙で選ばれた『国民の代表』を暗殺し、口を封じた」ということが、今回の暗殺事件の本質だということを忘れてはいけない。

1932年の5.15事件で「話せばわかる」と諭した犬養首相を「問答無用」と言い放って青年将校たちが撃ち殺した事件は、7月15日公開「『アベノセイダーズ』の罪と罰――安倍元首相暗殺が暗示する戦前昭和」で述べた。

この時が日本の民主主義の大きな岐路であったように思える。今回の安倍元首相暗殺事件がこの犬養首相暗殺事件に重なって見える。

ほとんどのメディアが、安倍元首相暗殺事件を旧統一教会(宗教)の問題に矮小化しようとしているが、「宗教と政治」をもし論じるのであれば、宗教との関係が公然の事実ともいえる「公明党」に関して、メディアがほとんど語らないのはなぜなのか?

あるいは、ウィキペディアの「Category:キリスト教系政党」には、過去のものも含めて世界の17政党が列記されている。

さらに、現在の米国大統領であるジョー・バイデン氏はジョン・F・ケネディに続く2人目のカトリック系の大統領である。

バイデン氏の教会通いの頻度がどの程度かわからないが、キューバ危機の緊張が最大に高まったころ、KGBを通じて「ケネディ大統領が教会で祈りをささげた」という報告を聞いたソ連の高官が、「核ミサイル攻撃を決断したのか!?」とパニックになったという逸話がある。

もちろん、ケネディ大統領は敬虔なカトリックであったので、「毎週」教会に通っていただけなのだが、共産主義に基づき宗教を禁止していたソ連の高官はそれがわからなかったのかもしれない。

また、バイデン氏はカトリックだが、米国を分断する「中絶問題」では、(カトリック教会の教えとは基本的に反対の)「容認派」である。

さらに、2020年6月28日公開「カトリック教会で『子供の性的虐待3000人以上』…狂信と信念の境目」や、2019年12月13日公開「ローマ教皇に言いたい、バチカンこそが難民を受けいれるべきです!」 4ページ目「ナチスの教皇から共産主義の教皇へ」などのカトリック教会が引き起こした問題の責任をバイデン大統領がとるべきなのだろうか?

ちなみに、CNN 7月26日の記事「ローマ教皇、カナダ先住民に謝罪 寄宿学校の虐待めぐり」によれば、カナダの寄宿学校では先住民の子ども4000人以上がネグレクト(育児放棄)や虐待のために死亡した。

結局、「宗教と政治」はもちろん重要な問題であり議論を尽くすべきだが、安倍元首相暗殺事件の本質ではないということだ。

テロリストの記念碑は許されるのか?

それよりも、私が危惧しているのは、「民主主義の最大の敵」であるテロやテロリストに甘い日本の大手メディアを中心とした風潮である。

例えば、明治政府を牽引し現在の日本の繁栄の礎を築いた伊藤博文を、卑劣にも1909年にハルピン駅で暗殺したのが安重根というテロリストである。

ところが、この安重根の記念碑が宮城県に存在(みちのく悠々漂雲の記/宮城県)し、県によって案内看板が設置されている。

詳しくは、和田政宗議員の「安重根をたたえる記念館等に関する質問主意書(参議院、質問第一六三号:)を参照いただきたいが、この話を聞いた時に耳を疑った。(なお、答弁書は「答弁書第一六三号」を参照)。

8月2日のBBCニューズで「アメリカ、アルカイダ指導者アルザワヒリ容疑者を殺害 アフガニスタンでドローン攻撃」と報道されているとおり、9.11テロを主導したアルカイダに対する米国の態度は大変厳しい。2011年には、オバマ政権によってビン・ラディンも殺害されている。

例えば、その米国で「ビン・ラディンの記念碑」を建設しようとしたらどのような反応になるか簡単に想像出来るであろう。ところが、日本で実際に同じようなことが行われているのである。

これでは「日本はテロ容認国家」であると海外から白い目で見られても致し方ない。

メディアの「言葉の暴力」を許してはならない

SAKISIRU2022年7月17日の「朝日川柳、安倍元首相の国葬“ネタ”にして大炎上」の副題は「『さすがにこれはひどい』元朝日記者の選者に非難殺到」だが、まったくその通りである。

「言論の自由」は広く認められるべきものだが、何事にも限度がある。また、「報道の自由」と言う言葉がよく使われるが、メディアが自由に報道する権利というのはあくまで、国民に与えられた「言論の(国民の知る)自由」の一部にしか過ぎない。

国民は「知る権利」を持っているから、その範囲内で自由な報道も認められるべきなのである。日本国民が民主的手続きで選んだ首相経験者を、「卑劣な暴力で口を封じられた」後に鞭打つことが「国民の知る権利」と関係があるわけがないから、朝日新聞の前記行為は「報道の自由」を逸脱した行為だ。

言ってみれば、色々なサイトで汚い言葉を投げつけ、場合によってはNHK2020年6月4日記事「木村花さんの死が問いかけるもの」を引き起こす人々と朝日新聞は変わらないといえる。

実際、前述1932年の5.15事件以降、日本の軍国主義を煽ったのは、朝日新聞を始めとする大手新聞(1940年以降は大政翼賛会が結成される)社であり、「アベノセイダーズ」ならぬ「キチクベイエイ(鬼畜米英)ノセイダーズ」を組織していたのだ。現在の地上波テレビ局のほとんども、これらの新聞社に起源を持っている。

考えてみれば、彼らの手法は戦前と変わらない。「キチクベイエイ(鬼畜米英)ノセイダーズ」が、「鬼畜米英には何をしてもいいんだ」というヒステリックな国民感情を煽ったのと同じように、「アベノセイダーズ」が「安倍首相には何をしてもいいんだ」というヒステリックな感情を煽ったのだ。

過去の「キチクベイエイノセイダーズ」は、適性国家の言葉である英語を敵視し、野球のストライクを「良し」とするような馬鹿げた言い換えを行っていた。

そして、世界中の国々から数えきれないほどの弔意が示され、同じく凶弾に倒れたマハトマ・ガンジーのように世界の歴史に残るであろう人の国葬を「『アベノセイダーズの敵』だから認めない」というのも同じように愚かな行為だ。

戦前我々が行うべきであったのは、ただ「鬼畜米英」と叫ぶだけではなく、「相手を理解するよう努力し、忍耐強く話し合いを続ける」ことだ。ところが、「アベノセイダーズ」は、「相手を理解することも、民主主義的話し合いもせず」ただ、「お前をたたき切ってやる」とか「アベ死ね」というような汚い言葉をヒステリックにわめくだけだ。

メディアを中心としたこのような状況はまさに戦前のデジャヴであり、大変危険なことだ。

「他人を尊重しない」ことが共通項

結局、「キチクベイエイノセイダーズ」や「アベノセイダーズ」は、自分と対等の人間として相手と向き合うことができず、自分の身勝手な意見をぶつけるサンドバックとしてしか相手を見ることができない。相手の心の痛みがわからないのだ。もちろん「思いやり」のかけらもない。

また、彼らは自己反省ゼロで、ひたすら相手の非を探し出して(捏造して)喚き散らすから、心が歪んでいく。これこそが「相手を尊重して話し合う」民主主義の危機だ。こんなことがまかり通れば「問答無用」で殺しあう時代が確実にやってくる。

