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2022年10月23日 (日)

国富流出「10年で約50兆円」エネルギー輸入で大打撃 原発再稼働を強力に進めよ

Images-15_20221022153501  東日本大震災で不幸にも発生した福島原発事故。その後の民主党政権での原発に対する過剰なまでの規制と停止で、電力代替のための化石燃料の輸入が一気に増加し、年間数兆円の支払いが増えたまま今日に至っています。

 さらに今年に入って、ロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー価格の上昇と、円安が更にその負担を押し上げています。その詳細を日経ビジネスの中山玲子氏が、同士に記事を寄稿しているので以下に掲載します。タイトルは『国富流出「10年で約50兆円」エネルギー輸入で大打撃 薄氷踏む日本のエネルギー』です。

 エネルギー価格の高騰で膨らみ続けているのが日本の貿易赤字額。経済制裁など「対ロシア」対応では先進国と足並みをそろえるが、米国などとは置かれている状況が異なる。資源の産出国である米国や中東、それら地域に権益をもつ欧米メジャーは収益を伸ばしているからだ。エネルギー輸入国の立場から脱却せねば、日本の国富は流出し続ける。

 「どの時期と申し上げられる段階ではない」。9月30日、東京電力ホールディングスが開いた会見で、小早川智明社長は、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働の目標についてこう答えた。同原発は2021年、テロ対策工事で不備が発覚。現在、複数の改革に取り組んでいるが、原子力規制委員会や地元の了承をまだ得られていない。電力の最大需要地である東電管内での原発再稼働が待たれるが、「今冬の稼働は現実的に難しい」と東電関係者は話す。

過去2番目の貿易赤字

 9月末に発表された今冬の電力需給見通しによると、東電、東北電力管内の供給余力を示す予備率は23年1月に4.1%、同2月に4.9%。最低限必要とされる3%は超えるが「この予備率に、ロシアの天然ガス事業『サハリン2』からの途絶は盛り込まれていない」(電力大手)。途絶が現実となり予期せぬ気候の悪化があれば計画停電もちらつきかねない。電力関係者らの警戒感は例年以上に強い。

 燃料価格の高騰がもたらすのはエネルギー安定調達への懸念だけでない。過去最悪レベルの勢いで膨らみ続けているのが貿易赤字だ。

 統計開始の1996年以来、基本的に黒字だった貿易収支が赤字基調に転じたのが、東電福島第1原子力発電所の事故があった2011年から。国内の全原発が停止していた14年上期に過去最大の赤字を記録したが、22年上期はそれに迫る5兆6688億円の赤字で過去2番目となった。

 貿易赤字が膨らんでいる最大の要因はエネルギー。原発稼働が停滞するなかで今、日本の電力を支えるのが、全体の約7割を占める火力発電所だ。その燃料である石炭や液化天然ガス(LNG)の高騰が止まらないのだから、日本の貿易赤字額はさらに拡大する可能性が高い。

 エネルギー危機は世界に波及しているが、国や企業によって明暗が分かれている。利益を伸ばしている「勝ち組」が世界の石油、天然ガス産出国に権益を持つ欧米メジャーだ。

 事実上のロシア「撤退」を決めた英シェルは22年4~6月期の最終利益が前期比5.3倍の180億ドル(約2兆5000億円)と過去最高となった。サハリン1の撤退を表明した米エクソンモービルも178億ドル(約2兆4000億円)と最高益を更新。産出国のサウジアラビアなど中東の国営エネルギー企業も利益を伸ばしている。

 資源を100%近く海外に依存する日本は燃料を輸入せざるを得ない。一方、米国や中東など産出国やメジャーは日本などに燃料を輸出して収益を上げる。エネルギーを火力に頼る限り、弱者である輸入者と強者である輸出者という構図は揺るがない。

ロシアに「急所」を握られる異常事態

 みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「54基の原発が稼働していた東日本大震災以前と比べると増えたコストは年間数兆円。10年で50兆円程度になる。これだけの国富が流出し続けている」と話す。野村総研の木内登英エグゼクティブ・エコノミストも「燃料価格の高騰は日本にとって100%マイナス要因にしかならない」と指摘する。

 岸田文雄首相は8月、再稼働済みの10基の原発に加え、追加の7基を来夏以降に稼働させると表明。地元同意などで「国が前面に立つ」と明言した。日本にある原発33基のうち、新規制基準の下で稼働したのは10基。これまで原発再稼働で国の後押しは十分だったと言い難い。従来は電力会社に任せてきた再稼働について、国は今、自らが対応せねばならない局面であると判断したのだろう。

 「ロシアがサハリン2を止めてこないか。それが一番心配だ」。今冬を控え、多くのエネルギー会社が抱く懸念だ。日本のエネルギー安全保障の「急所」をロシアに握られる異常事態。原発再稼働が停滞し、国の対策が遅れるほど日本の国富も流出し続ける。日本は取るべき対策がないわけではない。少なくとも動かすことができる原発がある。これ以上傷口を広げないため、国はもっと真剣に可能性を探るべきだろう。

 今朝の読売新聞の朝刊によれば、9月の物価前年比3%アップの中、電気代は21.5%、都市ガス代は25.5%と突出して高騰しています(食用油37.6%もありますが)。

国の貿易赤字だけでなく、家計にも大きな負担をかけているエネルギーの高騰。原発をフルに動かすことによって、少なくとも電気代はかなり低下するでしょう。

 かつて日本の強さは、企業の国際競争力の強さが生み出す貿易黒字に伴って、経常収支の恒常的大幅黒字に支えられていました。それが今その前提が崩れつつあります。

 国家的なプロジェクトとして各種イノベーションを活発化し、企業競争力を強化すると共に、不要な化石燃料の購入を減らす努力は不可欠です。そうしなければ今後の日本の弱体化は止められず、やがて大幅な円安が日本の格付けを落とし、結果国債金利の上昇を招き、財政の破綻が近づいてきます。何とかしなければなりません。先ずはエネルギー危機からの脱却です。原発の再稼働推進を強く望みます。

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