酒井信彦氏:「国葬、賛否両論」分断報道は、メディアが作り上げた世論操作。
安倍晋三元首相の山口県民葬が15日行われました。式典では喪主の昭恵夫人が遺族代表のあいさつを述べ、参列者をはじめとする関係者らに感謝の思いを伝えました。一般献花にも長蛇の列ができ、安倍氏との別れを惜しんでいました。
それに先立つ先月27日、安倍氏の国葬儀が行われましたが、メディアでは一貫して「賛否の中での」と言う接頭語の付いたタイトルで、この国葬を報じていました。この報道に対し元東京大学史料編纂所教授の酒井信彦が、疑問を呈して産経新聞にコラムを寄稿しています。タイトルは『つくられた国葬「分断」報道』で、以下に引用して掲載します。
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安倍晋三元総理をめぐる今回の国葬問題は、日本人の精神が、いかに腐敗堕落してしまったかを、如実に示す事例になった。メディアは、この度の国葬を賛否が対立しているとか、世論が分断されているとか、しきりに表現しているが、この対立・分断なるものは、つくられたものともいえる。
国葬に反対したデモの顔ぶれは、日本の平和と安全の一層の確保に向けた安保法制(平成28年施行)に反対した人間と、少なからず共通しているようにみえる。いろいろ理由をつけているが、国葬反対運動の本質は、安倍氏はいなくなったが、「反安倍運動」、つまり「アベガー運動」の継続なわけである。
ただし今回の「アベガー運動」は、旧統一教会問題が絡んでいるだけに、より一層拡大した。その影響は新聞メディアだけでなく、週刊誌にも広がり、「左傾化」が指摘されていた「週刊文春」のみならず、「週刊新潮」にまで及んでいる。またテレビでは、いわゆる「ワイドショー」は言うまでもなく、それ以外の報道番組でも、民放はもちろんのこと、NHKも含めて同じような内容の報道が繰り返し膨大に行われた。
旧統一教会の霊感商法や献金トラブルの問題を批判するのは分かる。ただ、政治家が宗教法人法で認められた宗教団体と接触することは違法とは言えない。最近では「メディアスクラム」という言葉があり、本来は取材者が取材対象に群がって、ラグビーのスクラムのような状態になる集団過熱取材のことを言うらしいが、最近の政治報道の過熱ぶりにも通ずるものがあるだろう。
過熱報道をさんざん行っておいて、いわゆる「世論調査」を行う。そうすると本来は旧統一教会問題と別問題である国葬への反対や内閣不支持のパーセントが急激に上がり、それをもとに批判する。自作自演である。「報道」ではなく「煽動(せんどう)」、「世論調査」ではなく「世論操作」である。
メディアが安倍元総理に対する殺害事件を、「安倍氏銃撃事件」と言って、「安倍氏暗殺事件」と決して言わないのは、一体なぜなのか。米国大統領の場合は、ケネディでも、リンカーンでも、暗殺事件と表現されるではないか。
報道において不正確な言葉が使われれば、事件の本質が隠蔽(いんぺい)される。巨大権力であるメディアは、自己の報道について、明確に説明する責任がある。
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酒井氏の言う、『(こう言う報道は)自作自演である。「報道」ではなく「煽動」、「世論調査」ではなく「世論操作」である』という部分は、全く同感です。しかも殆どのメディアでほぼ同様な論調と言うことは、本来あるべき姿ではありません。こうした状況を酒井氏は『日本人の精神が、いかに腐敗堕落してしまったかを、如実に示す事例になった』と、喝破しています。
テレビについて言えば、報道以外の番組もますます白痴化、幼稚化しています。それもどの局においてもそうですから、救いようがありません。明日の日本にとって、このメディアの現状を何とかしなければなりません。
先ずは横並びのテレビからメスを入れる必要があるでしょう。既得権にあぐらをかいて、番組の質を上げることをやめてしまった局を廃局にし、新たに新規参入を促すべきでしょう。日本は政府官僚ともこの既得権に弱いので、保守論壇の論客を首相補佐官にどんどん採用して、反日メディアを駆逐してほしいものです。
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