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2022年11月

2022年11月29日 (火)

どうなるリニア問題 再び泥沼化しそうなJR東海vs静岡県の20年戦争

2211251514_1714x476  リニア新幹線の先行きに暗雲が立ちこめています。実はこの問題、過去20年間に渡ってJR東海と静岡県の間で繰り広げられている、いわば泥仕合いの流れの中で引き続いてきているものなのです。

 20年前からのJR東海vs静岡県の争いの発端は、新幹線「のぞみ」(静岡県には停車しない)の投入と、増発に起因するようです。つまり「停車しないなら通行税を取る」と主張する静岡県と、それを拒否するJR東海との間の確執でした。

  それがリニア新幹線にも波及して来ているのですが、事の発端は以前このブログでも取り上げた、川勝平太静岡県知事の「命の水」なる主張です。しかしここへ来て更に静岡市長選での選挙結果が、この問題に影響を与える様相を帯びてきました。

 そのあたりの詳細を、フリーランスの小川裕夫氏が、デイリー新潮に寄稿したコラムから引用して紹介します。タイトルは『どうなるリニア問題 再び泥沼化しそうなJR東海vs静岡県の20年戦争』です。

 来春に予定されている静岡市長選が、にわかに注目を集めている。

 神奈川県横浜市や大阪府大阪市のように、巨大都市の市長選が話題になることは珍しくない。静岡市は静岡県の県庁所在地で、なおかつ政令指定都市でもある。そうした都市規模から考えれば、市長選が注目を集めることは不思議な話ではない。しかし、静岡市の人口は約68万人。約377万人を擁する横浜市、約269万人を擁する大阪市とは比較にならない。

 静岡市の市長選が注目を集めている理由は、JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線の計画にも大きな影響を及ぼすからにほかならない。これは静岡県だけの問題ではなく、国土計画、つまり日本全体の問題でもある。

 もともとリニア中央新幹線は、2025年に開業する予定で工事が進められていた。しかし、工期の遅れから2027年開業に変更。2年後に先送りされる。

 多少の狂いは生じたものの、その後は順調に工事が進むかのように思われた。そこに待ったをかけたのが、静岡県の川勝平太知事だった。

 リニアは静岡市の山間部を通過する。そこは市街地から遠く離れている。そのため、利用者の想定はされていない。当然ながら駅を開設する予定はない。

 事前に、JR東海はリニアの駅を静岡県内に開設しないことを明白にしていた。これは川勝知事も十分に理解していた。しかし、川勝知事は「工事によって大井川流域の水量が失われてしまう」ことを問題視。これによりリニア工事はストップする。

 工事再開の条件には、知事(静岡県)が納得できる解決策をJR東海が示すことが課せられた。JR東海は工事で湧出する地下水の戻し方を繰り返し説明。それでも川勝知事は納得せず、いたずらに時間が経過。その間のやりとりにより、次第に両者の関係は悪化していった。

元は「リニア反対」ではなかった川勝知事

 リニアを支持する側から見れば、川勝知事の言い分は難癖に見えるだろう。しかし、川勝知事も就任当初から強硬にリニアに反対していたわけではない。

 2014年に開催された土木学会のシンポジウム「東海道新幹線と首都高 1964東京オリンピックに始まる50年の奇跡」に、川勝知事は登壇している。川勝知事は“高速道路と新幹線”というテーマで講演し、静岡県のポテンシャルが高いことを主張。多少の注文をつけながらも、リニアへの期待も込めていた。

 川勝知事は2013年に2選を果たしたばかりで、シンポジウム開催時は知事として勢いに乗っていた。仮に、リニアに強硬に反対するなら、このときは絶好のチャンスだった。それにもかかわらず、反対の論陣を張っていない。

 ところが、それから数年もしないうちに強硬な反対派へと翻意する。川勝知事がリニアに反対している主な理由は、工事に伴って発生する可能性がある大井川の水量減少と残土処理の問題の2つだ。

 この2つの問題に対して、JR東海は静岡県の言い分を飲む姿勢を見せていた。静岡県の言い分を飲まなければ、リニアは開通しないのだから譲歩せざるを得ない。

 JR東海が低姿勢を見せても、リニア問題は平行線をたどった。

「リニア」について口をつぐむ職員たち

 なぜJR東海が言い分を飲む姿勢を見せても、川勝知事は納得しないのか? それは、JR東海が静岡県民から信頼されていないことに起因している。

 静岡県民がJR東海を信頼していないという感情は、長年にわたって醸成された。一朝一夕のものではない。そうした積年の不満が、リニア問題によって増幅した。もはや理屈で解決できる話ではなくなっている。

 筆者は以前から静岡県政や静岡市政の取材をしてきた。静岡県や静岡市に関する取材はリニアの取材ばかりではないが、別件の取材であっても、必ず「リニアについて、どう考えているのか?」を県庁職員に質問するようにしていた。

 リニアの質問に対して、静岡県の職員たちは一様に口が重い。もちろん担当部署ではないから、答えに窮することは理解できる。しかし、ほかの話題なら明朗に答えてくれる職員でも、リニアに話題が移ると当たり障りがないようなことしか口にしなくなる。オフレコ取材であっても同じで、どうしても触れられたくないテーマなのだ。

 他方、JR東海の社員に対しても機会があるごとに「川勝知事について、どう思っているのか?」という質問を繰り返している。こちらの質問も同様で、JR東海の社員は言葉を濁すばかりだった。

 これら両者の取材や周辺関係者からの話を総合すると、静岡県もJR東海もリニアに関しては波風を立てたくないというのが本音のようだ。つまり、静岡県は「JR東海が自主的にリニアの建設中止を言い出してほしい」と願い、JR東海は「川勝知事が任期を終えるまでの辛抱」と時間をやりすごすしかない。両者とも問題に対して消極的で、関係を悪化させたくないから問題を先送りしたい。そんな空気が漂う。

「5期目はないだろう」JR東海の期待を打ち砕いた立候補

 川勝知事とJR東海の対立構図を複雑にしたのが、2011年に静岡市長に当選した田辺信宏市長だった。田辺市長は、かねてから川勝知事と折り合いが悪いことで知られる。

 田辺市長は静岡市が有する権限の範囲内でリニアの工事を認可した。静岡市も決してリニアに賛成というわけではない。これは田辺市長が川勝知事への反抗心から、あえて許可したとも言われている。実際、川勝知事と田辺市長の仲が悪いことは県庁・市役所の職員なら十分に理解している。いずれにしても田辺市長がリニアの工事を認可したことにより、知事と市長の間にあった溝はより深くなったことは間違いない。

 工事が進められないJR東海は、川勝知事が任期を終えるまで……とひたすら耐えてきた。川勝知事は3期で勇退するとの観測も流れていたが、それらの予想を裏切って2021年の知事選に出馬。鮮やかに4選を決めた。

 川勝知事が4選を決めたことで、JR東海の雌伏期間は4年も延長される。当然、リニア開業も先延ばしになる。最悪の場合、開業できないかもしれない。そんな思いと焦りが交錯し、JR東海は静岡県との交渉でさらなる譲歩をしなくてはならない状況にまで追い込まれていく。

 しかし、川勝知事の4期目の任期は2025年まで。現在74歳の川勝知事が5選に出馬するとなると76歳となる。高齢なので、さすがに5期目は考えづらい。川勝知事が退任するまで粘れば、JR東海に不利な条件を覆せるかもしれない。

 ところが現実は、JR東海の考えを打ち砕いていく。来春の静岡市長選に、難波喬司氏が立候補を表明したからだ。

「リニアに反対はするが、川勝知事を支持しない」静岡市民

 難波氏は川勝知事の下で副知事を務めた経験がある。いわば、川勝知事の懐刀ともいえる存在なので、難波市長が誕生すればさらにリニアは危機的な状況に置かれるだろう。

 実のところ、難波氏は前回2019年の静岡市長選にも出馬を検討していた。しかし、難波氏は静岡政界の支持を固められずに出馬を断念。来春の市長選は、リベンジマッチということになる。

 11月11日に開かれた難波氏の出馬表明会見では、静岡鉄道や鈴与といった静岡財界の重鎮たちが同席した。前回とは異なり、今回は静岡財界のバックアップを取り付けていることを暗に示していた。

 静岡財界関係者の多くは、これまで田辺市長を支持してきた。それにも関わらず、なぜ静岡市の財界人たちがこぞって難波氏の支援を明確にしたのか? 静岡財界にとって、リニア反対という思いで一致している部分はある。それ以上に、難波氏への支援を決定づけたのは、今年9月に静岡市清水区で起こった豪雨災害の対応だった。

 田辺市長は豪雨災害で初動対応をミスった。これが市民の不満を爆発させた。不満を察知した静岡財界が田辺市長から離れていった。

 川勝知事との比較で、田辺市長はリニア推進派と目されてきた。田辺市長がリニア推進派とされる根拠は、先にも触れた工事を認可したことでJR東海に協力しているように映るからだが、他方で静岡市民は「どちらかと言えば反対」という感じで、リニアに対しての関心は高くない。強硬に反対しているとまでは言い難い。

 消極的ながら反対が多数の静岡市なのに、推進派のように見える田辺市長が支持されているのはなぜなのか? それは川勝知事の静岡市を軽視しているかのようなふるまい、それを敏感に嗅ぎ取っていることが一因だろう。

 静岡県には、静岡市と浜松市という2つの政令指定都市がある。政令指定都市は県と同等の権限を持つ。ゆえに、知事といえども静岡市政に深く立ち入ることはできない。静岡市は静岡県の県都で、政治・経済の中心を担う。川勝知事の思うように静岡市は動かないというジレンマを抱えている。

 まさに、川勝知事にとって静岡市は目の上のたんこぶといえる存在だった。川勝知事は何としても静岡市を意のままにコントロールしたかった。そこで、川勝知事は静岡市の人口が減少していることに着目する。

 川勝知事は静岡市の人口減少が顕著であることを理由に、静岡県と静岡市を合併させる静岡県都構想を表明。川勝知事が提唱する静岡県都構想とは、大阪で2回も否決された「大阪市を廃止し特別区を設置すること」の静岡県版といえる。静岡県都構想が実現すれば、静岡市は廃止される。

 当然ながら、政令指定都市ではなくなり静岡市は権限を失う。この構想に対して、静岡市民は猛反発した。

 こうした経緯があるので、静岡市民はリニアに反対はするが、川勝知事を支持しない。川勝知事に対抗できる田辺市長を支持する――という、ねじれ現象が発生した。しかし、清水区の豪雨災害で田辺市長の支持は急落し、ねじれの解消へと向かい始める。

JR東海への不信任の歴史

 ここまでリニア問題におけるJR東海VS.静岡県、そして静岡市という対立構造を解説してきたが、先述したように、静岡県はリニア問題以前からJR東海に対して不信感を抱いてきた。その発端は、川勝知事の前任者である石川嘉延知事の頃まで遡る。

 石川知事は、1993年から2009年までの16年間、4期にわたって知事を務めた。その石川知事在任時に、静岡県とJR東海は激しく火花を散らす事件が起きている。それが、「のぞみ」通行税問題だ。

 それまで東海道新幹線には、各駅停車タイプの「こだま」と速達タイプの「ひかり」が運行されていた。しかし、開業した1964年から歳月を経るごとに「ひかり」の停車駅は増えていった。

 1976年のダイヤ改正で、一部の「ひかり」が新横浜駅と静岡駅に停車するようになり、その後も一部の「ひかり」という制約つきながら停車駅は増やされていった。

 そのため、「ひかり」の「こだま」 化が進む。口の悪い鉄道ファンの間では、各駅停車に近い「ひかり」に対して、皮肉を込めた「ひだま」というネーミングも流布した。

 東京―大阪間を短時間で結ぶという初心に立ち返った国鉄は、1992年から新たな速達タイプの新幹線「のぞみ」を登場させた。「のぞみ」は利用者、主にビジネスマンから好評を博した。

 JR東海は2002年に「のぞみ」の運行本数を増やすダイヤ改正を発表。「のぞみ」が増えれば、それに反して「ひかり」と「こだま」の運転本数は削減される。

 JR東海は、収入の9割近くを東海道新幹線で稼ぎ出している。つまり、JR東海にとって東海道新幹線は生命線でもある。JR東海は民間企業だから、稼げる「のぞみ」を増やするのは当然のことだろう。

 JR東海の「のぞみ」を重視する姿勢は、静岡県を軽視しているのに等しい。ダイヤ改正の発表を受け、石川知事は「静岡県に停車しない新幹線には通行税を課税する」と記者会見で語った。同発言は、明らかにJR東海の「のぞみ」増発を牽制する意図が込められていた。

 石川知事の発言に対して、JR東海の対応は冷ややかだった。なぜなら、通行税を課されたとしても運賃などに転嫁できるからだ。むしろ通行税を取るなら、静岡県に新幹線を停めないことを仄めかすという反撃にも出た。

 JR東海の反撃に、石川知事が矛を収めるしかなく事態は終息。結果的に、両者の争いはJR東海の勝利となり、JR東海は予定通りに、「のぞみ」を増発させている。こうして静岡県に停車しない新幹線が増えていった。

 JR東海と静岡県の対立は、リニア問題でいきなり表面化したわけではない。東海道新幹線の「のぞみ」運行時にまで、その起源を遡ることができる。

 20年という長い歳月で積み重ねられた両者のハレーションは、簡単に解消できないだろう。静岡市長選の成り行き次第では、リニアはさらなる変更を迫られるかもしれない。

 なんとも俗っぽい両者の争いです。片や地方自治体、片や民間企業ですが、民間企業の方が公益性が高いので、どうしても静岡県側の言い分が利己的に映ってしまいます。(実際川勝知事はかなりそう言った性格かも知れませんが)

 リニアのルートを見れば、静岡県は山間部をわずかに通るようで、確かにここでは駅が設置できないのは分かります。そうであれば、はじめからこのルートに関して、静岡県を通らず迂回するルート設計はできなかったのか、疑問がわいてきます。

 それは別にして、静岡県主張の問題に対し、2020年から、科学的・工学的に検証し、その結果を踏まえて今後のJR東海の工事に対して具体的な助言、指導等を行っていくための、「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」を開催し今日に至っています。果たして解決に向かって行っているのでしょうか。

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2022年11月28日 (月)

「何もしていない」尖閣防衛、測候所設置と巡視基地船配備の今あるこのチャンスを逃すな

37  中国の公船による尖閣周辺海域への領海侵犯行動は、2008年に始まり、2010年の中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件以後、頻繁に威嚇行動を繰返巣様になり、今日に至っています。

 政府は、海上保安庁の巡視船による、中国公船への領海や接続水域外への退去勧告にその対応を委ね、中国政府に抗議を通告するだけで、この10年あまり実質的には何もせず、経過してきているのが実情です。これでいいのでしょうか。

 現在安全保障戦略コンサルタントとしてシアトル在住する軍事社会学者の北村淳氏が、JBpressに寄稿したコラムに、その対応に関する見解を述べていますので、引用して紹介します。タイトルは『「何もしていない」尖閣防衛、測候所設置と巡視基地船配備のチャンスを逃すな 尖閣を巡る軍事衝突への米国の介入はあり得ない』です。

 最近のアメリカ軍と自衛隊による日本ならびに日本周辺海域での合同訓練は、ますます中国との対決を前提とした色彩を強めている。そのような対中共同戦闘の訓練や図上演習などを実施すればするほど、米軍関係者は日本側の姿勢に疑問を抱き始めている。

 もちろん米軍側が練度や米軍に対する協力姿勢を高く評価し信頼している自衛隊に対しての疑問ではない。その自衛隊を指揮することになる政府首脳や政権与党のなんとも煮え切らない、鵺(ぬえ)のような、敵か味方かわからない、防衛姿勢に対しての疑問だ。

「米国が反撃」は夢物語

 その代表は尖閣諸島の防衛姿勢である。

 日本政府や反中的姿勢を売り物にしている政治家たちなどは「『中国による尖閣奪取』が現実味を帯びてきている」と盛んに言い立てている。

 だが、このように過去数年にわたって「尖閣危機」を繰り返し口にして日本国民の危機感を煽っているにもかかわらず、中国に対しては形式的な抗議を繰り返すにとどまり、自らの尖閣防衛策といえばアメリカ政府や軍の高官に「尖閣は日米安保条約の適用範囲内」という決まり文句によるリップサービスを繰り返させて悦に入るだけである。要するに、「何もしていない」状態が続いているのだ。

 日本の国内事情を察知している米軍関係者たちは、このような情けない日本政府・国会の指揮下にある自衛隊は「よく心が折れずに訓練や準備に勤しんでいるものだ」と驚嘆し同情しているくらいだ。

 本コラムでもしばしば指摘しているように、万が一にも尖閣諸島領有権を巡って日中間で軍事衝突が勃発した場合に、アメリカが米中戦争への発展を覚悟した上で本格的な軍事介入を決断し、中国側に反撃を加えることはあり得ない。それがまったくの夢物語であることは、ウクライナ情勢、とりわけ先日ポーランドに落下したミサイルへの米政府の慌てた対応をみれば誰の目にも明らかだ。

「魚釣島測候所」案と「大型巡視基地船」案

 やはり本コラムでも繰り返し提言してきたが、日本政府・国会は、尖閣を巡っての日中軍事衝突という事態を避けるためにも、尖閣諸島魚釣島への測候所設置と尖閣海域への大型巡視基地船の常駐を、可及的速やかに実現するべきである。

「魚釣島測候所」案とは、魚釣島西岬北側台地のカツオ節工場跡地付近に、コンテナハウスによる気象観測施設と海難救助施設を設置するとともに、同島奈良原岳山頂付近に高性能コンパクト灯台を設置するという策である。

 測候所周辺には簡易ヘリパッドと小型舟艇用簡易着岸設備を併置する。また、コンパクト灯台には海洋監視レーダーならびに上空監視レーダーを付属させることにより、魚釣島周辺のおよそ150km圏内の高空域ならびにおよそ70km圏内の低空域や海上の警戒監視が可能となるのだ。

「大型巡視基地船」案とは、大型輸送船を改造して長期居住区間、ヘリパッド、ヘリコプター格納施設、救難挺設備、各種レーダー、機関砲などを装備した海上保安庁の大型巡視基地船を常時尖閣周辺日本領海内に浮かばせておくという策だ。

 その巡視基地船には、特殊警備隊を含む海上保安官前方展開部隊をヘリコプターや救難艇とともに配置する。輸送船を改造することにより、巡視基地船は軍艦や巡視船に比べると低コスト・短期日で誕生させられる。そうした巡視基地船を3隻建造すれば、尖閣周辺海域に日本の公権力の象徴としての巡視基地船が365日24時間浮かんでいることになる。

絶好の機会かつ最後のチャンス

 実は、本コラムで魚釣島測候所のアイデアを提示した後、中国が「海警法」を発布したため、このような半永久建造物の設置が中国側による武力行使の口実に使われかねないと考え、大型巡視船のアイデアを次善の策として提示した。

 しかし、状況は再び変わった。

 アメリカの宣伝も効を奏して、中国の台湾への軍事侵攻を危惧する諸国が増加しつつある。中国としては尖閣諸島問題で軍事力を発動してしまっては、“本番”である台湾への軍事攻撃計画が頓挫しかねない。また中国当局は、軍事攻撃を行わずとも長い年月をかければ、やがて尖閣は中国の手に転がり込む可能性が高いと考えている。

 したがって、中国による台湾への軍事攻撃の準備期間は、日本が魚釣島に測候所を設置し、大型巡視基地船を造り出すための絶好の機会である。同時にそれは最後のチャンスでもあるとも言えよう。

 かつて東京都知事だった故石原慎太郎氏が、個人が保有していた尖閣諸島を東京都が買い上げる提案をし、船だまり等を設けると述べていました。その後民主党の野田政権が国として買い取りましたが、何もせず今日に至っています。そして中国の「棚上げ論」に配慮してか何か分かりませんが、領海侵犯や日本漁船への威嚇行動があっても、ただ「抗議」だけの対応で今日に至っています。

 外務省のホームページには次のような記述があります。尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐって解決し なければならない領有権の問題はそもそも存在しません」。そう言っていながら実際には中国からは問題とされていて、こうした威嚇行動が繰返されているのです。竹島はもっと悪く不法に占拠されていながら、何もしていません。

 一体日本政府、外務省には固有の領土を守る、「主権を守る」という感覚がないのでしょうか。これは経済における忖度とは全く別の次元の問題です。「固有の領土であり、領有権の問題がない」のならば、北村氏が言うように堂々と構築物を設置すべきでしょう。当然中国は猛反発するでしょうが、それを恐れていては国土は守れません。

 日本は今日まで、北方領土を侵略され、竹島を不法に占拠され、多くの拉致被害者を出しました。そのいずれも明らかな日本への主権侵害です。それに対して殆ど何も手が打てず、相手国のいいようにされてきた戦後の惨めな歴史に対して、日本国民は一部の人しか声を上げず、「主権」という概念を失ってしまっているようです。

 サッカーの勝利で沸いていても、何故かこの「主権侵害」に対しては声を上げないのです。こんな日本ではウクライナのような侵略を受けたらどうなるのか、本当に心配になります。せめて尖閣に測候所などの構築物を設置して、主権確保の第一歩にして欲しいと思います。

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2022年11月27日 (日)

捏造や誤報で日本を貶める報道を繰返すNHK,このまま続けば公共放送権剥奪も必要に

36  NHKは日本の公共放送という位置づけから、日本の現在も過去に関しても、特に事実をねじ曲げるような報道はあってはなりません。ところが過去から最近に渡って、捏造と思われる報道が後を絶たない、放送倫理に違反する事例が続いています。

 特に2009年放送の、日本統治下の台湾の状況を取り上げた、「JAPANデビュー」シリーズの第1作「アジアの“一等国”」は、その捏造・偏向の事実が大きく取り上げられました。

 その後2017年報道の「NHKスペシャル 731部隊の真実~エリート医学者と人体実験」でも、シベリア抑留者の証言をそのまま取り上げ、洗脳されている可能性に全く触れずに報道した、所謂「疑惑」を強く残した番組でした。(以上2作はこのブログでも取り上げています)

 また最近でも昨年の東京五輪公式ドキュメンタリーで、五輪反対デモに参加していない男性の発言字幕に「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と捏造報道し、BPOから「重大な放送倫理違反があった」と認定されています。

 そうした中、現在渦中にある「徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)」問題の草分け的な事例を扱った、短編ドキュメンタリー「「緑なき島」も、その捏造疑惑満載の映像だったようです。この問題を元NHK記者で現在自民党参議院議員の和田政宗氏が、月刊hanadaプラスに寄稿した記事から引用して掲載します。タイトルは『韓国のプロパガンダに使われたNHK「緑なき島」』です。

Images-28 「軍艦島は地獄島だった」「強制連行されたうえ劣悪な環境で働かされ、多くの人が命を落とした」。このような韓国のプロパガンダは、NHKの短編ドキュメンタリー映画「緑なき島」から始まった。NHKの捏造疑惑について国会で何度も質問をしたが、NHKはいまだにはぐらかし続けている――。

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「軍艦島は地獄島だった」の発端

先日、NHKに対し、昨年5月に国会で質問したNHK「緑なき島」問題のその後について問いただした。この問題は、昭和30(1955)年に制作されたNHKの短編ドキュメンタリー映画「緑なき島」が、「軍艦島は地獄島だった」と韓国のプロパガンダに使われているというものである。

「軍艦島」とは炭鉱で栄えた長崎県の端島のことであるが、問題の発端は、この「緑なき島」において、作業員が炭坑内の狭い坑道を上半身裸のふんどし姿で、つるはしを持って身をかがめて作業する姿を映しており、韓国がこの映像を使って「軍艦島での炭鉱労働は劣悪で、朝鮮人強制連行の証拠」と主張してきたことにある。

しかし、そもそも端島(軍艦島)炭鉱内とされる映像は軍艦島のものではないと、元端島炭鉱職員や旧島民は指摘している。このような姿で作業する場所は端島炭坑内には存在せず、「緑なき島」で作業員が着用しているヘルメットも端島炭坑で使われていたメーカーとは違うものであり、別の炭坑か何かで撮影した映像をはめ込んだのではないかとの指摘だ。

これに対しては、昨年3月の参院内閣委員会で私がNHKに質問したが、NHKの正籬聡(まさがき・さとる)副会長は、「映像の精査などの結果、別の炭坑で撮影された映像がこの『緑なき島』に使用されたという事実はなかった」と答弁した。

しかし答弁によれば、その根拠は、「緑なき島」が制作された昭和30年以前にNHKで撮影し保管されていた炭坑の映像を調査しただけのものであり、俳優やエキストラを使ってロケをして撮影した場合は含まれていない。

すでに編集前の映像は残っていないのかもしれないが、私の番組制作者としての経験からは、良い映像が撮れず別の炭鉱でロケをした可能性がかなり高いと考える。これはドキュメンタリーにおいて絶対にやってはならないことだが、「緑なき島」で作業員が着用しているヘルメットが端島炭鉱で使われていたものとは別のものであるとの証拠は揃っている。