例えば、8月1日の「外国人住民投票権のツイートをした金井米穀店が活動家から迷惑デモ行為を受ける」というアゴラの記事がある。要するに、金井米穀店がツイートした内容に対して、抗議者が店舗前やその周辺に集まってきて、営業ができないように圧力をかけた事件である。

前述、和田政宗参議院議員のフェイスブックのコメントでは「店舗前での執拗な抗議活動は、威力業務妨害との指摘があり、入店時に写真を撮られ怖かったとの証言もあります」とのことだから、「言論の自由」「表現の自由」をまったく逸脱した「常軌を逸した行為」と言わざるを得ない。

このような問題は、安重根以来の「ニホンノセイダーズ」においても同様だ。

日本(人)は寛容だから、「あなたが悪い」と言われると「ニホンノセイダーズ」達とは違って、「もしかしたら私に非があるかも……」と考えがちだ。これは素晴らしいことだが、「ニホンノセイダーズ」はそこに付け入るのだ。

7月10日公開「日韓関係改善ムードだそうだが、まず韓国の謝罪と償いがスタート地点」という状況にも関わらず、いまだに韓国が日本に謝罪を求めるという見当違いをしているのも、これまで「ニホンノセイダーズ」が韓国で増殖するのを放置してきた日本政府にも責任がある。

会津藩の「什の掟」の「ならぬことはならぬものです」という言葉は有名だが、我々は今こそこの言葉によって「ニホンノセイダーズ」を始めとする「ナントカノセイダーズ」に対して毅然とした態度で接するべきではないだろうか。

 大原氏がここで取り上げている、他者に不寛容で自己中心の考えを押しつける、「ナントカセイダーズ」は、日本の左翼メディア、左翼政党、左翼言論人、人権派弁護士や、各種市民活動団体に共通な特質でしょう。

 そして国レベルでそうした傾向を持つのが、所謂権威主義国家(独裁国家)で、それ以外にも大原氏が取り上げている韓国がその仲間と言えるでしょう。そうした国に対し、何故か日本の「ナントカセイダーズ」群はもの申せず、と言った態度ですが、それもあるいは「同類意識」を感じているからでしょうか。

 いずれにしろ安部元首相の襲撃の容疑者は、所謂テロリストと呼ぶべき殺人犯ですが、昨今のメディアの旧統一会叩きを見ていると、彼の敵と見なしていた旧統一教会への復讐が、皮肉にも現実に実りつつあるのでは、と言えるような気もしますが。

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2022年8月 8日 (月)

日本国憲法は「占領された日本の基本規定」にすぎない、改正待ったなし

Images1_20220808101601  岸田首相は内閣改造を10日に予定しているようです。直面する様々な課題に対し、対処するために陣容を一新したい考えのようですが、本音は旧統一教会に関わる閣僚を外して、野党の追及をかわす目的が第一のように見えます。

 その中で、日本の大きな課題の一つ、憲法改正は真の主権を取り戻す為に避けては通れません。先の参院選で、参議院にも改憲勢力3分の2の議席を勝ち得たこの時点で、改憲は待ったなしと思われます。

 ところで国民の多くは、今の日本国憲法がGHQの起草したものと、薄々気づいているものの、国会の議決を得て公布されたものですから、日本人による憲法と勘違いしている人が多いと思いますが、国会承認の時期はまさに占領下であって、独立国日本が承認したものではありません。

 ここに国史啓蒙家である小名木善行氏が、WILL誌に寄稿したコラムがあるので、以下に引用して紹介します。タイトルは「憲法という誤訳」です。

 日本は、戦闘を停止した昭和二十年八月十五日から、昭和二十七年四月二十八日のサンフランシスコ条約発効の日まで、法的質的両面における占領下にありました。その占領期間中にGHQが英文でつくって占領統治下の日本に与えたのが、日本国憲法です。英語の原題は「ザ・コンスチチューション・オブ・ジャパン(The constitution of Japan)」です。しかし、これは二つの意味で誤訳です。

 ひとつは「コンスチチューション(Constitution)」の訳です。これを当時の日本は憲法と訳しました。日本で最も古い憲法が十七条憲法ですが、ここに書かれた、たとえば「和をもって貴しとなす」は、制定から千四百年を経過した現代においても日本人にとっての共通理念です。つまり日本人にとって、憲法とは、万古不易の変えてはならないもの、といった基礎認識があります。

 ところが英語になっている「Constitusion」は、元はフランス語で、フランス革命のときにパリ市民が王権打倒のためにつくったCon(共に)、stitute(立てた)、ion(こと)が組み合わさった語です。その後のフランスは、パリ市民だけのフランスから、フランス全土を統一国家とする国へと進化し、当然にこの過程で「Constitution」を何度も書き換えています。「Constitution」は、あくまでその時点における「共同体規定」なのですから、これは当然のことです。

 共同体の形や社会環境が変化すれば、これに即応して変化させるのがあたり前なのです。ドイツも日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国ですが、その後、ドイツの「Constitution」は六十回以上も改正が行われています。時代や環境が変化すれば「Constitution」は、むしろ変えないほうがおかしいものと認識されているからです。

 二つ目は「Japan」です。英文の「ザ・コンスチチューション・オブ・ジャパン(The constitution of Japan)」が与えられたときの日本は「日本国」でもなければ「大日本帝国」でもありません。「連合国によって占領された日本」です。ですから当時の日本からの輸出品には、すべて「占領された日本製(Made in Occupied Japan)」と刻印されました。「オキュパイド(Occupied)」は「占領された」という意味の英単語です。

 つまり「ザ・コンスチチューション・オブ・ジャパン(The constitution of Japan)」に書かれた「Japan」は、この時点では正確には「Occupied Japan」です。つまり英文の「The constitution of Japan」は、本当は「ザ・コンスチチューション・オブ・オキュパイド・ジャパン (The constitution of Occupied Japan)」というニュアンスであったのです。日本語に直訳すれば、「占領された日本の基本規定」です。占領者はGHQですから、これはGHQが日本を支配・統治するための基本規定であったのです。

 日本は、国際条約上は昭和二十七年に独立を回復したことになっていますが、いまだに「占領された日本の基本規定」を奉戴しているということは、日本はいまだに占領されていたいという選択をしていることになります。そうであれば、日本人が一生懸命働いて得た収入も、ことごとく親方に献上されるのは当然です。この状態をどう改善するかは、日本人がみずから決断して決めることです。

2_20220808101601  ついでに申し上げると、占領統治下の日本では、日本から海外にでかける貨物船などに掲げる船籍を示す旗も、日の丸を用いることが禁じられていました。ではどのような旗を用いていたのかというと、図の三色旗です。このような国辱的な旗など、二度と見たくないと思うのは筆者だけでしょうか。

 敗戦国というのは実に様々な屈辱を受けるものですが、日本は幸いにも第1次大戦後のドイツのように、天文学的な賠償責任は負わされませんでした。しかしその代わり、日本が古来持っていた「神道精神」や「武士道精神」など、ことごとく破壊され、自虐史観をすり込まれ、軍や治安当局を忌み嫌う文化を植え付けられました。その象徴的なものが日本国憲法です。

 たしかに主権在民、基本的人権や表現の自由、平等などの概念は今で言う「ポリティカルコレクトネス」ですが、行きすぎてしまえば、弊害も出てきます。そして何よりも憲法前文の「他国に安全と生存を委ねる」文言や、9条の「戦力の放棄や交戦権の否定」は主権を放棄するような内容となっています。

