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2023年1月

2023年1月31日 (火)

「非核三原則」を守り、「必要最小限の反撃能力」で日本を守れるのか。岸田首相の「核なき世界」の呪縛

13_20230130163901  核を持たない国ウクライナが、核を持つ国ロシアに侵略され、核使用の脅しを受け続けて1年近くになります。そして同様に核を持たない国台湾が、核を持つ国中国の侵攻の脅しを受けています。核を持つ国がこれほど顕著に核を持たない国を脅し始めたのは最近のことです。

 NATO加盟国で核を持たないドイツなどは、アメリカの核を共有しています。同様にアメリカの同盟国である日本は、アメリカの核の共有を真っ先に考えていいはずでしょう。既に故安部元首相は共有の提案をしていました。

 ところが岸田首相は非核三原則を堅持すると発言、核共有議論を明確に否定しました。広島出身で原爆投下された地元の感情的なものでしょうか。だがそのことと核共有否定はつながるのでしょうか。それに関し国際歴史論戦研究所会長の杉原誠四郎氏が産経新聞にコラムを投稿しています。タイトルは『岸田首相、「平和主義」の呪縛』(1/16)で、以下に引用します。 

岸田文雄首相は、昨年、安倍晋三元首相が凶弾に斃れた後、旧統一教会の問題でつまずき支持率が急落した。それ以来何をしても支持率は回復しない。12月には防衛費倍増、反撃能力保有を盛り込んだ安全保障関連3文書の閣議決定という国防政策の歴史的成果をあげているにもかかわらず、だ。それはなぜか。岸田首相の本質が、相変わらず戦後の、頭かくして尻隠さずの観念的な平和主義にとらわれており、その危うさを国民が見透かしているからではないか。

頭隠して尻隠さずの観念的な平和主義とは何か。それは武器を放棄すれば戦争はなくなるという幼児並みの理想主義と、その理想を抱きつつも現実には 日本は武器を持った米国に守ってもらえばいいという米国まかせの主体性なきご都合主義である。

岸田首相の観念的平和主義は核廃絶にこだわる姿勢に最もよく現れている。いうまでもなく、日本は世界で唯一の被爆国であり、核の脅威には世界一、敏感な国柄であるが、しかし、だからこそ首相たるものは、核兵器保有国は核を手放そうとしないという現実に対しては、リアリズムに徹した態度をとっていなければならない。にもかかわらず、岸田首相の核廃絶への考え方はあまりに観念的で現実に合っていないのだ。

米国の強大な軍事力に守られながら、憲法などで軍事力を否定する観念的な理想を語る日本人の平和主義は、戦後の宰相、吉田茂がつくった戦後レジームが生んだものだが、岸田首相は相変わらず、その旧態依然とした戦後レジームのなかの発想のままである。

昨年、ロシアのウクライナ侵略が始まった後、安倍元首相はこの深刻な事態に対応して、日本も米国と核兵器を共有する核シェアリングを議論してよいのではないかと発言したが、岸田首相は我が国は非核三原則を堅持しており、政府として議論することは考えていないと直ちに言って、議論することをも封じた。

議論の末に核廃絶のため核シェアリングを否定するのならまだ分かるが、ロシアのウクライナ侵攻と核恫喝という新たな現実を目の当たりにしても、なお、核シェアリングについて議論もしないというのは、首相として責任ある態度と言えるだろうか。もしソ連崩壊後のウクライナで核を放棄していなければ、ロシアはウクライナを侵略しなかったのではないか。歴史を振りかえれば、第二次世界大戦で、日本がもし原爆を持っていれば、アメリカは日本に原爆を落とさなかったという議論もある。それほどに、核の戦争抑止力は決定的なのである。

核不拡散と核シェアリングは矛盾しない

核シェアリングがどれだけ戦争抑止力になるのか。今日の台湾で考えてみるとわかりやすい。台湾は、第二次世界大戦後、蒋介石の率いる国民党政府が移ってきて、中華民国となった。そして1954年アメリカとのあいだで米華相互防衛条約を調印し翌年から発効となった。当時は非核三原則のような考え方は日本でもまだなかったので、アメリカの台湾防衛は必要があれば核を使用することを前提にしていた。

が、1972年2月のニクソン米大統領の中国への突然の訪問を契機として1979年には、米中の国交樹立となった。その結果、米華相互防衛条約は無効となり、アメリカは台湾に駐留させていた軍を撤退させた。台湾に関して、同年、アメリカは国内法として台湾関係法を成立させ、台湾の安全保障に協力は続けているが、アメリカ軍が直接に駐留した米華相互防衛条約ほどの抑止力ではないことはいうまでもない。

中国はそのことを前提に、軍事力の強化を年々進め、台湾との軍事力の差を拡大させ、近時、軍事力を使って台湾を併呑する姿勢すらちらつかせている。台湾の安全は明らかに危険な状況になっている。

もしここで仮に、台湾がアメリカとのあいだで米華相互防衛条約を復活させてアメリカ軍を駐留させ、そのうえでNATO(北大西洋条約機構)と同様の核シェアリングを明確にすれば――現実には不可能であろうが――、いかに台湾の安全は強化されるか。そうすれば日本から見ても台湾近辺の安全が保障されるわけで、日本や韓国にとってもどれほど安全なことか計り知れない。

考えてみるに、核拡散防止と核シェアリングは対立するものではなく、統合して一体的なものであると見るべきではないか。核兵器は本来、存在してはならない兵器であるが、国を守るには極めて有効な兵器であるゆえに、世界各国は自国を守るために核兵器をそれぞれが開発して保有していこうという衝動を持っている。しかし世界中に核兵器があふれることは大変危険なことであり、核拡散は何としてでも防がなければならない。そこで一部の非保有国は自国で開発し所有する代わりにすでに所有している核保有国と条約を結び、核シェアリングをすることによって野放図な核拡散や核使用を制限する仕組みを受け入れるとともに、共有した核で自国への戦争を防止する――。このように考えれば、核拡散防止と核シェアリングは明らかに一体であると考えることができる。

少なくとも、もしその議論を怠った結果、日本を戦争の危険にさらすことがあるとすれば、日本の首相としては許されないことであるし、それは日本近辺の国をも危険にさらすことになる。

広島だから「核なき世界」を?

岸田首相は広島を選挙区とする国会議員として「核なき世界」にことさらに情熱を持っている。それはそれで当然だといえなくはない。しかし、だからといって核をめぐる現実的議論に目を閉ざしたり、議論自体を葬ったりしていいということにはならない。

広島と縁が深いのは岸田首相だけではない。実は筆者の私も広島出身で、原爆で肉親を失っている。広島に原爆が投下されたときに疎開していたので私は助かったが、私の長兄、伯父、伯母はこの原爆で亡くなった。現在の広島平和記念公園内には原爆の子の像が立っている。これは昭和30年、原爆症で亡くなった12歳の佐々木禎子という少女を悼んで立てたものだ。私はこの少女が籍を置いていた中学校に通っていた。そして像を立てることを組織的に始めようと決めた生徒会の会長は私のクラスから出た級友だった。それだけではない。この少女の兄、雅弘氏は、高等学校では同級生で、席は長く私の隣だった。

その私から見ても、「核なき世界」を目指すからといって核シェアリングについて議論もしないというのはいかにも短絡的で国民を危険にさらすように映る。岸田首相が「広島」を強調して議論もしないと言うのを聞くと、堪えがたく違和感を覚えるのだ。広島出身だからこそ、核シェアリングについて真剣に議論しなければならないのではないか。「核なき世界」を目指すからといって核シェアリングについて議論もしないというのは明らかに誤った判断であると思うのだ。

岸田内閣の支持率の低さを見れば、国民は明らかに岸田首相に危うさを見出している。岸田首相として、もしそこから脱出したいなら、安倍政治の遺産を引き継ぐ者として、日常の決断にあたっては、つねに安倍元首相ならばどのように判断するか、そのことを素直に考えて決断していくようにすべきだと思う。

 安保三文書の閣議決定をし、防衛費の増額を内外に発信、更には異次元の少子化対策を打ち上げたところは評価してもいいと思いますが、相変わらず「必要最小限の措置としての反撃能力」や「非核三原則堅持」では、大きな風穴があいた安全保障政策だと断じざるを得ません。

 となりには強大な軍事大国があり、多くの核弾頭を積載したミサイルが日本に照準を合わせている現実を見れば、「必要最小限の反撃能力」などあっという間に木っ端みじんになるでしょう。また「核」を持たない日本には、軍事力だけではなくありとあらゆる手段で侵略を仕掛けてくるでしょう。そういう現実を見ずに、まさか今でもアメリカが全面的に守ってくれると思っているのでしょうか。

 現実を見れば、「最大限の反撃能力」を保持し、核をあらゆるところに配備して、北京や上海に照準を合わせ、核攻撃を仕掛けれてくれば即座に反撃する、という意思表示をしなければ、完全に中国の戦略の渦中に投げ出され、将来は属国化の道をひた走ることになるでしょう。中国の狙うのは台湾だけではありません。台湾の次は尖閣、沖縄、そして本土と覇権主義国家は「クリミヤ方式」で狙ってきます。それを止めるのは「核」を含む「最大限の反撃能力」だと思いますね。

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2023年1月30日 (月)

自衛官冷遇の衝撃実態、ししゃも2尾の「横田飯」 ネットでは「病院食ですか?」の声 予算増で改善待ったなし

10_20230129150201  ロシアのウクライナ侵略の衝撃で、俄に高まった防衛力強化の動き。長年GDP1%枠にこだわってきた日本の防衛費予算も、5年後を目処にNATO並の2%へ増枠する動きが顕在化しています。

 ただこれまでの乏しい予算の中で、継戦能力に必要なミサイルや弾薬が乏しく、兵舎などの設備も老朽化していると言います。更には食事なども。国防ジャーナリストの小笠原理恵氏がzakzakに寄稿した記事がその実態を伝えています。タイトルは『自衛官冷遇の衝撃実態、ししゃも2尾の「横田飯」 ネットでは「病院食ですか?」の声 岸田首相は心が痛まないのか』(1/29公開)で、以下に引用します。

岸田文雄政権が「防衛力強化」「防衛費増加」を進めるなか、危険を顧みず、国防や災害派遣に日々邁進(まいしん)する自衛官の待遇改善を求める声が高まっている。GDP(国内総生産)比1%程度の防衛費を長年強いられたため、老朽化した官舎や隊舎がたくさんあるうえ、給与も警察官や消防士に比べて高いとはいえないのだ。さらに、国防ジャーナリストの小笠原理恵氏が、自衛官に提供される「食」の貧しさについて、驚きの現状を明らかにした。 (報道部・丸山汎)

*********

小笠原氏は25日、インターネット番組「百田尚樹・有本香のニュース生放送あさ8時!」にゲスト出演した。そこで紹介した、航空自衛隊横田基地の公式ツイッターの写真が衝撃的だった。

「空自横田基地の栄養バランスのとれた昨日の食事 #横田飯を紹介します」という説明文とともに投稿されたのは、白米とみそ汁、ししゃも2尾、一握りの切干大根と明太子が並んだ「朝食」の写真だ。粗食をはるかに通り越している。これで激務に耐えられるのか。

小笠原氏は「おかずのお代わりは許されず、カロリーを補うのはご飯のお代わりだけなんです」と語る。

さらに驚くのは、小笠原氏が明かした自衛官らの反応だ。

「『横田飯』の写真を見た、別の基地に勤務する20代後半の隊員は『ししゃもが2本も付くなんてすごいな。普通、朝食は1本ですよね』が感想でした。幹部自衛官は『皆さんが驚かれたことに驚いた』と語っていました。これが国民が知らない実情なんです」

小笠原氏は2014年から「自衛官守る会」代表として、自衛官の待遇改善を訴え続けてきた。息子が入隊したある父親は怒り心頭だという。

「私は真面目に税金もずっと払ってきた。でも、入隊した息子が電話で口にするのは、『おなかが空いた』『おかずが食べたい』と食事のことばかり。自衛官がこんな状況を強いられていることは許せない、と」