だが、NHKは現在に至るまで見解を変えていない。

NHKから映像を提供したか否か

韓国は、この「緑なき島」の映像から、「強制連行されたうえ劣悪な環境で働かされ、多くの人が命を落とした」とプロパガンダをしている。2017年に制作された韓国映画『軍艦島』でもそうであったし、NHK「緑なき島」の映像そのものを使用したプロパガンダを、韓国の「日帝強制動員歴史館」、放送局KBSとMBCが行っている。

これらにNHKから映像を提供したか否かについて、昨年3月の参院内閣委員会で私は質問したが、NHKは「確認中」との答弁であった。昨年5月の参院内閣委員会で再質問したところ、NHKからKBSには平成22(2010)年に映像提供しており、「日帝強制動員歴史館」とMBCには提供したことはないというものであった。

NHKは「緑なき島」は、「当時の長崎県の端島で生き生きと暮らす人々の様子を取り上げたもの」としており、私からは、本来の趣旨に反する使用形態をされており、使用の撤回を求め、抗議しないのかを質問したが、NHKは「今後のことについては様々な観点から検討してまいりたい」との答弁であった。

私の質問から2週間ほどしてNHKは衆院総務委員会で、「緑なき島」の著作権は韓国において既に切れており法的な手段を取るのは難しいと答弁して以降、1年半近く何の説明もなかった。そのため、今回NHKに問いただしたのである。

国会を完全に軽視するNHK

実は、NHKが対応を取らない中、韓国「日帝強制動員歴史館」では「緑なき島」の映像が使用し続けられており、放送局KBSも今年3月に再び映像を使用した。そこで改めて私はNHKに対し、著作権が切れているにせよ、番組の制作元として、そしてジャーナリズムとして、本来の趣旨と違う捻じ曲げられた使われ方に抗議しないのかと問いただした。

これに対しNHKは、KBSには今年7月に「目的外使用ではないか」と文書で問い合わせたが、回答は来ていないと答えた。さらに私は、「日帝強制動員歴史館」やKBSとMBCに対してNHKが公式に映像を使用しないよう文書で求めるとともに、会長が会見を開いて声明を発するべきではないかと問うたが、NHKは「持ち帰らせてほしい」と答えるにとどまった。おそらく、また数か月放置される可能性があると思うので、こまめにNHKには問い合わせたい。

そして、NHKが国会での会長答弁を守っていないことも判明した。

昨年5月の参院決算委員会で前田晃伸NHK会長は、山田宏参院議員の質問に対し、「島民の方々に向き合いながら、新たな検討をするように指示をしたい」と答弁した。端島の旧島民の方々は、端島炭鉱が実際と違う描かれ方をしたために、「島民は朝鮮半島出身労働者を苦しめた」という韓国の謂われなきプロパガンダにより精神的苦痛を受けてきた。

NHKが具体的な対応を取らないため旧島民の方々は弁護士を通して質問状をNHKに送り、NHKは弁護士を通し回答してきているが平行線のままである。私から、前田会長が答弁した「島民と向き合う」「新たな検討」について具体的に何を行っているのか聞いたが、NHKからは「旧島民とは弁護士を通して接している」との回答。「新たな検討」についても何ら行っていないことが分かった。

すなわちNHK会長が国会で答弁したことを実行していないという大問題が判明した。国民の代表からなる国会を完全に軽視しており、今後の国会審議で絶対に問いただしていかなくてはならない。

「徴用は強制労働ではない」

さらにこの問題は、ユネスコ世界遺産に登録されている「明治日本の産業革命遺産」を解説する「産業遺産情報センター」の展示内容にも影響を及ぼそうとしている。

昨年7月22日、ユネスコ世界遺産委員会は、旧朝鮮半島出身労働者をめぐる説明が十分ではないとして、「強い遺憾」を盛り込んだ決議を採択し、犠牲者を記憶するための方策をとるよう勧告した。ユネスコは今年中に勧告の実施状況を報告するよう日本に求めている。

私は「産業遺産情報センター」を訪問し展示内容も詳しく見ているが、当時、日本本土のみならず日本国民であった台湾や朝鮮の人々も徴用され、炭坑労働時の食料事情は厳しい時期があったことがわかるなど、十分な説明が行われていると感じた。

徴用は賃金が支払われており、「徴用は強制労働ではない」と日本政府も答弁している。ユネスコの勧告を受け、展示内容に歴史的事実に反するものが加わる危惧について私は政府に問い合わせたが、政府は現状の展示を補足する方向だが歴史的事実に反するものは絶対に加えないとの答えであった。

このようにNHKの「緑なき島」が引き起こした問題は、我が国の歴史の事実が韓国のプロパガンダにより捻じ曲げられかねない状況となっている。NHKはしっかりとした対応を取るべきである。私は引き続き国会内外で追及していくとともに、政府に対しても産業遺産情報センターなどに「強制連行はない」との政府公式見解を展示するよう働きかけていく。

 本来日本の報道機関、とりわけ公共放送機関であれば、日本にとって不都合なことで、しかもそれが事実に反することであったならば、組織をあげて訂正やその事実を公表し、日本の名誉回復のために尽くすべきでしょう。ところがこのNHKの対応は、全くその体をなしていないように思います。

 実はこれと同類の捏造報道や誤報で、日本を貶めているのが朝日新聞です。「慰安婦強制連行」報道はその最たるものでしょう。この朝日新聞、GHQのプレスコード発令の後、占領期間中NHKと共にGHQの意向に沿った報道をして来たことで知られています。

 ですからそのときのDNAがそのままNHK内に残っていると共に、局員、特に上層部に代々受け継がれてきている可能性が大きい。それゆえ今でも中国批判はせず(プレスコードで中国など連合国を批判できないようにしていた)、日本の強さの復活より多様性の名の下、視点が弱者や、マイノリティーに過度に傾斜しているように思います。今後もこの様な状況が続けば、解体論議も避けて通れないでしょう。先ずは受信料を半減するなどの処置を科すべきだと思います。

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2022年11月26日 (土)

日本半導体産業の復活を実現できるか、次世代半導体の会社「ラピダス」への強い期待とその勝算は?

35  このブログのメインテーマは「強い日本の復活」です。それは防衛力、外交力が筆頭に来ますが、それを支える産業競争力は欠かせない重要な要素です。そしてかつて世界を席巻したにもかかわらず、今や米国のみならず韓国、台湾までにも後塵を拝してしまった、産業の米と言われる半導体の復活が、強く求められています。

 そうした中、次世代半導体の会社「ラピダス」の設立が発表されました。エルピーダメモリーの破綻や、ルネサスエレクトロニクスの苦戦など、集合型(日の丸)半導体メーカーの失敗を繰返さないよう、革新的な経営が求められています。

 この「ラピダス」に関する概要を、元経済産業省中部経済産業局長で明星大学経営学部教授の細川昌彦氏が、日経ビジネスに寄稿した記事から引用します。タイトルは『日の丸半導体」の失敗から学ぶ、半導体新会社ラピダスの勝算は』です。

 次世代半導体の新会社ラピダスが設立された。2ナノメートル(ナノは10億分の1)プロセスのロジック半導体を開発して、2027年ごろの量産を目指す計画だ。

 日本は先端半導体の量産で国際競争から脱落して、「失われた20年」ともいわれている。そうした中、ラピダスは半導体産業の起死回生の期待を背負って発足した。今後10年間で5兆円の設備投資を計画している。日本政府が相当の資金を支援しなければ難しいだろう。もちろん課題山積でいばらの道だが、日本にとってラストチャンスだとの危機感がある。

 この新会社について、かつての”日の丸半導体“の失敗を引き合いに出して、「同じことを繰り返すのか」との批判が目に付く。しかも批判だけして代替案を示さない。各国が半導体産業の囲い込みに躍起となっている中で、日本が手をこまぬいているとどうなるかは明らかだ。

 そもそも今回の新会社は、かつての“日の丸半導体”とは根本的に異質なプロジェクトだ。どう違うのか。

デジタル産業のためのプロジェクト

 まず、トヨタ自動車、NTT、デンソー、ソニーグループなどが株主に名を連ねていることに注目すべきだ。これを役所の声掛けへの「お付き合い」だと批判する論者もいるが、全くこれは当たらない。このプロジェクトの本質が見えていないのだろう。これらの企業は本気だ。半導体産業のためのプロジェクトではなく、デジタル産業のためのプロジェクトだからだ。

 国全体のデジタル投資の遅れが「失われた30年」の大きな原因の一つであった。今後の成長には産業全体でのデジタル投資が急拡大することが必要だ。半導体はそうしたデジタル投資の主要プレーヤーを顧客として成長する産業だ。

 かつては家電が半導体の主要ユーザーであったことで日本の半導体産業は育った。しかし2000年代に入ると、パソコンやスマートフォンに半導体需要が移り、これらのグローバルメーカーは大量の半導体を必要とした。

 しかし日本には米国のアップルや韓国のサムスン電子のようなグローバルメーカーが育たなかった。例えば、世界初のNAND型フラッシュメモリーを日本が開発したにもかかわらず、それを活用したデジタルカメラや携帯音楽プレーヤーといった最終製品で日本は負けてしまった。それが半導体産業の衰退の一因でもある。

 今後のデジタル社会の基盤となるのは、自動運転やデータセンター、工場のデジタル化、スマートシティなどだ。半導体はそうしたデジタル分野で必要になる。

 今回、トヨタやNTT、デンソー、ソニーなどがラピダスの株主になった理由はそこにある。これらの企業がユーザーとなるからだ。それぞれの分野で次世代のデバイスを開発して新たなデジタル産業をけん引する。そのためには、ニーズに応じた独自機能を盛り込んだ半導体の開発がカギを握る。

 多品種少量の半導体製造をコミットし、スピーディーに供給してくれる半導体製造会社が不可欠だ。だからこれらユーザー企業は本気で株主になったのだ。当初は10億円ずつの出資でも、今後、継続的に多額の投資を行う覚悟が必要なのは当然だ。

 従ってラピダスは、これまでのパソコン、スマホをターゲットとした汎用の半導体を大量生産するビジネスモデルとは一線を画して、専用の半導体を多品種少量生産するビジネスモデルを志向する。台湾積体電路製造(TSMC)やサムスン電子とは競合せず、差別化をしようとしている。

かつての「自前主義」からの決別

 第2のポイントは、日本企業だけによる「自前主義」ではないことだ。ラピダスは日米連携、さらには欧州も巻き込んだ日米欧連携のプロジェクトだ。

 米国企業(おそらくIBMだろう)の研究成果である次世代トランジスタ技術を活用した微細化技術、そしてそれを可能にするオランダの半導体装置メーカーASMLの極端紫外線(EUV)の露光装置の技術がなければ、このプロジェクトは成り立たない。

 これらは資金さえあれば入手できるわけではない。これまで水面下で国が前面に出て交渉して実現したものだ。EUV露光装置は世界からの注文が集まっており、本来であれば何年も待たなければ入手できないところ、2024年末には日本で初めて導入できる見込みだ。

 そしてその際のカギは「相互補完」だ。国際連携を可能にしているのは日本自身が強みを持っているからだ。装置、材料メーカーの技術力を背景に、後工程での積層化技術を持っていることが、相手方にも魅力となっている。

 経済安全保障が急務の国際情勢の中で、国家レベルで日米連携は急速に進められた。5月の連休には萩生田光一前経産相が訪米して、レモンド米商務長官と次世代半導体の開発について日米連携の基本合意をした。その際、ニューヨーク州アルバニーにあるIBMの研究施設を視察している。

 さらにそれを受けて5月のバイデン大統領との日米首脳会談では、次世代半導体開発の日米連携を進めることを合意した。日米連携が政治的に明確にもコミットされたのだ。

 プロジェクトの体制としては、量産技術のための研究開発の拠点「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)」が年内に設立される。これも米国や欧州の関係機関と連携する。

 政府も3500億円の予算を投入する。この研究開発拠点での技術開発プロジェクトでパイロットプラントを作って開発し、ラピダスで量産の製造ラインを作って事業化する。まさに2つが車の両輪となる構想だ。問題は、目標とする5年でどこまで達成できるかだが、決して楽観できるわけではない。

国策としての本気度

 政府が拠出する700億円についても誤解がまん延している。この金額だけを見て「1桁、2桁少ない。政府の本気度を疑う」と厳しい批判を浴びせる。しかしこれは単に第1段階としての“手付金”であることを理解していない。工場の建設まで含めたプロジェクト全体は兆円単位の資金が必要で、これで済むはずがない。

 初期段階から米国企業の技術を使用するライセンス料や、1台200億円もするEUV露光装置の前払い金が必要になる。しかもこの700億円を「補助金」としているのは明らかに誤報だ。これは委託費で、国の関与は根本的に違うことを見逃している。

 今後、第2段階ではこの新会社に対して国は出資も視野において経営に責任を持つことも検討されるだろう。上場による資金調達もあり得る。

 こうして国策としての位置づけを明確にして、所詮民間主体への補助金止まりであった、かつての“日の丸半導体”とは次元を異にする。

 2012年に経営破綻したエルピーダメモリを教訓にすべきだとする論者もいる。しかしこれまで述べた本質的な違いを見れば、これも当たらない。エルピーダは1999年にNECと日立製作所のDRAM事業、そして2003年に三菱電機のDRAM事業を統合してできた。いわば半導体メーカーだけの組織だ。しかも複数の出身母体による「たすき掛け人事」など一つにまとまることが難しく、経営破綻してしまった。

 それに対しラピダスはユーザー企業8社が出資しており、あくまで人材は外部から集めることになる。エルピーダとは状況はまるで違う。

いばらの道を覚悟

 これから待ち構える巨額の資金調達以外にも課題は山積している。既に述べたように、多品種少量生産での差別化戦略は理にかなっている。その顧客は当面、株主に名を連ねたデジタル産業をけん引するプレーヤーだ。

 ただし、さらにラピダスが成長するためには海外も含めたグローバルな顧客開拓が必要だ。そうした時に、出資するユーザー企業と競合する企業からも果たして受注できるか。いくら多品種少量といっても、量を確保してこそコスト低減ができて国際競争力につながる。

 人材も大きな課題だ。多数の半導体のエンジニアが必要になってくる。

 まずは即戦力だ。かつて日本の半導体産業が元気であった時代に活躍していたエンジニアは、その後の衰退期に活躍の場を韓国、台湾に求めて流出していった。そうした貴重な人材を再度日本に呼び戻すことができるかどうかだ。

 さらに若者の育成も必要だ。台湾のTSMCが熊本に進出することで、九州では大学や高等専門学校などで人材育成を急いでいる。東北も半導体分野に注力している。ラピダスは今後、将来の工場建設の候補地を選定するだろう。その際、人材獲得できるかどうかも大事な要素になる。

 もう一つの課題は設計だ。ラピダスのビジネスモデルでは、ユーザー企業のニーズを半導体の回路設計に落とし込むための設計段階がカギになる。そうした企業や人材をどこに求めるか。シリコンバレーの企業や人材を活用することも大事だ。こうした人材面でも「日の丸半導体」の自前主義から脱却すべきだ。

 難題でも国の命運を背負っている。国策として国費を投入するからには、やり切るしかない。

 半導体については韓国、台湾のみならず、最近は中国にも急追されています。日本と中国を比較すれば、その政治体制から自ずと違いが出てくる要素もありますが、日本は何しろ政治の関与が中途半端で、かつ戦略性がありません。その点をしっかり見据えて、この会社を育成すべきだと思います。

 細川氏の記述通り、これが「ラストチャンス」と考えて、企画力、設計力やそれを支える人材の確保など、政業一体となって、かつての半導体王国の復活を願いたいものです。

 そしてこのビジネスモデルを成功に導き、先端デジタル製品の分野にも応用して、日本の技術立国の立場をより強いものにしてもらいたい。もちろんこの分野のみならず、エネルギー開発や農業開発にも、応用すべきところは応用して、強い日本の復活を心から願いたいと思います。

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2022年11月25日 (金)

世界情勢の激変の中で日本の「食糧危機」のリスク増大…自給率4割足らずで大丈夫か?

Fb  ロシアのウクライナ侵攻(実際は侵略)以降、小麦等の農産物の価格の高騰が続いています。加えてウクライナ産の小麦の収穫減少や、その他の地域の天候不順による渇水などの影響で、農産物の収量の減少が世界的な問題となりつつあります。こうした状況の中、農産物の自給率の低い日本は、この先大きな課題を背負って行くことになります。

 そして更に、台湾問題が日本への農産物の海上輸送へのリスクを増大させ、食糧危機の到来が以前にも増して心配になってきました。今回はこの問題について記載した、週刊現代の記事を引用して紹介します。タイトルは『台湾侵攻で岸田政権が気づかない「食糧危機」のリスク…自給率4割足らずで大丈夫か?』です。

日本の自給率は「最低水準」

岸田政権は2022年度第2次補正予算案を編成した。ロシアによるウクライナ侵略が引き金となって高騰した電気やガスの代金を大幅に軽減するなど、またしてもバラマキ色が強いメニューが並ぶ。そうした中、安倍政権・菅政権時代の「官邸主導」の農政が終焉し、最近になって息を吹き返した農林族議員やJAグループは新たな利権として食料安全保障に目を付け始めた。

補正予算では農林族らの要求通り、農政に巨額の血税が投入されることが確定した。ただ、国は現在の日本の農政で喫緊の課題である「食料安保」について、明確なビジョンを描けずにいる。そのため、小規模な農林漁業者の保護にとどまり、中長期的な農林水産業の発展は実現しそうにない。

世界ではこの1年間、ロシアがウクライナに仕掛けた一方的な戦争により、食料価格の高騰が継続。米欧は歴史的なインフレに見舞われている。日本も小麦やガソリンなど生産に欠かせない商品の急騰のあおりを受け、今年だけで既に約2万点もの食品が値上がりしている。世界情勢が不安定なままだと、今後もこうした傾向が続く可能性が高い。

そもそも日本の食料安全保障は、ロシアによるウクライナ侵略が始まる前から脆弱だった。コメや魚が食生活の中心だった昭和期には、日本のカロリーベースの食料自給率は概ね5〜6割台で推移していた。しかし、平成に入って以降は3〜4割台と低迷。牛肉や豚肉など輸入品の消費が拡大した結果、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも最低水準にある。

台湾海峡が通れなくなったら

一方、日本は周囲を中国、北朝鮮、ロシアに囲まれるなど世界の中でも軍事的に最も厳しい安全保障環境に置かれている。特に今年以降、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを過去に例がない頻度で発射。8月には、ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発した中国が放った弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾し、地域の安定が揺らいでいる。

ウクライナ危機の次に想定されるのが、中国による台湾への武力侵略だ。台湾有事が発生すれば、多くの船舶が行き交う台湾海峡の航行が困難となり、食品やエネルギーの海外からの輸入が滞る可能性が高い。その場合、日本人の生活は危機的な状況に陥る。

しかし、日本国内では、食料安保に対する危機意識が依然として乏しい。本来ならウクライナ侵略を契機として、もっと早く食料安保の在り方を検討すべきだが、政府・与党が議論に着手したのはつい最近のことだ。

異例の3期目にまもなく突入する中国の習近平国家主席は台湾統一に強い意欲を示している。習主席はその手段として武力行使も排除していないにもかかわらず、日本国内では、台湾有事を念頭に置いた議論は全くと言っていいほどなされていない。 

農業予算の使い道が「無計画」

今回の補正予算の規模は総額29兆円に上る。旧統一教会問題で求心力の低下が著しい岸田政権は与党の圧力に抗しきれず、電気・ガス代やガソリンへの補助などビジョンなき「バラマキ」メニューが大量に放り込まれた。大盤振る舞いの中、農林族やJAも負けじと予算確保に躍起だ。もはや新型コロナやウクライナ危機を利用した「予算規模ありきの火事場泥棒」と言える。

過去には、農業市場開放を海外に約束した1993年の「ガット・ウルグアイ・ラウンド」の合意を受け、日本政府は8年間で総額6兆円の農業対策予算を投じた。本来なら農産物の生産増強に使われるべきだったが、その予算は土地改良や温泉施設建設などに充てられた。結果、その後も生産は増えず日本の農林水産業は衰退の一途をたどった。

今回の補正予算では、食料安保に1600億円が充てられる。肥料や麦、大豆の国産化などもっともらしい対策が名を連ねるが、「今回も小規模な生産者の保護など、食料安保とは関連がないものに使われる」(政府関係者)との懸念が聞かれる。

とはいえ、いくら役所側が嘆こうと、農林族らの無理難題を押し返すことはできない。なぜなら改革派の農林水産次官として腕を鳴らした奥原正明氏が2018年に退官して以降、農水省の改革マインドは停滞し、農林族やJAが復権を遂げたからだ。

「国内生産」にこだわるのではなく

彼らの主張の柱は、巨額予算を投じて国内生産を増強すること。確かに今の3割台の食料自給率のままでいいとは誰も思っていない。だが、農産物の国産化を進めることは理にかなってはいるものの、生産者の高齢化が進み、農地面積に限りがある状況では、砂漠に水を垂らすようなものだ。自給率の大幅な向上は期待できない。

例えば、米国やオーストラリアなど信頼できる第三国で日本企業が農産物を生産し、それを日本に輸入するのを後押しすることや、台湾有事などのリスクなどを分析した上で備蓄を進めることがカギとなる。

明確な食料安保ビジョンを欠いたまま予算をつぎ込んでも、零細な農業者や漁業者を保護することにとどまり、国際競争力が低下することは必至だ。

今からでも遅くない。生産者の焼け太りではなく、国民生活の向上に資するよう、農業予算の使途を慎重に見直すべきだろう。

 日本の農政ははっきり言って失敗だらけの連続だったと言っていいでしょう。その根幹は政官業の癒着による、硬直した農政にあります。今の零細農家が中心で、かつ、高齢化と共に後継者不足で、その結果補助金まみれの状況は、農業がいわゆる産業として成り立っていない証拠を表しています。

 記事にもあるように農政族(政)と、農水省(官)、農協(業)のトライアングルが、現場無視、戦略無視の農政を作り上げてきたと言えるでしょう。この構造を壊さない限り新しい産業としての農業は成長せず、近い将来の食糧危機は現実のものとなってしまうかも知れません。

 記事にも述べられているように、まずは国民生活の向上に資するよう、 しっかりした将来への農政ビジョンを描き出し、知恵を絞り予算配分を見直していくべきでしょう。

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2022年11月24日 (木)

旧統一教会だけではない、創価学会にも同様な問題が。公明党が「献金規制」のブレーキに。

2211161131_3714x476  旧統一教会の不正高額献金問題が取り沙汰されていますが、創価学会にも類似の問題があるようです。デイリー新潮に2週連続で寄稿されたコラムを引用して紹介します。

 11月16日付では、元学会員で芸人の長井秀和氏のコラムで、タイトルは『「両親は創価学会に数千万円寄付した」 宗教2世・長井秀和が告発「100万円の壺なんて安すぎて学会員にはピンとこない」』です。

 続いて11月23日付では、学会の元理事長の息子の正木伸城氏のコラムで、タイトルは『創価学会・元理事長の息子、懸念される「会員からの搾取」回避訴え 会員減少の実態も語る』で、以下に連続して記載します。

<長井秀和氏>

仏壇だけで約2千万円

 宗教団体への高額献金を規制する必要性が叫ばれる中、“ブレーキ”となっている存在と伝えられるのが公明党だ。献金額の多さが規制されるとなれば、支持母体の創価学会にも降りかかってくる問題となるのは想像に難くない。“エリート学会員”として育ち、10年前に創価学会を脱会した、芸人の長井秀和が高額献金の実態、池田大作名誉会長の素顔について告発する。

 ***

 両親が熱心な学会員だった長井は、東京創価小学校、創価中、創価高、創価大と進学するなど、まさにエリート学会員だった。さらに芸人としてブレークした後は、「芸術部」に所属して広告塔としての役割も果たしてきた。その後、長井は学会に絶望し、2012年に脱会を表明。そんな長井に高額献金の実態を聞くと、「集まる金額は毎年1千億円以上ともいわれる」としながら、

「学会側が明言することはありませんが、財務(注・一般的には寄付、お布施のこと)の額はおおむね収入の1割が目安といわれています。10日で1割の高利貸し“十一(トイチ)”にちなんで、私は学会の財務を“宗教十一”と呼んでいますが、収入が低ければ低いほど、当然、負担は大きくなる。うちの両親でもすでに総額で数千万円の寄付をしていると思いますよ。それだけでなく、例えば高額な学会専用の仏壇を3基も購入していて、仏壇関連だけで約2千万円。統一教会の“100万円の壺”なんて安すぎて、多くの学会員はピンとこないんじゃないでしょうか」

 統一教会の被害者救済を巡り、現在、国会では高額献金を規制する新法の是非が論議されているが、これに対する公明党の歯切れの悪さも長井氏の話を聞けばうなずける。あからさまな詐欺的行為はないとはいえ、献金や物販の規模は、統一教会のそれとは、まさに桁違いなのである。