 日本は故安部元首相の名言「戦後レジームからの脱却」を推し進めるため、憲法を即刻改正し、日本人による日本人のための憲法に改め、主権を完全に回復し、普通の国として群がる独裁国家群に対処しなければ、明日はそれらの国の属国に成り下がらざるを得ません。政治の決断を強く望むものです。

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2022年8月 6日 (土)

「平和ボケ」した日本のメディアの「致命的な勘違い」が、ペロシ訪台で見えてきた

3_20220806100701  台湾周辺で中国が軍事訓練で力を誇示しようとしています。そのきっかけはもちろん、米国の下院議長であるペロシ氏の訪台です。台湾を自国の領土と自認する中国が、他国の、特に敵対関係にある米国の要人の訪問には殊更過敏に反応し、訪台の計画が出た時点から、様々な批判や、非難を繰返していました。

 だがペロシ氏がこうした批判を受けながら、自己の信念の元に訪台を実現しました。当然中国は予定通りの行動に出たわけです。しかし日本の新聞は何故か訪台に批判的な論調が目立ちます。その詳細をジャーナリストの長谷川幸洋氏が、現代ビジネスに寄稿していますので引用して紹介します。タイトルは『「平和ボケ」した日本のメディアの「致命的な勘違い」が、ペロシ訪台で見えてきた いつ、目を覚ますのか』です。

ペロシ訪台の結果は?

米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した。これについて「安定を損なう」「対立を激化させた」といった批判が出ている。だが、そんな言説こそが「平和ボケ・日本」の勘違いではないか。こちらの基準で相手を判断すれば、かえって平和が危うくなる。

今回の訪台について、中国は「これでもか」というほど激しい言葉で、けん制した。中国外務省は「主権と領土の一体性を守るために、断固として強力な措置をとる」、国防省は「人民解放軍は、けっして座視しない」と警告した。

習近平総書記(国家主席)自身も7月28日、ジョー・バイデン大統領との電話会談で「火遊びをすれば、やけどする」と脅した。セリフ自体は目新しくない。だが、8月1日が中国人民解放軍の建軍記念日だったことも考えれば、偶発的な衝突が起きる可能性もゼロとは言えなかった。

たとえば、反米主義者として有名な中国共産党系新聞「環球時報」(英語版は「グローバルタイムズ」)の元編集長、胡錫進(Hu Xijin)氏は「もし、米軍の戦闘機がペロシ氏をエスコートすれば、問題は別の次元になる。それは侵略だ。我々の戦闘機は妨害すべきだが、それが効果を上げなければ、私はペロシの飛行機を撃ち落としてもかまわない、と思う」とツイートしていた。

撃墜を煽った発言は、さすがに行き過ぎだったのだろう。ツイッター社はこのツイートを同社のルール違反とみて、胡氏のアカウントを停止した。胡氏はアカウントを復活させるために、その後、ツイートを削除している。

2001年4月には、中国の戦闘機が米軍の電子偵察機、EP−3Eと衝突し、中国軍パイロットが行方不明になり、米軍機は海南島に不時着する事件も起きている。今回も、軍のパイロットが英雄気取りで撃墜しないまでも、搭乗機に異常接近するくらいの可能性は十分に考えられた。

米軍はそんな事態も想定して、空母を派遣し、いざというときはヘリコプターで救出する作戦を立てていたほどだ。

ところが、蓋を開けてみれば、異常接近どころか、何事も起きず、ペロシ議長の搭乗機は8月2日夜、すんなりと台湾の松山空港に着陸した。まったくの拍子抜けである。

これで恥をかいたのは、中国だ。さまざまなけん制発言は「結局、空脅し」とバレてしまった。逆に、米国は大きな教訓を得た。どんなに激しい言葉で脅していても「中国は最後に折れる」という実例になったからだ。この教訓は、今後に活かされるだろう。

米中の「チキンゲーム」はまだ続く

もしも、ペロシ氏が脅しに屈して訪台しなかったら、どうなっていたか。

中国は米国の弱腰を教訓にして、今後も何かあるたびに、かさにかかって脅すに違いない。米国は腰が引けて、中国に強く出られなくなるかもしれない。そうなったら、最悪のシナリオだ。台湾奪取を悲願にする中国は、強気一方で押しまくればいいからだ。

今回の問題は、これで終わりではない。米中の「チキンゲーム」は、要素を少し変えたとしても、今後も続く。中国が台湾奪取を諦めることはないからだ。第1ラウンドは、幸い「米国勝利」で終わったが、次も勝つとは限らない。肝心の大統領の腰が引けているからだ。

フィナンシャル・タイムズがペロシ訪台計画を報じた直後の7月20日、バイデン氏は記者団に問われて「米軍は、それがいい考えとは思っていない」と語った。自分が最高司令官であることを忘れたかのような言い方だが、訪台をけん制する意図があったのは間違いない。

ホワイトハウスは8月1日になってから、ジョン・カービー戦略報道調整官(国家安全保障担当)が会見し「米国は脅しに屈しない」と表明したものの、訪台は「もはや止められない」と分かって、弱腰批判を避ける狙いだったのは明らかである。

バイデン大統領が今後も中国に対して、ペロシ氏が示したような「断固たる態度」で臨むとは、とうてい思えない。バイデン政権は対中方針をめぐって、議会との綱引きが続くだろう。

訪台批判を繰り広げる日本のメディア

そこで、本題のペロシ訪台に対する評価である。

朝日新聞は「ペロシ訪台 軍事的な緊迫、回避を」と題した8月4日付の社説で「双方とも望まぬ衝突を避けるために、冷静な意思疎通による沈静化を図るべきだ」と訴えた。

中国に「武力を振りかざす示威行動は許されない」と指摘する一方、「ペロシ氏の行動についても疑問を禁じ得ない側面がある。なぜ、この時期を選んだのか。…地域の安定に資する外交戦略を描いていたのだろうか」と、やんわり批判した。

そのうえで、日本について「緊張緩和に向け、日本も米中の『橋渡し役』の役割を十分に発揮すべきときだ」と、お決まりの「橋渡し論」を掲げて、注文を付けた。まるで、日本が自由・民主主義陣営に属していないかのようだ。ちなみに、橋渡し論は親中派、林芳正外相の路線でもある。

東京新聞は、もっと率直だった。「台湾海峡緊迫化 米中とも自制が肝要だ」と題した同日付の社説で「ペロシ米下院議長の台湾訪問は、米中対立を一段と激化させてしまった。…ペロシ氏も自重すべきだった、相手に挑発と受け捉える行動を繰り返せば、対立は制御不能になり不測の衝突に発展しかねない」と批判している。

こうした訪台批判は、両紙のような左翼新聞に限らない。

ハフィントンポスト日本版(朝日新聞との合弁企業)に掲載されたインタビューで、ある日本の学者は「(訪台に)デメリットはありますが、何がメリットだったのか。誰も説明できない。ペロシ氏の訪台が台湾や台湾海峡の安定にとって何かプラスを生んだのか、説明できないのです」と批判している。

そのうえで「ペロシ氏は何かを持って来られる立場になく、むしろ勲章をもらって帰るだけ」「台湾海峡の安定を実現し、台湾の民主主義を守るために米台関係を強化していくことは重要です。そのためには粛々とやることが一番大事」などと主張した。