横田基地には在日米軍も基地を置くが、米軍の食堂はビュッフェ形式だ。ある自衛官は「向こうは好きなものを自由に食べられる。あまりの差に悔しさが抑えられない」と本音を吐露したという。

自衛隊では、食をめぐる〝不祥事〟も表面化している。

21年10月には、空自那覇基地(沖縄県)の食堂で、40代の3等空佐が、規定の分配量を超える食パンと納豆を不正に複数回、取ったとして停職10日になっている。

昨年6月には、空自入間基地(埼玉県)の食堂で、50代の1等空尉が、「パン2個」か「ご飯茶碗(ちゃわん)1杯」を選択する朝食で両方を手にして、停職3日の懲戒処分となった。

ルールと違うかもしれないが、国民の負託に応えるために危険を顧みず任務を完遂する自衛官には、おなかいっぱい食べさせてあげたい。

実は、ししゃも2尾の「横田飯」の写真が投稿されたのは21年11月のことだ。当時、ネット上で「病院食ですか?」「これで戦えるんですか。たくさん食べさせてあげて」と批判が殺到した。

投稿の3日後には、当時の河野太郎防衛相が「自衛隊の糧食費」というタイトルでブログを更新した。隊員の「『栄養摂取基準』の見直しに着手」したとして、肉類を100グラムから160グラムに増量するなど改め、隊員(陸上勤務員)1人当たり1日899円だった糧食費を932円に増額したことも強調した。23年度予算案では、現在の物価高を受けて947円が計上されている。

河野氏が動いたおかげか、その後、横田基地の食堂には「サーロインステーキ」ランチ(昨年4月)や、「照り焼きハンバーグ付き〝朝カレー〟」(同10月)など、ボリューム感あるメニューも登場している。

首相は「横田飯」に心が痛まないのか

ただ、「問題の根本は変わっていない」と指摘するのは、元陸上自衛官である拓殖大学防災教育研究センター長、濱口和久特任教授だ。

「現在、自衛隊では民間業者に食事を外部委託をしている基地も少なくない。問題が起きたのは、味や内容よりも金額を重視した結果だ」「岸田政権が昨年末、防衛費増額を含む『安保3文書』を閣議決定したのはいいが、自衛官の待遇改善や人員確保などについて実効性を伴う方策が書かれなかった。いくら高額な武器を購入しても、扱う人員やその糧食の部分がおろそかになるリスクは非常に大きい」

夕刊フジでは、冒頭の「横田飯」を踏まえて、自衛官の糧食費や食事面の待遇改善などについて、空自広報と防衛省報道室に質問した。ともに1日あたりの糧食費の単価や、栄養摂取基準などを説明したうえで、次のように回答した。

空自広報「隊員食堂での食事については、精強な隊員の育成及び部隊の士気高揚を図るため、各部隊の栄養士を中心に、隊員のし好に合わせた魅力的な献立を作成しています」

防衛省報道室「引き続き、隊員が任務遂行に当たって必要な栄養を摂取できるよう、適切な食事の支給に努めてまいります」

空自や防衛省に大きな非があるとは思えない。

月額129万4000円の歳費や、同100万円の「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の支給を受け、都心の一等地に高級ホテル並みの議員宿舎を持つ国会議員は、自衛官の待遇を認識しているのか。岸田首相は「横田飯」の写真に心が痛まないのか。

小笠原氏は「自衛官は国を守るための体をつくる食費さえも切り詰められている。一般企業でこれをやったら、訴えられてもおかしくないのではないか。人を大切にしないで、どうやって国を守るのか」と語っている。

 実態がよく分らない状況で意見を挟むのは控えたいと思いますが、もし上記のような状況が実態だとすれば、甚だ遺憾ですね。病院食もかつてに比べればかなり向上しており、むしろ病院食以下とも思ってしまう冒頭の写真。弾薬の充足や兵舎の改善と共に、食事の改善も同時に行わなければ、隊員の士気に関わるのは必至です。

 それでなくとも自衛隊への入隊希望者は減少傾向だと聞いています。いくら国の為、と士気の高い人間でも「腹が減っては戦ができぬ」でしょう。小笠原氏は国会議員の待遇との比較をして改善を求めていますが、他の例として、同じように体力を使うスポーツ選手の食事とは、月とすっぽん程度の差があるでしょうね。少なくともオリンピック選手への食事のレベルまで、というと上げすぎかも知れませんが、今より格段に改善する必要がありそうです。

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2023年1月29日 (日)

疑惑まみれの韓国野党代表で反日の急先鋒李在明氏 保守政権下の執拗な追求で「防弾政治」を崩されるか 

Imagesq  韓国では昨年保守政権が誕生していますが、文在寅前政権を支えた野党「共に民主党」が議会の多数を占めています。その野党の代表が尹錫悦現大統領と大統領選を争った李在明氏です。彼は日本批判の先頭に立つ反日政治家で有名ですが、一方多くの疑惑も抱えています。

 そして李在明氏は現在検察の聴取を受け、その捜査の最中にいますが、彼の動向を産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が、同紙に寄稿していますので紹介します。タイトルは『反日に飛びつく防弾政治』(1/27公開)で、以下に引用します。

国際的に人気のあるKポップ・グループ「BTS」の名前は、「防弾少年団」の韓国語である「バンタンソニョンダン」の「バ」と「タ」と「ソ」の頭文字からきている。しかし、このネーミングはエンタメ系の芸名としては穏やかでない。韓国は国民皆兵で、北の脅威に備える軍事大国だからと考えれば分かりやすいが、実際は「世の中の誤解や偏見、圧力から身を守る」という若者の自己主張の意味でプロダクションが命名したのだそうな。

ところで「防弾」は「わが身を守る」という意味合いで近年、政治の場面でよく登場する。BTSへのあやかりかもしれないが、たとえば「防弾政治」「防弾国会」「防弾選挙」「防弾政党」…というのがそうだ。

とくに昨年の大統領選で惜敗した後、野党「共に民主党」の代表として巻き返しを狙う李在明(イ・ジェミョン)氏をめぐる話にはしきりに「防弾」が登場する。保守の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏に政権を奪われた李氏ら野党勢力は尹政権の足を引っ張るのに懸命の毎日だが、一方で肝心の李氏が〝疑惑まみれ〟で検察の追及を受け、政治生命が危うくなりつつあるからだ。

その結果、李氏および野党は自らを守る「防弾」に余念がなく、世論からは「防弾政治家」「防弾政党」になってしまったと皮肉られている。李氏については起訴はもちろん逮捕請求もありうるため、そうなると現職国会議員の逮捕の是非をめぐって「防弾国会」は必至というわけだ。

李氏の各種疑惑は大統領候補になる前から繰り返し取り沙汰されてきた。ソウル近郊都市の城南市長時代の大型宅地開発をめぐる資金疑惑や、選挙違反事件をめぐる司法介入疑惑をはじめ数多くあって、政権交代を機に捜査が本格化しているのだ。

李氏はすでに検察に出頭し起訴は確実という流れになっているが、李氏や野党陣営は「疑惑デッチ上げ」「保守政権による政治報復」「野党弾圧」と叫んで激しく反発し、ただ今、「防弾政治」を展開中だ。

李氏は大統領選に敗れながら直後の補欠選挙で国会議員になっているが、これも当時、今後の疑惑追及に備え国会議員の不逮捕特権を狙った「防弾選挙」と皮肉られている。

疑惑について李氏は「自分は一銭も受け取っていない」と繰り返し潔白を主張しているものの、過去、弾劾・辞任に追い込まれた朴槿恵(パク・クネ)元大統領は、本人に金銭授受はなかったにもかかわらず「第三者贈収賄」などの罪で起訴・有罪にされた。巨額の開発利益が側近に流れている李氏も逃れられそうにない。

一方、司法介入疑惑の捜査はまだ進んでいないが、こちらは有罪判決の選挙違反容疑が最高裁で無罪へとひっくり返ったもので、李氏側が事前に最高裁判事に繰り返し接触していたという疑惑だ。この逆転判決のおかげで李氏は大統領選に出馬できたという経緯がある。

こうした疑惑まみれの党代表を党が一体となって擁護していることに、野党内部でもやっと疑問と批判の声が出始めている。せっかく国会の過半数を占めている野党も、このまま「防弾政党」では来年の総選挙は危ないというわけだ。

「司法リスク」で戦々恐々の李氏をはじめ野党陣営は世論の関心をそらし、しばし心の癒やしのためにすぐ反日に飛びつく。尹政権の徴用工問題解決案など対日関係改善に向けた積極姿勢を「屈辱外交」「売国的」などといって早速、非難しているが、これなど手垢(てあか)のついた「防弾政治」である。

 BTSはアメリカでグラミー賞にノミネートされるほど人気も高く、日本でも多くのファンがいるようです。しかし彼等は過去に原爆を模したTシャツを着て物議を醸した経緯もあり、元々は多くの韓国タレント同様、反日の意向を持っていると思われます。

 それはともかくこの李在明代表は根っからの反日主義者で、様々な過激な言動を繰返してきましたが、ここに来て過去の疑惑が保守政権の元かなり執拗に追求されるに至って、失脚の可能性も出てきました。

 ある意味、文在寅元大統領より日本にとってより悪質なガンのような存在の彼が、政治生命を絶たれることを願います。そして同時に共に民主党の凋落につながれば日本にとっては朗報となるでしょう。

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2023年1月28日 (土)

朝日新聞、中国と足並み揃え「安保強化」に反対し、「軍拡」「軍事植民地」の表現使用 果たして日本の新聞か

8_20230127152201  GHQの占領政策の中のプレスコード(GHQ占領下で行われた、新聞などの報道機関を統制するための規則)で、当時の日本のメディアはすべてGHQの検閲を受け、占領政策に都合の悪いことは一切発信できないことになりました。

 戦前盛んに戦争を煽った朝日新聞を初めとする新聞は、完全に論調を規制されることとなりました。そうした中朝日新聞は2日間の業務停止命令を受け、その後論調を180度転換、一気に反戦記事を主体とする論調に転換しました。

 その後の占領政策終了後もその論調を引き継ぎ、日本最大の反日反軍、親周辺国(中韓)新聞として今日に至っています。そして今月13日の朝刊1面に、その論調の極みのような記事を掲載しました。憲法学者で麗澤大学教授の八木秀次氏が、zakzakに寄稿した記事から見てみましょう。タイトルは『中国と足並み揃え?「安保強化」に反対する朝日新聞 穏やかではない「軍拡」「軍事植民地」の表現 「沖縄カード」で世論煽るか』(1/27公開)で、以下に引用します。

昨年12月、国家安全保障戦略を含む「安保3文書」が閣議決定された。これを受けて、米ワシントンで今月11日(日本時間12日)、日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が開催され、共同発表が行われた。

これについて、朝日新聞は13日朝刊1面に「視点」という解説記事を掲載した。

「今回の共同発表は、台湾有事を念頭に、自衛隊と米軍が新たな『矛』を手にし、南西諸島でミサイルの軍拡を推し進めることを意味する」

「軍拡」とは穏やかではない。

安保3文書について、中国外務省の汪文斌副報道局長が昨年12月16日、「中国の脅威を誇張し、自国の軍拡を口実とする試みは成功しない」と発言した内容と重なる。

朝日新聞は1月13日付のコラム「天声人語」でも、「会合では、中国にそなえた南西諸島の防衛強化も表明された。政府は、驚くべきスピードで沖縄の自衛隊を増強させようとしており、本島から与那国島まで飛び石のようにミサイル部隊が置かれる計画だ。思えば沖縄は、60年代も対中国の核ミサイル基地に変貌させられた」と書き、以下のように続けた。

「『しょせん、沖縄は日本にとって軍事植民地にほかならない』。地元の作家、大城立裕さんはかつて政府の横暴さを突いた。都合次第で切り捨て、国を守るためという理由で負担を強いる。何度、同じ道を歩むのだろうか」