幹部が終始池田大作名誉会長の悪口を

 そもそも、学会一家に育った長井はなぜ脱会するに至ったのか。創価小・創価中に通っていた子供の頃に通算60回ほど池田大作氏と会ったことがあり、当時は「しょっちゅうアイスクリームとかお小遣いをくれるオッチャンくらいの印象だった」という。

 成長するにつれて、聖教新聞などで読む池田氏の言葉と、この印象とのギャップに違和感を覚えるようになっていったそうだ。

「彼が執筆した小説『人間革命』を読んでも“そんなわけないでしょ”と思いはじめ、池田氏の作られすぎたカリスマ性を異様だと感じるようになったのです」

 それでも信仰心は残っていたというが、2007年夏に決定的な“事件”が起きた。

「参院選の応援のために埼玉県を訪れていたときに、車に同乗していたさる最高幹部が終始、池田氏の悪口を言っていたんです。もう、言うことがコロコロ変わるだの無茶を押し付けられるだのと言いたい放題」

 そこから自分で創価学会の実態について調べるうちに「外の世界から見た学会がいかにうそにまみれているか」に気付いたという。結果、彼は脱会することを決意したのだが、待っていたのはかつての仲間たちからの「これでもかというほどの呪詛(じゅそ)の言葉」だった。

<正木伸城氏>

「布教に熱心な信者は青年世代で1割を切っていた」

 宗教団体への高額献金を規制する必要性が叫ばれる中、“ブレーキ”となっている存在と伝えられるのが公明党だ。祖父の代からの創価学会員家系で、2015年までナンバー2の要職・学会理事長を務めていた正木正明氏を父に持つ正木伸城氏が、信者の「公明党離れ」の実態などについて語った。

 ***

 創価学会は公称827万世帯という会員数を誇るが、その勢力は衰え続けているといわれており、選挙などで実際に動いている学会員はかなり少ないのが現実だという。

<例えば私がリーダーだったある地域では、布教に熱心な信者は青年世代で1割を切っていた。若い世代に限らず学会全体で見たとしても、実は、熱心に活動する学会員の方がマイノリティーなのである。学会に所属していても、無関心だったり、ネガティブな考えを持っていたりという理由から、つかず離れずの関係を維持している層の方がはるかに多い。その傾向は、特に学会2世、3世、4世になるにつれて、顕著にみられるのだ。

 これにより、会員数の減少が臨界点に達した時に、学会はどう対応するだろうか。機関紙・聖教新聞の部数が減り、財務(お布施のようなもの)の金額も激減した時に、かつての水準を維持するために学会員に過度な負担を強いるようになったとしたら――そういう危うさについて、学会自身は自戒の意味でも「ゼロではない」と考えておいたほうがいいと思う>

発行部数は補えたが…

<たとえば創価学会は「マイ聖教運動」という活動を大きく展開していた。これは、機関紙である聖教新聞を一家で1部取るのではなく、1人あたり1部取ることを推奨する運動で、仮に5人世帯の家なら5部購読することになる。この運動は、当時すでに減少傾向にあった聖教新聞の発行部数を補うことに貢献した取り組みだったが、学会員の金銭的負担は増大した。もちろん学会員の中には宗教的使命感をもとにマイ聖教運動に参画する人も多いので、それを「負担」だと感じる人がすべてではない。が、こういった会員の使命感にあぐらをかいて同じような構図の運動を追加していけば、会員の使命感がいつ「負担感」に変わるかわからない。もし現実にそうなるとしたら、それは「会員からの搾取」という危険な入り口に立つことを意味するし、創価学会にはそうなってほしくない>

 日本の人口減少が現実化し始めてから10年あまり、新聞や雑誌などの発行部数は減少してきています。同時に宗教団体の会員数も、発行する機関誌も減少するのは時代の流れでしょう。宗教団体に結果的には形態が近い共産党も、党員、機関誌とも減っているようです。

 そしてどの団体もその体制を維持するための資金が会員に委ねられている結果、どうしても高額献金の要請も出てくることになるのでしょう。そこに仏壇や壺、霊感商法などが、付随してくれば違法性が増すことになります。

 実は共産党の赤旗の強制購読問題を、かつて杉田水脈氏の書籍で読んだことがあります。聖教新聞でも同様なことが行われているのではないでしょうか。宗教は悪くすれば、心の問題をはらんだ人が陥りやすい蟻地獄です。そうではなく本当の意味での心の救いになるような、それも自主的なお布施で済む真の宗教が望ましいと思いますね。

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2022年11月22日 (火)

大手マスコミが報じない、日本国内に潜む「中国警察」のヤバすぎる実態 政界にも魔の手が…?

Images-25  今回は、先日取り上げた中国による他国への「警察出先機関」の話題の第2弾です。その「違法な存在」に対して日本がどう対応しているのか、ジャーナリストの長谷川幸洋氏が現代ビジネス掲載のコラムで紹介しています。タイトルは『大手マスコミが報じない、日本国内に潜む「中国警察」のヤバすぎる実態 政界にも魔の手が…?』で、以下に引用して掲載します。

日本の政界にも魔の手が…?

中国共産党が日本を含む世界の30カ国に、相手国の同意なしに警察の出先機関を置いていた問題で、米国や欧州など各国政府が相次いで調査に動き出した。日本の岸田文雄政権は、どうするのか。大手マスコミも、まるで中国に遠慮しているかのように、動きが鈍い。

私は11月4日公開コラムで、この問題を初めて取り上げた。中国が各国の同意なしに警察活動をしているのが事実であれば、各国の国内法に違反するばかりか、あからさまな国家主権の侵害である可能性がきわめて高い。

すると、デイリー新潮が11月9日、衝撃的なニュースを報じた。

スペインの非政府組織(NGO)「セーフガード・ディフェンダーズ(以下、SD)」が9月12日に発表した報告書「110 overseas(海外の110番)〜常軌を逸した中国の国境を超えた取り締まり」は、日本の施設について「東京都千代田区神田和泉町〇〇」と所番地、電話番号まで記していた。

デイリー新潮は、その住所に「一般社団法人日本福州十邑(じゅうおう)社団聯合総会という団体が登記されており、自民党の現職参院議員(記事は実名)が、同団体役員の中国人女性と親密なうえ、本人は団体の役職にも就任していた」と報じたのだ。

中国人女性は「議員が発行した外交顧問兼外交秘書という名刺を持って、議員会館にも立ち入りしていた」という。事実なら、中国は日本の政界にも魔の手を伸ばしていたという話になる。ただし、議員側は女性との親密な関係や議員会館の通行証発行を否定している。

中国が日本の政界に浸透しているのは、かねて指摘されていたが、今回は中国警察が関与する施設が国内に実在していることが裏付けられた形で、これまでとは次元が異なる。しかも、与党政治家が関係していた疑いもある。だが、政府が具体的に動き始めた形跡はない。

厳しい姿勢を見せる各国政府

海外の動きは早かった。

セーフガード・ディフェンダーズは11月7日、続報を配信し「米欧など14カ国の政府が問題の施設に対する調査に乗り出した」と伝えた。オーストリア、カナダ、チリ、チェコ、ドイツ、アイルランド、イタリア、ナイジェリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、オランダ、英国、米国の対応を紹介している。

たとえば、オランダは、どう動いたか。

ウォプケ・フークストラ副首相兼外相は11月1日、ツイッターで「違法であり、閉鎖するよう命じた。駐オランダ中国大使には、問題を明確にするよう要求した。完全に独立した調査をする」と表明した。外務省報道官は「中国はセンターの活動について、外交チャンネルを通じて一切、我々に報告していなかった。そもそもの出発点から違法だ」と語った。

オーストリアの内務省報道官は「我々は、いかなる状況においても、外国の情報機関や警察が違法な活動をするのを容認しない」と言明した。カナダ王立騎馬警察は「カナダに住む個人の安全に対する深刻な脅威であり、外国がカナダ国内の個人とコミュニティを脅迫して、危害を加える可能性を認識している」と表明し、調査を始めた。

チリ内務省は閣議の後「警察が調査している」と発表し、チェコ外相もメディアに「調査が始まった」と語った。

ドイツ内務省の報道官は「連邦政府は外国機関による権力行使を容認しない。中国にドイツ国内で行政権を執行する権限はない。中国は外交関係と領事権に関するウイーン条約の枠内で動かなければならない」と言明した。

アイルランド外務省報道官は「アイルランドにおける、すべての外国政府の活動は国際法と国内法に従わなければならない。この前提に立って、我々は施設を閉鎖し、活動を停止するよう、中国大使館に通告した」と語った。

もっとも強力に対応しているのは、米国だ。米司法省は10月24日、会見で中国の活動に関連して「2人を逮捕し、13人を告発した」と発表した。タイミングからみて、米国は報告書の発表前から、捜査を進めていたのは間違いない。

セーフガード・ディフェンダーズは当初、指摘した54拠点のほかに「新たに16拠点が明らかになった」と伝えた。関係する警察は、福州市と青田県以外にもある可能性が高い。

逃亡犯を強制的に連行している可能性

セーフガード・ディフェンダーズは1月18日、「非自主的な帰国〜海外の逃亡者を強制帰国させる中国の秘密活動」と題する、別の報告書も発表している。

それによれば、中国共産党は2014年以来、「スカイネット」と呼ばれる作戦で、世界120カ国から約1万人の中国人を強制的に帰国させた。スカイネットは、海外に逃げた汚職官僚を摘発する「フォックスハント(狐狩り)」の上位に位置づけられる大掛かりな作戦だ。

中国共産党は作戦遂行のために、国家管理委員会(NSC)という組織を新設した。国家管理法の第52条は、海外逃亡犯の帰国を実現するための手段について、こう定めている。

〈2つの方法がある。(1)誘拐。逃亡犯を逮捕し、帰国させるために誘拐という手段を利用する。(2)罠と捕獲。容疑者を最終目的地や公海、国際的領空、または最終目的地と犯人移送協定を結んでいる第3国に誘い出し、そのうえで逮捕、送還する〉

つまり、NSCは誘拐や罠のような策略を弄して、刑事犯容疑者や政治犯らを摘発、強制連行する組織である。中国にいる家族や仕事の関係者を脅したり、容疑者に直接、海外で接触して帰国を強要する。あるいは容疑者を外国で拘束、誘拐するケースもある、という。

日本から帰国を強要されたらしきケースも

こちらの報告書は、非自主的な帰国を強要された多くのケースを紹介している。日本から帰国を余儀なくされ、その後、新疆ウイグル自治区の強制収容所で死亡が確認されたミヒライ・エリキン氏の場合は、どうだったか。

ウイグル人弾圧犠牲者のデータベースによれば、彼女は1990年2月23日に同自治区のカシュガルで生まれた。上海交通大学で植物に関する生物工学を学んで卒業後、東京大学の大学院で修士号を取得。東京で教師として働く傍ら、ウイグルの子どもたちにウイグル語を教えていた。

彼女はカシュガルにいる家族に会うために、2019年6月17日に帰国、夏に新疆に帰った。だが、その時点で父親と叔母は強制収容所に拘束されていたため、家族には会えなかった。

2021年7月27日付のニューヨーク・タイムズによれば、彼女は帰国直前に東京の空港から友人にメッセージを送っている。友人は帰国を思いとどまるように説得したが、彼女は「自分が死ぬことになっても、父親を探したい」と語っていた、という。

RFA(ラジオ・フリー・アジア)は2021年5月25日、彼女は2020年11月、カシュガルにある町の収容所で「尋問の結果」死亡した、と報じた。データベースによれば「担当官が彼女は死ぬ前に拘束され、尋問されていたことを確認している」という。ただし、中国側は「彼女は治療を受けるために帰国し、20年12月19日にカシュガルの病院で極度の貧血による臓器不全で死亡した」と説明している。

彼女の叔父は、ウイグルの言語活動家で詩人のアブドゥウェリ・アユップ氏だ。エリキン氏をはじめ、彼の兄弟姉妹3人が当局に拘束された。アユップ氏自身も2013年に逮捕され、15カ月投獄された後、釈放され海外に脱出した。同氏は「自分の活動のために、エリキン氏らが拘束された」とみている。

彼女のケースで、東京の中国警察施設がどう関与していたか、については分からない。ただ、彼女は帰国前、母親から叔父(アユップ氏)の活動を止めるか、帰国するよう強く促すメッセージを受け取っていた、という。これは中国の常套手段だ。

つまり、この施設は日本の国内法に違反し、国家主権を侵害しているだけでなく、中国による「人権弾圧の海外拠点」になっている疑いがきわめて濃い。政府が動かず事実上、黙認しているのであれば、中国共産党の人権弾圧に手を貸すのと同じではないか。

主要マスコミの動きも鈍い。とくに日頃、人権擁護を声高に叫ぶ左派メディアが沈黙を守っているのは、彼らのダブルスタンダードを物語っている。私には、政府とメディアが手を組んで「臭いものにフタ」をしようとしているかのように見える。

 前回も指摘したように、中国には「国家情報法」があり、その延長線上にこの「中国警察出先機関」が存在しているのでしょう。これはその国の主権の侵害であり、明らかに違法な機関で、各国とも厳しい対応をとっているようです。

 ところが長谷川氏の指摘の通り、日本では大甘な対応でしかなく、外務省の意向なのかその他の省なのか知りませんが、中国への忖度がそれをなしているとすれば、大変な問題です。

 ウイグルの人権問題にも見られるように、日本は何故か政界だけでなく、メディアも中国の人権問題に対してはあまり声を上げません。まるで中国が主張する「国内問題で内政干渉だ」を暗黙に認めているようです。

 天安門事件以来、日本の中国外交では常に腰の引けた人権対応だったと言えるでしょう。今回の問題もその延長線上にあるように思います。ましてやこのコラムにあるように、政界(自民党)が関与しているとなれば重大問題です。大手メディアは旧統一教会問題ばかりを追いかけるのではなく、この組織に関してもう少し突っ込むべきでしょう。

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2022年11月19日 (土)

旧統一教会の本質は?「教祖、文鮮明氏の発言録」から見る、その驚くべき反日・侮日観

34  旧統一教会問題で政界が右往左往し、メディアがそれを面白おかしく報道している日本、いい加減うんざりしてしまいます。しかしその中身は殆どが、教会と政治家のつながり疑惑(それも些細なものが多い)や、教会の信者に対する金銭の強要に関する内容が殆どです。

 しかしこの教会の本質についてはあまり語られていません。教会の信者の献金の多くは日本人が対象であり、それも過去の捏造歴史に起因するものも多いと噂されています。

 ではこの旧統一教会の本当の狙い、設立目的は何なのか、週刊現代が報じた「教祖、文鮮明氏の発言録」を元にした記事から引用します。タイトルは(前編)『「昭和天皇を暗殺する」「日本の女は男の寝床に這いつくばる」…!統一教会教祖が信者に語っていた、凄まじすぎる「日本憎悪の言葉」』、後編『「日本の天照大神のルーツは韓国」「西郷隆盛も韓国人」「対馬は韓国の領土」…!統一教会教祖の過激すぎる発言録』です。

(前編)

韓国には旧統一教会の教祖・文鮮明氏の発言録が存在している。615巻に及ぶこの「御言選集」から垣間見ることができるのは、日本への憎しみや蔑視が入り混じった文氏の複雑な心境だった。

「二重橋を破壊し、裕仁天皇を暗殺する」

今年7月の安倍晋三元総理銃撃事件以降、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との深い関係が問題となっている。

10月24日には、山際大志郎経済再生担当大臣が旧統一教会との関係を理由に辞任し、11月8日には岸田文雄総理が悪質な献金などの被害者救済の新法案を今国会で提出することに「最大限の努力を行う」と発表した。

そんな中、統一教会の創始者である文鮮明氏の発言録『文鮮明先生マルスム(御言)選集』が、インターネット上に無断転載されていることが明らかになった。

これは韓国の教団系出版社である「成和出版社(現・天苑社)」が信者たちに向けて発行したものだ。文氏が'56年~'09年に韓国内で行った説教の内容が全編韓国語で記録されており、その量は各巻300~400ページ、全615巻にも及ぶ。

「この『御言選集』を持っている日本人はほとんどいません。私が知る中で持っている日本人信者は一人だけ。その人も、大切に飾るだけで読んでおらず、内容は知らないようです」(元信者)

『御言選集』の一部を日本語訳したものは製作されているが、原本に掲載されている特定の発言が抜け落ちている。それは、日本に対して向けられた凄まじい憎悪の言葉だ。

文氏は1920年、日本統治時代の朝鮮半島に生まれ、1941年、21歳の時に早稲田高等工学校に通うため、日本へやってきた。工学校卒業後、1943年に帰郷するが、翌年10月、日本での抗日運動に関わっていたとして逮捕されている。

文氏にとって、"内地"での体験は、彼を抗日運動へと走らせるようなものだったのだろう。こうした心情を垣間見ることのできる発言が、ネットに流出した『御言選集』の中に含まれている。

〈日本は一番の怨讐の国でした。二重橋を私の手で破壊してしまおうと思いました。裕仁天皇を私が暗殺すると決心したのです〉(第381巻より。原文を日本語訳したもの・大意。以下同)

〈裕仁天皇を二重橋を越えて殺してしまおうとした地下運動のリーダーだったんです。こうした学生時代には、日本の婦人たちに無視されたこともたくさんありました〉(第305巻より)

昭和天皇暗殺を考えていたことや、皇居の正門に架かっている二重橋を破壊しようとしていたという旨の発言は、第306巻、352巻、402巻にも記録されている。

文氏が実際に地下運動のリーダーだったかについては明らかになっていないが、韓国人信者に対して自身が「昭和天皇暗殺を計画した抗日運動の闘士であった」と話していた可能性は高い。

「日本の女性は嘘が上手い」

日本に住みながら日本人に対して反感を募らせていた文氏は、日本人女性に対して抱いた印象について、蔑むようにこう振り返っている。

〈日本にいた頃は苦労した。日本の女性はあからさまです。韓国の女は男がついてくると逃げ出すが、日本の女は男の寝床に這いつくばる〉(第239巻より)

〈日本の女性は必ず嘘をつきます。エバの国である日本の女性は、エバの特徴をそのまま残している。だから嘘が上手なんですね〉(同巻より)

この発言について、旧統一教会問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏はこう語る。

「この発言からは、文氏の日本に対する恨みや蔑みが感じ取れます。旧統一教会には、日本が罪を背負った『エバ国家』だとする文氏の教えがある。エバ国家は夫である『アダム国家』の韓国に尽くすべきだとされています。合同結婚式で韓国人と結婚した日本人女性は、夫から暴力を振るわれたとしても、それは過去に犯した罪のせいであると教え込まれているのです」

文氏の発言の中からは、日本人に対する独特な価値観もうかがえる。

〈韓国人たちは「日本人たち」とは言いません。日本人を倭奴(왜놈)と言いながら「奴」という字をつけます〉(第336巻より)

〈日本人のことを倭奴と言います。日本人が倭奴なら韓国人は「主人奴」。そんな思想を持っています〉(第419巻より)

「倭奴」(왜놈)は、直訳すると「日本人野郎」という意味で、「チョッパリ」(쪽발이)と同様に日本人への蔑称として知られている。この蔑称を文氏は他の説教でも多用しており、本誌が確認しただけでも30回以上発せられている。

「日本人と結婚すると、半分死んだ子が生まれる」

日本人男性の「弱さ」についての発言も見受けられる。

〈日本人男性と結婚すると、半分死んだような子が生まれると言われている。なぜなら、日本人男性が弱いからです〉(第333巻より)

〈私が祝福を与えた日本人女性で子がいない家庭は、相手男性が日本人であることが多い〉(同巻より)

〈日本人男性との子供を授かる確率を100%にしたいなら、高麗人参茶を飲むしかないんです(笑)〉(同巻より)

〈もし、日本人と子供を作ったら、精子はどんどん減っていきます〉(同巻より)

日本人女性と韓国人男性の結婚を推奨しているように取れるが、別の巻ではこんな発言も飛び出している。

〈皆さん自身が、怨讐の中の怨讐と結婚しなければなりません。日本と韓国の怨讐の中の怨讐は、最高の頂上である王です。日本の天皇と韓国の王とが交差結婚をしなければなりません。その次に、上下院が交差結婚しなければなりません。日本で言えば、首相と大臣たちが怨讐である韓国の人と結婚しなければなりません〉(第346巻より)

この発言について、教団の元幹部が解説する。

「『韓国の王』とは、教祖である文氏一族を意味していると考えられます。文氏は自身の孫と日本の皇族が結婚することを望んでいたのです」

(後編)

前編記事『「昭和天皇を暗殺する」「日本の女は男の寝床に這いつくばる」…!統一教会教祖が信者に語っていた、凄まじすぎる「日本憎悪の言葉」』では、統一教会教祖・文鮮明氏の日本人に対する蔑みや憎しみが込められた「御言」を紹介した。後編では、文氏の歪な歴史観や領土に対する意欲が垣間見える「御言」を見ていく。

「西郷隆盛は韓国人」

『御言選集』からは、文氏の持つ偏った歴史観も垣間見える。

〈日本の天照大神のルーツは韓国にある。百済の2番目の女王が日本に逃げてきて、天照大神になったんです〉(第239巻より)

〈西郷隆盛のような人も九州人だったので韓国人だったんです。吉田松陰という日本の啓蒙家も韓国人でした。それを知っていますか? 彼らの先祖が韓国と大陸につながっていたからです〉(第377巻より)

〈明治維新以前の日本人は野蛮人でした。苗字もありませんでした。(略)それを吉田松陰を中心として訓練、教育したのは韓国人なんです。西郷隆盛も韓国人です〉(第444巻より)

朝鮮半島と地理的に近い地域出身の人々のルーツは朝鮮半島にある、だから薩摩や長州の人々も韓国人であると文氏は主張しているのだ。

信者との間で様々なトラブルを引き起こし問題となっている献金について語った記録もある。

〈自分の財産は必要ではありません。全部売って投入しなさいということです。一文無しになっても、神様の力で生きることができます〉(第318巻より)

〈日本責任者はここに4億ドルを補充しなさい。(略)献金を出すのを急き立てたのか? 2000人ずつ連れてきたら、一人あたり100万ドルだといくらになる? 20億ドルになるんだ。20億ドルがいま私に必要だ〉(第375巻より)

「朝鮮総連と民団は対馬に移住せよ」

第375巻では、同席している教会の日本法人幹部が詰め寄られる場面も記録されている。

〈小山田! お前も倭奴だろう? あいつも調子よく『はい、はい』と答えるが、日本人の性質にはひどいところがあるな〉

文氏は'81年に「日韓トンネル」の建設を提唱し、翌年には「国際ハイウェイ建設事業団」(現・財団)を設立した。これは韓国の釜山と日本の佐賀県唐津市を結ぶ全長200km超の海底トンネルを建設するプロジェクトで、実現のために3億円以上の多額の献金をした信者もいるという。

また、日韓トンネルプロジェクトを実現するため、'08年には鳩山由紀夫元首相をはじめとして民主(当時)・自民・公明・社民の議員ら9人が「日韓海底トンネル推進議員連盟」を結成していた。

文氏は、この日韓トンネルの経由地点の候補となっている対馬について、こんな発言をしている。

〈釜山から対馬が見えるでしょう。対馬は韓国の領土なんです〉(第487巻より)

〈小さな島から進んでいけばいいでしょう。対馬に朝鮮総連と民団(在日本大韓民国民団)が移住すれば、自動的に韓国と連結されるのです〉(第434巻より)

日本人を蔑視するような発言をしながらも、日本とのつながりを求める文氏の複雑な心情が表れているといえるだろう。

教義は日本と韓国で変えられている

ここまで紹介した一連の「御言」の内容を、日本人信者は認識しているのだろうか。

前出の鈴木氏が話す。

「教義は、日本と韓国である程度変えられています。『天皇暗殺』など、日本人が読むと都合の悪い部分については、日本語訳版があったとしても削除されている可能性が高い。ほとんどの日本人信者はこうした文氏の発言があったことを認識していないでしょう」

世界平和統一家庭連合は、こうした『御言選集』について、どのように考えているのか。本誌の質問に対し同団体は、以下のように回答した。

「成和出版社発行の文鮮明氏『御言選集』の実物は韓国人信者に対して韓国語で語られた内容ですので、他言語翻訳はされていません。出版の目的は教祖の御言葉を歴史的に保存するためだと聞いております」

「ネット上の不法転載に関して、著作権侵害の申し立てを準備しております。また、不法転載サイトの内容に関しては認識する必要はないと考えております」

『御言選集』で記録されているような思想を根底に持った人物が創設した宗教団体が、自民党と深い関係を築き、政治に食い込んでいたことを、日本国民は改めて認識する必要があるだろう。

 笑止千万というか殆ど妄言に近いと思われます。だが文氏は真面目に考えていたのでしょう、本当は笑い事ではありません。じつは韓国の子供たちにも、ここまでと言わなくても似たような内容の教育が行われています。そしてその教育で敏感に反応した人たちが、反日の先頭に立って市民運動をしているのです。「正義連」などその代表でしょう。

