日本に戦後最大の安全保障危機、台湾・朝鮮半島「連動有事」11月勃発か
先月、中国の習近平政権3期目入りのニュースが世界中を駆け巡りました。一方それ以前から韓国保守系の尹錫悦新大統領の誕生に併せて、北朝鮮のミサイル実験は連日のように行われています。更には2月から始まったロシアのウクライナへの侵略戦争も、いよいよ泥沼化してきて出口のない戦闘が続いています。
これら独裁の隣国3国に西側を囲まれた日本は、逃げ場のない地政学的リスクを抱えているのが現状です。そうした中ジャーナリストの加賀孝英氏がzakzakにコラムを寄稿しました。タイトルは『台湾・朝鮮半島「連動有事」11月勃発か 米、金正恩氏の〝斬首作戦〟決意 中国「台湾攻撃シフト」完成、日本に戦後最大の安全保障危機』で、以下に引用して掲載します。
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中国による軍事的覇権拡大や、北朝鮮の核・ミサイル開発など、わが国を取り巻く安全保障環境が極度に悪化している。岸田文雄政権は、国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定と、防衛力の抜本的強化を加速させている。先週明らかになった米国製の長距離巡航ミサイル「トマホーク」の購入の動きは、その一環といえるが、間に合わない可能性が出てきた。米政府や米軍は「台湾有事」と「朝鮮半島有事」が連動して早期勃発することを厳重警戒している。米韓両軍は31日、軍用機約240機を投入する合同訓練「ビジラント・ストーム」を始めた。ジャーナリストの加賀孝英氏による最新リポート。
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「日米韓の情報当局が厳戒態勢に入った。『朝鮮半島有事と、台湾・日本有事が近く勃発する』という緊急情報がある。『Xデーは、11月から来年1月にかけて』。悪夢だ。日本にとって戦後最大の安全保障危機だ」
外事警察関係者はこう語った。
北朝鮮は28日、東部江原道通川(トンチョン)付近から日本海に向け、短距離弾道ミサイル2発を発射した。飛行距離は約230キロ。日本のEEZ(排他的経済水域)外に落下した。北朝鮮による弾道ミサイル発射は今月14日以来で、今年に入って25回目だ。
日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長は28日、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表と、韓国外務省の金建(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長とそれぞれ電話で協議した。「地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だ」という認識を共有した。
外務省関係者は「中朝は連動している。北朝鮮は、中国共産党第20回党大会(10月16~22日)の間は、ミサイル発射などの挑発を止めていた。習近平総書記(国家主席)が『異例の3期目』に入って独裁体制を確立し、党大会閉幕を見届けて暴走を再開した」と語った。
防衛省関係者は「米韓情報当局は、『北朝鮮は7回目の核実験を、米国の中間選挙(11月8日投開票)の前に強行する』という情報を入手している。さらに、『韓国の国境近く島への砲撃、韓国軍艦艇への攻撃など、電撃的な軍事行動に踏み切り、第二次朝鮮戦争危機まで画策している』という情報があり、米韓両軍は臨戦態勢に入っている」と語った。
問題は中国だ。
アントニー・ブリンケン米国務長官は26日、米ブルームバーグのインタビューで、「中国政府は現状を受け入れられなくなった」「中国は台湾統一を加速させると決定した。武力行使もある」と異例の警告を発した。
米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長は19日、米シンクタンクのイベントで、「中国の台湾侵略は(これまで想定された)2027年ではなく、22年あるいは23年の可能性がある」と、最新分析を明かした。
元在沖縄米海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・エルドリッヂ氏も最近、「中国による台湾有事は、早ければ11月から来年1月の間に起きる可能性がある」と警告を発した。その根拠は、1.日米台3カ国が台湾防衛準備を始めた。中国は今のうちなら軍事的有利と判断する2.ジョー・バイデン大統領率いる民主党は中間選挙で大敗しそうだ。米政府は大混乱に陥って動けなくなる…などだ。
こうしたなか、バイデン政権は27日、核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」を公表し、中国とロシア「2つの核大国」に対峙(たいじ)する姿勢を明確にした。ただ、北朝鮮に対しては、「米国や同盟国に核攻撃をすれば北朝鮮政権は崩壊する」「金正恩(キム・ジョンウン)政権が核兵器を使って生き残るシナリオはない」と特記した。なぜか。
以下、日米情報当局関係者から入手した驚愕(きょうがく)情報だ。
「米国は『正恩氏が、戦術核を搭載した短距離弾道ミサイルで、韓国を攻撃する最終プランを持っている』という情報を入手している。米国は、北朝鮮の暴走は絶対許さない。正恩氏が核ボタンを押す前に斬首作戦を行う決意だ。朝鮮半島周辺には、核搭載型の原子力潜水艦が極秘配備された」
中国軍は習一派が実権を独占した。「台湾攻撃シフト」が完成した。
「要注意人物は、軍の最高指導機関『中央軍事委員会』副主席に抜擢(ばってき)された何衛東氏。台湾方面を管轄する東部戦区の前司令官だ。ナンシー・ペロシ米下院議長が8月に訪台した後、中国軍は台湾封鎖のシナリオに沿った大規模軍事演習を展開した。弾道ミサイル11発を発射、うち5発を日本のEEZ(排他的経済水域)内に撃ち込み、日本も恫喝(どうかつ)した。この演習の立案者が何氏だ。『何氏が党大会後、習氏に台湾侵攻決行を進言した』という情報がある。北朝鮮の核実験強行が、中朝暴走の引き金になる」
「朝鮮半島有事」と「台湾有事・日本有事」が連動すれば、ウクライナ侵攻で苦境にあるロシアのウラジーミル・プーチン大統領が生き残りのため、「核テロ」に走る危険がある。
日本にとって、国家存亡のときだ。戦後最大の危機が目の前に迫っている。岸田文雄首相は大丈夫なのか。野党はこの危機的状況が分かっているのか。目を覚ませ。何度でもいう。このままでは、日本が本当に潰れてしまう。
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安部元首相が、「台湾有事は日本有事」と発言してから、1年も経っていませんが、習近平国家主席の3期目が確定した後、彼の悲願である台湾統一が目の前に迫ってきています。だがこの記事のように、本当に今年末から来年にかけて、早まってきているのでしょうか。
その真偽のほどはともかく、日本有事になったときの日本の防衛については、全くお寒い情況でしょう。5年かけてNATO並のGDP比2%の防衛力を整備するのも、来年からスタートですし、ミサイルの拡充も4~6年先、そうなると抑止力の整備されない中、台湾侵攻が始まる事になります。サイバー防衛もこれからです。中国はその隙を狙うのでしょうか。
いずれにしろ、まさかと思ったロシアのウクライナ侵略が、現実となったのは記憶に新しいところです。中国の台湾侵攻もないという保証は全くありません。国会も旧統一教会問題に浮かれていないで、真剣に安全保障議論をすべきでしょう。もっとも今の野党にまともに議論できる議員は殆どいないでしょうが。
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