「軍事植民地」という表現も穏やかではない。

彼らには「台湾有事」、すなわち中国による台湾への軍事侵攻の危険性という現実が目に見えないようだ。日本が勝手に中国を口実に「軍拡」し、沖縄に負担を強いろうとしていると理解しようとしている。

沖縄を含む南西諸島は台湾と目と鼻の先にある。

昨年8月に、ナンシー・ペロシ米連邦議会下院議長(当時)が台湾を訪問した報復に、中国人民解放軍が台湾を包囲する軍事演習を行った。その際、中国軍は、沖縄県・与那国島沖の日本の経済的排他水域(EEZ)に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。南西諸島を守るためにも、南西諸島の防衛強化が必要なのだ。何も「軍事植民地」にしようというのではない。

しかし、「安保3文書」への反対運動を煽るのが不発に終わったことから、通常国会ではこの「沖縄カード」を持ち出して反対運動をたきつけようとしているのではないか。東京はもちろん、当の沖縄で大規模な反対運動が展開される可能性がある。

朝日新聞など左派系の新聞は、戦後一貫して日本の安全保障強化に反対してきた。それはまた左派系の大衆運動と一体でもあった。

実は、その同じ新聞が戦前戦中には戦意高揚や強硬論を煽って世論を動かし、政府を戦争へと押しやったのだ。

 朝日新聞は一方では慰安婦強制連行問題を捏造し、謝罪に追い込まれた苦い経験を持ちながらも、相変わらず日本の新聞でありながら、ことごとく日本の弱体化に加担する周辺国賛美新聞です。

 その周辺国が如何に反日運動を繰り広げようが、日本を標的に軍拡を進めようが、それには一切目をつぶり、日本が普通の国になろうとして、防衛力をNATO並にしようとしているのを、殊更大げさに批判するのです。

 全く日本の新聞とは思えません。韓国にも左派系新聞は存在しますが、反日反米ではあるが反韓国ではないと思います。朝日も反米親中だけであれば分りますが、反日もそこに加わる事が最大の特徴でしょう。日本には全く不要な新聞だと思います。

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2023年1月27日 (金)

中国「非公式警察署」東京・銀座と名古屋にも 米報告書が指摘、「れっきとした侵略」なのに政府の対応は?

Gettyimages120206324911200x800700x420  以前にも取り上げましたが、中国の「非公式警察」の存在。今回日本の政府の対応を揶揄するかのように、既に2019年にアメリカの保守系シンクタンクが報告書で指摘していたのです。

 その内容を産経新聞の論説副委員長の佐々木類氏がzakzakに寄稿していますので引用します。タイトルは『中国「非公式警察署」東京・銀座と名古屋にも 米報告書が指摘 伊警察との合同パトロール成功が設置のきっかけか…「れっきとした侵略」石平氏』(1/26公開)です。

通常国会が、23日召集された。中国が軍事的覇権拡大を進めるなか、防衛力強化に向けた国家安全保障戦略など「安保3文書」の審議が最大の焦点となる。同時に、中国が日本国内に拠点をつくり、政財官界に浸透するだけでなく、在日中国人を監視・追跡する「非公式警察署」を設置していることも看過できない。産経新聞論説副委員長、佐々木類氏は、米保守系シンクタンクの報告書から、新たに、東京・銀座と名古屋にも「非公式警察署」の存在をつかんだ。岸田文雄政権は「目に見えぬ侵略」をいつまで放置するのか。

***********

東京・銀座のど真ん中にある雑居ビル。秋葉原に続き、都内で判明した2カ所目の「非公式警察署」がそこにあった。名古屋市内では、繁華街・栄地区に位置する久屋大通り公園に面する雑居ビル内に存在した。

これは、米首都ワシントンにある保守系シンクタンク「ジェームズタウン財団」が、2019年1月5日付電子版で公表した報告書で指摘していた。

最初に判明した秋葉原の「非公式警察署」は、中国の人権問題を監視するスペインの人権NGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が昨年9月の報告書で明らかにしたものだ。

Fmubqikauaijwj2 筆者は先週、夕刊フジ連載第3回で、22年5月15日付の中国共産党江蘇省委員会新聞(電子版)の公開情報をもとに、福岡県内にも「非公式警察署」が存在していることを報じた。

さて、「ジェームズタウン財団」の報告書によると、世界各国で主権侵害の疑いが指摘されている「非公式警察署」の前身は、18年10月に南アフリカに設立された「警察協力センター」だという。「純粋な警察組織ではないが、中国共産党政権と深い関係にあるという点で、警察組織のようなものだ」と指摘する。

報告書は、南アフリカの駐中国大使館と、警察協力センターの関係について、「両者とも、南アフリカにいる中国人の生命と財産を保護するための組織であると強調している」という。

両者に共通するのは、中国共産党の海外情報機関「党中央統一戦線工作部(統戦部)」が関与している事実には触れず、習近平国家主席の掲げるスローガンを繰り返し発信するなど、「政治目的を持っていることが明らかな点」だという。警察協力センターは現在、統戦部の下部組織になっているようだ。

そして、統戦部が、世界各国に「非公式警察署」を設置するきっかけになったのは、筆者の見立てでは、16年から始まったイタリア警察と中国警察による合同パトロールの成功体験にあるのではないかとみている。

イタリア北部にはブランド品製作のため、中国人労働者が多数移住したが、労働環境への不満などから一部が暴動を起こすなど、問題となっていた。このため、ローマやミラノ、トリノなどで、10日間~3週間、中国とイタリアの警官4人ずつが一組となってパトロールしたのだ。

発展途上国では、経済支援で駐在する中国人が、地元の暴漢に襲撃されて死傷するなどの被害が出たことを理由に、華僑支援組織の設立を相手国に認めさせ、事実上の警察活動を始めている。

しかし、日本国内に複数の「非公式警察署」が存在している事実は、中国の浸透工作の深刻さを示すものだ。

■石平氏「非公式警察署もれっきとした侵略」

中国事情に詳しい評論家の石平氏も「正直、驚いた。(中国共産党江蘇省委員会新聞などを見る限り)民主活動家や一般の中国人の監視や妨害活動など、やりたい放題だ。人民解放軍による日本上陸は歴然とした侵略だが、非公式警察署の存在もれっきとした侵略だ」と語る。

林芳正外相は昨年11月29日の記者会見で、中国に対して、「仮に、わが国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば、断じて認められない旨の申し入れを行っている」と述べ、関係省庁とも連携して対応する考えを示した。

欧米各国が昨年中から、捜査や閉鎖要求に乗り出しているなか、岸田政権の動きは見えない。

石氏は「最低限、『非公式警察署』を閉鎖させられないと、自国に対する主権侵害を容認したことになる」と対応の甘さを批判した。

通常国会では、与野党が「非公式警察署」の問題を徹底的に議論して、岸田政権に「検討ではなく断固たる行動」を要求すべきである。

 この問題こそ国会論戦で野党の追及の対象とすべきでしょう。旧統一教会問題などとは次元の違う主権侵害問題です。だが今のところ議論が行われた情報はありません。

 数年前から欧米では取り上げられていたこの問題、日本のメディアに登場し始めたのは昨年くらいからではないでしょうか。その政府対応も佐々木氏の記事にあるように、「仮に、わが国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば、断じて認められない旨の申し入れを行っている」と、いつも通りの答弁で、積極的に排除しようとする姿勢は殆ど見られません。本当に主権に関わる問題とみているのか疑わしい限りです。やはり中国への忖度が前面に出ているのでしょうか。

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2023年1月26日 (木)

長谷川幸洋氏:韓国が「核武装」するかもしれない…!「安全保障オンチ」な岸田政権との決定的な差

Images_20230125142301  日本は新安保3文書を閣議決定し、「反撃能力」を戦後初めて盛り込み、防衛費の大幅増にも舵を切りました。だが今だに「専守防衛」の旗は降ろさず、「非核三原則」も堅持したままです。

 そうした中、韓国が核共有に前向きとなる姿勢を示し始め、なおかつ北朝鮮の動向によっては、核開発も検討対象にするという方向性を示し始めました。この日韓の核に対する考え方の違いについて、ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、現代ビジネスに寄稿した記事から見てみましょう。タイトルは『韓国が「核武装」するかもしれない…!「安全保障オンチ」な岸田政権との決定的な差 なんと脳天気なことか』(1/20公開)で、以下に引用して掲載します。

韓国大統領が「核開発」に言及

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が1月11日、独自核開発の可能性に言及した。岸田文雄首相は13日、ワシントンで米国のジョー・バイデン大統領と会談し、日本の防衛力強化を約束したが、核問題については「素通りした」も同然だ。それで日本は大丈夫か。

尹大統領の核武装発言について、なぜか日本のマスコミは、ほとんど報じていない。だが、当の韓国はもちろん、米国でも注目を集めている。尹大統領はいったい、何を語ったのか。

朝鮮日報によれば、尹氏は11日、韓国国防部と外交部の報告を受けた形で「北朝鮮による挑発がさらに激しくなった場合、戦術核兵器を配備し、独自の核武装を検討する」と語った。ただし「米国が各戦力を運用する過程で、韓国がそれに参加するのが現実的な手段」と付け加えた。

1月12日付のニューヨーク・タイムズによれば、尹氏は「核開発は、まだ公式な政策ではない。北朝鮮の核の脅しが高まれば、韓国は独自に核開発するか、あるいは、米国に核の再配備を求める。米国との同盟関係を強化することによって、北朝鮮の核の脅威に対抗できる」と語った。同盟関係強化とは「米国に核共有を求める」という話だろう。

韓国の野党系、ハンギョレ新聞は14日、大統領発言を取り上げ「波紋が大きく広がっている」と報じた。同紙によれば、大統領は「韓国の科学技術で、早期に韓国も(核兵器を)保有できる」と語ったという。

尹大統領が核開発の可能性に言及するのは、これが初めてだ。日本のマスコミが報じないのは半信半疑だったせいかもしれないが、感度が鈍すぎる。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、韓国では核武装の議論が高まっていた。大統領発言は思いつきではない。

沈黙を続ける岸田政権とマスコミ

マスコミの鈍さは、日米首脳会談についての報道にも表れている。左派マスコミは別として、概ね「日米同盟の抑止力を強化」とか「反撃能力の協力で一致」などと前向きに評価したものの、核問題についての解説や報道は皆無に近かった。識者たちのコメントも同様だ。

日米首脳会談の共同声明は「バイデン大統領は、核を含むあらゆる能力を用いた、日米安全保障条約第5条の下での、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメント(関与)を改めて表明した」とほんの一言、核に触れるにとどまった。

この素っ気なさについて、私が見た限りでは、産経新聞が社説で「物足りない点もある。…中国、北朝鮮、ロシアが核戦力を増強する中で、日本を守る核抑止態勢の具体的強化策は示されなかった。今後の課題である」と書いたくらいだ。

いまや「核の脅威」は避けて通れない。なぜなら、日本は中国、ロシア、北朝鮮という核を保有する独裁国家に囲まれている。次に、北朝鮮は繰り返し、日本周辺にミサイルを撃ち込んでいる。そして、ロシアは現実にウクライナを核で脅しているからだ。

にもかかわらず、岸田政権は「核の脅威」など存在しないかのように、核による反撃能力について、まったく沈黙している。昨年12月23日公開コラムで指摘したが、先に閣議決定した国家安全保障戦略など防衛3文書は「非核3原則を維持し、拡大抑止を含む日米同盟が安保政策の基軸」と書いたにすぎない。

1月11日にワシントンで開かれた防衛・外務閣僚による日米安全保障協議委員会(2+2)の共同発表は「米国の核態勢の見直しについて、突っ込んだ議論を行い…実質的な議論を深めていく意図を有していることを改めて表明した」と書いた。これも裏を返せば、実質的な議論はなく「これから議論しようという意志を確認した」だけだ。