 「反日種族主義」を著わした李栄薫氏のように、歴史について史実を元に解釈し、韓国の従来からの誤った(捏造した)歴史観を真っ向から否定する人もいますが、少数派です。従って韓国はこの先も真に親日国にはなり得ないでしょう。もっとも38年間の日本の統治の間、主権を失った悔しさは理解できます。

 ただ同様な情況であった台湾が、親日国となっているのですから、韓国は少し特殊なのでしょう。いずれにしろ文氏の様な考えを持った人がいることだけは、日本人の多くが知るべきだと思いますし、その人が設立した教会は宗教法人を剥奪すべきでしょう。

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2022年11月18日 (金)

甘い日本の政治、低迷する日本をこの呪縛から解放するには「甘さ」から脱却する必要あり

33  岸田政権はメディアと結託した旧統一教会問題で支持率を落とし、その結果野党の追求する「議員と教会との関係」に右往左往し、また教会の過去の信者への献金強要の事実から、教会への同問題質問権の対応と、信者救済の立法化へ追い込まれています。

 確かに放っておけない問題でしょうが、他に安全保障問題やエネルギー・経済問題など、日本の未来を揺るがす大問題には本格的に取り組めない、本質離脱の嘆かわしい状態と言ってもいいでしょう。何故こんなことになるのか。それはひとえに「ユルさが目立つ日本政治」だからでしょう。

 戦後外交においてはユルさが継続してきましたが、少なくとも安部元首相の時代までは、何とか引き締めも効いてきたように思います。今日の情況はどうでしょうか。国際政治学者の島田洋一氏が月刊WILL誌に寄稿したコラムから紐解きます。タイトルは『ユルさが目立つ日本政治』で、以下に引用して掲載します。

中国共産党大会の開幕を3日後に控えた10月13日、北京市内の高架橋に「独裁の国賊、習近平を罷免せよ」などと大書した横断幕が掲げられた。

当局が慌てて撤去したものの、SNSなどで画像が拡散し、国際的なニュースとなった(中国内ではまもなく閲覧不能の措置が取られた)。

決死の行為に出た勇士は、その場で当局に拘束され、車で連れ去られた。

日本をはじめ自由主義国なら、せいぜい道路交通法違反で注意処分程度の話である。しかし、習近平神格化を進める中国では、「仲間の名前を全て言え」等々の拷問を経たうえで、重罪に問われるだろう。

米国に亡命した中共中央党校の元教授、蔡霞氏によると、実行者(男性)は「彭載舟」のハンドルネームを持つ彭発氏だという。何とか生き永らえ、解放の時を迎えられるよう、支援していかねばならない。 国際社会が声を上げなければ、獄中で虐待死に追い込まれるだろう。

「国賊」といえば、日本でも、自民党議員でありながら左翼に迎合し、国葬儀をボイコットした村上誠一郎氏が、安倍元首相を「国賊」とまで呼び、さすがに党規違反に問われた。

相当な覚悟があっての発言かと思いきや、党紀委員会が迫った段階で、お座なりな「謝罪文」を提出するなど党籍に未練を見せた。卑小というほかない。

厳正に臨むはずだった党紀委の方も、「党員資格停止や除名といった厳しい処分を求める意見が大半だった」にもかかわらず、結局「一年間の役職停止」という大甘な措置でお茶を濁した。

「国賊」発言から処分に至る全過程を通じて、何の本気度も感じさせないサル芝居に終始したと言わざるを得ない。当然、中露・北朝鮮などは、ますます自民党を舐めて掛かってくるだろう。

現在、日本国内の反安倍勢力中、世代的に最も大きな塊を成すのは、1960年代末に「全共闘運動」にいそしんだ「高齢者アベガー」たちだが、こちらも精神的ユルさが目立つ。

当時はアメリカでも学園紛争が盛んだったが、ベトナム戦争への徴兵に対する命懸けの抵抗という面があった(今ロシアがそうなりつつある)。ベトナムでは、最終的に米兵5万8千人が死亡、28万8千人が重傷を負っている。

安全地帯でのサル真似に過ぎない全共闘の革命遊びとは違った。彼ら日本の左翼学生は「安保粉砕」を叫んだが、その実、自衛隊と米軍に守られて平和に暮らし、相対的に恵まれた年金生活を送りつつ「安倍国葬粉砕」デモなどで余剰エネルギーを発散している。高齢者アベガーには日教組の元教員などが多いというが、よく分かる話だ。

彼らの反軍・反米左翼教育を、何の批判精神もなく受け入れた「優等生」の典型が、「安倍は人間じゃない。叩っ斬ってやる」と叫んだ法政大教員の山口二郎氏だろう。

この種のアベガーの執拗な演説妨害に対し、普通なら「こんな連中」と突き放すところを「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と抑えた表現を用いた安倍首相は、忍耐力において秀でていた。

朝日新聞は、「異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の一つだった」と総括するが、汚い野次を放置しては、民主制の基本である議論が成り立たない。 あくどい妨害に対しては、戦う姿勢も必要となる。

自民党議員は政権を追及したくとも「党の政調でやるのはいいが、国会ではやめてくれ。 予算の通過に支障が出る」と言われ、深追いが難しい。

その分野党の役割が重要になるが、ワイドショー追随以上の質問はほとんどない。野党が愚かだと議院内閣制は機能しない。

立憲民主党にも野田佳彦元首相を筆頭に自称保守派がいる。しかし辻元清美氏、蓮舫氏ら「はしたなさ」(三浦瑠麗氏の評)を売り物にする左派に圧倒され、常に縮こまっている。 そこそこ数があっても、戦闘力を欠けば政治勢力たり得ない。

9月17日、創立百周年を記念した講演で共産党の志位和夫委員長は、安保条約廃棄の旗を掲げ続けると宣言した。一方、侵略を受けた場合は「憲法違反の自衛隊」に「頑張っていただく」とも述べている。

米軍との関係を断ち切って自衛隊単独で戦い、自分たち共産党員の命も守れというわけだ。 無責任かつ身勝手、「志位滅裂」そのものだろう。耳を傾けろと言うなら、もう少し理性的な「異論」を唱えねばならない。

 野党の「体たらくさ」の要因も、政府・与党のユルさ、つまり「信念を持って毅然と対応する姿勢」の欠落が、その一つとなっているのだと思います。例えば野党の政府質問にはテーマ以外の質問は一切受け付けない、また政府側からの逆質問を許可すると言った国会の改革、あるいは「民放」の報道番組の偏向さには、堂々と放送法第4条を適用し、その適用を妨げるBPOであれば解散、再編成すると言った、思い切った施策を信念を持ってやるべきでしょう。その結果として、野党やメディアの質も向上するのではないかと思います。

 故石原慎太郎氏は、記者会見で記者の愚問にははっきり「愚問」と言い切り、また逆質問をして記者を黙らせた、そのような態度が今の首相や閣僚にも必要でしょう。トランプ氏とまでは行かなくとも、それに近い強さが必要だと思います。そのためには確固たる信念と政策に対する知見が必要なのは、言うまでもありませんが。いずれにしろ今日本が求められているのは、「甘さ」「ユルさ」からの脱却でしょう。

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2022年11月16日 (水)

鳩山元首相、そんなに日本が嫌いなら「宇宙」にでも旅立ってもらえませんか

Images-24  「バカは死ななきゃ治らない」というのは、日本で古くから言われている所謂ことわざの1つですが、それにぴったりの人がいます。通称「宇宙人」と称されている鳩山元首相です。この人は「元首相」という肩書きが付いているだけに、その日本を貶める言動にはある種の「箔」が付いているという意味で、この上なく迷惑な人です。一向にその妄言が改まらないため、冒頭のことわざが見事に当てはまります。

 産経新聞論説委員の坂井広志氏が同紙のコラム「一筆多論」に掲載した記事に、その一部が語られています。タイトルは『「元首相」鳩山氏の妄言』 で、以下に引用します。

ドイツのショルツ首相が中国を訪問し、3期目に入り独裁体制を確立した習近平国家主席と会談した。このニュースを耳にし、旧民主党の鳩山由紀夫元首相の顔がふと思い浮かんだ。

鳩山氏が今も首相であったならば、喜々として北京詣でをし、満面の笑みを浮かべて習氏と握手を交わし、代償として日米同盟に亀裂が入ったことだろう。

そう思ったのは、9月28日に衆院議員会館で行われた市民団体による「日中国交正常化50周年記念大集会」で、あきれた言動をしていたからだ。

文化交流の話から始め、「2千年近く前から、多くのことを日本は中国から学ばせていただいた。漢字一つとっても中国からいただいたものでございます。感謝こそすれ、けんかをする相手ではないのは当たり前だと思います」と、これでもかとばかりにへりくだって語ると、会場からは拍手が湧き起こった。そして、こう続けたのであった。

「にもかかわらず、日本は中国に侵略を行った。敗戦国は無限責任を負っている。傷つけた側は傷つけられた側が『これ以上謝る必要ないよ』と言ってくださるまで、謝罪する気持ちを心の中で持ち続けなければならない」

鳩山氏からは似たような発言をこれまでも聞いたことがあるが、今でも土下座外交を追求し、日本という国を「溶解」させようとしているかのような妄言を続けていることに啞然(あぜん)とさせられた。

発言はエスカレートし、わが国固有の領土である尖閣諸島(沖縄県石垣市)について持論を開陳した。

「(平成24年に)国有化の話になって、中国も領有権を主張しなければならないということで、定期的に船が出てくるようになった。向こうとしてもやらなきゃならないことを、やっている。こういうことが一触即発のことを招きかねない。もう一度、棚上げにすればいいだけの話じゃないですか。将来の世代に解決を委ねればいい」

中国側に理解を示していることが信じられないが、そもそも歴史認識からして間違っている。

「棚上げ論」は昭和53年10月に、中国の鄧小平副首相(当時)が来日し記者会見で「こういう問題は一時棚上げしても構わないと思う。十年棚上げしても構わない。次の世代はわれわれよりもっと知恵があろう」と語ったことで知られている。

来日時、鄧氏は福田赳夫首相(当時)との会談でも「こういうことは、会談の席上に持ち出さなくてもよい問題である。次の世代はわれわれよりももっと知恵があり、この問題を解決できるだろう」と語ったが、福田氏は言質を与えていない。「もう一度」も何も一度も棚上げに合意していない。これが事実である。

台湾情勢をめぐっても鳩山氏は、「50年前に答えは出ている。台湾は中国の一部であるということに対し、日本政府は理解すると言っているわけだから、この問題は解決している。とやかく外から言う話ではない」とまるで台湾を見捨てるかのような言いぶりであった。

12月で旧民主党が下野してから10年が経過する。「元首相」という肩書がついて回る人物が、国益を損なう発言を繰り返している現実を目の当たりにすると、頭が痛くなる。

 まさか亡くなって欲しいなどとは言えませんが、何とか周りから諭してやることはできないのでしょうか。まあ「宇宙人」ですから無理でしょうが。

 ところで彼に限らず、日本を売りたがっている人たちは、過去から大勢いますね。「慰安婦強制連行」を作り上げたのも、国連に行って「性奴隷」だと進言したのも日本人ですし、「南京事件」を殊更大きな問題にしていったのも日本人です。

 こう言う人たちはその一方で、アメリカの「原爆投下」や「東京を始めとする都市大空襲」、旧ソ連の「樺太・千島での蛮行」、それに中国の「通州事件」などの「民間人大量殺戮」や、更にはソ連兵による日本兵の「シベリア連行、強制労働、拷問致死」、などの日本人が受けた戦争犯罪には全く黙りです。

 日本は「水に流す」国民性から、以上の残虐な戦争犯罪に対して、口をつぐんできましたが(実際にはGHQによる言論封殺とその後遺症ですが)、鳩山氏は相手国に対していつまでも謝罪せよという、自らが「日本人」を捨て去った発言をしています。どうか宇宙の旅でもしていただいて、日本に帰ってこないことを切に願います。

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2022年11月14日 (月)

「慰安婦少女像」撤去運動を行う韓国人たち「少女像は偽りと憎悪の象徴」、だが日本人は今どう動いているのか

2211071129_2714x476  日本の朝日新聞に代表される左派系反日新聞や、「自虐史観」を引きずる自称知識人を語る人たちは、中韓の捏造歴史に肩入れしているようですが、逆に中韓に捏造歴史を売り込んでいるのも事実です。その代表例が「慰安婦強制連行説」でしょう。

 朝日新聞が作り出したこの自虐捏造物語は、いち早く韓国に受け入れられ、元慰安婦被害者を作り出し、賠償と謝罪を込めた大々的な日本批判によって「河野談話」という、嘘で固めたストーリーを日本の政府に作らせました。日本軍をとてつもなく貶めた朝日の罪は極めて大きいと思います。しかし発覚後も簡単な虚偽報道で済ましている面の皮の厚さには、辟易としてしまいます。

 ところでその韓国は、国内のみならず世界中に「慰安婦像」をまき散らしていますが、そのお膝元韓国では少し変化が生じているようです。その詳細を韓国国史教科書研究所所長の金柄憲(キムビョンホン)氏が、デイリー新潮に寄稿した記事から紹介します。タイトルは『「慰安婦少女像」撤去運動を行う韓国人たち 「少女像は偽りと憎悪の象徴」活動理由を語る』です。

 現在、慰安婦少女像は韓国国内に150体、海外には34体が設置されているという。日本でも「表現の不自由展」で展示されてきたが、その撤去運動が韓国から始まった。親日であるだけで罪人扱いされる国で、なぜそんな活動が生まれたのか。その中心人物による寄稿。【金柄憲/国史教科書研究所所長】

 ***

「少女像の実物を見るのは初めて、と語ったある女性は、感極まったのか、少し涙ぐんだ」

 8月6日付で韓国・聯合ニュースが報じた日本の「表現の不自由展・京都」に関する記事の一節である。「検閲や社会的な圧力により展示中止に追い込まれたアート作品を集めて展示する美術展」と銘打たれたこの企画展で、黒いチマ(スカート)に白いチョゴリ(上衣)を着て裸足で座っている慰安婦少女像と向き合ったその女性は、乱暴に日本軍に連れ去られてひどい性的暴行を受けた幼い少女を思い浮かべたことだろう。

 韓国でもソウルの路線バスが、これと同じ少女像を前方の座席に座らせて市内を走り回り、多くの市民の注目を集めたことがあった。それを目の当たりにした市民の多くも、「表現の不自由展」を見た女性のように、涙ぐみ、罪悪感に苛まれたに違いない。

 こうした点で、この少女像を作った金運成(キムウンソン)・金曙(キムソ)ギョン夫妻のもくろみはかなり達成したといえる。

世界各地の少女像の撤去を求める運動

 目下、この少女像は日本各地を巡回中である。2019年、「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」で展示され、抗議が寄せられたために展示中止となった「平和の少女像」は、今年8月6、7日の京都に続き、同月25日から28日まで、名古屋で再び展示されることになった。

 このため私は、名古屋で展示中止を訴えるべく急遽来日し、街頭での抗議運動や記者会見を行った。同月26日には、この企画展の中で行われた少女像の作者、金運成氏とのトークイベントに飛び入り参加して、あのような少女像を製作した根拠を尋ねた。よもや私が名古屋にいるとは思わなかったのだろう、金氏は「慰安婦が証言している」とだけ言い、私の質問にきちんと向き合わなかった。

 私はいま、これら世界各地の少女像の撤去を求める運動を行っている。本稿でその一端をお伝えしようと思う。

デモに10人しか来ない日も

 韓国では、長年、日本政府に対して慰安婦への正式な謝罪と賠償を求める「水曜集会(デモ)」(毎週水曜開催)が、旧日本大使館前で行われてきた。だがコロナ禍で集会は制限され、感染拡大防止のために「一人デモ」の形を余儀なくされた。そして昨年11月1日、「段階的な日常回復」(ウィズコロナ)へ向けて防疫措置が緩和されると、申告さえすれば誰でも、人数に大きな制約を受けず集会ができるようになった。

 この緩和措置は、デモを主導する韓国最大の慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(旧挺対協。以下、正義連)にとって、活況を呈した過去への回帰ではなく、場所を転々とする惨めで辛い集会の始まりとなった。ウィズコロナ後に初めて迎えた昨年11月3日の水曜日、正義連の集会は、約30年間守ってきた少女像の前から、隣の聯合ニュースビル前に締め出される屈辱を味わった。対抗する保守系団体「自由連帯」が先に集会の申告をしていたためだ。その1カ月後の12月1日には、聯合ニュースビル前から、国税庁の後ろにある狭い場所へと追いやられた。私が代表を務める「慰安婦法廃止国民行動」に場所を奪われたからである。

 以来、正義連は水曜デモを行う場所を探して転々とする、放浪の身となる。3年前の2019年8月14日の集会では、主催側推計で2万人にもなる人が押し寄せ、足の踏み場さえなかった。ところが資金流用問題や慰安婦との不和などが発覚し、いまはやっと10人を数えるという日も多い。隔世の感がある。

 正義連の水曜デモが少女像の前から完全に締め出されたと判断した私たちは、今年初め、各団体別に行っていた集会を一つにまとめ、「慰安婦詐欺清算連帯」という団体を結成した。普段は各団体ごとに活動しながら、大きな出来事があれば団結し、正義連への圧迫を強めるためである。

 その最初のイベントが、2月16日に行われた「私たちは友達!」がテーマの「韓日友好市民ハンマダン(集いの場)」だった。その日、旧日本大使館から見える聯合ニュースビル前には、日の丸と太極旗(韓国国旗)が翻った。以前なら「親日派」「売国奴」と罵られ、暴力が横行したはずだが、不思議なほど静かだった。慰安婦問題で少しでも異なる意見を出せば「極右の妄言」と非難したマスコミも静かだった。私は成功した行事だったと思っている。

 こうした勢いに乗って、海外にある少女像の撤去デモをしようという意見が出てきた。コロナが流行する前、ドイツ遠征デモを計画していた落星台経済研究所研究委員の李宇衍(イウヨン)博士の提案だ。提案はすぐに具体的な話となった。当初は、意気揚々とドイツ・ベルリンと米カリフォルニア州・グレンデールにある少女像前で集会を行おうとしたが、コロナ禍前に比べ2倍以上に値上がりした航空運賃と長距離旅行への負担から、米国行きは断念せざるを得ず、ひとまずドイツに向かうことになったのだ。

取材されるも報道はされず

 ドイツ・ベルリンのミッテ区には、ブロンズの少女像が設置されている。それに対する抗議活動を行うため、私は「慰安婦詐欺清算連帯」の朱玉順(チュオクスン)(「オンマ〈お母さん〉部隊」代表)、先の李宇衍、吉田賢司(通訳)とともに、今年6月25日から5泊6日の日程で現地を訪れた。

 旅立ちの日、仁川空港には意外にも公共放送「KBS」の取材チームが私たちを待ち構えていた。そこで私たちはベルリンの少女像を設置した「コリア協議会」(ドイツの韓国系市民団体。韓静和(ハンジョンファ)代表)に対し、慰安婦問題でうそをつかないことと少女像の自主的撤去を要求することが目的だと説明した。しかし、その内容が報道されることはなかった。

 14時間の長いフライトを経て、ベルリンのホテルで休息をとった翌朝、出国前に予め集会の申告をしておいた場所に向かう。私たちを真っ先に出迎えたのは、「表現の不自由展」と同じ着色されたFRP(繊維強化プラスチック)製の少女像だった。もともとあったブロンズの少女像の向かい、コリア協議会が陣取る場所に、同じ少女像が持ち込まれ、私たちをじっと見つめていたのだ。そこには数人のドイツ人と現地の日本人もいた。

 一方、ブロンズの少女像の方は、なぜか蚊帳(かや)に覆われていた。私たちが毀損するのではないかと考えたコリア協議会が保護幕として覆ったのだという。彼らの行動はいつも幼稚である。あきれるほかはない。もとより傷つけるつもりはなかったが、万が一、傷つけたなら、私たちは無事に帰国できたのだろうか。

「碑文の内容はすべてうそ」

「慰安婦詐欺もう止めよ!」と書いた横断幕設置とユーチューブ配信のためのスマートフォンのセッティングなど集会の準備を終え、少女像の台座に刻まれてあった碑文を読んでみる。2020年9月にこの少女像の除幕式が行われたが、その10日後、ミッテ区は一度、撤去命令を出しているのだ。その理由がこの碑文にある。

 問題になった文章はこう書かれている。

「第2次世界大戦中、日本軍はアジア太平洋地域で無数の少女と女性を強制連行し、彼女たちに性奴隷生活を強いた」

 碑文の通りなら、慰安婦たちは日本軍に拉致され、戦時性暴力のもと性奴隷生活を強要された「戦争犯罪被害者」になる。そして少女像はそうした被害者を象徴する造形物ということになる。

少女像もうそ

 国際紛争の進行中に敵軍や占領軍により行われた拉致・強姦・殺人などの行為を一般的に戦争犯罪と呼ぶ。だが当時、朝鮮は日本の占領地でなかったばかりか、朝鮮の女性は日本国民でもあった。さらに日本軍慰安所は占領地女性に対する戦争犯罪防止のために設置・運用された合法的な売春空間であり、慰安婦は慰安所の経営者と契約を結んだ後、身分証明書の発給を受けて出国しており、現地に到着してからは領事館・警察に各種書類を提出して営業許可を得て金を稼いだ職業女性たちだった。

 戦争犯罪の被害者という主張は通らない。

 少女像も同様にうそだ。少女像の作家、金運成・金曙ギョン夫妻の『空いた椅子に刻んだ約束』という本には、「日本軍の甘言に乗ったり強制的に戦場に連れて行かれた10代初めから中ごろの幼い女性を作品で表現するため、11歳の自分の娘をモデルに、13歳から15歳の少女の姿として少女像を製作した」と書かれている。

 しかし当時、日本軍慰安婦は17歳以上でなければ営業許可を得られなかった。だから13~15歳の少女が日本軍慰安婦になることはできない。日本軍に連れ去られたという話も、13~15歳の少女という話もみんなうそなのだ。

妨害された集会

 ドイツのコリア協議会は、慰安婦が戦争犯罪の被害者であるという主張とともに、ホロコースト犠牲者のユダヤ人と同じだとする主張までためらうことなく行っている。これもまったく話にならない。第2次世界大戦でナチスに虐殺されたユダヤ人は数百万人に及ぶといわれるが、日本軍に殺害された慰安婦は一人も報告されていない。

 日本軍兵士は、慰安所規定により定められた時間に定められた料金を支払わなければ、日本軍慰安所を利用できなかった。慰安婦の中には高額の収入でルビー、翡翠、ダイヤモンドのような宝石を購入する者もいれば、故郷に生活費や学費などを送る者もいたとの証言もある。戦争犯罪の被害者であるだけでなくホロコーストの犠牲者と同じだとするコリア協議会の主張は荒唐無稽だ。

 だから私たちは集会を通してコリア協議会に「うそをつくな」と訴え続けたのだ。

 私たちが少女像周辺で集会をしていると、コリア協議会は、やじを飛ばしたり自分たちのスピーカーの音を大きくしたりする方法で私たちの声が聞こえないように邪魔をした。ある人は中指を上に立てて悪口を吐き捨てた。「平壌で会おう」という文言が印刷されたシャツを着た人が、北朝鮮国旗が貼られたボードを持って周りをうろついた。そして慰安婦被害者だとして彼らが掲げた写真のほとんどが朝鮮人ではなかった。こうしたコリア協議会の非理性的な演出は、29日まで行われた7回の集会で何度も繰り返された。

偏向的な報道

 慰安婦問題が今日のように世界的な注目を浴びるようになったのは、真実の報道に背を向けたマスコミの責任も大きい。初日の集会を終えて車に乗ろうとすると、聯合ニュースの記者を名乗る女性が声をかけてきた。私たちがなぜ来たのか、どんな主張をしているのか、今後の計画は何なのかなどと質問されるのかと思ったが、記者の質問は「ホテルはどこですか?」がすべてだった。

 そして、翌日報道されたベルリン発の聯合ニュースの記事は、コリア協議会の立場を代弁する広報紙と見間違えるほど偏向的な内容だった。国内で聯合ニュースの記事をそのまま書き移す他のメディアは言うまでもない。偏向的な報道はある程度予想していたが、これほどひどいとは思わなかった。

 だから私は、韓日関係に関する限り、大韓民国のマスコミは「カレイ・ヒラメ族」だと言うようにしている。両目があるにはあるが一方向しか見られないためだ。

期日を過ぎても撤去されず

 コリア協議会は、慰安婦が戦争犯罪の被害者でありホロコーストの犠牲者と同じだといううそにとどまらず、ベルリンの少女像を永久存置すべきだとも主張している。これは韓国の正義連とマスコミも同様の立場だ。

 だがミッテ区の少女像は、都市空間芸術委員会の審議を経て1年単位で契約を結ぶ展示造形物である。契約期間が過ぎれば直ちに撤去すべきものだ。

 設置直後に碑文の内容が問題になって撤去命令が出されても、コリア協議会は行政訴訟、署名運動、請願書、デモなどあらゆる手段を駆使してこれを阻止しようとした。そればかりかミッテ区議会の左派政党の支援まで要請したのだ。