別の学者も、この発言をツイッターで「とてもわかりやすい解説」と評価している。

「静かに話せ論」が犯している勘違い

私は、ペロシ訪台を評価する。べつに、この時期でなくても良かったと思うが(ペロシ氏自身が当初、4月を予定していた)「この時期はダメ」という話でもない。中国の反発がどうであろうと、台湾の自由と民主主義を断固として支持する姿勢を示すことが重要だ。

問題は「相手を挑発すれば、対立が激化する」とか「静かに話せ」といった主張が、そもそも「安定を損なっているのは誰か」を忘れている点である。それは中国ではないか。

中国は台湾だけでなく、南シナ海、東シナ海で我がもの顔で振る舞い、力で威嚇している。日本も脅されている国の1つである。自由と民主主義を標榜する国が、力による威嚇に反対するのは、当然だ。

そのうえで「静かに話せ論」が勘違いしているのは、そうした主張が「静かに話せば、相手も分かるはず」という仮定を前提にしている点である。中国は「静かに話せば分かる国」なのか。そうでないのは、そう主張している本人たちも、実は内心、承知しているはずだ。

ここで説明している紙幅はないが、中国には、十分すぎるほど、他国と自国の国民に対して乱暴な実績がある。もしも、論者たちが本気で「静かに話せば分かる国」と思っているとしたら、それこそ救いがたい不勉強である。

にもかかわらず、こうした主張が出てくるのはなぜか。

自分たちの基準で相手を判断しているからだ。日本では「話せば分かる」文化があまりにも大事にされているから、「相手はそうではない」と頭で分かっていても、無意識のうちに、つい「相手もそうだ」という前提で考えてしまうのである。

そのうえで、ここがより重要なポイントなのだが、メディアにとって、実は「相手もそうだ」という前提で語ったほうが「読者の受けがいい」からである。だから、そういう前提で語ってくれる学者を重宝する。学者も、使ってもらえてうれしい。そんな構造が「話せば分かる」論を、日本にはびこらせているのである。

なぜ「読者の受けがいいか」と言えば、まさに日本では「話せば分かる文化」が、とても大事にされているからにほかならない。メディアは(そして、それに調子を合わせる学者も)読者の求める話を提供しようとする。それが、互いのビジネスにとって、都合がいいからだ。

もちろん、戦いよりも「話せば分かる論」が大好き、という左翼の特性もある。だが、必ずしも左翼というわけでもない学者たちにも、この論が根強いのは「そう語っておいたほうが、日本社会では無難」という文化の問題が根本に横たわっている。

「西側の常識」では見えてこないもの

残念ながら、中国やロシア、北朝鮮のような独裁・専制主義国家は「話せば分かる国」ではない。だからこそ、ときにはムチや大胆な行動が必要になる。「オレたちは、脅せば屈する国ではないぞ」と、相手に分からせなければならないのだ。

思い返せば、ロシアのウクライナ侵攻についても、日本の学者や専門家のほとんどは、侵攻前に「ロシアが侵攻するわけがない」と唱えていた。これも、ウラジーミル・プーチン大統領の発想や論理を、西側社会の常識で理解しようとしたからだ。

国際関係について、根本的な理解の仕方が間違っているのである。

にもかかわらず、日本のメディアは、そんな間違った専門家や学者の意見を相変わらず、重宝している。西側社会の常識を前提に語ってくれたほうが、読者や視聴者の耳になじみやすいからだ。一言で言えば「人々が聞きたい話を流す」のが、日本のメディアである。そんな記事を読んでいても、真実は見えてこない。

同じペロシ訪台反対論でも、ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマン氏はさすがに、そんなに浅薄な反対論は唱えていない。「ペロシ訪台はなぜ、まったく無謀なのか」と題した8月1日付コラムは「ロシアと対決しているときに、中国と敵対すべきではない」というのが、反対の理由だった。

彼は「2つの超大国と同時に、2正面の戦争を引き起こしてはならない、というのは、地政学の基本(Geopolitics 101)だ」と書いている。これは、まったくその通りだ。実際には、中国が腰砕けになってしまったので、戦争にはならなかったが、このコラムが執筆された時点では訪台していなかったので、警告する意図だったのだろう。

ちなみに、フリードマン氏はロシアの侵攻についても、2月21日付のコラムで「これはプーチンの戦争だ。だが、米国やNATOが無罪の傍観者ではない」と米国と北大西洋条約機構(NATO)の責任を追及している。これに、私もまったく同意見だ。

日本のメディアや学者たちの主張が、いかに世界の議論とかけ離れているか。ウクライナの侵略戦争をめぐって浮き彫りになったが、ペロシ訪台をめぐっても、また明らかになった。ボケた日本はいつ、目を覚ますのか。私は当分、悲観的である。

 長谷川氏の言う「メディアは(そして、それに調子を合わせる学者も)読者の求める話を提供しようとする。それが、互いのビジネスにとって、都合がいいからだ。」という言葉に賛同します。そして読者とはその新聞の購読者で、リベラル好きの人たちでしょう。メディア側の論調も加わって、どうしても親中反米の方向に偏ってしまいます。

 それにしてもペロシ氏訪台後の中国の力の誇示の演出は、朝露などの専制国家には受けても、多くの国に「ここはオレの縄張りだ」と、相手への威嚇のための力の誇示と見えているのではないでしょうか。少なくとも私にはそう見えてしまいます。それをそう見えていない日本のメディアは、どうしようもない「平和ボケ」に陥っているようです。

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2022年8月 4日 (木)

旧統一教会を批判するテレビ朝日は、かつて旧統一教会の宣伝をしていた

Images-1_20220804105001  今、メディアでは旧統一教会が毎日のように報道されています。その殆どが政治家との結びつきを強調し、悪者に仕立て上げているようです。確かに意図を持って政治家と関係を持っていることは、否めないでしょうが、そのメディアがかつては旧統一教会の宣伝を垂れ流していたことは、殆ど報道されません。

 その点を明確に突いた記事が、ルポライターで作家の青沼陽一郎氏によって、JBpressに寄稿されています。タイトルは『今は猛批判だが、直近まで統一教会の宣伝を垂れ流していた報道機関とIT大手 統一教会への警戒心、緩んでいたのは政界だけではなくメディアもではないのか』で、以下に引用して紹介します。

 安倍晋三元首相の襲撃事件をきっかけに、いまさらながらに統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の「反社会性」や、政治家との関係を糾弾する報道が相次ぐ。

 テレビでは朝や昼のいわゆるワイドショーと呼ばれる情報番組が積極的で、それこそ30年も前から統一教会を追及してきた有田芳生氏や、いわゆるカルト宗教の問題に取り組む紀藤正樹弁護士などが出演して、統一教会を解説してみせる。政治家との関係が明らかになると、ここぞとばかりにその政治家を大きく取り上げて問題視する。

テレビ朝日のサイトに登場していた統一教会の広告

 だが、私に言わせれば、よくそんな報道ができたものだ、と首を傾げたくなるところがある。むしろ不愉快になる。

 その理由が、以下に示す画像にある。

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「テレ朝news」に表示された統一教会の広告

 これは、テレビ朝日のニュースサイトをファイル保存したものだ。日付は2年前の2020年2月5日。ニュースの配信日時から確認できる。ちょうど新型コロナウイルスが日本にも上陸。感染者が多発したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港に着岸したことが大きく報じられていた時期だ。