これ1つとっても、韓国との違いは鮮明である。

韓国は北朝鮮の脅威に対抗して、独自の核武装さえ選択肢の1つとして検討しようとしている。日本の岸田政権は核武装どころか、米国との核共有も求めていない。それどころか「核を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核3原則を唱え、米国の核持ち込みも否定している。バイデン政権の言葉を信じて疑わないかのようだ。

バイデンは高笑いしている

なぜ、こうなってしまうのか、といえば、理由ははっきりしている。岸田政権は「核廃絶」を看板に掲げているからだ。主要7カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催が象徴しているように、岸田首相にとって、核廃絶は最重要政策だ。

バイデン大統領も首脳会談で「核兵器のない世界に向けて、ともに取り組んでいく」と同調した。だが、そんな言葉を額面通りに受け止めていいのか。米国が「核なき世界に向けて、日本とともに取り組む」と言うのは、それが「米国にとって都合がいい」からだ。

日本が核廃絶を唱える限り、日本は絶対に核保有を言い出せないし、米国との核共有も要求できない。自分が「核を捨てよう」と言っているのに「オマエの核を使わせてくれ」などというのは、完全に矛盾してしまう。それこそが、米国の望むところなのである。

日本が自前の核を保有せず、米国との核共有も言い出さなければ、日本の運命は米国が握ったも同然の状態が続く。日本の安全保障を約束する代わりに、米国は圧倒的に有利な立場を維持できる。

米国のホンネは、いま核を捨てるつもりなど、まったくない。それは「見果てぬ遠い将来の夢」にすぎない。ウクライナでロシアの現実的な脅威に対峙している米国が「核廃絶に動く」などと考えるほうが、どうかしている。

「その気」はまったくないが、日本の首相が唱える核廃絶に調子を合わせているのは、そうしておけば、日本が自ら手を縛ってくれるからだ。大統領はホワイトハウスの回廊で、岸田首相の肩に手を添え、にこやかに振る舞っていたが、高笑いが止まらなかったのも当然だ。

現実を直視している韓国

韓国の尹政権は、はるかに現実的だ。先のニューヨーク・タイムズは、次のような韓国の専門家の言葉を紹介している。

〈もしも韓国が核を保有すれば、米国は同盟国を守るために核を使うべきか否か、という問題に悩まなくて済むようになる。韓国が核を持てば、米国も実際、より安全になるのだ。自前の核武装の意図を宣言することによって、韓国は北朝鮮に核開発計画の再考を迫ることができる。そして、おそらく平壌に計画撤回を迫る圧力になるはずだ〉

米国を説得するロジックの1つではある。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に成功しかかっているいま、核をめぐる環境は劇的に変わった。米国がソウルを守るために「ニューヨークやワシントンを犠牲にしたくない」と考える可能性は十分ある。

韓国の国民も核武装に前向きだ。

シカゴ国際問題評議会とカーネギー国際平和財団が昨年2月、韓国で実施した世論調査では、回答者の71%が独自の核開発に賛成し、56%が米国の核兵器の韓国配備に賛成していた。

「独自の核開発」か「米国核の再配備」か、という二択の質問では、圧倒的多数の67%が独自の核開発に賛成し、米国核の再配備に対する賛成は9%しかなかった。逆に、米国核の再配備には40%が反対し、独自の核開発に対する反対は26%にとどまった。

なんと脳天気なことか

尹大統領発言の背景には、こうした核武装に前向きな世論がある。背景にあるのは、ロシアによるウクライナ侵攻だ。

昨年4月6日付のニューヨーク・タイムズは「ウクライナが1990年代に核を放棄したとき、ロシアに対して脆弱になるという論争があった。だが、韓国の多くの国民は『もはや議論の余地はない』と考えている。『北朝鮮の侵攻を防ぐには、核が必要だ』という声がオンライン上にあふれた」と報じた。

岸田政権は、なんと脳天気なことか。

自民党も似たようなものだ。亡くなった安倍晋三元首相が昨年2月、米国との核共有を問題提起したことなど忘れたかのように、岸田政権がお印のような反撃能力の保有を言っただけで、すっかり満足してしまったように見える。

安倍氏は草葉の陰で泣いているだろう。核問題に関する限り、私は「日本は韓国に学べ」と言いたい。

 反日国家「韓国に学べ」とは、正直言いたくないのですが、こと「核」の問題に関しては学ぶ必要があるでしょうね。安部元首相亡き後、誰が核の共有や開発を提唱するのでしょうか。岸田首相に期待できない今、閣僚の中から声を大にする人物が出てくることを願わずにはいられません。

 「反撃能力」を保持することでさえ、大きな転換だと騒ぐ日本。しかし今まで政治家もメディア人も学者も含めて、そうでなかったことの方が不思議だと思わない国民が多いことこそ、安全保障に関しては如何に「お花畑」に埋もれてきたかを物語っています。

 核の被害国だから反核を主張し絶対に保有しない。これは戦争に負けたから軍事力を持たない、に通じる、非論理の極みだと思います。核の被害国だから二度と核に脅かされないよう、核を保有する。戦争に負けたから、負けないように軍事力をより増強する。この方がよほど論理的だと私は思います。非論理を強制されたのはGHQのWGIPからなのです。今こそ日本人は覚醒せねばなりません。

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2023年1月25日 (水)

朝日新聞の〝敗北宣言〟か、7年前の「戦争法案」とは違い反対運動起きなかった「安保3文書」

7_20230125082901  2015年、安倍政権で安保法制を立法化しようとしていたとき、国内の左派がこぞって反対の声を上げていました。特に朝日新聞はその先頭に立ち、憲法違反、戦争する国になる、といった左派の意見を積極的にくみ入れ、また自らも発信し反対運動を推し進めました。結果的には立法化されましたが、戦争する国にはなっていません。

 今回安保3文書の改訂作業が完結し閣議決定しましたが、一部反対もあったにせよ、それほど盛り上がった感じはしません。何故でしょうか。そのあたりの事情を内閣官房・教育再生実行会議有識者委員の八木秀次氏が、zakzakに寄稿した記事から見てみましょう。タイトルは『朝日新聞〝敗北宣言〟か 7年前の「戦争法案」とは違う…反対運動起きなかった「安保3文書」 現実的な対応が必要との認識が浸透』(1/24公開)で、以下に引用します。

昨年12月16日に閣議決定した「国家安全保障戦略」など「安保3文書」は、外国が日本を攻撃しようとした場合に、その国のミサイル基地などに打撃を与える能力(反撃能力)を保有することや、対GDP(国内総生産)比2%への増額などを明記した。

米国の歴史学者、エドワード・ルトワック氏は、これにより「米国から言われてやるのではなく、日本の国益および日米の集団的安全保障に照らして日本が自発的に政策決定を下すようになった」として日米の安全保障関係は「日米3・0」になったと高く評価した(産経新聞1月20日付)。

一方、反撃能力を「敵基地攻撃能力」と呼び続け、「専守防衛」を空洞化させるとして反対の論陣を張ろうとしていた朝日新聞は12月17日付の第1社会面に、反対運動が盛り上がらなかったことへの「敗北宣言」か「諦め」であるかのような大型記事を掲載した。

いわく、「先制攻撃に道を開きかねない防衛政策の大転換。そんな事態でも、集団的自衛権の行使容認にかじを切った7年前とは違って、街で話題になることがあまりないようだ。なぜなのか」。

7年前とは安倍晋三政権の安保法制のことだ。「戦争法案」と呼んで反対する野党に大半のメディアが同調し、国会前で連日反対運動が展開された。メディアが若者の反対運動を好意的に取り上げ、反対の声が増幅された。

特定秘密保護法制定のときも、テロ等準備罪(共謀罪)の新設の際にも、朝日新聞をはじめメディアは「ひそひそ話もできなくなる」「暗黒社会になる」「花見の下見をしただけで逮捕される」などと、根拠のない不安を煽るキャンペーンを展開し、連日反対デモが行われた。

しかし、「安保3文書」では目立った反対運動は起きなかった。朝日新聞は、コロナやサッカーW杯や旧統一教会問題に話題がさらわれたことに理由を見いだそうとしているが、的外れだ。

理由ははっきりしている。ロシアによるウクライナ侵攻が現実に起こり、中国による台湾侵攻への危険性も高まっていることで、国民一般の安全保障観が大きく変化したからだ。

メディアがかつてのように反対運動を煽ろうとしても国民はなびかない。逆に、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさに、現実的な対応が必要との認識に至っている。

朝日新聞の全国世論調査でも、「外国が日本を攻撃しようとした場合に、その国のミサイル基地などに打撃を与える能力を自衛隊がもつことに賛成ですか」との問いに、「賛成」56%、「反対」38%との結果となった(昨年12月17、18日実施)。

メディアが世論を煽って政治を動かすパターンは過去のものになろうとしている。

 確かに日本を取り巻く安全保障環境はこの数年で様変わりしました。中朝露の覇権や威嚇の動きはそれ以前にもありましたが、ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮のミサイル発射挑発回数の大幅アップ、中国の習近平政権三期目になっての台湾武力侵攻の現実性が見えて来たことなど、昨年一気にその激変が起こったのです。

 これにより当然国民の目にも、ただならぬ気配が感じられるようになったのでしょう。もはや朝日のような左派系メディアが、反対を煽ろうとも効き目が薄らいできたのは間違いないでしょう。

 しかし彼等の後ろには、虎視眈々とステルス侵略を図ろうとする中国がいます。警戒を怠ることなく彼等を注視し、捏造やフェイクで国民を洗脳しようとする動きを、見逃さないようにしなければならないと思います。そしてゆくゆくは日本を弱体化しようとするこういった新聞は、廃刊に持って行ければと強く思います。

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2023年1月24日 (火)

これもステルス侵略。日本の高級ブランド農産物が中国で大量栽培。その損失額は数百億に上る。

A8lwea33  日本のブランド化された農産物の流出が止まりません。先月、韓国へ高級ブドウ「ルビーロマン」の流出事件を紹介しましたが、中国への流出も数多いと言われています。

 今回は中国に流出した「シャインマスカット」の記事を取り上げます。産経新聞論説副委員長佐々木類氏がzakzakに寄稿した記事で、タイトルは『止まらないブランド農産品の流出 自治体の対策だけでは限界、国は日本の知的財産を守れ! 種苗法改正も時すでに遅し「シャインマスカット」など中国流出』(1/23公開)で、以下に引用します。

シャインマスカットは、国立研究開発法人の農研機構果樹茶業研究部門が33年かけて開発した。それを韓国に留まらず中国も盗んでいる。

日本の農家から盗んだ品種を自国で栽培し、果物市場へ流通させる。姿を隠した巧妙な手口、これも1つの「ステルス侵略」といえよう。

国や自治体、生産者が長い年月と資金をかけて開発したブランド農産品の種苗の海外流出が止まらない。

推計される生産量をもとに、日本側に支払う品種の利用許諾料(出荷額の3%と仮定)を算出すると、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が品種登録している高級ブドウ「シャインマスカット」の中国への流出だけでも、年間100億円以上の損失が発生している。

農水省によると、イチゴだけでも、5年間で最大220億円の損失に上る。最近では、みかんの産地で知られる愛媛みかんの「愛媛38号」が中国に流出していたことが判明した。

2021年4月の種苗法改正で、農作物の新品種は海外への持ち出し制限を付けられるようになったが、時すでに遅し。シャインマスカットは、改正前に中国に流出していた。改正以降も流出は後を絶たない。

同年6月、シャインマスカットの苗木4株を許可なく販売目的で保管していた愛媛県西条市の会社員の男が、種苗法違反容疑で警視庁に書類送検された。男は「小遣い稼ぎだった」と供述しているが、この行為が生産者らに甚大な被害をもたらしかねない。農水省によると、栽培面積は日本の約30倍の5万3000ヘクタールにまで拡大しているという。

たかだか書類送検事案というなかれ。事件は苗木を接ぎ木すればいくらでも増やせるという事実を物語っている。

シャインマスカットは17年ごろから、中国で「陽光バラ」「香印翡翠(ひすい)」などの名で広く販売されているのが確認されている。

流出した新品種が海外で産地化されれば、生産者らが本来得られる利益が失われてしまう。ブランド品は紛れもなく日本の知的財産であり、中国や韓国による窃盗を許してはならない。