 左派が多数のミッテ区議会は、少女像の存置を圧倒的な票差で議決し、撤去命令を無力化した。とはいえ議会の決定は永久存置を意味するのではなく、当初の契約通り1年間だけ展示できるというものだ。2021年9月にミッテ区は、コリア協議会の申請を受け入れ、1年延長したものの、今年9月28日までと釘を刺している。つまり最初の契約から一度だけ更新し、2年間展示できるようになったわけだ。もっとも期日を過ぎても撤去されていない。

問題の本質は「貧困」

 このようにコリア協議会はこの契約内容も無視し、あらゆる手段を使って永久存置させようと、ゴリ押しの活動を展開している。ウィーン条約違反の日本大使館前の少女像設置や「集会・示威に関する法律」(集示法)に反する30年間の水曜デモとなんら変わらないやり口だ。韓国には「水が漏れるヒョウタン(器)は外で使っても水が漏れる」(訳注:自分の家でさえ問題のある者は外でも問題を起こすという意味)ということわざがあるが、その通りになってしまった。

 慰安婦問題の本質は貧困である。かつて国が貧しく、親も貧しかったため、家族のために自ら犠牲になったり、親がわずかばかりの金を受け取って自分の子を歓楽街に送り込んだりした。彼女たちが慰安婦になった経緯は多様だが、それはほとんどが貧困のために起きた、恥ずかしくも悲しい私たちの自画像である。

 不幸な歴史も歴史なのであり、記憶し反省しなければならないのは当然だが、必ず歴史的事実を前提にしなければならない。しかし、これまで正義連が主導した慰安婦運動は、慰安婦の歴史を丸ごと歪曲・捏造してきた。慰安婦少女像はこうして捏造された情報を基に製作された偽りと憎悪の象徴なのである。

うそを基にした表現まで尊重するべきなのか

 少女像は現在、韓国国内に150体、海外に34体も設置されている。その上、日本では「表現の不自由展」という名の企画展にまで登場し、多くの人々に慰安婦に対する歪曲された認識を植え付けている。この展示は既に京都、名古屋、神戸に巡回し、さらにさまざまな都市に場を移しながら続くというので心配でならない。

 表現の自由が尊重されねばならないのは当然だ。だがうそを基にした表現まで尊重する理由はない。

 ミッテ区に設置された少女像や「表現の不自由展」で展示された少女像には「平和」という言葉が掲げられているが、平和とは程遠い偽りと憎悪の象徴物でしかない。真の平和は真実と向き合う時に得られることを肝に銘じるべきなのである。

 金柄憲氏は慰安婦法廃止国民行動代表も務めていて、慰安婦像の廃止と慰安婦像の由来の是正を一所懸命やっています。日本にこれほど慰安婦に関して、積極的にその嘘を暴こうとしている団体があるのだろうかと、日本の取り組みを疑問視しています。

 そもそも何故この歴史の真っ赤な嘘が、是正されないまま今日に至ったのでしょうか。朝日新聞や河野談話の責任があっても、その時点でこの嘘を徹底的に潰すことを怠った真の原因は何処にあるのでしょうか。

 旧統一教会問題で、日本人、特に女性の信者が、自虐史観を元にした「韓国元慰安婦に酷いことをした」という嘘を植え付けられ、大枚の献金を要求されたという話もあります。すべてがこの非難や中傷をうやむやにしてきた、政府やメディアに責任があるのではないでしょうか。

 旧日本軍兵士へのとてつもない侮辱を含んだこの慰安婦捏造問題に、韓国人だけではなくむしろ日本人が深く関わって、是正するよう求めます。戦中の慰安婦問題と戦後の拉致問題は、日本の腰砕け外交の象徴として大反省すべき事案だと強く思います。

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2022年11月12日 (土)

エコテロリストが示す「環境社会主義」の終わり ウクライナ戦争で左翼のお遊びは終わった

31  社会主義・共産主義は19世紀にマルクスとエンゲルスにより提唱された思想です。それは資本を社会の共有財産に変えることによって、当時労働者が資本を増殖するためだけに生きるという賃労働の悲惨な性質を廃止し、階級のない協同社会をめざすとしていました。

 しかし20世紀に入り、当時ロシアのレーニンによって暴力革命が唱えられ、ソ連時代、中国共産党時代にその本質の「階級のない協同社会」が失われ、指導者による独裁体制となっていきます。独裁体制を引くための反対派の粛清も大々的に行われました。

 今でも「階級のない協同社会」を隠れ蓑に、多くの国が社会主義独裁体制を敷いています。そこでは同様に反対派への弾圧、破壊活動は一般的に行われているようです。このことは、マルクス、エンゲルスの提唱した思想から、完全に乖離しているのが見て取れます。

 ところで今西側の世界でも、所謂社会主義思想が浸透してきています。ヨーロッパの社会主義政党や、アメリカの民主党の極左陣営、日本でも共産党をトップに、立憲民主党、れいわ、社民党が、社会主義思想を根底としています。

 そして彼等の目指す所謂「ポリティカルコレクトネス」や「多様性の追求」などが、社会主義運動に結びつきつつあります。さらに「環境保護」の世界にも。このあたりの概要をアゴラ研究所所長の池田信夫氏が、JBpressに寄稿したコラムから引用します。タイトルは『エコテロリストが示す「環境社会主義」の終わり ウクライナ戦争で左翼のお遊びは終わった』です。

 11月6日からエジプトの保養地シャルム・エル・シェイクで、国連のCOP27(気候変動枠組条約締約国会議)が始まった。昨年(2021年)のCOP26は「石炭火力の禁止」をめぐる論争で盛り上がったが、今年はほとんど話題にもならない。

32  その代わり話題になったのが、「エコテロリスト」の破壊活動である。これまでは街頭で死んだふりをする程度だったが、今年は道路を閉鎖したり、ゴッホの絵にスープをかけたりしてニュースになった。これは典型的な左翼運動の末期症状である。

看板をかけかえて生き延びてきた社会主義

 これについてマルクス経済学者の斎藤幸平氏は「ゴッホの絵を汚した行動を理解しろ」と書いて批判を浴びた。

 彼は「(エコテロリストは)すでにデモも、署名も、政治家への嘆願も、何年間も地道に行ってきた」が、世間が無関心だからテロに及んだのだという。そんな論理が通るなら、統一教会について嘆願を地道に行っても聞いてもらえなかったら、元首相を殺害してもいいということになる。

 日本でもかつて極左が破壊活動を行い、多くの死傷者を出した。そういう行動を支持する人は少ないため、彼らはますます少数派になり、注目を集めようとますます極端な暴力行為に発展する・・・という悪循環で、連合赤軍や中核派や革マル派のように自滅した。

 マルクスの時代から、左翼の運動は基本的に同じである。社会に不満をもつ大衆のルサンチマン(怨恨)を「反**」というイデオロギーで暴力集団に組織することだ。19世紀にはこの**の部分には資本主義が入ったが、社会主義革命は悲惨な結果を招き、20世紀後半の先進国では暴力革命はなくなった。

 日本でも1960年の安保闘争は、社会主義革命ではなく反米運動だった。1968年ごろの大学紛争は、ベトナム反戦運動だった。どちらも若者のルサンチマンに「反**」というスローガンをつけただけだった。

 しかし当時の日本経済は絶好調で、若者の就職も順調だったので、ルサンチマンもなくなった。このため彼らを組織するイデオロギーもなくなり、1970年代以降は、「反公害」や「反差別」などと看板を掛け替えて生き延びた。

日本は社会主義者メルケルの罠にはめられた

 1990年ごろ冷戦が終了し、旧社会主義国から西側へ大量に左翼が流れ込んできた。その影響が顕著だったのが、ドイツである。同じドイツ人でありながら、所得が旧西ドイツの半分以下の二級市民になった旧東ドイツの国民は、ルサンチマンを抱え込んだ。

 彼らがそれを解決するイデオロギーとして見出したのが、環境問題だった。ドイツから始まって世界各地で結成された「緑の党」の当初の目的は反原発運動だったが、90年代に地球温暖化という新しい標的を見つけた。

 当初それはイデオロギーを超えた人類の危機だと思われた。アメリカではゴア副大統領(当時)が「温暖化を放置すると海水面が20フィート(6メートル)上昇する」と主張し、1997年には京都議定書で温室効果ガスの削減目標が決まった。

 このとき隠れた主役を演じたのが、ドイツのメルケル環境相(当時)である。彼女は京都議定書の温室効果ガス削減枠をヨーロッパ8パーセント、アメリカ7パーセント、日本6パーセントと決める割り当てを主導した。これは日本に有利な削減枠と見え、議長国の日本はこれを歓迎し、京都議定書は国会で全会一致で承認された。

 だがこれはメルケルの罠だった。よく考えるとおかしいのは、1997年に決まった削減枠の基準年が1990年だったことである。東ドイツ出身のメルケルは、東西ドイツの統一で大幅に二酸化炭素(CO2)が削減できることを知っていた。東ドイツの古い工場を最新の設備に更新するだけで、大気汚染は大幅に減る。事実1997年には、ドイツのCO2排出量はすでに8パーセント以上減っていた。

 アメリカは、ゴアが京都に来る前に「先進国だけが温室効果ガスの削減を負担する議定書は承認しない」と議会が全会一致で決めていたので、7パーセントの削減枠は無意味だった。ゴアは京都議定書に署名したが、議会は承認しなかった。

 日本はアメリカとドイツの罠にはめられ、削減枠を満たすためにロシアや中国から排出枠を買い、1兆円近い出費のほとんどは電力利用者が(気づかないで)負担した。

費用対効果を無視する「気候正義」

 国連は地球温暖化の被害を検証するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)を結成し、2001年にはその第3次評価報告書が発表された。それによると2100年までに地球の平均気温は1.4~5.8℃上がり、海面は9~88センチメートル上がると予測された。

 これは予想より小さかったので、IPCCは何度も計算をやり直した結果、今年出た第6次評価報告書では、気温は約3℃上昇し、海面は約60センチ上昇するという予測が出た。ゴアの予測は1桁大きかったのだ。

 6メートル海面が上がるのは人類の脅威だが、60センチというのは毎年の防災予算で対応できる。地球温暖化は、先進国では大した問題ではないのだが、そのために必要なコストは、全世界で毎年4兆ドル(世界のGDPの5パーセント)というのがIEA(国際エネルギー機関)の評価である。費用対効果が、まったく見合わないのだ。

 これでは「環境危機」をあおってきた左翼は引っ込みがつかないので、気候正義という言葉を持ち出した。これは発展途上国の温暖化で先進国との格差が拡大するという理由で、費用対効果の問題を無視するものだ。

 発展途上国の問題を解決するのに必要なのは先進国の脱炭素化ではなく、途上国のインフラ整備などの適応を支援する資金援助である。COP27でも、途上国は開発援助の増額を求めているが、先進国はそれに応じない。脱炭素化は左翼的な正義感を満たすが、開発援助は外務省の予算配分の問題で、わかりにくいからだ。

 このように今や気候変動は社会主義的な「正義」の問題になっているので、これを経済問題として語ることは無意味である。それは豊かになって社会主義が魅力を失った先進国で、大衆の正義感にアピールする感情の問題なのだ。

 それが今年COPの失速した原因である。地球温暖化は豊かな国のお遊びなので、貧しくなると魅力を失う。今年ウクライナ戦争をきっかけとして、エネルギー価格が大幅に上がり、人々は正義よりパンを求める。

 マルクス以来150年、社会主義はいろいろ看板を掛け替えてきたが、その最新版だった「環境社会主義」も崩壊した。ゴッホの絵にスープを投げつけても、地球環境は変わらない。人々がテロリストを嫌悪するだけだ。それは今まで左翼がみんな迷い込んだ袋小路である。

 確かに西側社会に於いて、社会主義運動は経済学的にはむしろマイナスの効果しか生まないようです。これを社会主義と称される国に置き換えても、経済の自由競争がないわけですから、まさに現実に経済の停滞が目の当りにできます。あの中国は鄧小平がそれに気づき、改革開放と銘打って自由経済制度を併用しました。しかし習近平によって、崩されそうになっています。中国は今後経済失速は免れないでしょう。

 日本を含む西側自由主義社会でも。池田氏の言うように看板を掛け替えながら、社会主義運動が続いているのも事実です。ただアメリカと違い日本は人口減少社会に首を突っ込んで、経済の弱体化が懸念されています。更には国家ビジョンというものに欠けているために、メルケルの罠やアメリカとの経済戦争でことごとく負けてきた歴史があります。

 今思えば明治維新後の「富国強兵」を目指した強い日本が、なくなったように思います。敗戦がその大きな原因でしょうが、気骨のある人物が少なくなったと言えるのではないでしょうか。昨今の野党から追及される閣僚の対応など見ると、この先思いやられる気がします。日本を貶める社会主義系の連中を喝破し、強い日本の再興を目指す猛者が、出てきてほしいものです。

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2022年11月11日 (金)

最優先すべきは経済対策や安全保障政策 旧統一教会問題に〝前のめり〟過ぎる岸田首相に何よりも重要な大局観

Images-23  最近の岸田首相の政権運営には疑問符が付きます。今回はそれを端的に表した政治評論家の伊藤達美氏の、zakzakに寄稿したコラムから引用して紹介します。タイトルは『最優先すべきは経済対策や安全保障政策 旧統一教会問題に〝前のめり〟過ぎる岸田首相に何よりも重要な大局観』です。

これまでの岸田文雄首相の政権運営は丁寧で慎重であった。党内各派や国民世論の動向など、八方に目配りを欠かさなかった。時にはメンツにこだわらず、方針転換もいとわない。「我慢」と「辛抱」の政権運営だったといえる。

ところが、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題が表面化した後、当初の丁寧で慎重な政権運営が見られない。最近の岸田首相を見ていると、「えっ、それはないだろう」と言いたくなる言動が目立つ。

典型的な例が、経済再生相を辞任したばかりの山際大志郎氏を、自民党のコロナ対策本部長に起用したことである。山際氏は、旧統一教会問題に関連して国会答弁や記者会見で虚偽発言を繰り返し、内閣支持率を急落させた元凶と言っても過言ではない。

国民は、山際氏のウソが次々と発覚して辞職に追い込まれた事実を知っている。その山際氏をなぜ、わざわざ党のコロナ対策の責任者に起用しなければならないのか。

また、岸田首相は10月24日の衆院予算委員会で、旧統一教会の被害者、被害者弁護団弁護士と面会する意向を示した。首相は8日、被害者とひそかに面会していた事実を明かした。

岸田首相が言うように、「被害者、弁護士の方々をはじめとする関係団体の意見を聞くことは大事」であることは否定しない。ただ、急いで面会する必要があったのか。教団や被害の実態が明らかになってからでも遅くなかった。

私には、旧統一教会問題に対する岸田首相の姿勢が「前のめり」過ぎるように思えてならない。この問題は、憲法の「信教の自由」「結社の自由」との兼ね合いや、「宗教法人と行政の関係」など、専門的な議論を深める必要がある。

そのためには、例えば、憲法、刑法・民法、宗教の学者、弁護士など、専門家による諮問委員会などを設置するのも一つの方法ではないか。少なくとも、一時の国民感情を背景にして、政治判断で押し切っていく筋合いのものでないことだけははっきりしている。

岸田首相が最優先で取り組むべきは、経済対策や安全保障政策である。

政府は先に決定した総合経済対策を実施するための2022年度第2次補正予算案を国会に提出するが、一日も早く審議入りし、速やかに成立させることが大事だ。

さらに、北朝鮮のミサイル発射は常軌を逸している。中国の台湾海峡やわが国の沖縄県・尖閣諸島周辺における行動も目が離せない。安全保障上、これほどの緊張感が高まった状況はこれまでなかったのではないか。

何よりも重要なのは大局観だ。そのためには、政府部内や与党との意思疎通、情報共有が欠かせない。そのうえで、担当者や専門家の議論に任せる部分と、政治判断すべきところをしっかり仕分けることも必要ではないか。

 昨今の安全保障環境や経済問題に重点を移し、憲法問題をはじめ、国家国民のために何が大事かを見据えた上で、政策の舵取りを正常に戻すことが、岸田政権の最重要課題でしょう。それができなければ早々に次の有能な政治家にバトンを渡すことを願います。

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2022年11月10日 (木)

中国共産党の「警察出先機関」が世界中に存在し日本にも!国際法「完全無視」のヤバい実態

Images-22  中国にはそれぞれ2010年と2017年に施行された「国防動員法」、「国家情報法」という二つの法律が存在します。「国防動員法」は戦争などの有事の際、国と軍が民間人や施設などを軍事動員できると定めた法律。「国家情報法」は、中国政府の情報収集活動への協力を義務付ける法律で、こちらは平時にも適用されます。この2つの法律は中国国内だけでなく、世界中にいる中国籍の人にも適用されるとされています。まさに手前勝手な恐ろしい法律です。

 また法律ではありませんが、それにも匹敵する、中国が手前勝手に作った組織があります。その詳細をジャーナリストの長谷川幸洋氏が、現代ビジネスに寄稿したコラムから紹介します。タイトルは『中国共産党の「出先機関」が日本国内に存在した…!国際法「完全無視」のヤバい実態 「海外警察サービスセンター」とは何か』で、以下に引用します。

中国共産党の出先機関が世界中に

中国共産党の「悪辣さ」がまた1つ、明らかになった。国際法や他国の主権を無視して、米国や欧州、アフリカ、南米、日本などに「海外警察サービスセンター」と呼ばれる独自の警察拠点を築いていたのだ。犯罪者だけでなく、反体制派の摘発が狙いであるのは確実だ。

この問題は、スペインの非政府組織(NGO)「セーフガード・デフェンダーズ」が9月12日、中国の海外警察サービスセンターの活動を詳細に調査した報告書を公表して明るみに出た。

オランダのメディアが10月25日、最初に報じ、その後、英BBCなども追随して、世界に波紋を広げた。オランダ外務省の報道官は「中国警察の非公式出先機関が存在するのは違法」と語り、当局が調査に乗り出した。中国側は「海外在住の中国人のための行政サービス・ステーション」と否定している。

「110 overseas(海外の110番)〜常軌を逸した中国の国境を超えた取り締まり」と題された報告書によれば、中国福州市と青田市の2つの公安当局が、5大陸21カ国で計54の警察拠点を築いていた。アイルランドのダブリン、オランダのロッテルダムとアムステルダム、英国のロンドンとグラスゴー、スペインはバレンシアとマドリードに3カ所、米国、カナダ、ナイジェリアといった具合である。

なかには、日本の拠点もある。報告書には「東京都千代田区神田和泉町〇〇」と所番地まで記され、電話番号も付記されていた。ちなみに、この番地を検索すると、中国福州市の関連団体と思われる一般社団法人がヒットした。ただし、この団体と警察拠点の関係は不明だ。

何を目的とした組織なのか?

いったい、この警察拠点はどんな活動をしているのか。

報告書によれば、最初は公安当局が海外で不法な活動をしたり、逃亡した詐欺犯などを摘発する活動が発端だった。やがて直接、海外に拠点を設けて、容疑者に接触し、中国に帰国するよう「説得」する活動に発展した。説得といっても、実態は脅迫に近い。

たとえば「中国に帰らなければ、両親や親族が大変な目に遭うぞ」と脅す。応じなければ、実家に「ここは詐欺の巣窟だ」などと記した看板を立てられ、警察の捜査対象であることを付近の住人に知らせる、あるいは子供を学校に行かせない、といった手段が使われた。

親族は警察に協力する義務を負っており、協力しなければ、彼ら自身が処罰の対象になる。親族が住む家の電力や水道が遮断される場合もある。犯罪に関連する不動産や資産は当然のように、没収された。

その結果、中国当局によれば、2021年4月から22年7月までの間に23万人の中国人が「自発的に帰国」し、司法処分を受けたという。

中国は「中国人が居住してはならない9カ国」を指定している。トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)、ミャンマー、タイ、マレーシア、ラオス、カンボジア、フィリピン、インドネシアだ。実際には、これらの国にも中国人はいるが、彼らは「特別な理由」で例外扱いされているようだ。

もはやただの「警察拠点」ではない

問題の海外警察サービスセンターは、カンボジアを除く8カ国以外の取り締まりに従事している。センターは福州市や青田市の警察だけでなく、中国共産党中央統一戦線工作部(United Front Work)とも連携している。

中央統一戦線工作部は、中国共産党と党外のざまざまな組織の連携を司る党中央委員会の直属組織だ。たとえば、新型コロナの発生直後、華僑などを通じて、世界中のマスクや防護服を買い占める作戦の司令塔を担っていたのも、この組織である。

この1点を見ても、警察拠点が単なる犯罪者の摘発や行政サービスを担う組織ではない、と分かる。汚職官僚や反体制活動家の摘発にも関与しているのだ。

統一戦線工作部はそれぞれの国の協力者を通じて、情報収集したり、捜査摘発活動の便宜を図ってもらう一方、協力者には党幹部との会合設営や表彰などの形で報奨を与えていた。

政治犯や詐欺、横領などをして海外に逃亡した容疑者の摘発活動は「フォックス・ハント(狐狩り)作戦」と呼ばれている。人民公安ニュースという中国メディアは2019年3月23日、次のような記事を掲載した。

〈海外サービスセンターの創設によって、青田市警察は海外に逃げた逃亡犯の確保にめざましい突破口を開いた。2018年以来、警察は海外在住の中国人に関係した6件の犯罪を摘発し、解決した。指名手配された逃亡者は逮捕され、2人の容疑者は海外センターの協力を受けて説得され、投降した〉

これで明らかなように、海外センターは警察活動の一翼を担っている。彼らがターゲットにする狐のなかには、単なる犯罪者や汚職官僚だけでなく、政治犯もいたはずだ。

主権侵害の可能性が高い

最大の問題は、こうした活動が当該国の同意や合意なしに、一方的な中国の裁量によって実行されている点である。主権侵害や当該国の法律に違反している恐れが、かなり高い。その一端は、中国が2022年9月2日、全国人民代表大会常務委員会で可決した「反テレコム・オンライン詐欺法」にうかがえる。同法の第3条は、次のように定めている。

〈この法律は、中国領土におけるテレコム・オンライン詐欺に適用されるとともに、海外で実行された中国市民によるテレコム・オンライン詐欺にも適用される。また、中国領土の人々に対するテレコム・オンライン詐欺に関わった海外の組織、個人も責任を負う〉

つまり、中国は、自国の法律を海外の組織や個人に対して適用するのである。たとえば、日本人が日本にいながら、いつなんどき、中国の法律を適用されて、罪に問われるか分からない、という話になる。法の域外適用が国際的に許されないのは、当然だ。

こうした中国のデタラメさには、実は前例がある。2020年に香港に導入した国家安全法だ。同法38条は「香港特別行政区の永住民の身分を備えない人が香港特別行政区外で香港特別行政区に対し、本法に規定する犯罪を実施した場合は、本法を適用する」と定めていた。

自分が勝手に作った法律を、外国にいる外国人にも適用する。正当な弁護を受ける権利も保証されない。あたかも、中国は「世界はオレの言うことを聞け」と言わんばかりなのだ。これでは、友好協力もへったくれもない。こんなことを許してはならない。

岸田文雄政権は、日本の警察拠点と指摘された施設について、そこで何が行われているのか、徹底的に調べるべきだ。それとも、親中派で固めた政権に、それを要求するのは無理な話なのだろうか。この問題への対応は、岸田政権の地金を試すリトマス試験紙になる。

 相手が中国人と知らずに、その中国人と共にある行動をしたら、突然「海外警察サービスセンター」の係官から拘束され、その中国人と共に中国に拉致され、拷問を受ける、などという、映画の世界のような事態が現実になるかも知れません。

 これは絶対に許されることではなく、長谷川氏の言うとおり、岸田政権は直ちに公安に、その情報を精査させなければならないでしょう。

 中国国内でも、滞在中の日本人が、突然スパイ容疑で拘束される事件が起きています。本人がいくら否定しても、中国の公安(あるいは警察)がスパイと認定すればスパイになるのです。そして民主的な裁判手続きなどなく、罪状が言い渡されます。これが日本国内で密かに行われるとすれば、まさに地獄です。実態の究明が急がれます。

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2022年11月 9日 (水)

反基地闘争派への批判はタブー、政治とメディアが結託し自由な言論空間を潰す沖縄

30  沖縄の反基地闘争は、沖縄県人以外がほぼ半分を占め、過激派や外国人(中国、韓国人)も参加して、異常な展開を見せています。また座り込み抗議が3000日を超えたという看板がありながら、誰もいなかったことを例の「ひろゆき」氏がツイッターで紹介するなど、その実態もいい加減なようです。

 その実態を、沖縄の反日新聞2社とは立場が異なる論調の、「八重山日報社」の仲新城誠氏がzakzakに寄稿した記事から見てみます。タイトルは『反基地派への批判〝タブー視〟の現実 ひろゆき氏が暴いた「都合な真実」 玉城知事も「抗議行動する方々へ敬意が感じられない」』で、以下に引用します。