 私が指摘したいのは、このニュースサイト画面の上と右側に表示されている広告だ。

『文鮮明先生聖誕100周年』

『真の父母聖誕100周年記念』

 などと大きく記載があり、どちらも同じ写真が使われている。

「文鮮明」とは、統一教会の創始者だ。広告写真の男性はその文鮮明で、いっしょに映っているのは妻の韓鶴子。文鮮明が2012年に死去したあと、教団の頂点に君臨する人物だ。

 その文鮮明の生誕100年を祝うイベントの広告。すなわち統一教会の広告であることは誰の目にも明らかだ。

広告はGoogle経由

 この広告をクリックすると、その専用サイトに飛んだ。いまでも保存ファイルの広告欄をクリックすると『文鮮明天地人真の御父母様天宙聖和10周年』と題されたサイトに飛び、文鮮明の写真と関連イベントのスケジュールが表示される。名実ともに統一教会の広告であることは間違いない。

 文鮮明は1920年2月25日の生まれ。広告表示もその直前の時期にあたる。

 テレビ朝日は、文鮮明の生誕100周年をいっしょに祝い、そして広告収入を統一教会から得ていたことになる――そういう言い方をすれば過激に聞こえるかもしれないが、もう少しこの広告の事情を細かく探ってみる。

 このニュースサイトの運営はテレビ朝日であることはまず間違いないが、問題の広告の右肩に小さくある「i」「×」という情報アイコンと削除アイコンにカーソルを合わせると、「Ads by Google」という吹き出し表示が出る。さらにクリックすると、広告全体が「Googleはこの広告の表示を停止しました」との文字表示に変わる。つまり大手検索サイトのGoogleが、私の検索や閲覧履歴などの個人情報を取得して、それに見合った広告を表示するシステムになっていたはずだ。

 どういうアルゴリズムで私の情報端末にこのような広告が表示されたか不明だが、考えられるとすれば、オウム真理教事件に精通していたことが挙げられる。「カルト」という括りで表示されたのだとしたら、なんとも皮肉な話だが、そうであればなおさら無視することもできなかった。

 統一教会の広告表示を請け負ったのはGoogleということになる。テレビ朝日側も、統一教会の広告が表示されることを関知していなかったかも知れない。だとすると、それこそ問題の根が深い。

 よりにもよって、報道機関が運営するニュースサイトの広告表示を、内容も確認せずに巨大ITプラットフォーマーに丸投げし、反社会性の指摘される団体の宣伝を垂れ流していたことになる。Googleに主導権を譲り、統一教会のやりたい放題にさせていた、ということだ。

 私の他にも、この広告を目にした人たちがいてもおかしくはない。あるいは、私が目にしないだけで、他の報道機関でも同じことがあったかもしれない。あとから広告の削除要請をして、サイト運営者が「知りませんでした」で、済まされる話でもあるまい。

統一教会批判を展開するテレビ朝日だが

 安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者(41)は、統一教会に恨みをもっていたとされる。母親が教団にのめり込み、多額の献金で家庭が崩壊したという。親族に無断で家や土地を売って1億円近くを教団に寄付していたことも報じられている。その統一教会の関連団体のイベントに安倍氏がビデオメッセージを送っていた。昨年9月のことだ。そこで安倍氏ははっきりと、こう言っている。

「韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」

 これを見て山上容疑者は安倍氏に殺意を抱いたとされる。その韓鶴子が、このテレビ朝日の広告に映し出されて、文鮮明といっしょに『平和を愛する世界人』『天地人真の御父母』などと賞讃されている。

 山上容疑者の母親の例に限らず、統一教会の違法性が認められている献金や勧誘の実態は、ずっと以前から社会問題になっていた。それこそ有田氏がジャーナリストとして追及し、紀藤弁護士が法廷で戦ってきた。テレビ朝日の番組では、その反社会性も報じている。

 その統一教会から広告費としてGoogleはいうまでもなく、テレビ朝日も多少なりとも収益を得ているはずだ。ひょっとすると、テレビ朝日に入った広告費の原資は、山上容疑者の母親が寄付した1億円から出ているかもしれない。カネに色はない。

社会の「無関心」が統一教会の増長を招いた

 統一教会から出たカネが、巨大IT企業はもとより、テレビ局の社員の給料となり、出演者の出演料になる。同局の情報番組に出演して、統一教会の反社会性を訴える有田氏や紀藤弁護士が出演料を得ていたとしたら、こんなに間抜けな話はない。いや、それ以前に番組には出演できないはずだ。脇が甘すぎる。

 そもそも有田氏は、統一教会の追及からはじまり、オウム真理教事件で名を広く知られるようになった。そして、先月10日の参議院議員選挙で落選するまで、2期12年にわたって参議院議員を務めた。世に名を知られるようになったきっかけが統一教会問題追及にあるのであれば、政治家だったうちに対策を講じるべき立場にあったはずだ。

 それが、これまで野放しにされていた統一教会に耳目が集まると、いまさらながらにテレビ番組を梯子して解説してまわる。30年前となにも変わらない。恥ずかしくはないのだろうか、と疑問にすら思う。それどころか、参議院議員だった時代に、オウム真理教の後継団体で、団体規制法による公安調査庁の観察対象にもなっている『ひかりの輪』の代表の上祐史浩氏と事実上の共著を出版しているのだから、呆れる。

 加熱する統一教会報道に“いまさら”という感覚が拭えないでいる。報道機関も統一教会の宣伝布教に加担していたからだ。それも大手IT企業と報道機関がいっしょになった無関心からくる垂れ流しだ。2年前に統一教会の祝賀イベントの広告を出して収入を得ておきながら、統一教会の反社会性を知らなかったなどと言い訳すれば、それこそ報道機関としての信頼性を失う。

 政治家が関連団体に祝電を送ったり、イベントに参加したりすることを「広告塔」として批判する以前に、カネが渡っているだけ悪質ともいえる。世界を席巻する巨大ITプラットフォーマーや、日本の報道機関の在り方も問われて然るべきだ。

 悪を追及する報道機関が、その悪の宣伝を行っていた。こんな間抜けでダブルスタンダードな行為を、あの朝日新聞系列のテレビ朝日が行っていたのは、いかにも象徴的ですね。

 それにしても有田芳生という人物も、自己保身のためだけに旧統一教会やオウム真理教を追求し、そのおかげでマスコミに取り上げられ、それで有名になれば政治家になり、(政治活動中は旧統一教会について何も取り上げず、ただただ政権批判のみに現を抜かし)、落選をすればまたコメンテーターで旧統一教会批判で稼いでいます。世渡りは旨いが人間としては軽すぎるようです。

 また統一教会との関係を持つ政治家は、立憲民主にも維新にもいますが、私が見たテレビ朝日の特集番組では何故か自民党議員の報道だけです。これもこの局の政治的意図があるようです。報道機関としては最低でしょう。

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2022年8月 2日 (火)

立憲民主や共産党が選挙に勝てないたった一つの理由

Images_20220802102901  2012年末の衆議院総選挙から、前回7月に行われた参議院選挙まで自民党は負け知らずです。この間野党は多党化が進み、保守寄りの日本維新の会の躍進もありましたが、一度も過半数は取れません。それどころか最近立憲民主党や共産党はじり貧の状態が続いています。何故なのでしょうか。