それにはまず、日本自身が脇を固めないとならないのである。種苗法こそ改正したが、商標登録が進まず流出先の農家にやりたい放題されてしまうという現状がある。

初競りでひと房100万円以上の値がついた石川県産の高級ブドウ「ルビーロマン」と同じ名称のブドウが昨年、韓国で流通していることが県の調査で判明した。

金欲しさに苗木を盗み海外流出させる日本人がいる以上、自治体や生産者だけでは種苗の流出は防げない。海外における商標登録も煩雑だ。国が責任を持って流出防止に努めていかねば、中国や韓国のステルス侵略を防ぐことは不可能だ。

 今月初めこのブログで「農水省とJAが牛耳る日本の農業政策。実態は衰退の一途で危機が目前に迫っている」を取り上げましたが、このブランド農産品のように、数少ないとはいえ伸びている生産物の保護に対しても、農水省の怠慢が見られるようです。

 もちろん盗んだ先の中国や韓国が悪いのですが、それを持ち出す日本人がいることも大変残念なことです。一時の金儲けの為に、何百億もの損害を日本に与えてしまっています。長期の懲役刑に処したいものです。

 日本は先端技術にしろ、アイデア商品にしろ、苦労して開発したものを簡単に盗まれてしまう脇の甘さがあります。今は高度成長を終えた停滞期にあるのに、そうしたことはますます日本の弱体化につながってしまいます。政官業一体になって中韓のようなパクリ国家に盗まれないよう、気を引き締めなければならないと思います。

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2023年1月23日 (月)

過剰に優遇される中国人留学生、自民・小野田議員が国費使った制度に警鐘を鳴らす

6_20230122172401  前回、中国の日本へのステルス侵略を取り上げました。前回とは違う視点で今回も取り上げたいと思います。ご承知の通り日本も外国人留学生を招き入れていますが、特に中国人留学生に対する優遇処置が問題とされています。

 今回はその実態に切り込んだ自民党小野田議員の取り組みについて記述した、産経新聞論説副委員長の佐々木類氏のzakzakの記事を紹介します。タイトルは『「アンバランスな免税措置」どれほどの日本人が知っている? 過剰に優遇される中国人留学生 自民・小野田議員、国費使った制度に警鐘』(1/21公開)で、以下に引用します。

日本の排他的経済水域(EEZ)内に5発もの弾道ミサイルを撃ち込み、相互主義に反して日本人の渡航ビザ(査証)などの発給手続きを停止する。そんな国から来た留学生が過剰なまでに厚遇されていることを、どれほどの日本人が知っているだろうか。

1983年に締結された日中租税条約21条では、教育を受けるために日本に滞在する中国人留学生が生活費や学費のために得るアルバイトの給与を免税扱いにしているのだ。

これは、留学生の交流促進を図る目的で導入された。雇用先の企業を通じて税務署など関係先に必要な届け出をすれば、アルバイト代は源泉徴収の対象とならず、課税されないで済む。

免税措置は、中国に滞在する日本人留学生にも適用される建前だ。

ただ、日本人留学生が中国で就労許可を受けるのは容易ではない。日本で働く中国人留学生に比べて、中国でアルバイトを希望する日本人留学生も限られる。中国人留学生が免税を受けるケースが圧倒的に多く、バランスを欠いているのが現状だ。

昨年6月13日の参院決算委員会で、自民党議員から「アンバランスが生じている」との指摘が出たのは当然だ。

日本政府は遅まきながら、この免税措置の撤廃に向け、日中租税条約改正の検討を進めている。近年、留学生が受け取るアルバイト給与について、居住する滞在国で課税を受けることが国際標準となっているためだ。

日本政府は、米国やシンガポール、マレーシアなどとの租税条約を改正する際に、免税規定を削除してきた。

一方、中国以外でも、韓国やフィリピン、インドネシアなど、免税規定が残っている条約国もある。政府関係者は「関係省庁で連携し、積極的に既存の条約の改正に取り組んでいる」と語る。

こうした問題について、かねてより取り組んできたのが、自民党の小野田紀美参院議員だ。小野田氏が指摘するのは、費用対効果だ。

小野田氏は夕刊フジの取材に対し、「日本が年間180億円以上もの国費(税金)を注ぎ込みながら、中国や韓国などの反日姿勢は変わっておらず、友好親善に寄与しているとは思えない」(2019年4月20日付電子版)と指摘していた。

現在、日本の大学生は2人に1人が奨学金を利用している。奨学金には大きく分けて給付型と貸与型がある。

給付型は返済の必要はないが、貸与型は卒業後に返済義務が生じる借金であり、卒業後に返せなくなって自己破産というケースも少なくない。

日本人の学生は、給付型奨学金の支給額が月額で2万~4万円程度。それが、外国人の研究職の国費留学生の場合、月額14万円強に上る。

日本の大学生の約半数が奨学金という名の借金を背負い、卒業後の奨学金破産が社会問題化するなか、あまりに公平を欠くと思うのは筆者だけだろうか。

日本人の学生にこそ国費を投じ、即戦力として世界で戦えるような人材に育てるべきである。

 この日本人学生と中学生留学生の奨学金の額の差は、ネットなどで再三指摘されてきたところです。さらにアルバイトの給与の免税処置も加わって、入りも出の両方で税金の大盤振る舞いとなっています。

 小野田議員の指摘の通り、それが日中の友好親善に殆ど寄与していないとなれば、すぐさまこの優遇処置を撤廃すべきでしょう。さらにこの中国留学生が、日本の技術や情報を盗み去る恐れも大いにあります。中国には「国家情報法」があり、「国の情報活動を強化、保障し、国の安全と利益を守ることを目的とする」法律で、国外にも適用される恐れが大きいとされます。こんな国の学生を優遇することは日本の国益に反していると、はっきり言えるでしょう。

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2023年1月22日 (日)

中国に加担する日本メディアと情報工作に弱い日本社会が、中国の日本へのステルス侵攻を加速している

4_20230121104701  中国の情報工作は凄まじいものがあります。台湾へ洪水のように偽情報を送りつけているのは周知の事実ですが、日本へも多かれ少なかれ、攻撃を続けているのは間違いありません。日本人が気づかない間に攻撃が浸透しているのです。

 NHKを始め、TBSやテレビ朝日などの地上波放送局に、中国のメディア対策費が多く支給されている可能性があります。また局の社員の中にも在日中国人や中国に傾倒している人も多いものと思われます。

 一方左派系新聞も同様でしょう。朝日や毎日、東京新聞と言ったところは特に中国寄りの記事が多く見られるようです。参議院議員の和田政宗氏が、月刊hanadaプラスに投稿した記事の一部から取り上げて見ましょう。タイトルは『毎日新聞の主張は中国の主張そのもの』(1/19公開、「CSISシミュレーション 中国を撃退する“4つ”の条件」の中の一部)で、以下に引用します。

元日から始まっている毎日新聞の特集連載記事『「平和国家」はどこへ』はかなり中国寄りである。1回目の記事では、「日台に軍事連絡ルート」との見出しで、自衛隊と台湾軍が直接やりとりできる連絡体制ができていることを、毎日新聞の取材で日本政府高官が認めたとしている。

私はこの記事は、抑止力が高まる等の肯定的な結論になるのかと思って読み進めたら、そうではなかった。Yahooニュースなどで配信された記事では、「日台の防衛当局が連携を強化すれば、中国が激しく反発し、かえって東アジアの安全保障環境を不安定化させることにつながりかねない」と締めくくっている。

この主張はまさに中国の主張そのものであり、SNS上でも反発の声が広がった。毎日新聞もさすがにまずいと思ったのか、ネット配信分の記事は削除され、現在は見られなくなっている。

中国はSNSにおいても工作を進め、日本に厭戦ムードを作り出すことを目指すであろう。日本国内の米軍基地を使わせないだけでも勝利につながるのであるから、世論工作でそれができるのなら中国にとってこれほど得なことはない。

こういった調略、情報工作には中国はその歴史が始まって以来たけており、日本を含む世界各国でSNSのみならず直接的な働きかけを行っていることが明らかになっている。

我々は中国から情報工作を受けているということを認識することが重要であり、事実と違うものについては私も正確な情報を発信して対抗していきたい。中国の台湾侵略が迫る中、我々は断固台湾を守ることを明示し、日台の交流、日米台の連携を強めていくことが中国による侵略への抑止につながる。

そして、どんな状況になっても日本は台湾を守り、アジアの平和を守るという強い意志を持ち続け、そのための能力を整備していくことが必要だ。しっかりと実現していきたい。

 中国は日本の土地を買いあさり、テレビ局や新聞メディアに入り込んで情報工作を進め、SNSでも洗脳しようとしています。また大量のサイバー攻撃をかけ続けて、技術情報やセキュリティー情報を盗み取ったり、通信の妨害行為からデータ破壊まで行っているようです。

 日本はサイバーセキュリティに弱いとされています。「サイバーセキュリティ基本法」も2015年に施行されていますが、中国のサイバー関連の組織や陣容に比較すれば月とすっぽんです。しかも中国は長期戦略として、日本の属国化を狙っていますから、その工作は極めてステルス的です。

 物理的な防衛力に加えてこの情報防衛力は、中国と比べ周回遅れなのが現実です。防衛力の増強は政府が決断しましたが、サイバー攻撃やSNSを利用した情報攻撃にも、対応できるよう法を含め整備を急がねばなりません。もちろん一般人に紛れ混んだ工作員によるスパイ工作に関しても同様です。

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2023年1月21日 (土)

元徴用工・強制動員説を声高に唱える韓国の市民団体が掘った盛大な墓穴 彼等の取り上げた資料が否定する強制動員説

3_20230120132601  韓国で尹錫悦大統領による保守政権発足以来、文在寅前政権時代に極限まで悪化した、日韓関係の修復をしようという動きが進み始めました。中でも日韓の最大の棘となっているのが徴用工問題。韓国側は、最近になって政府が韓国の財団による肩代わりを提唱しましたが、これに原告側が激しく抵抗しているのが現状です。

 しかしこの徴用工問題、二つの点で韓国側に非があります。一つは日韓請求権協定で解決済みだと言うこと。もう一つは原告の主張が必ずしも国際法違反の不当な徴用とは言えるのかと言うことです。

 特に後者の点について、それを覆すと思われる記事がビジネスライターの羽田真代氏によって、JBpressに寄稿されていますので以下に引用します。タイトルは『元徴用工・強制動員説を声高に唱える韓国の市民団体が掘った盛大な墓穴 煙草の配給名簿や一時帰国証明書が明らかにした日本政府の手厚い対応』(1/20公開)です。

 2023年1月12日、韓国では元徴用工問題(旧朝鮮半島出身労働者問題)の公開討論会が開催された。当日は会場に詰めかけた市民団体などの野次が目立ったが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は日本企業の賠償を韓国の財団に肩代わりさせる解決案を月内にも先行公表する方向で調整に入ったと言われている。

 このままこの問題はすんなりと解決に向かうのだろうか。

 韓国では、文在寅(ムン・ジェイン)政権の時に左派・市民団体の反日主張であふれた。だが、最近は国民の「反日疲れ」や、慰安婦の支援団体で長年代表を務めた尹美香(ユン・ミヒャン/挺対協<現:正義連>元代表)氏の疑惑の数々もあり、これら問題に対する国民の関心は薄れている。

 業務上横領罪などに問われた尹美香氏には、検察側が2023年1月6日に懲役5年を求刑した。判決は同年2月10日に言い渡される。

 この求刑からほどなくして、北朝鮮のスパイとして摘発された議員補佐官がいた。韓国のネットメディアがその人物を「尹美香の補佐官だ」と報じたことで、尹美香氏は別の面からも国民の注目を集めている。

 ちなみに、彼女の夫とその妹は北朝鮮のスパイ容疑で1993年に有罪になったが、文在寅政権下で再審を要求し無罪になっている。

 北朝鮮スパイとして摘発された男性補佐官は、Colabo代表理事の仁藤夢乃氏と正義連の活動をともにしたことがあり、日本でもそれが話題になっている。

 これらの出来事が影響したこともあり、韓国では徴用工問題や慰安婦問題離れが加速している。

 そのような中、徴用が強制だったことを裏付ける証拠として市民団体が公表した煙草配給用紙を韓国メディアが一斉に取り上げた。国民の関心を呼び寄せようと元徴用工問題の公開討論会前に標的とされたのは、日本が世界遺産の登録を目指す佐渡金山だった。

強制労働者の配給にタバコを入れるか?