中国の習近平総書記(国家主席)は、人民解放軍の人事で「台湾シフト」を敷いた。中国軍は8月、台湾を取り囲むように大規模軍事演習を強行し、沖縄県・波照間島周辺の日本のEEZ(排他的経済水域に)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んできた。「台湾有事は日本有事。日米同盟の有事」といわれるなか、日本は同盟国・米国と連携して防衛力強化を進めるとともに、住宅密集地にある米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の危険を取り除かなくてはならない。八重山日報編集主幹の仲新城誠氏は集中連載「沖縄が危ない」で、名護市辺野古の移設工事現場前での抗議活動をめぐる論争に迫った。

***********

今、沖縄の新聞で「天下の大悪人」のような扱いをされている人物が、インターネット匿名掲示板「2ちゃんねる」創始者で元管理人の「ひろゆき」こと西村博之氏だ。

ひろゆき氏は10月、米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前を訪問した。周囲に反基地派の姿が見当たらなかったことから、座り込み抗議が3000日を超えたとする立て看板の写真に「0日にした方がよくない?」というコメントを添えツイートした。

これを反基地派に対する揶揄(やゆ)と受け取った県紙2紙は猛反発した。ペンの力を総動員し、「数の力で沖縄に犠牲を強いて恥じない日本の姿を象徴」「沖縄ヘイト」「ネトウヨ」などと、ひろゆき氏をたたきまくった。

当のひろゆき氏は、インターネット番組で「事実を伝えると、怒る人たちがこんなにいっぱい」と余裕を見せている。

騒動がここまで大きくなった背景には、沖縄で事実上、反基地派への批判がタブー視されている現実がありそうだ。

反基地派は、これまで抗議行動に伴って数々の違法行為を繰り返してきた。だが、「抗議行動こそ正義」とする沖縄メディアが、その事実を報じることはほぼない。

例えば、キャンプ・シュワブ前の座り込みでは、長い渋滞が頻繁に発生し、地域住民の通勤、通学、通院に支障が出ることがある。近くの公道は反基地派のテントで占拠され、さながら過激集団のアジトである。

しかし、地域住民が沖縄メディアに不満を訴えても活字にならず、テレビの電波にも乗らない。沖縄メディアが意に沿わない県民の声を封殺することは、県内である限り、十分に可能だった。

そこへ、県外から発信力のあるひろゆき氏が登場した。真っさらな視点で反基地派の「不都合な真実」を暴き、SNSで全国へ拡散してしまったのだ。

こんなことは初めてだった。沖縄メディアは「座り込み日数の真否」などという、他愛もない話に哀れなほど周章ろうばいし、躍起になってひろゆき氏の社会的抹殺を試みた。そんなメディアの姿自体が、沖縄の異常な言論空間を浮き彫りにしてしまった。

沖縄メディアは政治家も動員した。

沖縄タイムスによると、玉城デニー知事は、記者にひろゆき氏への思いを聞かれ、「現場でずっと3000日余り(抗議行動を)続けてこられた方々に対する敬意は感じられない」と批判したという。

看過できない発言だ。ひろゆき氏と違い、私は生粋の沖縄人だが、違法行為を繰り返す反基地派に敬意を抱いたことは一度もない。「敬意」は他人、ましてや権力者に強制されるものでもない。

メディアや権力者の援護を「錦の御旗」に、違法行為が正当化されてはならない。

 百田尚樹氏が沖縄での公演の中で、「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員の我那覇真子さんと、美ら海水族館を見学した際に次の会話をしたことを紹介したようです。

 『自分(百田氏)が我那覇さんに「次、どこ行くの? 」ときいたところ、我那覇さんが「次は(東村)高江のテント村に行きませんか」と応じた。「高江のテント村は嫌やな、怖いな。悪い人いっぱいおるんちゃうの?」と聞くと、我那覇さんは「そんなこと言ったらいけません。市民ですから」と答えた。この際、「市民といっても全体の半分くらい。あとの半分はいろいろなところから来ています。中国や韓国からも来ています」と我那覇さんは説明し、百田氏は「うわあ、怖いな」と言った。』

 これに沖縄反日新聞2誌の一つ、沖縄タイムスの阿部岳記者がかみつきました。それは「差別ではないか」と問いただしたようです。もちろん百田氏は「差別の意図はなかった」と繰り返しましたが、この阿部記者派執拗に食い下がったようです。

 この阿部記者と百田氏の押し問答を、我那覇さんが動画に収めていました。その所為で、翌日の沖縄タイムスの朝刊では、「差別」という言葉は使わずに報じたようです。ただ、見出しは『百田尚樹氏、沖縄で講演 ヘリパッド反対運動に「怖いな、どつかれたらどうするの」』となっていました。半分は沖縄県外の人で、本土からの活動家や中国、韓国の人に対して、百田氏はそういったのだ、ということは完全に隠していました。

 過去にも、例の山城博治被告が基地に入っているのに、いないという捏造記事も書いているので、沖縄タイムスは基地反対派をかくまう確信犯です。このように、沖縄ではほぼ中国と同じような言論空間が現実のようです。つまり反知事側の言うことは全く取り上げない、まさに革新知事側の宣伝機関です。これでは言論の自由を悪用した、県民洗脳新聞でしょう。沖縄県を正常な言論空間に戻すために、何とかしなければなりません。

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2022年11月 8日 (火)

櫻井よし子氏:フランスのエマニエル・トッド氏が提唱する、日本核保有の可能性についても議論すべきだ

Images-21  第二次世界大戦戦勝5カ国が、安全保障理事会常任理事国に居座る国連(その名も戦勝国連合、ただし中華人民共和国は戦勝国ではない)。そしてすべて核保有国で拒否権を持ちます。その一国ロシアが起こした侵略戦争はその拒否権でもって、何ら解決の目処が立っていません。

 そのことから言えるのは二つ。拒否権を持つ常任理事国が存在する国連安保理は現状基本的に紛争解決のよりどころにはならない。そして核を持たない国、または核を持つ国の同盟国でなければ、核を持つ国から侵略されても、甘んじるしかないと言うことです。

 日本は核を持ちません、アメリカの核の傘に入っていますが、果たしてこの傘は他国による核攻撃を守れるのか、不透明です。非核三原則を守るという岸田首相の言うとおりであれば、国内に核は持ち込めません。核を持たない列島にはたして傘があるのでしょうか。

 今や核論議はタブー視すべきではありません。海外の識者も提言をしています。産経新聞のコラム「美しき勁き国へ 櫻井よしこ」に、以下の記事が掲載されました。タイトルは『政治主導 国防費純増を』で、以下に引用、転載します。

Images-20 フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏は国家基本問題研究所創設15周年の記念講演で助言した。

「戦争が進行中の欧州から来た人間として、おこがましいかもしれませんが言わせてほしい。ウクライナ戦争で明らかになったことの一つは核兵器が安全を保障する武器だったということです。日本は強い軍を持つべきですが、人口的に、(十分な)若者を軍に投入することは難しい。ならば核武装すべきです。核武装こそ平和維持に必要だとの確信を私は深めています」

「敵基地攻撃」という表現さえ忌避するわが国への助言としては大胆だ。だが、ソ連崩壊をその15年前に予言したトッド氏の炯眼(けいがん)を無視するのは歴史の展開に目をつぶるに等しい。

北朝鮮は11月第1週に大陸間弾道ミサイルを含めミサイルを30発以上撃った。ロシアはウクライナが放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」を準備中だと非難するが、その裏にロシア自身が戦術核を使用する危険が見てとれる。中国の習近平国家主席は中国共産党大会で歴史に逆行する姿勢を打ち出した。常務委員会(国会)を側近で固め、中央軍事委員会ではあからさまな台湾侵攻人事を断行した。「台湾侵攻は予想よりずっと早く武力によって行われる」とのブリンケン米国務長官の警告が現実味を帯びる。

いま、米国やアジアが日本に求めているのが、異次元の国防力強化策だ。日本だけでなく台湾を含むアジア諸国を中露北朝鮮の脅威からいかに守るか、明確な指針を示すのが政治の役割だ。強い国防力は強い経済なしには維持できない。日本経済の格段の成長が必要なゆえんだが、政府内で奇妙なことが起きている。

10月26日午後、自民党の萩生田光一政調会長に岸田文雄首相から電話があった。鈴木俊一財務相以下茶谷栄治財務次官らが官邸に来て、「総合経済対策費は25兆円になる。同件は政調会長にも逐一報告済みだ」と説明を受けたが、それは事実かという直々の問い合わせだった。その時間帯、萩生田氏はまさに総合経済対策を議論する党の政調全体会議を開き、必要な予算を議論していた最中で、25兆円の枠組みなど決まってもいなかった。財務省が政治家の裏をかいて、まず首相に25兆円枠をのませ、自民党を押さえこもうとしたのであろう。

萩生田氏は「政策の責任をとるのは官僚ではなく、選挙で選ばれたわれわれ政治家だ」と語る。官僚の優れた能力は政治家の示す方向に沿って政策実現のために生かすのが筋だ。政治家をだまして政策決定に走ることではないだろう。結局、同夜までに政治主導で4兆円以上積み上げ一般会計総額は29兆1000億円となった。財務省の独断専行は日本の命運を分ける国防政策においても際立っている。

国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を重視する財務省の政策でわが国経済は徐々に力を弱め、国際社会の劣位へと後退中だ。わが国はすでに、購買力平価の1人当たりGDP(国内総生産)で韓国に抜かれ、国防費でも同様に抜かれている。

いま、中国の脅威の前で経済力、軍事力を強化して国民と国を守り通さなければならないが、防衛力強化の財源をどこに求めるのか。それを論ずる財務省主導の有識者会議に欠けているのが切迫した事態への認識ではないか。結果として、国防力の真の強化につながる防衛費の純増よりも、防衛予算の水増し策が採用されようとしている。典型例が海上保安庁予算の防衛省予算への編入だ。

海保、すなわちコーストガードの予算は軍事費に組み込むのが北大西洋条約機構(NATO)基準だというが、欧米のコーストガードは有事に軍の指揮下で行動をともにする。海保には海上保安庁法25条があり、「海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むこと」を禁じられている。

自民党の小野寺五典安全保障調査会長が語る。

「昨年の春くらいまでの1年間、25条改正を目指して議論しました。しかし、公明党、自民党の国土交通関係議員、海保が一丸となって反対し、潰れました。いまは、25条改正にこだわって一歩も進まないより、海自と海保の連携を少しでも前に進めようとしています」

その一例が、中国のミサイル動向などを探る無人機の操作を海保の任務とし、情報を海自と共有する案だ。海自、さらに米軍との情報共有が実現する保証は実はまだないのだが、希望的観測に基づいて海保予算2600億円余を防衛省予算に組み込む流れが、財務省主導でできつつある。

こんなことを見逃してよいはずはない。25条改正を葬った昨春と比べて、国際情勢は驚天動地の変化が生まれた。そのことを認識し、25条改正に再挑戦するのが本来の政治の役割だ。

「自衛隊には継戦能力がない」と安倍晋三元首相も岸田文雄首相も認めるのが日本だ。では、いかにしてわが国を守るのか。それを考える一つの材料がある。

米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が台湾をめぐって米中戦争が2026年に勃発するとの前提で、24通りの模擬戦争をした。このうち21例が完了し、今年12月に最終結果が発表される。重要な点は、ほとんどの戦いで米台側が勝利し、中国の台湾占領を防いだ。

しかし、米台の損耗は激しく、米国の国際社会における地位は長きにわたって損なわれるという結果も出た。当然、日本も同様の状況に陥るだろう。

教訓はどれほどの予算をつぎ込むとしても、その方が大戦争を戦うよりは、安全で安くつくということだ。戦争抑止のために強い軍事力を持つのだ。そのためにできることは全てするという文脈で、トッド氏が提唱する日本核保有の可能性についても論ずるべきだ。

財務省のプライマリーバランス重視は歴史の局面がどんでん返しになったいま、修正すべきだろう。どれほど赤字国債を積み上げようと、私たちは強い軍事力を持ち、地球規模の勢力争いを生きのびなければならない。岸田首相の双肩に日本の命運がかかっている。戦後秩序の根幹を変えるために発奮してほしい。

 日本は第2次大戦後の占領軍(GHQ)にすり込まれた、自虐史観と反軍思想が未だに強く残っていて、特に特定野党と左派系メディアの中にこびりついています。そして彼等は軍は「攻撃するもの」という片務的な思考しか持ちません。現代では軍は「守るもの」というのが一般的であるのに。

 そういう意味でますます脅威を増す周辺独裁国に対峙するには、軍の装備の拡充は欠かせません。そのためには軍事費を大幅に増強し、せめてNATO並にする必要があります。そして費用対効果の最も大きい核の保有もタブー視しないことは重要です。

 櫻井氏は「岸田首相の双肩に日本の命運がかかっている。」、と言いますが、岸田首相が果たして日本の命運を背負えるのか、ます非核三原則の撤廃から、大幅な思考転換が必要なように思えます。

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2022年11月 7日 (月)

深刻化する“朝日新聞離れ”、もはやその役割は終焉、廃刊して不動産事業に特化せよ

Images-19  朝日新聞の発行部数急減が続いています。慰安婦問題や吉田調書問題の誤報で、大きく失態を演じたツケが回った感じですが、不動産で何とか食いつないでいるようです。しかし社内は萎縮を禁じ得ず、もはや日本を牽引した新聞という影は消え失せようとしています。

 NEWSポストセブンに記載された、週刊ポストの記事から、その概要を見ていきたいと思います。前後編に渡っていますが、タイトルは前編『深刻化する“朝日新聞離れ”「吉田調書」問題で社内は萎縮、気骨ある記者は一掃された』、後編『朝日新聞、部数急減でも経営はV字回復 社内では「不動産で儲ければいい」の声』で、以下に引用します。

 かつて、日本を代表する「クオリティ・ペーパー」として隆盛を誇った朝日新聞の凋落が止まらない。発行部数は全盛期の半分に落ち込んだ。なぜ“天下の朝日”はここまで落ちぶれたのか。(発行部数(年間平均)は2011年度770万部だったが、今年9月度は400万部を割り込んだ)

************

【前後編の前編】

炎上と抗議が怖い

 読者の“朝日新聞離れ”が深刻化している。今年9月度の日本ABC協会のレポートによれば、朝日新聞の発行部数は400万部を割り込み、399万部となった。前年同月比マイナス63万部の大幅減である。

 同社の有価証券報告書によると、発行部数(年間平均)は2011年度の770万部から“右肩下がり”を続け、昨年度は455万部だった。

 先述のABCレポートでは読売が前年比37万部減の667万部、日経が同15万部減の170万部。各社、軒並み部数を減らしているが、近年の朝日の減少ペースは他紙と比べ抜きん出ている。

 朝日離れを加速させた原因のひとつとされるのが、2014年の「慰安婦誤報」問題だ。朝日は2014年8月、戦時中の朝鮮(済州島)で女性を強制連行したとする吉田清治氏の証言を「虚偽」として記事を取り消すなど、1990年代から多く報じてきた「慰安婦問題」に関する誤報を認めた。韓国などでは、一連の朝日報道を証拠のひとつとして日本政府に謝罪や賠償を求めてきた経緯もあり、誤報は多方面に大きな影響を与えた。

 朝日の「慰安婦記事撤回」に世間が騒然とするなか、同紙の対応を論じる池上彰氏の連載コラムが掲載拒否されていたことも発覚。同紙の姿勢はさらなる批判を呼び、火に油を注ぐ結果となった。

 それだけではない。2014年5月に朝日がスクープした、福島第一原発事故を巡る「吉田調書」報道も同時期に問題化した。

 朝日は同原発の吉田昌郎元所長(故人)が政府事故調の聴取に応じた記録を独自に入手。「所員の9割が所長の待機命令に違反して福島第二原発に撤退した」などと事故対応の問題点を報じた。

 当時、極限状態のなか命懸けで事故対応にあたった吉田所長以下、所員の評価を覆しかねない記事だっただけに、世論は沸騰。朝日への批判が高まるなか、同年9月、当時の木村伊量社長が緊急記者会見を開き、「吉田調書」問題の責任を取るとして辞意を表明した。

 一見すると、社として速やかに誤りを正したかのように見えるが、“現場の考え”は異なる。元朝日新聞記者で「吉田調書」報道のデスクを担当した鮫島浩氏が言う。

「『撤退』や『命令違反』は配慮を欠く表現だったという指摘は理解できます。しかし記事内容はあくまでも事実で、記事全体を取り消して記者を処分したのは過剰でした。当時の木村社長が過去の慰安婦記事や池上コラム掲載拒否で自らに向けられたバッシングに耐え切れず、『吉田調書』に全責任を転嫁して逃げ切ろうとした。社内には萎縮ムードが広がり、気骨ある記者は一掃された」

 朝日OBでフリー記者の烏賀陽弘道氏も言う。

「現役社員らに聞くと、今の編集幹部はSNSなどネットの炎上や抗議を過度に恐れ、少しでも物議を醸しそうな記事は『社内検閲担当』の役職者が事前に潰すか、無難な内容に修正しているそうです。2003年の退社後に書いた拙著『「朝日」ともあろうものが。』では朝日の腐敗や怠業ぶりを指摘しました。しかし、彼らは耳を傾けなかった。現在の朝日の衰退ぶりには無力感しかありません」

 かつて、日本を代表する「クオリティ・ペーパー」として隆盛を誇った朝日新聞の凋落が止まらない。発行部数は全盛期の半分に落ち込んだ。なぜ“天下の朝日”はここまで落ちぶれたのか。

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【前後編の後編】

 言論機関として腰砕けになったとOBから指摘される朝日だが、この間、“宿敵”の安倍晋三元首相への追及姿勢は続いた。

 両者の遺恨は2005年の「NHK番組改変問題」に遡る。当時、自民党幹事長代理だった安倍氏が、放送前の番組に政治介入したと朝日は報じた(安倍氏は「捏造」と主張)。以来、朝日は小泉純一郎首相(当時)の後釜に安倍氏のライバルだった福田康夫氏を推す論陣を張るなど、「反安倍が社是」と揶揄された。

 近年、いわゆる「モリ・カケ問題(森友学園への国有地売却や、友人が理事長を務める加計学園の学部新設に便宜を図った疑惑)」で安倍氏を追及してきたが、尻すぼみ感は否めない。安倍氏は、2018年2月、国会で朝日の過去の誤報を列挙し、NHKへの政治介入報道などについて「間違っていたと一度も書かない。私に一度も謝らない」と皮肉った。

 近年の部数急減に対し、こんな見方もある。立教大学名誉教授(メディア法)の服部孝章氏が語る。

「安倍政治を検証して批判するのが朝日に期待される役割だったはずが、若者や中高年にもリベラルな論調を嫌う傾向が強まると、朝日もそれまでのスタイルを弱めた。私は朝日がリベラル色を薄めたことが、部数減に繋がったと見ています」

 近年の朝日に顕著な「言行不一致」を問題視する声も多い。昨年、朝日は「27年7か月ぶり」の購読料値上げを実施した。思い出してほしい。

 朝日は民主党政権時代、消費増税の必要性を訴え続けてきた。にもかかわらず、2019年の消費税率引き上げ時は政治に働きかけ新聞への軽減税率適用を勝ち取った。直後、朝日は「新聞は公共財」と胸を張り、「購読料はこれまで通りといたします」と断言。それからわずか2年後の値上げは、「自身は軽減の恩恵に与り読者に負担を強いる」ご都合主義ではないか。朝日新聞元編集委員の落合博実氏が指摘する。

「朝日に期待していた読者も『さんざん消費増税を煽っていながら何ごとか』と、手ひどく裏切られた気持ちでしょう」

 2021年には、コロナ禍での東京五輪中止を社説で訴えながら、その後も大会スポンサーに名を連ね続け、同社の矛盾した姿勢が批判の的になった。

不動産で儲ければいい

 だが、部数が急減する一方で、意外にも経営面では“V字回復”を果たしている。2021年3月期連結決算で約442億円もの赤字を出して渡辺雅隆前社長が事実上の引責辞任をしたが、そのわずか1年後、約129億円の純利益を出し、2022年3月期決算で黒字化したのだ。

 部数が減って儲かるとは、どんなカラクリがあるのか。経済紙記者の話。

「今の朝日は不動産事業が収益の大きな柱となっています。都心の一等地に有楽町マリオンなどの複合施設や高級ホテルを持つほか、2012年には大阪・中之島にある大阪本社を建て替えて2棟建ての超高層ビルにした。新聞を軸にしたメディア・コンテンツ事業の損失を、不動産事業で穴埋めする構造なのです。朝日はデジタル、不動産、イベントを収益の3本柱にすると明言しており、有価証券報告書でも『プリントメディア事業中心の事業構造から脱却することが当社の大きな課題』と記載しています」

 そうしたなかで話題になったのが、今年8月から始まった「朝日新聞デジタル」の原則有料化だ。現在、ネットでは記事の“導入部分”しか無料公開されていない。朝日OBのジャーナリスト・前川惠司氏が言う。

「米紙ニューヨーク・タイムズをお手本にしたようですが、同紙がデジタル化で成功したのは、広大なアメリカでは紙版を届けるのに日数を要していたことが背景にある。そもそも世界的な影響力も大きい。同様の成功はあり得ないでしょう」

 人員整理(リストラ)も経営改善に一役買っているようだ。同社では2022年9月から11月にかけて、45歳以上の社員を対象に、200人以上の希望退職者を募っている。

「対象の社員には、これまで任意参加だった早期退職説明会や転職サポートの社内講習会に、必ず一度は参加するよう社内メールで通知が来ています」(50代の朝日社員)

 元朝日新聞記者での鮫島浩氏が言う。

「社の上層部から聞いた話では、メディア界のリーダーとして復活することは諦めているようです。不動産事業で黒字が出せれば、自分たちの定年までは安泰。下手に動いて急速に傾くことを恐れ、徐々に先細りする延命策を取るというのです。デジタル完全有料化は、多くの人に記事を読んでほしいという記者の原点を放棄するもの。アンチ朝日による批判や炎上を避けて、プライドを守るという内向きの選択です」

 田島泰彦・元上智大学文学部新聞学科教授はこう指摘する。

「モリ・カケは追い詰められなかったが、朝日には旧統一教会と自民党候補者との政策協定をスクープするなど、力のある記者が残っている。しかしながら、今のように『権力と軋轢を生まず無難にやればよい』という姿勢では、クオリティ・ペーパーとしての未来はない」

 本誌の取材に、朝日新聞広報部は400万部割れを認めた上で「部数回復等の施策については、弊社の重要な機密事項にあたるので回答は控えます」とした。

 読者の支持を失ってまで、朝日が守ろうとする「価値」とは何なのか。

 安部元首相の国葬に引っかけて、誹謗・中傷・揶揄「川柳」を何の躊躇もなく掲載したり、鮫島浩氏が言うような、朝日新聞が「アンチ朝日による批判や炎上を避けて、プライドを守るという内向きの選択」をしているとはとても思えません。

 権力と対峙するのに、所謂建設的意見ならいいのですが、「社説」や「天声人語」に見るように、揶揄や誹謗が先に立つ姿勢はとても親和性を感じ得ません。もはやその使命は終わったとここで潔く廃刊することが、朝日新聞のたどれる最良の道でしょう。

 ただその際は、「慰安婦問題で、国と国民に多大な損害を与えたこと」を、是非陳謝していただきたい。日本を守るために必死に戦い、命を捧げた元軍人たちを、世界の恥さらしにしたことを、是非悔いてせめてもの償いをしてほしいものです。

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2022年11月 6日 (日)

今やイスラエルに匹敵する周辺の安全保障環境の日本、しかし両国の安全保障観は別世界だ

Images-18  イスラエルでは、今回の選挙でネタニヤフ元首相を支持する野党勢力が過半数を獲得する情勢で、政権復帰の可能性が出てきています。イスラエルは周囲をアラブ世界に囲まれ、イランとも確執が強い国で、その不安定な周辺情勢をにらみ、核保有も併せ持つ強固な軍事国家となっています。

 このイスラエルと今やそれほど大きくは変わらない、周辺の安全保障リスクを抱えた日本、しかし両国の間には大きな安全保障観の違いがあります。その概要を産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比氏が、同紙に掲載したコラムから引用します。タイトルは『日本が位置する厳しい世界』です。

2日付の本紙朝刊国際面は、通算15年にわたりイスラエルの首相を務めたネタニヤフ氏が首相に復帰するかが焦点だと報じていた。記事を読みながら平成26年5月に来日したネタニヤフ氏と会談した安倍晋三首相(当時)が、筆者につぶやいた言葉を思い出した。

「日本の安全保障観は、イスラエルのそれとは別世界だね」

この日、両首脳は安全保障対話、サイバーセキュリティーに関する協力、防衛当局間の交流拡大、宇宙関連機関間の交流促進などを確認する共同声明を発表している。日本から見れば、いずれも抑止力向上につながる成果だったが、会談でネタニヤフ氏が示した危機感、緊張感はさらに強い印象を残したのだろう。

