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2022年11月 1日 (火)

「赤字路線の拡充を」:センチメンタルに人に訴え、世論形成するメディアに騙されるな

9-2_20221031153201  経済合理性を無視して、センチメンタルに人に訴え、世論を形成し国や地方自治体の税金をあてがう。高齢者や障害者などの弱者救済という意味では、もちろん必要ですが、そうでないところにもこうした声があるのが実態です。

 イトモス研究所所長の小倉健一氏が週刊現代に寄稿した記事から、その実態を引用して紹介します。タイトルは『「今こそ運賃と税金を上げて、赤字路線の拡充を」…東京新聞記者の主張から読み解く「日本社会の闇」』です

「お気持ち」で税金の無駄遣い

「画(え)になる」ということなのか。

メディアがローカル線の赤字問題を取り上げるとき、どんなに赤字でこの路線を残すために、莫大なお金が必要と誰もがわかっていても、必ずといっていいほどセンチメンタルに「鉄道がなくなると寂しい」と嘆く住民の声を紹介している。

そういったことはテレビだけで、新聞は違うのかと思いきや、やはり構図は一緒だ。

どう考えても将来性もなく廃線を選ばざるをえないような路線でも、なぜか(誰も乗っていない)鉄道を残してほしいという声を長々と紹介していくのである。地方において、街の中心が駅でないようなことはたくさんあり、沿線住民であっても誰も乗っていないことは、みんなが知っているような事実だ。

2022年3月25日に野村総合研究所が公開した「ローカル線沿線住民約1万人を対象とした地域公共交通に関するアンケート調査」によると、75%が最寄りのローカル線を「ほぼ利用しない」と回答する一方、52%の回答者が、ローカル線は「地域住民の心の支えになっている」と回答した。

野村総研プリシパルの新谷光太郎氏は、東洋経済(10月15日号)の取材に対して、「廃止議論で反対運動が起きるのは、そういった(52%の回答者が、ローカル線は「地域住民の心の支えになっている」と回答したこと)『気持ち』によるところが大きいだろう」「廃線が衰退ではなく、時代に合わせた新しい公共交通に変わっていくという姿を見せられるかどうかで、その意向も変わっていくのではないか」と指摘している。

誰も使っていない鉄道を「お気持ち」で存続させ、鉄道会社の経営体力を奪い将来への投資機会を閉ざし、税金を投入しているのであれば無駄遣いを重ねている。この原因は、メディアの両論併記にあるように感じている。経済合理性を欠いた鉄道存続を願っているのは、ごく一部の鉄道ファン、あるいはバス通学をしたくない高校生だけだ。

赤字垂れ流しながらダラダラと議論をしていると、地域の活力を根こそぎ奪っていくのだから、メディアは真実をきちんと国民の目に伝える役割を担うべきだ。

赤字でも「路線の拡充」?

と、機会をみつけては指摘をしてきたのだが、先日、両論併記どころかあからさまな赤字路線擁護をしている新聞記事を見つけてしまった。

東京新聞・編集局次長の嶋田昭浩氏による記事である。その記事は、「<視点>「民間」任せの限界では 鉄道開業150年」というタイトルで<2022年10月14日 06時00分>に東京新聞のオンラインに掲載されたものだ。

嶋田氏の<視点>には、このようなことが書かれている。

まず、国鉄からJRへと民営化された経緯を振り返り、「住民本位の鉄道に変えていく努力はJR時代の課題」であり、その課題は山積しているが、「コロナ禍により鉄道各社の収支は悪化。今後の人口減少を見据え、運転本数が減らされた」「貨物輸送も、環境問題やトラック運転手不足への対応から、機関車の運転士1人で最大10トントラック65台分のコンテナを運べる鉄道が見直されている」としている。

ここまでで分量としては全体の9割強を構成しているが、概ね事実を列挙しているだけで、特に感想はない。嶋田氏の<視点>が述べられているのは、最後の3文である。

(鉄道の本数が低下しているという話を受けて)むしろ求められるのは旅客貨物両面のネットワーク拡充。鉄道会社任せでなく、さらなる経営努力を支える国などの支援が必要だ。便利で環境負荷が小さいイメージが伝われば、運賃や税金での負担増も受け入れられやすくなる

一体、どういう事実をもとに、どうやって論理を構築すると、このような結びになることができるのだろうか。今こそ、運賃と税金上げて赤字となっていても路線の拡充をしろというのである。

もっと合理的に考えよう

需要が減っているのに、供給量を増やせばいいという主張が「むしろ求められている」とはどういうことなのか。大赤字の鉄道網を維持させるために増税しろ、も理解に苦しむ。何より危ういのが、「便利で環境負荷が小さいイメージ」という表現だ。