 日韓併合時代の“日本の悪行”について調査する韓国の団体の一つに、「日帝強制動員&平和研究会」がある。団体のトップは、チョン・ヘギョン代表研究委員という63歳の女性だ。

 2023年1月9日、この団体は佐渡金山側が煙草を配給する時に作成した、いわゆる『朝鮮人煙草配給名簿(煙草名簿)』3種や付属文書などを分析し、佐渡金山に強制動員された朝鮮人745人の名前を確認したことを明らかにした。

 煙草名簿3種から抜き出した朝鮮人494人の情報の他、国家記録院などが保管している強制動員関連名簿7種、日本市民団体による調査結果、過去の新聞記事などの資料24種を分析して580人余りの姓と名前を確認し、160人余りの姓名の一部あるいは日本名を確認したそうだ。

 この件について書かれた論文は、韓日民族問題学会の学会誌「韓日民族問題研究」の最新号に掲載された。

 ここまで読んだだけで既に“ピン”とこられた方も多いのではないだろうか。「どこの国に、強制労働者に煙草のような嗜好品を配給する国があるのか」と。

 その当時、最も大衆に親しまれていた「金鵄(きんし/元の名前はゴールデンバット)」という煙草は、1943年に値上げがされて1箱15銭もしたそうだ。軍用の「ほまれ」は7銭だった。

 この頃、はがきは2銭、銭湯が8銭、米10キロが3円36銭、巡査の初任給が45円だったから、煙草はそれなりにいい値段のする嗜好品だったことがよく分かる。煙草名簿に名前のあった494人にどのような銘柄の煙草を配給していたのか定かではないが、配給1回分だけでも相当な金額になったのは明らかである。

 日本人でも貴重だった煙草。それを強制労働者である朝鮮人に配給するなんておかしな話だ。

朝鮮人労働者に一帰国証明書を出した当時の日本政府

 チョン氏は意気揚々と、「佐渡金山に強制動員された朝鮮人745人の名前を確認した」と述べていたが、彼女は名簿から朝鮮人と思われる人物の名前を拾っただけで、彼らが強制動員されたかについては証明していない。

 それでも、多くの韓国メディアはこぞって彼女のことを取り上げた。

 この件を報じる記事には、参考資料として佐渡金山の宿舎「相愛寮」の煙草名簿と付属文書が参考資料として使われていることが多い。その中で、聯合ニュースだけは「日本・高知県に動員されたジョン・ウルロク(安田一郎)の一時帰鮮証明書」も参考資料として掲載していたので、その内容についても合わせてご紹介したいと思う。

 彼の一時帰鮮証明書には「母病気看病ノタメ左記ノ通リ期間延長ノ許可ス」との記述がある。強制労働者に帰鮮を許せば、二度と日本に戻ってこないかもしれないのに、日本政府(帰鮮の許可を出したのは警察署だが)はこれを許した。

 聯合ニュースでは、「一時帰鮮証明書を受け取って帰った人のうち、27人が期間内に寮に復帰しなかったという記録がある」「ここには『家庭の事情で寮復帰が遅れた』と書かれているが、このうち15人は最後まで佐渡鉱山に戻らず脱出に成功した」と紹介していた。

 鉱山の仕事は誰にでもできるような仕事ではない。それなりの体力と忍耐が必要で、これに耐えられなくなった朝鮮人の中には逃げ出す者も多かった。佐渡鉱山に至っては14~15%の労働者が逃亡できる環境にあったそうだ。佐渡鉱山では厳しい監視体制が敷かれていなかったということだ。

 強制労働者を働かせる時には逃げ出さないようにすることが大前提だが、日本はなぜそれをしなかったのだろう。

 それに、先にご紹介した安田氏の場合は帰鮮期間を延長するために延長申請をわざわざ出している。少なくとも彼には強制労働から逃れたいという考えはなかったようだ。

 彼の一時帰鮮証明書は「第1790号」だ。1人が複数回この証明書を受領していた場合もあるだろうから、この数字がそのまま帰鮮の対象人数を表しているわけではないが、少なくとも日本は1790回も帰鮮許可を出していた。こんなことが強制労働者相手にありえるだろうか。

説得力を失う韓国の主張

 煙草名簿や一時帰鮮証明書だけをみても「日本に強制動員された」という韓国側の主張には信憑性がないことがよく分かる。だが、「日帝強制動員&平和研究会」のチョン氏は資料を都合よく解釈して「佐渡金山に強制動員された朝鮮人745人の名前を確認した」と主張し、韓国メディアが報道した。

 しかし、さすがに今回の彼女の発表は韓国側にとってマイナスにしかならないのではないか。強制動員相手に煙草を配給したり、帰鮮許可を出したりと、日本側が朝鮮人相手に手厚く対応していたことが世間に知れ渡ってしまっては韓国側の主張はさらに説得力を持たなくなってしまうからだ。

 2023年1月10日、岸田首相がフランス・パリで国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアズレ事務局長と会談し、佐渡鉱山に関する日本政府の立場を説明、世界文化遺産登録に向けて理解を求めた。

 日本政府は2022年2月に佐渡鉱山をユネスコに推薦したものの、内容の不備を指摘されて登録を断念している。今は推薦書を修正して2024年以降の登録を目指しているので、日本政府の動きが本格化すれば、韓国からまた妨害しようとする動きが出るだろう。

 しかし、彼らの主張は根拠がなかったり、矛盾していることが多い。面倒なことだが、我々はそんな彼らの主張を一つひとつ指摘し、正していく必要がある。

 煙草名簿と一時帰鮮証明書は、日本が強制労働していなかった証拠になり得る。この事実がもっと韓国に広まれば、日本に対して謝罪や賠償を求める声が減るのになと思う。

 韓国人の中には、識者も含めて韓国の反日団体の主張に疑問を持っている人も多いとは思いますが、韓国は日本のような言論の自由はありません。これまでも多くの韓国在住の親日学者や文化人が、売国奴と言われたり非国民と罵られて、不当な扱いを受けてきました。

 それを助長したのが、日本政府の韓国に対する甘い対応だったと思います。併合時代の韓国の歴史書にしろ、竹島の領有権それに慰安婦や徴用工問題など、完全に自国に都合のよいように作り替えられ、国民を教育し、強力な反日国家に仕立てられた経緯があるにもかかわらず、殆ど何も異論を主張をして来ませんでした。

 更にそれを助長したのが、日本の反日左翼思想家や団体でした。彼等は韓国の反日団体と手を組み、あるいはそそのかし、親日家を叩き反日活動を続けてきたのです。これに北の工作員の後ろ盾もあり、文在寅政権下でそれまでより強力な反日国家が誕生したのでした。

 ここまで浸透した反日の土壌が、尹錫悦政権でどこまで回復するかは見通せません。ただこれまでの韓国の主張が「嘘で固めた」主張だったことを、徹底的に論破することは極めて重要なことです。そして真実の歴史を知ることは韓国の為にもなると言うことを、韓国人にも理解させることは重要でしょう。時間はかかると思いますが。

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2023年1月20日 (金)

ロシアの高官二人の日本に対する発言、独裁国家のまさに唯我独尊の極みだ

1_20230119103301  ウクライナ侵略を仕掛け、一般人の殺戮など戦争犯罪を積み重ねているロシア。そのロシアの二人の高官が意味不明な日本批判をしています。その内容を今回取り上げます。

 一つは産経新聞から1/14公開された、メドベージェフ安全保障会議副議長のこの発言。タイトルは『露前大統領、岸田首相に「切腹」要求』で以下に引用します。

ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は14日、ウクライナでのロシアの核使用は「人類に対する敵対行為」になると警告した岸田文雄首相とバイデン米大統領の共同声明について「とてつもない恥で、コメントすらできない妄想」と非難した。恥をそそぐには岸田氏が「閣議で切腹するしかない」と述べ、強く反発した。

通信アプリの投稿でメドベージェフ氏は、核兵器を使用した唯一の国は米国であり、その被害を受けたのが日本であることを岸田氏は「完全に無視し、米大統領に謝罪を求めることもしなかった」と指摘した。(共同)

2_20230119103401  そして二つ目は同じ産経新聞の記事で1/18公開されたラブロフ外相のこの発言。タイトルは『ロシア外相「日本が再び軍国化」 対抗措置を警告』で、以下に引用します。

ロシアのラブロフ外相は18日、モスクワで年頭記者会見を開き、米欧諸国がアジア太平洋地域でロシアと中国を軍事的に封じ込めようとしており、「日本もその一翼を担っている」と主張した。日本の防衛費増額などを念頭に「日本は再び軍国化を進めている。そのために邪魔な憲法の改正を行うだろう」と持説を述べた上で、日本の防衛力増強にロシアは対抗措置をとると警告した。

ラブロフ氏はウクライナ侵略の開始後にロシアが一方的に停止を宣言した日露平和条約の締結交渉にも言及。交渉過程でロシアが北方領土問題の棚上げを主張したことなどには触れず、「ロシアは包括的な平和条約の締結を提案したが、日本側が拒否した」と主張した。一方で、ガルージン前駐日大使の後任を近く任命する意向を明らかにした。

ウクライナ侵略に関してラブロフ氏は、ロシアを弱体化させるために米欧諸国がウクライナに傀儡(かいらい)政権を樹立し、ロシアにとって脅威となる軍事インフラの構築やウクライナ国内のロシア系住民への「迫害」を進めさせてきたことが要因だとするロシア側の主張を展開し、侵略を改めて正当化した。

 いずれも自己中の極みのような噴飯物の発言ですが、どんなに言葉を飾っても、ウクライナで展開されている残虐非道な戦争犯罪行為は、決して拭い去られるものではないでしょう。

 ロシアの前身ソ連はかつて第2次大戦末期、日本が近々降伏することを知りながら、終戦の約1週間前に日ソ中立条約を破棄して、満州、樺太、千島に攻め込み、一般人への殺戮や強姦などの残虐行為を重ね、満州の日本兵等60万人をシベリアへ拉致、抑留し、強制労働させ5万人以上の死者を出した、残虐な戦争犯罪を起こしています。

 ロシア人すべてがそうではないというのはもちろんですが、その政治家や軍人、治安部隊は共産主義のもとで醸成された、残虐非道なDNAを持っているようです。そしてソ連解体後もそのDNAが引き継がれていることが、このウクライナ侵略で証明されたようです。

 ウクライナのネオナチの討伐という戦争目的が、如何に空疎なものか、自分たちがまさにヒットラーとナチスの生まれ変わりになっていることが、分らないようです。しかも日本に対してのこの二人の高官の発言。独裁国家の唯我独尊の典型例のようだと思いますね。

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2023年1月19日 (木)

中国の春節間近、だが不透明な中国でのコロナ感染実態 世界が恐れる「変異株」と中国人観光客による拡散

Photo_20230119092201  中国の春節が迫ってきました。タイなどの中国人観光客歓迎ムードの国は少数派で、欧米や日韓など民主主義先進国は、軒並み水際対策を強化しています。そんな中、入国時検査を実施する日韓には、ビザ発給一時停止の処置をするという暴挙に出ているのはご承知の通りです。

 日本でも感染拡大が続いていましたが、つい最近はピークアウトしたのかな、と言うような動きも見せています。そこへ中国人がどっとやってくることはかなりのリスクがあります。なぜなら中国はゲノム解析をやめたとされ、変異株の状況が分らないからです。