安倍氏は翌27年1月、エルサレムを訪問してネタニヤフ氏との夕食会に臨んだ際のエピソードも語った。安倍氏が「(紛争相手の)パレスチナともう少しうまくやれないものか」と問うと、ネタニヤフ氏はこう答えたという。

「日本とは、住む世界が違うんですよ。地図を見ても、イスラエルの周りにまともな民主主義国は一国もない」

それから7年余がたち、日本をめぐる安全保障環境は悪化の一途をたどった。ウクライナを侵略中のロシアも、つかれたようにミサイルを連射する北朝鮮も、習近平国家主席の独裁体制を完成させた中国も、まともな民主主義国ではない。

特に、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を妥協の余地のない国益を意味する「核心的利益」と位置付け、台湾侵攻の意思をあらわにする中国に対しては、備えを急がなければならない。

もはや「中国で絶対的な権力を手に入れたリーダーは何を目指すのか。(中略)どこかで歴史に名を残すことを考えるだろう。台湾有事はあるかないかではなく、いつあるかだ」(細野豪志元環境相の10月22日のツイート)といった見方は、ごく一般的になった。

ところが現在も、中国に対する自民、公明両与党の認識には隔たりがあり、公明党は中国を「脅威」としてとらえることにも反対している。北側一雄副代表は「中国本土にミサイルを反撃能力で発射する想定は、現時点ではしていない」と語っている。

中国を想定しつつ、中国を名指ししないだけなら戦術としてあり得るが、想定自体を否定すれば抑止力にはならない。与党のていたらくをただすべき野党も、宗教の問題で頭がいっぱいだときている。

国会は相変わらず安全保障問題に鈍感なままだが、一方で民間側には危機感が広がりつつあるのか。11月2日付日経新聞朝刊は、「台湾有事、半数が対応策」「進出50社調査、備え広がる」という見出しの記事を掲載していた。

日経が台湾進出企業大手50社の現地トップらに取材したところ、23社で駐在員の退避計画や事業継続計画の策定作業が進んでいることが分かったという。現地トップらの以下のようなコメントが興味深い。

「今回の中国共産党大会で明らかにフェーズが変わった」「台湾~成田便の1年間有効な航空券は既に社員全員分を確保した」「台湾のサーバーに上げていた情報を全て、日本のサーバーに移した」…。

政治家の最も重要な責務は、国民の生命、財産、自由を守ることである。ならば最優先課題は、安全保障にほかならない。現在の日本の地理的条件は、イスラエルとはかけ離れた別世界ではないのである。

 中朝露独裁国家3国の現状は言を俟たず、極めて厳しい安全保障環境の中に置かれている日本。それなのに国民もメディアも北朝鮮のミサイル発射が続く中、Jアラートで生活が脅かされるなどと騒いでいる始末です。まさにイスラエルとは別世界でしょう。

 日本の国会では相変わらず旧統一教会問題で野党が大はしゃぎ。被害者救済に向けた与野党協議会に関し、「立憲民主党の泉健太代表が4日、決裂した場合は岸田文雄内閣に対する不信任決議案提出に値すると言及した」、とあるように、野党第一党の立民は、旧統一教会信者の被害者救済が内閣不信任に匹敵する最重要課題と位置づけているようです。まさに最たる無責任野党でしょう。

 しかしこんな野党に対し、与党や岸田政権は毅然とした対応をしていません。旧態依然の国会対応で、何とかなると思っているのでしょうか。特定野党とメディアが作り上げた旧統一教会問題で支持率を下げ、その下がった支持率を気にして旧統一教会問題から目を離せず、首根っこを押さえられている現状を見るとうんざりしてきます。故石原慎太郎氏のような物言える政治家が出てきて欲しいと、切に願います。

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2022年11月 5日 (土)

福島香織氏:終了どころかさらに強化、中国人を絶望させる「ゼロコロナ文革」という大厄災

Images-17  3期目に入った習近平政権の元で、ゼロコロナ政策は転換するのか?その期待はどうやら外れたようです。思えばコロナ発祥の国中国が、何故これほどゼロコロナにこだわるのか。起源は中国ではないと言いたいのか、その本意は分かりません。あるいは他の思惑があるのでしょうか?

 そのあたりの現状を、ジャーナリストの福島香織氏が、JBpressに寄稿したコラムから見てみましょう。タイトルは『終了どころかさらに強化、中国人を絶望させる「ゼロコロナ文革」という大厄災 餓死を恐れて封鎖から脱出、凄惨な事件も続出』で、以下に引用して掲載します。

 10月22日に閉会した第20回中国共産党大会後、中国ではゼロコロナ政策がますます徹底され、そしてますます暴力的になっている。

 ユニバーサル・スタジオ北京や上海ディズニーランドでは、それぞれ10月26日、31日に突然閉鎖が発表された。中にいた数万人の観光客は全員PCR検査を受けさせられ、陰性でなくては外に出してもらえず、全員が外に出してもらえるまで一晩かかったりした。園内には幼い子供、家族連れもいるが、容赦はない。

 だが、こんなのはもはや厳しいうちに入らない。鄭州、武漢、広州では、党大会前に増して厳しいロックダウンと全民PCR検査が繰り返されている。チベット自治区のラサはすでに80日以上、新彊ウイグル自治区イリでは90日以上のロックダウンが続き、住民の中に餓死者が出ているらしい。また、大量の家畜の世話ができないために安値で売り払われたり、餓死したり、中には家畜も「隔離」措置を受けたりしているという。

動画が拡散した3つの凄惨な事件

 10月8日から始まった河南省鄭州市のロックダウンではいくつもの凄惨な事件が起きた。たとえば、10月23日には3つの大事件が、動画の拡散によって目撃されている。

 1つは、鄭州市のアパート17階の居宅から出ることを禁じられた母親が高熱の子供のために医者を呼びに行こうと、手製のロープを使ってベランダから降りようとしたところ、ロープが切れて墜落し亡くなった事件。

 もう1つが、鄭州市港区のフォックスコン(ホンハイ)従業員用のアパートで従業員が防疫職員をナイフで殺害した事件。防疫職員はアパートの外に出ようとした従業員を押しとどめようとして殺害された。

 この殺人事件は午後1時に発生したが、その夜、このアパートではフォックスコン従業員と、アパートを封鎖中の防疫職員らとの大乱闘が起きている。理由は封鎖後に食事や生活物資の供給もなく、また外出のために必要なPCR検査を実施する検査員も派遣されず、ただただ閉じ込められることに恐怖を感じた従業員が封鎖を突破しようとしたらしい。この動画はフォックスコン従業員の家族が投稿したものだった。

 3つ目の事件は、鄭州市白墳区の封鎖中のアパートのベランダから女性のバラバラ遺体が投げ捨てられた事件。この事件は、バラバラ遺体がアパート上層から降ってきたという写真がネットで拡散されているだけで、詳細は不明。だが、ロックダウンのストレスに耐えかねて住民がガールフレンドを殺害した事件が他にも発生しているので、同様の事件ではないかと見られている。

29 フォックスコン従業員が大脱走

 フォックスコンの主要製造拠点、鄭州工場の封鎖式管理を巡っては、10月下旬から従業員の集団脱走が断続的に報じられてきた。従業員やその親族のSNSの投稿を総合すると、工場内で10月8日から感染が出始め、14日に突然封鎖管理方式が通達された。20万人が同じ空間で暮らす状況で、感染は瞬く間に広がり、2万人の陽性者が出たという。

 最初は、陽性確定診断者(確診)と濃厚接触者をわけて隔離していたが、陽性者が増え続け、そのうち隔離場所が確保できず、陽性者と濃厚接触者を一緒くたにして宿舎内に隔離するようになったという。また、工場内の食堂は営業停止となり宿舎の部屋内でしか食事ができなくなったが、与えられる食事は当初からカップ麺やパンなどで、不満が高まっていたともいう。要隔離者が増えると、隔離場所も建築途中の野ざらしビルなど劣悪な環境だったり、十分な医薬品や食料、水が与えられない放置状態が常態化したりするようになったという。

 こうした劣悪な隔離環境の中で宿舎の726号と呼ばれる部屋に隔離されていた8人の女子従業員が全員死亡したという噂が工場内に広がった。従業員の1人とみられる女性が「みんな死んでしまった」と号泣する動画や、「10月29日」という日付のついた封鎖シールが張られた726号部屋のドアの写真などがネット上で拡散していた。また宿舎周りにPCR検査の廃棄物やゴミが山積みになった状況や、そのゴミの間で倒れている人が映っているような動画もあり、封鎖式管理のフォックスコン鄭州工場で何が起きているのか想像ばかりが広がった。

 オミクロン株は重症化率が低いと信じられているので、こうした死者情報は餓死ではないか、と多くの人たちが言い出した。こうした噂が真相不明なまま不安を拡大し、封鎖式管理下にいた従業員たちが大量に脱走し始めたようだ。夜の高速道路沿いにフォックスコン従業員が荷物を持ってぞろぞろと故郷に向かって数百キロの道のりを歩いている様子、昼間の田畑の中を当局の目を避けるように逃亡している様子などの写真や動画がネットで拡散されていた。高速道路の行く手に、軍が待ち構えて封鎖しているような動画もあった。このフォックスコン従業員の大脱走についてはBBCなど大手メディアも取り上げている。

 一方で、鄭州工場地域に、工場・宿舎内部からのSNSなどの発信を防ぐ無線妨害のための車両が派遣されているような写真や、軍の装甲車の列が鄭州大街を走っている動画なども拡散していた。こうしたことから、鄭州では軍も動員されて徹底的なロックダウンや情報封鎖体制が敷かれている、フォックスコンは軍の管理下に置かれているのだ、といった噂も広がった。

 ちなみにこうした噂話は、どれひとつ公式に確認されているものではない。フォックスコン側は、2万人隔離の話も「事実ではない」とし、726号の8人の女子従業員死亡の噂も悪質なデマであり、すでに警察に通報して処理を依頼しているという。

 ただ10月29日から、フォックスコン側と河南省の各地方政府は、故郷に戻りたい従業員は申請すれば専門の車両で故郷に送り届け、故郷で隔離措置を受けることができる、と発表している。工業パーク内に残留希望の場合は、宿舎で隔離され、そのかわり3食を保証、故郷での隔離を希望する場合は隔離施設の実費を自腹で支払うものとしている。

 こうした発表があるということは、つまり、大脱走問題が起きていることを認識しているということではあろう。

 鄭州のコロナ封鎖からの大脱走が中国人ネット民の心を揺さぶったのは、彼らの脱走の動機に「飢餓」が絡むからだろう。河南省は1942年にものすごい飢饉を体験し、300~500万人が餓死し、河南省から農民が飢餓から集団逃亡した歴史があった。これは河南省出身の作家、劉震雲の「一九四二」という小説にもなり、また馮小剛監督によって映画化もされている。また1959年から61年にかけての大飢饉は、まだ記憶に残る大厄災だ。3年自然大災害と呼ばれるこの飢饉は、本当は自然災害だけでなく人民公社・大躍進の政策が1つの大きな原因だった。だから、ゼロコロナ政策によって引き起こされた不条理な飢餓への共感が強いのだろう。

完全に裏切られたゼロコロナ政策緩和の期待

 実は、かなり多くの中国人が党大会後にゼロコロナ政策は緩和されるであろうと期待していた。なぜならゼロコロナ政策は、感染スピードが猛烈に早いオミクロンを封じ込めるには効果がほとんどなく、長く継続すればするほど経済を悪化させ人民を苦しめるものであることはわかり切っているからだ。

 党大会前、習近平が3期連任を固める前は、ゼロコロナ政策に批判的な李克強ら共産主義青年団派勢力との権力闘争に勝利するために、ゼロコロナ政策の過ちを認めることはできず、ゼロコロナ貫徹で路線闘争を争わねばならなかった。だが、党大会が終わり独裁者として足場を固めれば、ゼロコロナ政策のような科学的に誤った政策を無理に堅持する必要はないはずだ。

 ところが、その期待は完全に裏切られ、ゼロコロナ政策はますます過酷に暴力的になった。それはなぜか。

 1つ考えられるのは、上海市トップの李強の政治局常務委員への出世があるのではないか。李強は今年(2022年)3月から6月にかけて、多くの上海官僚や感染症専門家の反対意見を押し切って、徹底したロックダウンを実施した。このため第2四半期の上海市経済成長率は前年同期比マイナス13%に落ち込み、社会は動揺し、大混乱を来した。だが、李強は出世し、来年3月には首相の任に着くとみられている。この人事が各地方官僚トップに誤ったメッセージを送ったかもしれない。官僚出世の早道はゼロコロナを徹底するのが一番だと。今までは経済成長率が地方官僚の中央への出世の第一条件であったのが、もう経済は重視されないのだ、と。

 習近平も、ゼロコロナ政策をゆるぎなく堅持することが絶対的に正しいと一度言ってしまった手前、この流れにブレーキをかけることができないのかもしれない。

中国人民にとっての大厄災に

 だが、もう1つの見方がある。それは、権力を掌握したという自信をまだ持てない習近平が、地方の官僚たちが自分の敵か味方かを見分ける判断材料として「ゼロコロナ政策への忠実度」を見ようとしている、という可能性だ。

 これはなかなか恐ろしい。つまり、たとえ不条理な政策であっても習近平の命令なら率先してやるかどうかを、習近平は敵味方の基準にする。人民を苦しめ経済を悪化させる官僚ほど習近平は味方と認め、人民のためを考える官僚はパージされていく。

 実際、官僚にとって、これは最も頭を使わずに出世できる方法だ。高い学歴も高い行政手腕も必要ない。だから地方官僚たちは、上層部に上げるリポートでゼロコロナを誉め讃え、肯定する者だけになる。

 習近平はますますゼロコロナに自信をもち、継続し、それは実に長い「闘争」になるかもしれない。なにせ、オミクロンの後にはケルベロスやグリフォン、バジリスクといくらでもコロナ株が登場し続けてくるのだから。

 10月中下旬、ロックダウンの影響を受けた中国人はざっくり2億人あまり。これを14億人中国のほんの一部と考えるかどうか。それは文革の被害者1億人が当時の8億人口にとって多いか少ないか、というのと似ている。

 私たちは、ゼロコロナ政策が中国経済にどれだけ悪影響を与えるか、ということに注視しがちだが、これはもはや経済への影響以上に、人民にとっての「浩劫」(大厄災)になりつつある。新型コロナのパンデミックは人類の大厄災だが、中国人民にとっての大厄災は間違いなくゼロコロナ政策だ。そしてコロナ・パンデミックの大厄災が終わっても、ゼロコロナから始まる浩劫は文革のように10年単位で継続するかもしれない。

 あるメディア関係者が以前語っていましたが、「習近平に批判的な人物を特定するために、ロックダウンをして人の流れを絶ち、その間にじっくりその特定を行う、そ為の手段に応用している」、本当かどうかは分かりませんが、一人独裁貫徹のためにはあながち嘘でもないような説です。

 いずれにしろこの非科学的な手法は、まさに毛沢東の実施した大躍進政策や文化大革命に通じるところがあります。どうような非科学的な手法で、再び中国を大混乱に陥れようとしているのでしょうか。ただ見方を変えれば、これがそのまま中国経済のダメージとなって現れ、弱体化が進むとなれば西側諸国の思うつぼとなります。

 経済音痴に近い習近平が、3期目就任と共に李克強のような経済通を追い出した結果と相まって、今後の中国経済に赤信号がともる可能性は大きい。できればそうなることを期待したいと思います。日本企業は早めに撤退を決断すべきでしょう。

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2022年11月 4日 (金)

あの上海電力が、国防の要・岩国基地の周辺に、複雑怪奇な転売スキームでステルス参入のナゾ

2210311037_7714x475  上海電力は中国の大手電力会社ですが、その上海電力が運営する発電所が大阪にあります。何故大阪か、それはその当時、橋下徹大阪市長の時代に行われた入札に起因します。経済情報サイトZAITENの記事を引用すると、次の通りとなります。

 <大阪市湾岸部にメガソーラーを誘致する入札で中国の電力会社が不透明な経緯で参入した「上海電力問題」。山口敬之(元TBS記者)が当時市長だった橋下徹を痛烈に批判、話題になっている。大阪市の一連の手続きを検証すると、橋下の関与の有無を問わず「上海電力ありき」だった実態が浮かび上がる。

 大阪市は2012年、湾岸部の埋め立て地、咲洲の5万平米の土地を太陽光発電用に賃貸借する一般競争入札を実施した。予定価格(月額賃料)は55万円。入札は〝1者応札〟となり、大阪市内の土建業者とペーパーカンパニーから成るJV(企業連合体)が55万1円で落札した。その後、JV2社は合同会社を設立。さらにこの半年後には、合同会社の代表社員がペーパーカンパニーから上海電力へ入れ替わった。

 この通り、上海電力は表の入札には姿を見せず〝裏口〟でこの事業に潜入してきたわけだが、大きな手続き上の問題を孕んでいる。まず、入札期間がわずか12年11月16日~12月3日の18日間しかなかったこと。「こんな短期間に仕様を決めて応札するのは、事前に案件を知っていなければ至難の業」(大手パネルメーカー担当者)。

 そんな問題をはらんでいる経緯を持つ上海電力。更にはその矛先を山口県にも伸ばしているようです。その詳細を日本戦略研究フォーラム政策提言委員の平井宏治氏が週刊新潮に記事を掲載していますので、以下に引用します。タイトルは『国防の要・岩国基地の周辺に上海電力がステルス参入のナゾ 複雑怪奇な転売スキームでメガソーラーを買収』です。

 日本の国土を買い漁る中国資本が自衛隊基地周辺のメガソーラーを取得した。「上海電力日本」に協力するのは複数の日本企業と政治家、ビジネスマン。我が国の安全保障を脅かす静かな“侵略”の実態を、日本戦略研究フォーラム政策提言委員の平井宏治氏が告発する。

 ***

 今年の5月11日、国会で経済安全保障推進法が成立した。同法は四つの柱で構成されるが、とくに「基幹インフラの安全性確保」は極めて重要だ。

 基幹インフラとは電気やガス、水道、通信といったライフラインをはじめ、金融、鉄道、運送といった国民生活の基盤となる分野のことだ。にもかかわらず、その安全性の確保と逆行する事態が国内で静かに進行している。中国系企業による巧みな試みで、その実態は“ステルス参入”というべきものだ。

 おそらく多くの読者はこの事実をご存知ないだろう。地上波のテレビをはじめ新聞などの大手メディアが、ほとんどこの問題を取り上げないからだ。そこで、日本の電力産業に浸透しつつある「上海電力日本株式会社」を例に挙げ、彼らが山口県岩国市に設置されたメガソーラー施設を取得した経緯と手法をひもときながら、我が国の経済安全保障が抱える問題点を解説したい。

「国家電力投資集団」とは

 中国の大手国有発電会社に「国家電力投資集団」という中央企業がある。中央企業とは、中国共産党の実質的傘下にある国務院国有資産監督管理委員会が監督・管理する企業のことだ。国家電力投資集団は中国における五つの主要な発電グループの一つで、世界最大の太陽光発電企業とされる。

 国家電力投資集団は13万人の従業員と62の子会社を抱えており、文字通りかの国のエネルギーの確保と安全保障という重大な使命が課されている。この傘下企業の一つが「上海電力股彬有限公司(以下、上海電力)」だ。上海電力は本社が置かれた上海市をはじめ、周辺の江蘇省や安徽省を中心に発電事業を展開している。主力は石炭火力発電だが、ガス、風力、そして太陽光での発電も手掛ける企業だ。

 同社は上海証券取引所に上場している。その主要株主と持株比率は、多い方から(1)国家電力投資集団有限公司(46.3%)、(2)中国電力国際発展有限公司(13.9%)である。中国政府と密接な関係を持つ2社が大株主として上海電力の経営権を有しているのだ。

 取締役会長に相当する董事長と共産党の要職に相当する黨委書記は胡建東という人物が務めており、この日本法人こそが前述した上海電力日本株式会社(以下、上海電力日本)に他ならない。無論、中国政府の実質的な支配下にあるが、日本の経済団体連合会(経団連)は会員として迎え入れている。

2210311037_4714x476 極東地域で最大級の軍事拠点

 共産党による独裁国家の中国は、力による現状変更を繰り返し、国際秩序への挑戦を続けている。そんな覇権主義国家から、我が国を守る抑止力の一つが山口県岩国市にある海上自衛隊岩国航空基地だ。ここには米海兵隊の航空基地もあり、2010年には基地の滑走路が沖合に移設され、18年には神奈川県の厚木基地から、米海軍に所属するFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機などおよそ60機の空母艦載機が移転。いまや約120の戦闘機が所属する、米軍としては極東地域で最大級の軍事拠点である。

 艦載機部隊が所属する、米第5空母航空団の司令部機能も同様に厚木から移転した。いまや対中抑止力を考える上での“最前線”だが、この岩国基地からほど近い場所に、上海電力日本の傘下に置かれた合同会社東日本ソーラー13(以下、東日本ソーラー)が運営するメガソーラー(岩国メガソーラー)がある。出力は7万5千キロワットが計画されており、すべて中国電力に売却される。

国防動員法

 ところで、中国では10年に「国防動員法」が成立している。中国政府が有事と判断すると発動され、満18歳から満60歳の中国国籍を持つ男性と、満18歳から満55歳の中国国籍を持つ女性に人民解放軍への協力が求められる。中国国内在住者に限らず、海外在住者、すなわち日本で起居する約74万人の在日中国人も動員の対象だ。

 国防動員法が発動された場合、岩国基地にはどんな影響が予想されるのか。なぜ、中国政府と密接な関係を持つ上海電力は日本の対中防衛の重要拠点近くのメガソーラーを取得したのか。

 一抹の不安を胸に、上海電力日本が岩国メガソーラーを買収した経緯を謄本などで確認した。すると、岩国メガソーラーが設置されている土地謄本には、SBI証券と合同会社が関係していることが分かった。

 その参入方法は前述の通り、“ステルス”というべき狡猾さだ。詳しい経緯を理解するには、そのカギとなる「合同会社」について知っておく必要がある。以下、簡単に解説する。

 会社法が定める「会社」は株式会社と持分会社とに分類される。持分会社には合名会社、合資会社、そして合同会社の三つがある。合同会社の株式会社との違いは大きく二つ挙げられる。

(1)決算公告の義務がなく、第三者に経営実態を公開する必要がない。

(2)利益配分の割合や議決権の比率を、出資比率によらず定款で自由に設定できる。

 この2点により、合同会社はサラリーマンが副業のために一人で立ち上げたり、複数の企業が合弁事業を行う際に設立されることが多い。合同会社への「加入」は、株式会社で例えるなら対象会社の発行済株式を取得して株主になること。逆に合同会社からの「退社」は、対象会社の発行済株式を売却して株主でなくなることだと考えれば分かりやすい。

国会議員の名前も

 岩国市に話を戻そう。岩国メガソーラーの設置場所は、バブル崩壊直前の1990年ごろからゴルフ場として開発が進んでいたようだ。その後、中止されて2008年に個人(A氏)の手に渡った。

 謄本によれば、15年8月31日にA氏が代表取締役を務める会社に用地が転売され、さらに同日、東日本ソーラーへ転売された。この取引がA氏と東日本ソーラーとの間で直接行われず、わざわざ法人を通して行われた理由は不明だ。

 その3年半後の19年3月28日、東日本ソーラーが山口県の村岡嗣政(つぐまさ)知事にこの土地について「林地開発許可申請書」を提出した。これは同年8月28日に認可されている。発電施設の建設を請け負ったのは準大手ゼネコンの戸田建設(東京都)だ。その下請けには水谷建設(三重県)や住吉工業(山口県)などが名を連ねる。

 ご記憶の方もいるだろうが、水谷建設は06年6月に発覚した、小沢一郎氏が率いる資金管理団体「陸山会」による不正蓄財事件に絡んでいたと報じられた。一方の住吉工業は13年に、永田町きっての親中派議員とされる林芳正農水相(当時)による朝食勉強会のパーティー券を100万円分も購入している。

 17年まで日中友好議員連盟の会長だった林氏と、上海電力日本による自衛隊基地近くのメガソーラー買収。それらを支援する企業による建設工事の受注。彼らにどんな接点があるのだろうか。

 私が“ステルス参入”と呼ぶスキームは、前述した合同会社の「加入」と「退社」が繰り返されつつ土地が転売され、最終的に外国企業が土地を所有する合同会社を傘下に収めるというものだ。

極めてまれな不動産売買

 20年12月28日、SBI証券が岩国メガソーラーの土地に根抵当権を設定した。債務者はRSM清和コンサルティング(以下、清和コンサル)内に事務所を構える合同会社開発77号(以下、合同開発77号)だ。この代表社員は戸谷英之氏。RSM清和監査法人の代表社員である戸谷英之氏と同姓同名の人物だ。同じ日には一般社団法人開発77号(以下、一社開発77号)が東日本ソーラーに加入し、一般社団法人岩国(一社岩国)という団体が退社している。