 この状況をインターネットを中心に言論活動を行っている、御田寺圭氏が一つの見解を現代ビジネスに寄稿していますので、以下に引用して紹介します。タイトルは『与党支持・保守派は「わかってない」「時代遅れ」?…リベラル野党が「それでも負ける」たった一つの理由』です。

SNSと現実の大きなギャップ

2022年7月10日に行われた第32回参議院選挙は、前回の衆院選と同様に自民党は盤石、左派系野党が軒並み苦戦を強いられる一方、維新が昨年の衆院選からさらに勢力を拡大させた。安倍晋三元首相が銃撃され死亡するという想定外の事件はあったが、メディアによる事前の予測から大きな変化はなく、おおむね想定通りの結果で今回の選挙は幕を閉じた。

2012年の第二次安倍政権成立以後、自民党は「最新の時代感覚から取り残され、旧態依然とした“オジサン政治”を続け、日本をダメにする悪の政党」であるとして、インターネットやソーシャルメディア上では蛇蝎のごとく嫌われている。文化人や知識人など、各界の著名人による「自民党政治」に対する批判を目にしない日はない。しかし、過去10年間で7回行われた国政選挙では、すべて自民党が圧勝と言ってよい結果に終わっている。

ソーシャルメディア世論を観測していると、まるで自民党の支持者など偏狭な「ネトウヨ」だけしかいないかのように見えてしまうが、もちろんそうではない。私たちがいまや「拡大的な現実」として解釈してしまいがちな広大なネットの世界が、現実と甚だしく遊離した空間であることを、選挙のたびに思い知らされる。

「野党支持で当然」という思い込み

インターネットやSNS上では、左派系の野党を支持する「リベラル派」ほど熱心に政治的メッセージの拡散を行い、啓蒙活動に勤しんでいる。それは私が憶測で言っているわけではなく、ビッグデータで明らかになっている事実でもある。

にもかかわらず、選挙結果を見るかぎり、かれらの啓蒙活動はほとんど奏功していないようだ。いや、奏功していないどころか、むしろSNSを舞台に活発な啓蒙活動が展開されるようになって、なおさら自民党をはじめとする保守政党の優勢が確固たるものになっているようにすら見える。いったいなぜ、「啓蒙」は失敗してしまうのだろうか?

理由はたったひとつ、きわめて明快である。

「啓蒙」するからである。

野党・左派政党の支持層の言動からは、どうしても「なにもわかっていないお前たちを『啓蒙』してやろう」という姿勢がにじみ出てしまう。だからこそ、野党(リベラル派)はいつまで経っても支持を集められないのである。

まともな知的能力、まともな教養、まともな学識経験があるただしい人間であれば、リベラル政党を支持するのが当然である――というインテリ層が自明とする考え方は、皮肉にもかれらが支持する左派系野党から大衆の心を離れさせ、自民党や維新といった保守勢力を勢いづかせる「援護射撃」に意図せずなってしまっている。

「啓蒙される側」の気持ち

「知性や良識のある人間はリベラルになり、愚か者は保守派になる」――そうしたインテリ・エリートの主観的認知におさまりのよい「善悪二元論」的な物語こそが、かれらが嫌われ、啓蒙がうまくいかず、そして毎度敗北する理由である。

大衆のほとんどは、SNSで熱心に政治について語るような余裕のある高学歴者ではないし、その日その日を一所懸命に生きる生活者でしかない。SNSを主に趣味のグループの交流や、友人同士の連絡ツールとして使っており、政治的発信をしない人びともたくさんいる。

そんな人びとに対して「あなたは思慮が浅いようですね。もっとちゃんと政治や社会のことを勉強すれば、私たちの言っていることが『ただしい』と理解できるようになりますよ」などという姿勢で「啓蒙」すれば、どんな気持ちになるだろうか。たとえ、その「啓蒙」が心からの善意で行われているとしても、どのような印象を受けるのかは火を見るよりも明らかだ。

リベラル野党、つまり共産党や立憲民主党などの一部の政治家や候補者は、すでにそうした基本的な道理を見失い、「SNS上の世論」と「実社会の情況」の区別がつかなくなっている。ツイッターやはてなブックマークで受けのよいことをそのまま現実に持ち出してきてしまうようになっているのだ。ジェンダー平等やSDGsといった啓蒙的な公約が“刺さる”のは、あくまで「自陣営にもとから親和的なSNS・ネットのフォロワー」であり、それは世間一般を少しも代表していない。かつては陰謀論者や「ネトウヨ」が陥っているとされたエコーチェンバーに、かれら自身も絡め取られているのである。

それは「議論」ではない

かれらは、自分と意見が異なる者とも「対話」や「議論」を行っていると自信ありげだ。しかし、どんな時でも「私たちが蒙をひらく側(歴史のただしい側)」という前提は変わらない。

「リベラル政党を支持する正しい私たち vs.保守政党に投票してしまう『アップデート』の足りないあなた方」という揺るがしがたい構図がまずあって、それをもとにコミュニケーションをしようとする。スタート地点からすでにフェアではない。社会的にも知的にも政治的にも道徳的にも、あらゆる側面で自分たちが「正義」の側であるという優位なポジションを前提としながら、大衆に「議論」や「対話」を試みるのである。

コミュニケーションの相手となる側は、対話の席についた瞬間に「社会的・政治的・道徳的に劣った者」というステータスを負わされる。リベラル派が支持を広げられない理由は、かれらとやりとりをはじめようとした途端に「お前は間違っている」「お前は賢くない」「お前は時代遅れだ」といった諸々の前提を引き受けさせられることに、人びとが気づいているからだ。

そして大衆がコミュニケーションの場から去り、かれらにとって望ましくない投票行動――自民党や保守系野党などへの投票――をしようとすると、少しも我慢することができず「愚か者に選挙権を持たせると国がよくならない」と、《本音》をぶちまけてしまう。

「タレント議員批判」は「ただしい」か

たしかに大衆は、リベラルなエリートからすれば学歴もなければ教養もなく、最新の西洋道徳にキャッチアップするような知識も感度もないかもしれない。だからといってかれらを軽蔑したところで世の中は変わらない。いや、むしろ「分断」が深まる結果になるだろう。エリートの生活基盤も含めて、世の中は彼らが言う「愚か者」たちが、毎日汗水たらして働いたリソースに依存して、どうにか成り立っているのだから。

世の中の人びとは、自民党政治や岸田政権に不満がないわけではない。現状追認がしたいわけでもない。むしろ不満だらけだ。それでもかれらが自民党に票を投じるのは、インテリ層やエリート層に「馬鹿にされている」と感づいているからである。「野党候補を選ばず自民党のタレント議員を選ぶ東京の有権者はどうしようもない」と言われて、「そうだったのか。私が愚かだった。生稲晃子や朝日健太郎に入れず、次からはちゃんと野党候補に入れよう」と反省する有権者は皆無である。ますます生稲氏に入れたくなったことだろう。

リベラル政党とその支持者たちが「私たちがいかに西欧発の最新の社会正義(ジェンダー平等やSDGsやマイノリティ擁護)をキャッチアップできているか、皆さんにお伝えします!」と心からの善意で言っているのはわかる。一方で自民党は「もやウィン」を考案したり、パソコンもろくに使えない人をIT担当大臣に据えたりしている。傍から見ればどちらが優秀でただしいのかは一目瞭然にも見える。