 そうした現在の中国の状況を、女性セブンの記事をNEWSポストセブンが公開していますので、以下に引用します。タイトルは『不透明な中国でのコロナ感染実態 世界が恐れる「変異株」と中国人観光客による拡散』(1/17公開)です。

 いつになったら新型コロナとの闘いに終止符が打たれるのか──。多くの人がそう感じながら、押し寄せる流行の第8波に不安を覚えている。だが、国内の感染拡大とは比べものにならないほどの大波が、春節の“観光気分”とともに届こうとしている。

 火葬場では遺体を乗せた車が1km近い行列をなし、病院では廊下やロビーにまでベッドが並べられている──。

 およそ3年前に世界が体験した光景が2023年年初の中国で繰り広げられている。現在、中国全土で新型コロナが猛威を振るい、感染者や死者が爆発的に増加しているのだ。

 だがそうした悲惨な状況にもかかわらず、中国当局が打ち出したのはまさかの「コロナ規制撤廃」だった。1月8日、中国はコロナ対策で超厳格にしていた出入国・出入境規制を緩和。およそ3年ぶりに中国人は「移動の自由」を手に入れた。

 中国在住の日本人が語る。

「これまでは空港に入場する際に陰性証明書が必要でしたが、いまはいらなくなりました。外国から中国に戻ってきたときの隔離措置やPCR検査も撤廃され、事実上の“海外旅行解禁”となりました」

 そして迎えるのが、中国人が大移動する春節の連休(1月21~27日)だ。延べ21億人の移動が見込まれるなか、日本にも多くの中国人がやって来る。そのとき、いったい何が起きるのだろうか。

 コロナ発生後、中国は徹底してウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策を断行し、全国民にPCR検査を繰り返し、感染者や濃厚接触者が出たら即座に隔離して一帯を封鎖した。

 しかし昨年12月、当局は方針を大転換。オミクロン株は軽症、無症状が9割以上で、重症率は1%前後にとどまるなどのデータをもとに従来の検査や隔離、各種規制を次々と撤廃し、「ウィズコロナ」に踏み切った。

 結果はどうか。1月上旬の段階で、中国当局が公表した昨年12月上旬〜1月上旬までの死者は中国全土でわずか数十人にとどまった。

 だが「この数字は実態とは大きく異なる」と、国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎さんが指摘する。

「ワクチン接種が進んでいないのに一挙に規制を撤廃したことから、中国全土で感染が急拡大しました。ところが当局は大規模なPCR検査を取りやめ、基礎疾患の悪化で死亡してもコロナの死者には含まない方針を打ち出したため、感染者数や死者数の実態が把握できなくなった。世界保健機関(WHO)も『中国政府はコロナの本当の影響を過少報告している』と批判しています」

 医療ガバナンス研究所理事長で医師の上昌広さんも中国当局の姿勢を批判する。

「中国の公式発表には信憑性がありません。現実には中国の感染状況は相当にひどく、病院では充分な医療を受けられず、ドラッグストアの薬はどこも売り切れだそうです。知人の中国人の親族がコロナで亡くなりましたが、診察の順番を待って病院に2時間いるうちに20人が運び込まれて、うち2人がその場で亡くなったと聞きました」

 冒頭で紹介したように、中国・北京の病院は患者があふれかえり、葬儀場で人々が行列をなす映像がSNSで拡散された。火葬場がパンクして、30〜40体の遺体が地面に放置されているとも報じられた。

 感染の規模もすさまじく、中国疾病予防センターの担当者は、人口2000万人以上の首都・北京について、12月末の時点で「感染率は80%を超えた可能性がある」との見方を示した。また、中国全土に目を移しても、全人口14億人の半数近い6億人がすでに感染している可能性があるとも報じられた。

 イギリスの医療関連調査会社は、今後ピーク時に中国で1日あたり最大2万5000人が死亡すると試算する。

 不透明なのは、感染実態だけでない。世界が恐れるのは「中国発変異株」の出現だ。

「6億人が感染したとされる中国では新たな変異株が出現している可能性があります。しかし中国では民間のゲノム解析が禁じられているとされ、変異株の対策が不鮮明です。春節で日本国内に変異株が持ち込まれたら、大変な騒ぎになるでしょう」(一石さん・以下同)

 オミクロン株から変異したウイルスは強毒化の恐れがある上、従来のワクチンが効かないかもしれない。この先、得体の知れないウイルスが日本に上陸する恐れがあるのだ。

「陰性」ばかりの検査キット

 中国のコロナ対策への不信感が募るなか、中国人観光客を通じた感染拡大を恐れる各国は水際対策を強化した。日本政府も中国本土から直行便で来日する渡航者に対し、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明の提出や、入国時に抗原検査より精度の高いPCR検査などを課し、陽性の場合は7日間の隔離となる。

「それでも感染者の上陸をゼロにするのは難しい」

 一石さんはそう指摘する。

「コロナ規制の緩和前も、ビジネス往来する中国人や、外国人は出入国が可能でした。昨年12月30日から1月5日までに中国本土から日本に入国した4895人のうち、408人が空港検査で陽性となりました。韓国では中国からの入国者に『入国前陰性確認書』の提出が義務付けられた初日の1月5日、ある旅客機の乗客278人のうち35人が陽性でした。

 日韓の事例から見て、中国から来る入国者のうち8~12%程度がコロナに感染している可能性があります」

 昨年末、中国からイタリア・ミラノに到着した航空2便に至っては、乗客の半数近くが陽性だった。

 陰性確認書があってもすり抜けが起こるのはなぜか。ひとつの要因は、中国の医療用品にある。

「コロナ初期から中国産の検査キットや医療用マスクは欠陥品だと欧州各国が批判していました。実際に京都府警が中国から不正に輸入された中国製の検査キットを調べると、日本の承認品に比べて264分の1の精度しかなく、結果もほぼ陰性しか出ませんでした。日本や欧米諸国は入国時に72時間以内の陰性証明書の提出を求めていますが、中国で流通する精度の低い検査キットを用いた検査結果の信憑性は高くありません」

 最後の砦となるのが日本の空港におけるPCR検査だが、こちらも盤石とは言い難い。

 カギを握るのは「潜伏期間」だ。オミクロン株は2~3日程度の潜伏期間を経て発症するケースが多い。仮に中国で発行される72時間以内の陰性証明が科学的に正しいものだとしても、中国での検査後に現地で感染して潜伏期間に突入したら、日本の空港でのPCR検査では感知できず、コロナが“密輸”されてしまうのだ。

「中国と日本は渡航距離が短く、渡航中に潜伏していたウイルスが“陽転化”する可能性が低い。日本の空港でのPCR検査を潜伏してすり抜けた中国人観光客が入国後に陽性化し、観光地で感染が拡大する恐れがあります」

 コロナ規制の撤廃を受けて中国では海外旅行への関心が高まり、旅行サイトによると、春節の連休は海外旅行の予約が前年比540%増となった。中でも日本は行きたい国トップ3に入る人気国で、大観光団の来日が予想される。

 過去に日本では、家庭内感染から学校や職場などにウイルスが広まった。この先は、“中国版・家庭内感染”からの感染拡大が懸念される。

「潜伏期間で空港検疫をすり抜けた中国人観光客が滞在中に発症する場合、まずは旅行中に行動を共にする家族や団体に感染させて、そこから日本人に感染が波及する可能性があります。すでに日本は“世界一コロナに感染している国”なのに、今後さらに拍車がかかって厳しい状況に陥り、医療体制が逼迫することが心配されます」

 中国当局は日本の水際対策強化に猛抗議して、日本人渡航者へのビザ発給を停止する対抗措置を講じた。

 日本はこうした中国の強面に屈せず“コロナ密輸”の防御態勢を固める必要がある。

 中国はゼロコロナ政策を一転して、集団免疫を狙っているという情報もあります。ある都市では80%以上感染したとか、こんなことは中国でしか起こりえないでしょう。しかも死者が大量に出ているのに、最近の公式発表では先月8日から今月12日までの死者は6万人だそうです。

 中国人ですら信用しない当局の数字。もう殆どの中国人が政府の公表数字は信用していないと思います。それでもそれをやってのけるのが独裁国家です。中国国内ではそれでいいかもしれませんが、周辺国はたまったものではありません。記事にあるように「“コロナ密輸”の防御態勢」をしっかり固めなければなりません。

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2023年1月18日 (水)

再生可能エネルギーが持つ問題点、原発の代替となり得ない現実。特にコストと環境問題は無視できない

Fukakingraf_v6akhh  福島原発事故の結果、時の民主党政権が主体となって、再生可能エネルギーの開発が叫ばれました。その後各地に太陽光発電や風力発電設備が設置され、地熱発電も一部稼働して来ました。ただいずれも環境問題やコスト問題、安定供給の問題を抱え、停止した原発の代替になるような状況とはなっていません。

 今回は太陽光や地熱が抱える問題を中心に、その詳細を週刊現代が報じた記事から取り上げてみます。タイトルは『【太陽光と地熱の限界】原発はやはり必要か「各家庭の負担月1035円」再エネ促進賦課金のデタラメ』(1/15公開)で、以下に引用して掲載します。

取材の結果見えてきたのは、太陽光や地熱の「限界」だった―。「脱原発のための再エネ」という政策は、もはや成り立たない。日本人は現実を直視し、「原発」について議論するべき時に来ている。

1万円超を電気代に上乗せ

毎月送られてくる電気料金の領収書―細かな数字が並んだ「内訳欄」を確認したことはあるだろうか。「基本料金」「燃料費調整」などと書かれた並びに、「再エネ促進賦課金」という項目がある。  

これは風力や太陽光、地熱といった再生可能エネルギー(再エネ)の導入促進のために、すべての電気契約者から徴収されている負担金だ。経済産業省が毎年決定する「賦課金単価表」で試算すると、'22年度は平均的な家庭で月額1035円、年間1万2420円が再エネ促進のために電気料金に上乗せされていることがわかる(1ヵ月の電気使用量300kWh)。  

ほとんど意識しないうちに、われわれは再エネの負担を背負わされているのだ。環境を守るためなら仕方ない、と思うかもしれない。だが、再エネをとりまく「デタラメ」な実態を目の当たりにすれば、およそ納得いかなくなるはずだ。  

そもそも「再エネ促進賦課金」という制度がなぜ始まったのか。大きなきっかけとなったのは、'11年に起きた福島第一原子力発電所の事故だった。菅直人首相(当時)は「原子力エネルギーに依存してきた日本の電源構成を白紙に戻し、再生可能な自然エネルギーで再構築する」と表明、「固定価格買取制度」に関する法案を成立させた。

'12年7月に開始したこの制度によって、大手電力会社は再エネ事業者が発電した電気を政府が決めた固定価格で20年間にわたって買い取ることになった。そして再エネ事業者は固定買取価格の恩恵を受けることで、施設の造成費や建設費などの投資コストも回収できる。いわばノーリスクで事業展開できる制度となっていたのである。  

原子力の代わりにはなれない

その分、国民負担は増えることになる。経産省は「調達価格等算定委員会」を設置し、5人の有識者に妥当な金額を検討させ、業界団体や再エネ事業者へのヒアリングも行っていた。  

負担増を避けたい日本商工会議所や経団連は「過度に高い買取制度の設定は厳に避けて」欲しいと要望。一方で、再エネ普及のために固定価格を高くするべきだ、と主張したのがソフトバンクの孫正義社長(当時)だった。孫氏は当時、太陽光発電事業への進出を予定しており、1kWhあたり「40円」でなければ「採算があわない」「それ以上はたくさんあればあるほどいい」と要求。さらにメディアを通じて、この先10年間で、月額「コーヒー一杯分(200円)」の国民負担が増えるだけだと訴えた。

しかし、先にも述べたように、いまや標準家庭の年間負担額は約1万2000円を超えている。また再エネ全体の買取費用は、'22年度の総額で約4兆2000億円にのぼっているのである。当時の経緯をよく知る経産省の元局長が言う。

