大統領が替わったら日韓関係は改善に向かうのか?在日3世が語る韓国の現状
韓国の保守政権に変わったら、韓国社会は少しは変わるのか。尹錫悦新大統領の支持率は極めて低い状態が続いています。文在寅前大統領時代に完全に悪化した日韓関係。本当に今までの反日姿勢を転換できるのか、そして社会は少しは変わり始めたのか、注目されています。
以前にも登場いただいた、韓国コンサルタントで在日3世の豊璋氏が、そのあたりの詳細をマネー現代に投稿しているので、引用して紹介しましょう。タイトルは『「在日3世」の私が、韓国で「日本、謝罪、謝罪、謝罪」という“番組”を見てわかった「反日不買」の“意外すぎる結末“』です。
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韓国では、文在寅元大統領の「日本に2度と負けない」をスローガンに、反日、不買運動が大きく盛り上がったことは記憶に新しい。
しかし、そんな反日不買ムーブメントのウラで、じつは変わらず韓国経済が「日本製品頼み」を続けていた現実についてはあまり語られない。
日本で生まれ、現在は韓国に住む「在日3世」の著者は、現地にいるとそうした“おかしさ”は気付かれないという。
ここへきてコロナ禍も落ち着きを見せ、日韓の行き来も復活しそうな中、いまこそ“反日不買”の反省をしっかり見直すべき時なのかもしれない。
その教訓とは何だったのか。いま再び韓国で反日ムーブメントが復活する可能性はないのか――その最前線をレポートしよう。
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「竹島上陸」の愚行
日韓関係の歴史を振り返ると、もともと金大中元大統領の日本文化開放以降、李明博政権時には事業家出身の大統領ということで、日韓関係の回復が期待されていた。
李氏をめぐっては、本来の政治家とは違った感覚の持ち主と謳われ、日韓関係の経済関係に大きな刺激を与えると期待されたのだ。
だが、現実はまったく違った。
李氏は真剣に日韓問題に取り組むこともなく、むしろ政権末期には支持率が低迷する中、有終の美を飾るためだけに竹島上陸という歴代大統領の中で初めての愚行を行った。
「日本に二度と負けない」と…
朴槿恵元大統領も朴正煕の娘であることから日韓関係に対して、就任時は周りからは大きな期待をされていた。
そんな朴氏は職務をする姿勢が見られないことから「孤独の大統領」「古株議員の操り人形」と揶揄されたが、そうした中で、電撃的に「慰安婦合意」を発表。そこから日韓関係は、民間ベースでも良好な関係が作られていった。
そのままいけばよかったのだが、朴氏は政権中枢での“孤独”ゆえに、頼った親友崔順実(チェ・スンシル)の所業で任期を満了できず、退陣へと追いやられた。
そんな退陣を先頭をきって声高に叫んでいたのが文在寅なのだ。
言うまでもなく、その後、文在寅政権が誕生し、日韓関係は「歴史上最悪」と言われるまでに悪化していった。
もし朴政権がもう少し続いていれば、もっと違った“歴史”になっていたかもしれないが、そんなことを考える隙も与えないほどに文在寅政権は「日本に二度と負けない」と叫び、反日不買ムーブメントを煽り続けた。
日韓関係は「変わる」のか…?
そんな文政権の所業に嫌気を差した日本は、文在寅政権に代わって誕生した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に関してもいまだ慎重な姿勢を崩さない。
尹錫悦政権発足後、韓国は無茶苦茶になっている米韓、日韓関係修復のため文在寅氏が勝手に配置をやめたTHAADの再配置を決め、2019年の徴用裁判の結審の出る前の約6ヵ月、日本からの提案をすべて無視しほったらかしていた文政権の徴用問題にも積極的に取り組んでいる。
尹錫悦政権はどの歴代政権より日韓問題修復に力を入れていることは、いまのところ間違いのない事実だろう。
大統領選の時、対北係で「国民の力」の選挙運動に尽力していた脱北者の先生が「今回の尹錫悦は内部で、事ある事に日韓問題を取り上げていた。その口ぶりからしても大統領就任後の行動には日韓問題に対する覚悟が見える」と我々に知らせてくれた。
その姿勢については日本も認めているだろうが、いままでの日韓の歴史を考えれば、すぐに「関係改善へ」と手を差し出す気になれないのも理解できるものだ。
「在日3世」の私が経験してきたこと
そんな日韓関係について、日本ではもともと関心が薄かったと思う。
90年代当時までも、我々の話を聞く日本人は少なかった。もちろん、日韓の現状についていろいろ訴えていた在日も少なくないが、日本人はほとんど関心を持っていなかった。それは日本の国政議員も同じで、在日の話す経験からの真実は与太話の様に受け止められていたように感じる。
その結果、日本に長く住み、日本を愛する「在日3世」で私から見ても、日本は韓国、北朝鮮に軽く足あわれているように感じることがあった。
その原因は国民の興味の希薄さと「モノを言えない日本」にあったと思うのだ。
でも、これからは少し期待ができる。日本はもう韓国の勝手にさせてばかりではいけないとばかりに行動し始めている。
「日本、謝罪、謝罪、謝罪」の“意味”
日本人はほとんど知らないと思うが、韓国の右派ネットニュースで「日本、謝罪、謝罪、謝罪」という番組があった。
内容は2019年当時、反日、不買運動の最中、日本の謝罪回数を取り上げて、「(韓国では)日本が謝罪がないと言う方がいますが、日本はこれだけ謝罪してます。これでも、誠意がないと受け止めますか?」としながら、65年基本条約以降に日本が韓国に手を差し伸べた歴史についてしっかり解説していた。
こうして正しい情報が韓国でも少しずつではあるが広がっていく中で、韓国内の日本に対する見方も筆者の実感的にも変わりつつあると思う。韓国では「日本を超えた」などと語り、すぐに日本を比較したがる者も少なくないが、それだけ日本への関心が高いことへの裏返しでもある。
尹錫悦政権下で、徴用問題について国民の理解を求め、自国解決できれば、日本との関係はさらに良好なものへと変わっていくだろう。
そして、民間ベースで行き来する両国関の良好な関係構築はさらに進むだろう。
「真の日韓関係」のために
文在寅政権下の反日色は、確実に民間レベルでは変わりつつある。
そのことを理解したうえで、今後、日本は決して妥協せず対等な言い分をしっかり伝え付き合うべきと筆者は思う。
それが真に日韓関係にとっていい結果をもたらすと思うのだ。
◇
「手のひら返し」を繰返された経緯から、日本は尹錫悦新大統領が対日関係を改善する意欲は認識していても、少数与党でありかつ支持率の低さも相まって、日本政府がすぐには歩み寄る姿勢を示さないのは、やむを得ないことであり、また慎重に対応すべきでしょう。
ただ文在寅前大統領の時代、またそれ以前でも、韓国の日本批判に対しその論点に鋭く切り込み、反論してきたかと言えば、完全にNOと言えるでしょう。日本側にもその非は大いにあると思います。それが韓国をつけあがらせた理由の大きな一つでもあるからです。
従って今後は竹島問題にも、徴用工、慰安婦問題にも、日本の立場を臆することなく伝え、更には韓国で行われている捏造歴史教育にも切り込まなければ、戦後こじれ続けた日韓関係のリセットはできないと思います。
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