ウクライナ善戦の陰で“爆売れ”の「韓国兵器」 日本の軍需産業完敗は誰のせいだ
戦後GHQに植え付けられた「軍=悪」のマインドセット。未だに日本学術会議が軍事研究に否定的な見解を出しているように、大学の研究では軍事研究は抑制されています。企業においても軍需品を開発製造している会社には「死の商人」の汚名をそそぐ反戦団体が日本中で闊歩しています。
9条の改正も未だに実現せず、非核三原則も後生大事に守り続ける日本。その日本が急速に進む周辺の安全保障環境の悪化から、防衛費増額へ重い腰を上げ始めたのは最近になってからです。ましてや軍需品の海外への輸出など周回遅れもいいところです。
そうした中で隣の韓国は軍需品の輸出へ向け大きく羽ばたいています。中国同様、日本が最貧国の一員だったこの国を援助し育て上げたのに、30年間日本がデフレでもたついている間に、その韓国から多くの分野で敗れ始めた現実があります。
韓国の軍需品の輸出の実態について週刊新潮が記事を掲載しています。タイトルは『ウクライナ善戦の陰で“爆売れ”の「韓国兵器」 日本の軍需産業完敗は誰のせいだ』で、以下に引用します。
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ウクライナ軍の巻き返しにより、部分的動員を余儀なくされたロシア
北東部で攻勢に出たウクライナ軍が、ハルキウ州で広大な領土を奪還。ロシアは部分的動員を発令するなど、苦境に立たされている。その反撃の契機には、諸外国からの武器援助があった。
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特に隣国ポーランドは、旧ソ連製の戦車「T-72」を約240両も提供したとされる。
しかし、ポーランドもまた、NATO諸国の中でロシアとの最前線に立つ国である。このように大量の兵器をウクライナに渡してしまっても大丈夫なのか。
ポーランドが韓国から4兆円規模の兵器を購入
「実はその穴を韓国が埋めているんですよ」
と語るのは、さる防衛産業関係者。
「今年7月、ポーランドは韓国から戦車980両、自走砲648門、戦闘機48機を購入する基本契約を結びました」(同)
すべて履行されれば、総額4兆円規模の超大型取引となるが、ポーランドだけでなく、近年、韓国の軍需産業が世界各国の熱い視線を集めているという。
「昨年末には、オーストラリアが韓国製の自走砲など約870億円分の購入を決定。韓国軍需産業の昨年の輸出総額は1兆円に上ります」(同)
背景には産官学が一体となった韓国の輸出戦略がある。
実は豪州との取引も、文在寅大統領とモリソン首相(ともに当時)の首脳会談で決まったことだ。
かたや日本は100億円のレーダーがほぼ唯一の実績
「韓国はトップセールスで契約を取り、相手国に合わせた柔軟な仕様変更にも応じる。かたや日本は豪州への潜水艦輸出、インドへの飛行艇輸出など、話が持ち上がっては立ち消えに」(同)
そもそも日本の場合、殺傷能力のある武器は原則として輸出が認められない。
最近ではフィリピンが三菱電機製のレーダー3基(約100億円)を導入したのがほぼ唯一の実績だ。
「トルコは三菱重工に戦車用エンジンの売却を断られ、代わりに韓国製を導入した。日本政府もさすがに危機感を覚えて、今後は“国主導”で武器輸出に関与する方針です」(同)
K-POPに半導体、スマホと同様、ここでもメイド・イン・ジャパンは後れを取ってしまっている。技術面で劣るというよりも、軍事技術や産業に反射的にアレルギーを示す世論や政策のせいという面は大きい。
果たして、ウクライナ軍のような捲土重来を実現することはできるのだろうか。
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私見ですが、今実際にウクライナのように他国に攻められたら、日本は最も弱い国の一つと言えるのではないでしょうか。なにしろ77年戦闘に出くわしていない日本、更にはWGIPにより教育、メディア、産業の奥深くに染みこんだ「軍=悪」というマインドセットが、未だに底流に奥深く行き渡っています。(そこには「軍」は攻めるものであって、同時に守るものだと言う考えが欠けていることも一因でしょう)。GHQの日本弱体化計画が奏功し、未だにその呪縛から解き放たれていません。逆に「9条教」は未だに健在です。
何も武器輸出を急速に増やさなければならないというのではありません。少なくともG7に名を連ねているのであれば、せめて英仏並の軍事力を持つことは当然だと思うべきでしょう。地政学的な安全保障環境に於いて日本は英仏より厳しいのですから。そして政府は総力を挙げて国全体に浸透している、「軍=悪」というマインドセットを取り払う努力をしなければならないと思います。
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