しかし「馬鹿にされている」という軸で考えた時はどうだろうか。大衆が距離を感じてしまうのは前者であり、後者は「同じ目線で語り掛けてきてくれている」と評価される。

「対等な立場」で語ることの強さ

なぜ作家のカズオ・イシグロは、インテリ層やエリート層に属する人ほど、社会階層の異なる大衆の近くへと自分の身体ごと視点を運んでみる「縦の旅行」をするべきだと述べたのか。

大衆からインテリ層やエリート層が「どのようなまなざしを向けられているのか」を、その身をもって理解することができるからだ。残念ながら、インテリ・リベラル・エリート層は、大衆社会からうっすら嫌われている。こいつらの言っていることは(小難しくて自分たちにはその厳密な評価はしかねるが)一理あるとしても、どうにも鼻持ちならない――と思われている。ところが、当の本人たちはどういうわけか、自分たちが好かれている、尊敬されている、信頼されていると考えている。

「学がない人間が自分の頭で考えようとすると、右翼や歴史修正主義者に絡めとられるのだから、私たちの言うことを信じていればよいのだ」というのは、部分的には事実を語っているのかもしれない。しかしそれは大衆ひとりひとりの「主体的に考える自由」をまったく尊重していないパターナリズム的な言動でもある。いくら高尚でただしい理念を唱えていようが、自分を「対等な人間」として認めていない者とその勢力を好む人はそういない。

自民党の政治家や候補者にも、野党に負けず劣らず高学歴者が多く、社会階層的にはまさに「貴族」というべき出自の者も少なくない。ところがかれらは有権者を見下さない。馬鹿にしない。それが自民党の党風なのだろうし、新人議員はそうした姿勢を先輩たちから叩き込まれるのだろう。SNSでは死後も非難されつづける安倍晋三ですら、後輩議員の応援のためなら、人口の少ない村落にわざわざ出向いて、有権者と同じ目線でひとりひとりに話しかけていたという。はっきり言って時間あたりで会える有権者の数からすればきわめて非効率だろうが、それでもわざわざ行くのである。

自民党の政治家のほとんどはインターネットやSNSが苦手である。SNSで大きな共感の渦を巻き起こしている立憲民主党や共産党に比べれば、インターネットのセンスは皆無と言ってもよい。だがかれらは、それらを苦手としていることで幸運にも「縦の旅行」を意図せず実現している。SNSの使い方がよくわからないから外に出るほかない。結果として、学も教養も大して持っていない大半の有権者と同じ目線で対話することに成功し、盤石の支持を集めている。

どちらが「最新のテクノロジーを駆使した、洗練されアップデートされた政治」をやっているかと問われれば、間違いなく立憲民主党や日本共産党である。だが、どちらがより多くの人とリアルな心を通わせられているかと問われれば自民党になる。

「啓蒙が足りない」のではない

「ポリコレ」にせよ「SDGs」にせよ、近年欧米によって見出された新しい道徳律は、経済的にも社会的にも学識的にも豊かな人間の方が優位にキャッチアップしやすい概念である。最新の政治的ただしさを更新するには高い教養と知識が、SDGsを実践するには豊富な経済的余裕が必要となる。そのいずれも持てない大衆は、なにもしていないのに「道徳的に遅れた人」「善性を持たない人」に降格させられてしまう。

そのような構造そのものが大衆から大きな反感を買っていることに、エリートを自任する人たちこそ気づかなければならない。日々の生活を成り立たせるので精いっぱいの生活者から、物心両面で余裕のあるエリートたちが「善性」や「ただしさ」すらも奪ってしまう構図になっているのだ。「反エリート」の立場を明確にしている維新が全国的な支持を集めるのも当然の帰結だ。

いま野党が苦境に立たされているのは「啓蒙が足りていないから」ではない。「啓蒙をするから」勝てないのだ。啓蒙とは、文字どおり相手側を蒙昧な者と規定する、ともすれば侮蔑的な行為である。自分たちが馬鹿にされ、「善性」をこっそり奪われていることに気づかないほど大衆は愚かではない。

必要なのは「啓蒙」ではなく「和解」である。

「啓蒙」するから敗れる。

 立憲民主党や共産党の議員がSNSに長けていて、自民党議員がそうではないのが本当かどうか知りませんが、リベラルを自認し故安部元首相などを口汚く批判していた人たちに、学者や知識文化人たちの所謂エリートが多いのは確かです。

 こうしたエリート層は自己主張が強く、自分の意見は正しい、従うのが当たりまえと言う感覚を一般的には多く持っているようです。逆にその意見は現場感覚から離れ、理想論に走りがちです。そして決定的に欠けているのが、サイレントマジョリティーがいるのを軽視していることでしょう。

 いずれにしても反権力志向が強く、正義の味方然として弱者に寄り添う姿勢はいいが、自分たちが社会的な勝者の側にいることを忘れ、その発する言葉が弱者にはそらぞらしく聞こえてしまう。それが実態でしょう。

 国民はバカではありません。立憲民主党や共産党が、いくらバラマキ満載の政策を掲げても、財源を示さないので聞く側は信用しません。また政府与党のスキャンダルをあげつらい批判しても、それしかできないだろうと見透かされています。いい加減気がついて、真に国民に必要な政策を立案する姿勢に転換しなければ、じり貧は続いていくでしょう。

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2022年8月 1日 (月)

日本人信者を騙し、多額の献金を強要した旧統一教会の実態

1_20220731134801  安部元首相を狙撃し殺害した山上容疑者は、母親の旧統一教会への多額の献金が、家族の破滅の要因となったと判断し、教会を襲撃しようとしたが事成就せず、どういうわけか関連団体にビデオレターを送った安部元首相を代わりに標的にしたと、本人は言っているそうですね。

 そこにはそんな単純な動機だろうかと、何か背後に見えない力が彼をして犯罪に走らせたのではないかと、大いに疑問を挟む部分がありますが、それは別として、今回はその旧統一教会の内情の一片を、韓国在住のライター立花志音氏の、JBpressに寄稿した記事から引用して紹介しましょう。タイトルは『韓国に嫁いだ統一教会日本人妻の歴史観と2世信徒の証言 旧ソ連崩壊後、霊感商法に走った統一教会と日本人の巨額献金の使い道』です。

 韓国に住んでいると、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の人と知り合う機会は多い。特に地方に住んでいる日本人女性は、十中八九、統一教会の合同結婚式により嫁いできた人だ。

 基本的に旧統一教会の日本人女性は、反日的自虐的史観に染まっている。

 日本は韓国を不法に侵略して、この国の財産も韓国人としての名前も、女性も略奪したのだから、韓国人が納得するまで謝罪しなければならない。それは、日本政府がしなければいけないことなのだけれど、日本政府が嘘をついているから、自分たちが代わりに韓国に謝罪するのだ。そして、日本の統一教会は日本の過去の罪滅ぼしとして、韓国と世界のために献金し続ければならない──という考え方をしている。

 完全な反日左翼思想である。しかし、軍事的安全保障的な視点の話題になると、韓国と日本とアメリカは一体となって、神を否定する共産主義と戦うべきだと話し出す人もいる。

 この矛盾に満ちた、宗教団体の正体は何なのだろうかという疑問が常々あった。

 今回、安倍晋三元総理が暗殺されて以降、事件の容疑者の母親が統一教会に多額の献金をしていたことから、日本のマスコミでは統一教会が異常なほどにクローズアップされているようだ。