 前述の例えで言うなら、一社開発77号が東日本ソーラーの発行済株式を一社岩国から取得したと思えばいい。一社開発77号は合同開発77号の親会社だ。こうしてSBI証券から融資を受けた合同開発77号は、岩国メガソーラーの土地を持つ東日本ソーラーを傘下に収めた。

 翌21年8月26日、東京のアール・エス・エル・ピー株式会社(以下、RSLP)が、東日本ソーラーが所有する岩国メガソーラーの土地を根抵当権ごと買い取った。商取引の慣例として、根抵当権がついた不動産の売買は極めてまれだ。同じ日、RSLPは東日本ソーラーに30年間の地上権を設定していた。地上権とは第三者の所有している土地に建物などを建てて利用する権利のことで、土地の利用方法等については基本的に貸主の承諾が不要になる。

何度も転売

 さらに同年9月9日、合同会社SMW九州(以下、SMW九州)が東日本ソーラーに加入し、入れ替わるように一社開発77号が退社した。これで東日本ソーラーは上海電力日本の傘下に入った。東日本ソーラーを巡る売買では、SMW九州からの資金が債務者の合同開発77号を経由してSBI証券に弁済された。これにより、SBI証券は同じ日に岩国の土地に設定していた根抵当権を抹消した。

 一方、東日本ソーラーの履歴事項全部証明書からは、複数企業による「加入」と「退社」が繰り返され、何度も持ち主が変わってきたことが分かる。これを株式会社で例えると、東日本ソーラー株が何度も転売されて会社の所有者が変わったことと同じだ。会社の持ち主が頻繁に入れ替わることが、中国企業によるステルス参入の隠れみのになっている。複雑な手続きが繰り返されるウラで、中国国営企業の日本法人が東日本ソーラーを傘下に収めたのだ。

安全保障の観点から疑問の声

 続いて、SBI証券が上海電力日本による岩国メガソーラー買収と同じスキームを使った山口県柳井市の事例を紹介したい。

 登場するのはSBI証券と清和コンサル。19年10月31日、清和コンサルは、所有する一般社団法人開発53号(代表社員・戸谷英之/以下、一社開発53号)を通じて、柳井市でメガソーラーを運営する山口柳井メガソーラー合同会社(以下、山口柳井)を完全支配下に置いた(子会社化)。その際、山口柳井から株式会社ティーティーエス企画が退社し、一社開発53号が加入した。

 同日、SBI証券は清和コンサル内にある合同会社開発53号(以下、合同開発53号)に、極度額を計71億5200万円とする極度方式基本契約を締結し、融資を行った。これこそが岩国の例と同じスキームである。翌20年2月26日、SBI証券は山口柳井が持つ土地に地上権と根抵当権を設定し、5カ月後の7月31日に根抵当権を抹消している。

 奇しくもSBI証券と清和コンサルの2社が両方に関わった岩国市と柳井市のメガソーラー買収には、国の安全保障の観点から疑問の声が上がっている。それは岩国市で東日本ソーラーが運用するメガソーラーが、岩国基地から朝鮮半島方面に飛ぶ航空機航路の真下にある点だ。岩国基地は対中防衛の際の要(かなめ)であり、その基地を取り囲むように中国資本が用地を買収しているのは果たして偶然だろうか。

中国に評価される、ある日本人の名前

 合同開発77号と合同開発53号に融資をしたSBI証券は、SBIホールディングス傘下の証券会社だ。SBIホールディングスは「金融サービス事業」「アセットマネジメント事業」「バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業」を主要な事業と位置付けている。代表取締役社長(CEO)は北尾吉孝氏で、独立社外取締役には竹中平蔵元総務大臣も名を連ねる。

 合同開発77号と合同開発53号の職務執行者はRSM清和監査法人の代表社員と同姓同名だ。この監査法人は清和税理士法人や、先に登場した清和コンサルと提携関係にある。

 SBI証券は、合同開発77号に東日本ソーラーの買収資金を融資し、岩国メガソーラーの土地に根抵当権を設定していた。理由を確かめるべくSBIホールディングスの北尾社長と中国との関係を調べたところ、以下のような事実が分かった。

 19年6月12日、SBIホールディングスは、北尾氏が中国投資協会のブロックチェーン・ビッグデータ産業投資専業委員会の戦略投資高級顧問に就任したと発表した。民間企業経営者の就任は初めてとのことだが、委員会のサイトには〈戦略投資高級顧問は民間経営者に与えられる最も高級なタイトル〉とある。いかに中国が北尾氏を高く評価しているかが分かるというものだ。

 さらに北尾氏が関心を示す、ブロックチェーンなどの技術を利用した取引に関して興味深い記事が見つかった。一昨年1月2日、ニュースサイト「コインデスク・ジャパン」は〈デジタル人民元が世界で流通し、日本にデジタル資産取引所が生まれる未来とは【SBI北尾社長・後編】〉とのインタビュー記事を公開した。

人民元を支援する北尾氏

 ここで北尾氏は、〈デジタル人民元が世界で流通するようになれば、中国が最大の輸出国である日本や日本企業にも影響が出てくるのでは? ドル覇権を崩壊させるインパクトがあるとされるデジタル人民元に対して、アメリカも黙って見ていることはないのでは?〉との記者の問いに、以下のように答えている。少し長いが引用する。

〈暗号資産は、そもそも国境のない、国際的な金融資産なんです。金融商品に似たものですね。デジタルの世界は、国際性を追求する世界です。だから、この世界では、グローバルな体制でエコシステムを築かないといけないと思っている〉

〈デジタル人民元が出てくれば、日本政府も企業も変わらずにはいられないでしょうね。日本と中国の経済がどう発展していくのかを考えるとき、はっきりと言えるのは、両国はより密になっていくだろうね。その上で、中国は国家戦略である人民元の国際化を、デジタル通貨を使ってやっていこうとしているわけです。米ドル覇権を揺るがす恐れがある中で、アメリカは黙って見ていることはないだろうけれど、これは歴史的必然なのかもしれない〉

大阪府市の不可解な対応

 一方、昨年1月29日付の産経新聞は〈政府が主導し、大阪府が名乗りを上げる「国際金融都市構想」で、大阪府市と経済界の溝が埋まらない〉とする記事を掲載した。

 記事によれば20年12月に、大阪府・大阪市と地元経済団体による国際金融都市構想の会合が行われた。同構想は北尾氏によって提案されたといわれているが、その会合では吉村洋文知事が「アジアのデリバティブ拠点や、規制緩和により金融とITを組み合わせたフィンテックの活用を目指す」と提言したものの、経済界は「具体的な課題や工程表の議論が重要だ」と冷ややかで、構想はまとまらなかったとされる。

 さらに記事では〈関西財界では「SBIは利害関係が強すぎる」という意見が中心的。私設取引所の開設や、出資する海外フィンテック企業の誘致に動く北尾氏がトップに就けば、特定企業の活動を支援しているとみられかねないと懸念する〉という地元の声も紹介している。

 翌年1月18日、大阪市役所で大阪維新の会の幹部である吉村知事と松井一郎市長、北尾氏、SBI顧問の中塚一宏前金融担当相らによって、国際金融都市構想を巡る非公開会合が開かれていた。これを報じた産経新聞の同記事によると、北尾氏は22年に証券取引所を介さず売買できる私設取引所「大阪デジタル取引所」を開設し、海外取引所と連携させる構想を披露したという。そして中塚氏は、大阪堂島商品取引所が21年4月の株式会社化に向けて、海外商品先物業者やヘッジファンドと協議していることなどを説明したと報じている。

関西財界が一転、賛成へ

 報道から1年あまり。結末は大阪府市が北尾氏の意向を受け入れる形となった。今年の6月27日にはSBIの子会社が70%、三井住友FGが20%、野村ホールディングスと大和証券グループ本社が5%ずつ出資する「大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)」が私設取引所を開業。株式や上場投資信託の取引を開始した。

 ODXはこれらの取引において、5年後に国内の3~4%のシェアを獲得することを目指している。無論、大阪府市や関西財界が掲げる「国際金融都市」構想との連携も視野に入れている。

 また、来年度中にはブロックチェーンなどの電子技術を用いて発行される「デジタル証券」の取引所開設も目指すと鼻息が荒い。だが、2年前は消極的な意見に終始していた関西財界が一転、賛成に転じた理由はいまも明らかにされていない。ともあれ、吉村知事や松井市長が北尾氏に強い信頼を寄せていなければ、こうした結論には至らなかったはずだ。

 改めて関連記事を見ていくと、ODXの私設取引所は将来的にデジタル人民元の扱いを視野に入れているように思える。それを大阪府市は内諾しているのではないのか。とすれば、この取り組みは中国の国益に沿ったものではないのか――。

 この記事には日本の一部企業や政治家が、中国の電力会社という最重要の基幹インフラ会社と手を組み、手の込んだ(簡単に発覚しないよう本当に手が込んでいる)ステルス参入を許している実態が、記されています。しかもこの岩国基地近くのメガソーラー基地は、日本の安全保障上大きな問題をはらんでいます。

 企業の経営陣や地方自治体の政治家には、セキュリティ感覚が鈍い部分があります。中国といういつでも襲いかかってくる恐れの多いモンスターに、その実態を知らず無防備すぎるのは、危険この上ないと思います。早急に対応する法整備が必要でしょう。

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2022年11月 2日 (水)

日本に戦後最大の安全保障危機、台湾・朝鮮半島「連動有事」11月勃発か

Images-16_20221101164501  先月、中国の習近平政権3期目入りのニュースが世界中を駆け巡りました。一方それ以前から韓国保守系の尹錫悦新大統領の誕生に併せて、北朝鮮のミサイル実験は連日のように行われています。更には2月から始まったロシアのウクライナへの侵略戦争も、いよいよ泥沼化してきて出口のない戦闘が続いています。

 これら独裁の隣国3国に西側を囲まれた日本は、逃げ場のない地政学的リスクを抱えているのが現状です。そうした中ジャーナリストの加賀孝英氏がzakzakにコラムを寄稿しました。タイトルは『台湾・朝鮮半島「連動有事」11月勃発か 米、金正恩氏の〝斬首作戦〟決意 中国「台湾攻撃シフト」完成、日本に戦後最大の安全保障危機』で、以下に引用して掲載します。

中国による軍事的覇権拡大や、北朝鮮の核・ミサイル開発など、わが国を取り巻く安全保障環境が極度に悪化している。岸田文雄政権は、国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定と、防衛力の抜本的強化を加速させている。先週明らかになった米国製の長距離巡航ミサイル「トマホーク」の購入の動きは、その一環といえるが、間に合わない可能性が出てきた。米政府や米軍は「台湾有事」と「朝鮮半島有事」が連動して早期勃発することを厳重警戒している。米韓両軍は31日、軍用機約240機を投入する合同訓練「ビジラント・ストーム」を始めた。ジャーナリストの加賀孝英氏による最新リポート。

*********

「日米韓の情報当局が厳戒態勢に入った。『朝鮮半島有事と、台湾・日本有事が近く勃発する』という緊急情報がある。『Xデーは、11月から来年1月にかけて』。悪夢だ。日本にとって戦後最大の安全保障危機だ」

外事警察関係者はこう語った。

北朝鮮は28日、東部江原道通川(トンチョン)付近から日本海に向け、短距離弾道ミサイル2発を発射した。飛行距離は約230キロ。日本のEEZ(排他的経済水域)外に落下した。北朝鮮による弾道ミサイル発射は今月14日以来で、今年に入って25回目だ。

日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長は28日、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表と、韓国外務省の金建(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長とそれぞれ電話で協議した。「地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だ」という認識を共有した。

外務省関係者は「中朝は連動している。北朝鮮は、中国共産党第20回党大会(10月16~22日)の間は、ミサイル発射などの挑発を止めていた。習近平総書記(国家主席)が『異例の3期目』に入って独裁体制を確立し、党大会閉幕を見届けて暴走を再開した」と語った。

防衛省関係者は「米韓情報当局は、『北朝鮮は7回目の核実験を、米国の中間選挙(11月8日投開票)の前に強行する』という情報を入手している。さらに、『韓国の国境近く島への砲撃、韓国軍艦艇への攻撃など、電撃的な軍事行動に踏み切り、第二次朝鮮戦争危機まで画策している』という情報があり、米韓両軍は臨戦態勢に入っている」と語った。

問題は中国だ。

アントニー・ブリンケン米国務長官は26日、米ブルームバーグのインタビューで、「中国政府は現状を受け入れられなくなった」「中国は台湾統一を加速させると決定した。武力行使もある」と異例の警告を発した。

米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長は19日、米シンクタンクのイベントで、「中国の台湾侵略は(これまで想定された)2027年ではなく、22年あるいは23年の可能性がある」と、最新分析を明かした。

元在沖縄米海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・エルドリッヂ氏も最近、「中国による台湾有事は、早ければ11月から来年1月の間に起きる可能性がある」と警告を発した。その根拠は、1.日米台3カ国が台湾防衛準備を始めた。中国は今のうちなら軍事的有利と判断する2.ジョー・バイデン大統領率いる民主党は中間選挙で大敗しそうだ。米政府は大混乱に陥って動けなくなる…などだ。

こうしたなか、バイデン政権は27日、核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」を公表し、中国とロシア「2つの核大国」に対峙(たいじ)する姿勢を明確にした。ただ、北朝鮮に対しては、「米国や同盟国に核攻撃をすれば北朝鮮政権は崩壊する」「金正恩(キム・ジョンウン)政権が核兵器を使って生き残るシナリオはない」と特記した。なぜか。

以下、日米情報当局関係者から入手した驚愕(きょうがく)情報だ。

「米国は『正恩氏が、戦術核を搭載した短距離弾道ミサイルで、韓国を攻撃する最終プランを持っている』という情報を入手している。米国は、北朝鮮の暴走は絶対許さない。正恩氏が核ボタンを押す前に斬首作戦を行う決意だ。朝鮮半島周辺には、核搭載型の原子力潜水艦が極秘配備された」

中国軍は習一派が実権を独占した。「台湾攻撃シフト」が完成した。

「要注意人物は、軍の最高指導機関『中央軍事委員会』副主席に抜擢(ばってき)された何衛東氏。台湾方面を管轄する東部戦区の前司令官だ。ナンシー・ペロシ米下院議長が8月に訪台した後、中国軍は台湾封鎖のシナリオに沿った大規模軍事演習を展開した。弾道ミサイル11発を発射、うち5発を日本のEEZ(排他的経済水域)内に撃ち込み、日本も恫喝(どうかつ)した。この演習の立案者が何氏だ。『何氏が党大会後、習氏に台湾侵攻決行を進言した』という情報がある。北朝鮮の核実験強行が、中朝暴走の引き金になる」

「朝鮮半島有事」と「台湾有事・日本有事」が連動すれば、ウクライナ侵攻で苦境にあるロシアのウラジーミル・プーチン大統領が生き残りのため、「核テロ」に走る危険がある。

日本にとって、国家存亡のときだ。戦後最大の危機が目の前に迫っている。岸田文雄首相は大丈夫なのか。野党はこの危機的状況が分かっているのか。目を覚ませ。何度でもいう。このままでは、日本が本当に潰れてしまう。

 安部元首相が、「台湾有事は日本有事」と発言してから、1年も経っていませんが、習近平国家主席の3期目が確定した後、彼の悲願である台湾統一が目の前に迫ってきています。だがこの記事のように、本当に今年末から来年にかけて、早まってきているのでしょうか。

 その真偽のほどはともかく、日本有事になったときの日本の防衛については、全くお寒い情況でしょう。5年かけてNATO並のGDP比2%の防衛力を整備するのも、来年からスタートですし、ミサイルの拡充も4~6年先、そうなると抑止力の整備されない中、台湾侵攻が始まる事になります。サイバー防衛もこれからです。中国はその隙を狙うのでしょうか。

 いずれにしろ、まさかと思ったロシアのウクライナ侵略が、現実となったのは記憶に新しいところです。中国の台湾侵攻もないという保証は全くありません。国会も旧統一教会問題に浮かれていないで、真剣に安全保障議論をすべきでしょう。もっとも今の野党にまともに議論できる議員は殆どいないでしょうが。

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2022年11月 1日 (火)

「赤字路線の拡充を」:センチメンタルに人に訴え、世論形成するメディアに騙されるな

9-2_20221031153201  経済合理性を無視して、センチメンタルに人に訴え、世論を形成し国や地方自治体の税金をあてがう。高齢者や障害者などの弱者救済という意味では、もちろん必要ですが、そうでないところにもこうした声があるのが実態です。

 イトモス研究所所長の小倉健一氏が週刊現代に寄稿した記事から、その実態を引用して紹介します。タイトルは『「今こそ運賃と税金を上げて、赤字路線の拡充を」…東京新聞記者の主張から読み解く「日本社会の闇」』です

「お気持ち」で税金の無駄遣い

「画(え)になる」ということなのか。

メディアがローカル線の赤字問題を取り上げるとき、どんなに赤字でこの路線を残すために、莫大なお金が必要と誰もがわかっていても、必ずといっていいほどセンチメンタルに「鉄道がなくなると寂しい」と嘆く住民の声を紹介している。

そういったことはテレビだけで、新聞は違うのかと思いきや、やはり構図は一緒だ。

どう考えても将来性もなく廃線を選ばざるをえないような路線でも、なぜか(誰も乗っていない)鉄道を残してほしいという声を長々と紹介していくのである。地方において、街の中心が駅でないようなことはたくさんあり、沿線住民であっても誰も乗っていないことは、みんなが知っているような事実だ。

2022年3月25日に野村総合研究所が公開した「ローカル線沿線住民約1万人を対象とした地域公共交通に関するアンケート調査」によると、75%が最寄りのローカル線を「ほぼ利用しない」と回答する一方、52%の回答者が、ローカル線は「地域住民の心の支えになっている」と回答した。

野村総研プリシパルの新谷光太郎氏は、東洋経済(10月15日号)の取材に対して、「廃止議論で反対運動が起きるのは、そういった(52%の回答者が、ローカル線は「地域住民の心の支えになっている」と回答したこと)『気持ち』によるところが大きいだろう」「廃線が衰退ではなく、時代に合わせた新しい公共交通に変わっていくという姿を見せられるかどうかで、その意向も変わっていくのではないか」と指摘している。

誰も使っていない鉄道を「お気持ち」で存続させ、鉄道会社の経営体力を奪い将来への投資機会を閉ざし、税金を投入しているのであれば無駄遣いを重ねている。この原因は、メディアの両論併記にあるように感じている。経済合理性を欠いた鉄道存続を願っているのは、ごく一部の鉄道ファン、あるいはバス通学をしたくない高校生だけだ。

赤字垂れ流しながらダラダラと議論をしていると、地域の活力を根こそぎ奪っていくのだから、メディアは真実をきちんと国民の目に伝える役割を担うべきだ。

赤字でも「路線の拡充」?

と、機会をみつけては指摘をしてきたのだが、先日、両論併記どころかあからさまな赤字路線擁護をしている新聞記事を見つけてしまった。

東京新聞・編集局次長の嶋田昭浩氏による記事である。その記事は、「<視点>「民間」任せの限界では 鉄道開業150年」というタイトルで<2022年10月14日 06時00分>に東京新聞のオンラインに掲載されたものだ。

嶋田氏の<視点>には、このようなことが書かれている。

まず、国鉄からJRへと民営化された経緯を振り返り、「住民本位の鉄道に変えていく努力はJR時代の課題」であり、その課題は山積しているが、「コロナ禍により鉄道各社の収支は悪化。今後の人口減少を見据え、運転本数が減らされた」「貨物輸送も、環境問題やトラック運転手不足への対応から、機関車の運転士1人で最大10トントラック65台分のコンテナを運べる鉄道が見直されている」としている。

ここまでで分量としては全体の9割強を構成しているが、概ね事実を列挙しているだけで、特に感想はない。嶋田氏の<視点>が述べられているのは、最後の3文である。

(鉄道の本数が低下しているという話を受けて)むしろ求められるのは旅客貨物両面のネットワーク拡充。鉄道会社任せでなく、さらなる経営努力を支える国などの支援が必要だ。便利で環境負荷が小さいイメージが伝われば、運賃や税金での負担増も受け入れられやすくなる

一体、どういう事実をもとに、どうやって論理を構築すると、このような結びになることができるのだろうか。今こそ、運賃と税金上げて赤字となっていても路線の拡充をしろというのである。

もっと合理的に考えよう

需要が減っているのに、供給量を増やせばいいという主張が「むしろ求められている」とはどういうことなのか。大赤字の鉄道網を維持させるために増税しろ、も理解に苦しむ。何より危ういのが、「便利で環境負荷が小さいイメージ」という表現だ。

この<視点>を書いた東京新聞・編集局次長の嶋田昭浩氏はどのような人物か。

ツイッターのアイコンは鉄道写真。プロフィールには、「小学生の頃、八高線の鉄道100年D51運転に出会い、さらに八王子機関区で旧形ELを撮影して鉄道好きに。」とある鉄道大好き、鉄道ファンである。

新聞の検索サービスで、「嶋田昭浩」と東京新聞で検索すると、2021年3月以降、36本の記事がでてくるが、そのうちの25本が鉄道関連の記事であった。東京新聞の鉄道担当であると言っていいだろうが、問題は嶋田氏が「鉄道好き」というセンチメンタルな視点から、記事を執筆している疑いがある点だ。

これまで、私は、メディアに潜む「鉄道ファン」が偏向報道を繰り返した結果、将来性もなく、誰も乗っていない列車の維持が続いている可能性を指摘してきた。センチメンタル(情緒的)に鉄道の必要性を語り、経済合理性が捻じ曲げられてきた結果、日本の地方は疲弊してきたのである。

このあたり、現代ビジネスの<鉄道ファンが地方を滅ぼす…!「もっと早く鉄道を廃止すればよかった」と地方町長も大後悔した「衝撃的な理由」>で詳細を述べてきたが、簡単にいえば、赤字ローカル路線の維持を諦めて、違うことに投資すべきだし、ダラダラと赤字路線を維持すれば、それだけ地方もJRも疲弊してしまうということだ。

環境負荷も高い

当たり前のことだが、住民にとって大事なことは、鉄道ではなく、暮らしなのである。嶋田氏は、列車に「便利で環境負荷が小さいイメージ」を持っているようだが、地方の赤字ローカル線においては、まったくそのようなことはない。

まず不便だ。列車は線路の上しか走ることができず、駅でしか止まることができない。他方、クルマは自宅から目的地まで自由な経路を通ることができる。これがバスであっても、鉄道よりは自由度が高い。北海道の新ひだか町では、鉄道の維持をやめてバスに切り替えたが、イオンまでの時間、学生が高校まで行く通学時間のいずれもが改善した。自治体外からの人の流入も認められているのだという。

そもそも駅の周辺が街の中心になっていない地域も多く、バスはその点自由に走ることができるのだ。どう考えても鉄道は不便だ。

次に、環境について。よく、列車はエネルギー効率がいいという言い方をする人がいる。つまり、同じ距離を運ぶのに、バスよりも鉄道のほうが環境に優しく、効率がいいという指摘である。

しかし、これも少し考えればわかることだが、乗客がほぼ誰も乗っていない列車が、効率がいいわけがない。鉄道のほうがエネルギー効率がいいとする調査は、全国の乗車数の平均値で比較しているケースが多い。エネルギー効率が悪いということは、無駄に電力を費やしているということであり、環境負荷も高いということになる。

つまり、赤字ローカル路線は不便であり、環境負荷は大きく、エネルギー効率も悪いのである。嶋田氏が「便利で環境負荷が小さいイメージ」と表現したのは、まさに「イメージ」であって、実態を表していないミスリードの疑いがある。

鉄道ファンが、センチメンタルな気分で世論を危うい方向に誘導してはいないのか。日本社会の闇の深さを思い知った次第だ。

 都会地区では鉄道会社が駅の沿線を開発し、特に駅近郊にショッピングセンターや住宅ビルを建て、それによって乗客を増やし、業績の向上をはかると言ったビジネスモデルが存在し得ます。しかし地方でかつ過疎の地域では先ず無理でしょう。

 乗客の減少が経営を圧迫し、便数や客車の数を減らしても、なお改善しなければ、他の交通手段に変えなければ経営は破綻します。第3セクターで行政が経営の中に入っていれば、赤字補填のための税金投入が必要となりますが、鉄道を利用しない人にとっては不満が増えるでしょう。

 国全体の経済が右肩上がりで、多くの税収を見込めた時代には、鉄道に限らず比較的容易に補助金等の導入が可能だったでしょうが、今の日本ではそれは見込めません。

 地方の過疎化が進み、疲弊して行くにつれ、地方を守れという意見が増えてきますが、国全体も弱くなっている今、もうその余力は日本にはないでしょう。ですから地方独自の町おこし、村おこしが、真に必要な時代に入ったと思います。見渡せばいくつかの町や村でその努力が報い、場所によっては人口が増えているところもあります。

 センチメンタルではもう日本を救えないのです。ひとえにその土地の住民の努力が、その土地の発展を可能にする時代です。安易に「国が・・・」と言う前に、知恵を絞る時代です。そしてそれが強い日本の再生にもつながると思っています。

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