この<視点>を書いた東京新聞・編集局次長の嶋田昭浩氏はどのような人物か。

ツイッターのアイコンは鉄道写真。プロフィールには、「小学生の頃、八高線の鉄道100年D51運転に出会い、さらに八王子機関区で旧形ELを撮影して鉄道好きに。」とある鉄道大好き、鉄道ファンである。

新聞の検索サービスで、「嶋田昭浩」と東京新聞で検索すると、2021年3月以降、36本の記事がでてくるが、そのうちの25本が鉄道関連の記事であった。東京新聞の鉄道担当であると言っていいだろうが、問題は嶋田氏が「鉄道好き」というセンチメンタルな視点から、記事を執筆している疑いがある点だ。

これまで、私は、メディアに潜む「鉄道ファン」が偏向報道を繰り返した結果、将来性もなく、誰も乗っていない列車の維持が続いている可能性を指摘してきた。センチメンタル(情緒的)に鉄道の必要性を語り、経済合理性が捻じ曲げられてきた結果、日本の地方は疲弊してきたのである。

このあたり、現代ビジネスの<鉄道ファンが地方を滅ぼす…!「もっと早く鉄道を廃止すればよかった」と地方町長も大後悔した「衝撃的な理由」>で詳細を述べてきたが、簡単にいえば、赤字ローカル路線の維持を諦めて、違うことに投資すべきだし、ダラダラと赤字路線を維持すれば、それだけ地方もJRも疲弊してしまうということだ。

環境負荷も高い

当たり前のことだが、住民にとって大事なことは、鉄道ではなく、暮らしなのである。嶋田氏は、列車に「便利で環境負荷が小さいイメージ」を持っているようだが、地方の赤字ローカル線においては、まったくそのようなことはない。

まず不便だ。列車は線路の上しか走ることができず、駅でしか止まることができない。他方、クルマは自宅から目的地まで自由な経路を通ることができる。これがバスであっても、鉄道よりは自由度が高い。北海道の新ひだか町では、鉄道の維持をやめてバスに切り替えたが、イオンまでの時間、学生が高校まで行く通学時間のいずれもが改善した。自治体外からの人の流入も認められているのだという。

そもそも駅の周辺が街の中心になっていない地域も多く、バスはその点自由に走ることができるのだ。どう考えても鉄道は不便だ。

次に、環境について。よく、列車はエネルギー効率がいいという言い方をする人がいる。つまり、同じ距離を運ぶのに、バスよりも鉄道のほうが環境に優しく、効率がいいという指摘である。

しかし、これも少し考えればわかることだが、乗客がほぼ誰も乗っていない列車が、効率がいいわけがない。鉄道のほうがエネルギー効率がいいとする調査は、全国の乗車数の平均値で比較しているケースが多い。エネルギー効率が悪いということは、無駄に電力を費やしているということであり、環境負荷も高いということになる。

つまり、赤字ローカル路線は不便であり、環境負荷は大きく、エネルギー効率も悪いのである。嶋田氏が「便利で環境負荷が小さいイメージ」と表現したのは、まさに「イメージ」であって、実態を表していないミスリードの疑いがある。

鉄道ファンが、センチメンタルな気分で世論を危うい方向に誘導してはいないのか。日本社会の闇の深さを思い知った次第だ。

 都会地区では鉄道会社が駅の沿線を開発し、特に駅近郊にショッピングセンターや住宅ビルを建て、それによって乗客を増やし、業績の向上をはかると言ったビジネスモデルが存在し得ます。しかし地方でかつ過疎の地域では先ず無理でしょう。

 乗客の減少が経営を圧迫し、便数や客車の数を減らしても、なお改善しなければ、他の交通手段に変えなければ経営は破綻します。第3セクターで行政が経営の中に入っていれば、赤字補填のための税金投入が必要となりますが、鉄道を利用しない人にとっては不満が増えるでしょう。

 国全体の経済が右肩上がりで、多くの税収を見込めた時代には、鉄道に限らず比較的容易に補助金等の導入が可能だったでしょうが、今の日本ではそれは見込めません。

 地方の過疎化が進み、疲弊して行くにつれ、地方を守れという意見が増えてきますが、国全体も弱くなっている今、もうその余力は日本にはないでしょう。ですから地方独自の町おこし、村おこしが、真に必要な時代に入ったと思います。見渡せばいくつかの町や村でその努力が報い、場所によっては人口が増えているところもあります。

 センチメンタルではもう日本を救えないのです。ひとえにその土地の住民の努力が、その土地の発展を可能にする時代です。安易に「国が・・・」と言う前に、知恵を絞る時代です。そしてそれが強い日本の再生にもつながると思っています。

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