 韓国に住む筆者が、複数の現役信徒、元信徒、いわゆる2世信徒の人々から聞いた話をもとに感じたことを述べたい。

韓国における旧統一教会のイメージ

 旧統一教会は「キリスト教をベースとしているが、キリスト教を逸脱した別の物(新興宗教)」である。これは、学生時代に「キリスト教概論」の授業で教科書として使っていた本に書いてあった言葉である。

 幼稚園からキリスト教になじんできた筆者は、新興宗教であっても、基本的に信仰の自由は保障されるべきだと考えている。

 日本のテレビでは、「カルトがどうだ」「政治との癒着が悪いことだ」と騒がれているようだが、自民党の横で政権与党としてくっついている某政党とその母体の宗教団体はどうなるのだろうかという疑問も出てくる。

 個人的には、旧統一教会側が半強制的に献金をさせ、それによって家庭を崩壊させるような事態が本当にあったのか。その献金が原因で子供が進学や将来の夢をあきらめなければならないほどの貧困を招いたのか。また、そのような人たちが他にもいて、宗教団体関係者に殺意を抱いたり、メンタル崩壊と呼べるような状態の子供や若者がいたりするのか、ということが重要な論点の一つなのではないかと思う。

 韓国における旧統一教会のイメージは「お家騒動系新興宗教」である。日本のメディアでも報道されているが、現在の旧統一教会は教祖文鮮明の妻、韓鶴子氏が率いる「世界平和家庭連合」、3男顕進氏の「グローバルピースフェスティバル財団」、7男の文享進氏が率いる「サンクチュアリ教会」の3派に分かれている。

 きっかけは信徒たちもよく分かっていないようだ。もしくは「臭い物に蓋」で詮索しないように、信徒たちに規制をかけているかもしれない。

 先日、マスコミで話題になったのは元教会ナンバー2の郭錠煥氏が韓国で開いた記者会見である。

 郭氏は、「旧統一教会に携わった人たちは今回の銃撃事件と無関係ではいられません。心よりお詫びします」と謝罪し、教会が「本来のあるべき場所から完全に道を外れた」と主張したうえで、「日本の教会は経済部隊だった」ことを認める発言をした。

 その話について筆者は同世代の2世信徒から聞いた。

「あれは、お前が言うなって感じですよ。自分たちは教会を出ていく時にごっそり、不動産とか資産を持って出て行ったのに。教会本部と骨肉ドロ沼系の裁判をさんざんやって、結局は所有権が郭錠煥サイドに認められたけど、あれだって結局は日本からの献金なんですよ」

 彼女が話してくれたのは、3男顕進氏のグループが教会本部と袂を分かった時に持ち出した資産のことである。謝罪した郭錠煥氏の娘は3男顕進氏の妻にあたる。

 どうやら、日本の信徒から集めた献金は海を越えて韓国に送られているようだ。そして、教会の創始者一家の騒動の原因にもなっているようだ。

旧統一教会の2世信徒が示唆する「中曽根裁定」

「でもね、私が生まれる前の話だけど、私の両親は日本の共産化を防ぐために『勝共運動』っていうのを頑張っていたのは確かなんですけどね。昔の話を聞くと、お父さんは愛国者だったんだなって思いました。今は何の力もないみたいですけど」とも話していた。

 彼女のこの言葉が気になって、旧統一教会が作ったとされている「勝共連合」について調べてみた。

 何のことはない。少し検索するだけで普通に出てきた。目についたのは、1974年5月7日に東京帝国ホテルで開かれた「希望の日 晩餐会」という動画だった。旧統一教会の教祖文鮮明氏の講演会が堂々と行われていた。

 名誉実行委員長は岸信介元首相で、当時の福田赳夫大蔵大臣が「アジアに偉大な指導者現る、その名は文鮮明」と祝辞を述べている。この様子は普通にYouTubeで見ることができるし、今まで誰かが隠していたわけでもなさそうだ。

 先に出た2世信徒の話によると、この頃、自民党の保守層と文鮮明氏率いる勝共連合は、日本の赤化を防ぐために尽力していたというのだ。この動きは中曽根政権の時代まで続いたという。

 そして、驚く話も聞いた。

「教会的には中曽根総理の後任は安倍晋太郎さんになってほしかったみたいですね。なるはずだったのに、何かの事情で竹下総理になってしまったと父から聞きました」

 ううむ。これがどうやら、かの有名な「中曽根裁定」か。あくまで聞いた話である。

旧統一教会がリゾート開発に投じた多額の資金の源

 SNSで知り合ったソウルの元教会員の人の話でも、中曽根政権が終わって以降、勝共連合の勢いは衰え、母体の統一教会は印鑑を売ったり、壺を売ったりすることに走り、多額のお金を集め始めた様子がうかがえた。

 そして、現在まで天文学的金額の献金が集められて、そのほとんどが国外に持ち出されていると思われる。

 旧統一教会が様々な企業経営に乗り出しているのは、韓国内では有名な話だ。多数のグループ企業があり、旧統一教会はお金があると韓国人たちは思っている。

 スキー場やゴルフ場のリゾート開発や、オーシャンビューのホテル建設など大量の資金がグループ企業に投入されている。

 筆者がソウルに語学留学している時に、音大に通っている日本人女性と親しくなった。わざわざソウルの音大に日本人がどうして来ているのか疑問に思って聞いてみたら、彼女は統一教会系企業に勤務している韓国人男性と結婚して、ソウルで学生生活をしていたのだった。彼女とは現在も交流が続いているが、時々話してくれる教会の話には驚かされることも多い。

「あのホテルは45階建ての高層ホテルになるはずだったのに、日本から来るはずのお金が足りなくてこの高さになったって話だよ」

 韓国のリゾート開発の資金源は、日本からの送金だったのだろう。

 ソウル、光州、釜山と韓半島各地に散らばった、何人かの信徒に実情を聞いてみた筆者の感想は、「韓国らしい」の一言に尽きる。

 日本人に過去の過ちを責め立てて、罪悪感と自虐史観を植え付けお金を要求することは、慰安婦問題も徴用工問題も同じである。当事者ではない人に、また当事者でもない第3者が、のこのこと出てきて金銭を要求することは、どんな人がすることなのかは読者の皆さまの方がお分かりだと思う。

 安倍元総理の暗殺事件をきっかけに、クローズアップされた旧統一教会だが、問題の論点はどうやら日本の国外にありそうだ。

 故岸信介氏にしろ中曽根康弘氏にしろ、また安部元首相にしても日本の保守派の重鎮でしたから、反共を掲げる旧統一教会への親和性は強かったのかも知れません。

 ただ立花氏のこのコラムでは、旧統一教会の裏の顔(実は真の顔)は反日思想に固まっていて、日韓併合時の日本の統治を逆恨みし、それを元に日本人信者を「韓国に悪いことをした」と思い込ませて、その謝罪を込めた多額の献金を要求した実態が語られています。

 このコラム以外にも、慰安婦の強制連行と陵辱の話も出して、日本人信者を献金に追い込んだと言う話もありますが、それこそ朝日新聞のでっち上げが、ここにも大きな影響を与えているようです。

 そしてその日本人からの献金が韓国に持ちだされ、多くの関連企業設立に利用されているのが実態のようです。まさに宗教を隠れ蓑にした国際的詐欺集団という感じですね。今では大きく3つの関連団体に分かれているようですが、もとは反日ぼったくり集団だったと言っても過言ではないでしょう。日本の政治家は早々に袂を分かつべきだと思います。

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