「あの頃、エネルギー専門家の多くは、〈1kWhあたり30円程度〉が妥当という意見だった。ところが、なぜか算定委員会は、孫さんの言いなりになって〈40円〉とした。当時の5%の消費税を入れると〈42円〉ですから、専門家のはじいた金額より12円も高い。まさに、濡れ手で粟のぼったくり買取価格としたのです」  

この買取価格に群がるように、太陽光発電に乗り出す事業者は急増し、わずか3年で世界第3位の累積導入量まで伸びた。  

だが、太陽光発電には致命的な弱点があった。夜間や雨の日は発電しないため、設備利用率がわずか13%しかないのだ。太陽光発電を増やしても、その供給量は必要とされる電力の1割にも満たない。天候に関わらず発電できる原子力の代わりには、なりようがない。

地熱「世界第3位」の嘘

 原子力や火力など、安定的に発電できる電源は「ベースロード電源」と呼ばれる。「脱原発」と「脱炭素」を実現するには、新たなベースロード電源が必要になる。  

そんななか、注目を集めるようになったのが「地熱」である。  

'21年、河野太郎規制改革担当大臣(当時)は、「再生可能エネルギー規制総点検タスクフォース」に「新たな再エネ」を検討させている。同タスクフォースは「世界有数の火山国である日本には、豊富な地熱資源が存在し、その潜在的な地熱資源量(ポテンシャル)は世界第3位」と報告、地熱発電の大きな可能性について提言した。

'22年12月4日には、日本有数の温泉地、熊本県小国町で「地域と温泉と地熱開発の共生を図るシンポジウム」が開催され、二階俊博元幹事長が共同代表を務める「超党派地熱発電普及推進議員連盟」の有力メンバーである、秋葉賢也復興大臣(当時)が出席した。

「原子力をこれからフル稼働しても、日本のエネルギー自給率は20%にしかならないわけです。これを確実に引き上げていくには、地熱と温泉の共生を進め、地熱の普及拡大はかる。そして再エネ全体の比率を高めていくしかないんです」

地熱が原発の代わりに

秋葉氏は、地熱の可能性を熱く語った。シンポジウムの途中、筆者が秋葉氏に質問した際も「地熱はCO²を出さないすばらしいエネルギーであり、まさにベースロード電源になりうるエネルギーです」と滔々と述べた。  

現在、日本の電源構成に占める地熱発電の比率はわずか0・3%でしかない。政府目標ではこれを、'30年までに「1%」へと引き上げるとしている。とはいえ、菅義偉首相(当時)が国際公約とした「'30年までに温室効果ガス46%削減」には、まったくと言っていいほど貢献できない数値だ。「世界第3位のポテンシャル」を謳っているのに、なぜ発電量の目標がここまで低いのか。地熱開発や金属資源等の開発援助をおこなっているエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の関係者が答える。

「そもそも地熱のポテンシャルは、商業化できる地熱資源量を表したものではないのです。『容積法』という手法で全国を1km四方のメッシュに分け、把握されているデータを基に地下の温度勾配を想定し、一定以上の温度のあるところを換算し集計しただけ。  

ですから、地下にどの程度の蒸気があるのかは調べていないうえに、開発が禁止されている国立公園の特別保護地区も含まれている。ポテンシャルの3割以上は実は開発できない地域なんです」  

しかもエネ庁が使用している地熱の発電率(設備利用率)の80%にしても、発電規模の大きいものを採用したもので、実際には60~70%程度しかない。

詳しくは後述するが、地熱発電は地下から蒸気や熱水を汲み上げているため、各種パイプがこれらの成分で詰まることがある。さらに地中の蒸気や熱水量そのものが減衰するなどの原因もあり、性能通りの設備利用率を出せないのだ。それを誤魔化し、地熱開発が効率的で生産性が高いと装うために、数字を作っていたことになる。

そもそもこのポテンシャル調査は、民主党政権下の環境省が実施したものだ。当時、環境大臣だった細野豪志衆議院議員は、このポテンシャル調査を「錦の御旗」に見立て、地熱開発を「国家プロジェクトで進めるべき」と国会で力説し、大臣として特別保護区以外の「国立公園内についても採掘を認めるという判断」を下したと自負していた。

しかし自民党に鞍替えしたのち、'22年8月12日の『現代ビジネス』のインタビューで細野氏は「地熱発電に期待していた」ものの、「限定的なもの」でしかなかったと判断の誤りを認めている。 地熱発電の開発が可能な地域でも、様々な問題に阻まれて安定的な発電には至っていない所が多い。

温泉にヒ素が混入

地熱開発は、ほとんどが温泉地の周辺で行われているため、温泉が枯渇するといった悪影響が出ることがある。温泉事業者の反発もあり、地熱開発はなかなか進まない。 しかも地熱発電が周囲の温泉地に与える悪影響はこれだけではない。地熱発電は150℃を超える高温の熱水や蒸気が貯まった「地熱貯留層」から井戸(蒸気井)で汲み上げた熱水と蒸気を使い、発電機のタービンを回す。そして別の井戸(還元井)で、発電後の排水を地下にふたたび戻している。

その際、排水の中に大量の濃硫酸を混入する。温泉成分にはカルシウム、マグネシウム、鉄、ヒ素などが溶けこんでいるため、濃硫酸でそれらを溶かしながら戻さなければ、すぐに還元井のパイプが詰まってしまうからだ。

この濃硫酸による環境汚染が心配されるとして、九州電力が阿蘇くじゅう国立公園内で開発した「八丁原地熱発電所」が、国会でやり玉に挙がったことがある。'16年5月19日、共産党の市田忠義議員は「八丁原発電所の事業によって、周辺の温泉地の湯量が大幅に減った温泉旅館への補償として、九州電力は発電後の排水を配湯している」と指摘し、こう質した。

自然を守る

「八丁原発電所は、周辺の温泉地に被害をもたらしているうえ、排水を地下に戻す際、大量の濃硫酸を混入させている。これは温泉資源だけでなく、自然環境に影響を生じさせるものである。このような問題のある地熱発電をベースロード電源と位置づけ、規制を緩和し、開発推進すべきではないのではないか」

これに対し丸川珠代環境大臣(当時)は、「温泉資源としてはもちろん、自然を守るという意味でも御指摘をいただいたものと」受け止めると述べ、環境行政の不備を認めた。

市田議員は、これ以上の追及をしていないが、九州電力の配湯には、温泉資源や自然環境への影響以上に「重大な法令違反」が隠されていた可能性もある。

九州電力からの配湯は、'91年12月に九重町長が要請したことにはじまる。以後、一部の温泉旅館に「温泉の水質に似た熱水」がパイプを通し運ばれていく。

ところが、この排水の中には、環境基準の36倍を超えるヒ素が混入していたのだ。九州電力は、'05年頃に「脱ヒ素処理システム」を導入したため、現在はヒ素を除去した温水を配湯するようになったが、少なくとも15年近く水質汚濁防止法に違反した配湯をおこなっていたことになる。公益企業として、これらの事実にどう釈明するのか。九州電力に問い合わせたものの、回答はなかった。

「脱原発」を旗印に、国民が払う電気代に再エネ賦課金を上乗せすることで、地熱発電が推し進められてきたのだが、この「環境にいい電力」は、人知れず環境を汚染していたのである。

再エネ栄えて国が亡ぶ

経済の血液ともいうべき電力を安定的に供給していくには、もはや「原発」から目を逸らせなくなっているということか。

東京大学公共政策大学院の有馬純特任教授が語る。

「原子力なしで、エネルギー安全保障を確保し、かつ温暖化対策をやっていくとなると、コストがとてもかかる。国民が負担できなくなるだけでなく、製造業にしても、こんな高い電力料金は払えないと海外に出ていくしかない。日本の国力を弱めることにしかならないわけで『再エネ栄えて国が亡ぶ』ということになりかねない」

有馬氏が続ける。

「再エネというのは、ひとつの手段であって目的ではない。電力をつくる手段というのは、たくさん持っていたほうがいいわけで、原子力もそのひとつです。これを活用しないで排除しようとしてきたことのほうがおかしいと思います」

「原発から再エネへ」の転換

'22年後半になって、岸田文雄首相は従来の政権がとってきた「原発から再エネへ」という政策を大転換させた。原発の寿命を延長し、次世代型原発の開発も進めている。

福島原発事故から約12年が経つものの、原発への国民のアレルギーは一向に薄らいではいない。この国民世論とどう折り合いをつけていくのか。 大手電力会社の元役員は、原発問題の最終決着点についてこう語る。

「国民の大多数は原発に反対しているわけで、原子力規制委員会で管理を厳しくするといっても信用しないでしょう。また、国にしても、もう一度、福島第一原発のような過酷事故を起こせば原子力は二度と使えなくなる。

結局は、政府管理のもと原発を稼働させていく以外にないと私は考えています。原子力で利益を出したい大手電力会社は当然反対するでしょう。しかし日本が再び原発を推進するには、この方法しかない」

再エネに限界がある以上、電力の安定供給のためには、これまで目を逸らしてきた原発について検討せざるをえない。'11年の原発事故の反省を踏まえたうえで、安全で有効な原発の活用が可能なのか、議論すべき時がきているのかもしれない。

 以前このブログで取り上げた『再生可能エネルギーは「無条件で善」なのか』の中で、風力発電の問題点が指摘されていました。そして今回の記事では更に太陽光、地熱発電の問題が語られています。もちろん再生可能エネルギーを利用した発電は、それ自体が否定されるものではなく、一定の重要な要素となり得るものですが、限界もあると言うことでしょう。

 一方原子力発電も、その安全性は絶対的なものでもないのは、福島第一原発事故で実証済みです。ただそれをあまりにも過大に取り上げ、原発はすべて悪のような風評を時の民主党政権が作り出し、今に至っているのは日本の国益として如何なものかと、反省の時期に来ているのも事実だと思います。

 更には原発事故の副作用として、民主党政権時代の再生可能エネルギーへの過度の傾斜が、コスト無視、環境無視に走ってしまった反省もされてしかるべきでしょう。そして「再エネ促進賦課金」と言う形で、国民へステルスのような形で負担させている現状を、もっと公表すべきです。そうした実態の比較の中で原発の問題が議論されなければならないと思います。国の管理への移行という議論も含めて。

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2023年1月17日 (火)

米国下院議長選挙、ようやくマッカーシー氏に決定。その結果は中国を警戒させ台湾を喜ばせたようだ

19_20230116155901  既にご承知の通り、昨年のアメリカ中間選挙でアメリカ下院の多数を取り戻した共和党。それまでの民主党下院議長ペロシ氏に変わる議長選挙が、今年になって行われましたが、なんと15回目にようやくマッカーシー議員に決まりました。

 その理由は共和党内の保守強行派の造反にあったわけですが、いずれにしろその結果は、中国を警戒させ逆に台湾を喜ばせたようです。その辺の事情を、議長選挙の過程と併せて、産経新聞の特集記事が伝えています。タイトルは『米下院議長選混乱 中国紙が批判、とんだ茶番の「ホラー劇」』(1/16公開)で、以下に引用します。

米下院は7日、多数派の共和党を率いるケビン・マッカーシー議員(57)を新議長に選出した。しかし、議長選ではマッカーシー氏が過半数の確保に失敗を繰り返し、当選には5日間で計15回もの投票を要した。1回で決まらなかったのは100年ぶり、10回以上投票が行われたのは164年ぶりという歴史的な混迷だった。米メディアは、造反を続けた共和党内の保守強硬派を切り崩すために同氏が重ねた過度な譲歩を憂え、中国の官製メディアは、米国の統治制度に世界が不安を覚えていると冷笑した。

************

≪ポイント≫

・造反議員の増長は世界経済全体へのリスクに

・当選のため議会運営を人質に取られた新議長

・対立のエネルギーは外敵に向くと中国は警戒

・台湾は混乱を論評せず、新議長に大きな期待

米国 高くついた議長職の名誉

下院議長選出をめぐる混乱で、今後の議会運営への懸念や共和党の変容を危惧する論調が米国で相次いでいる。

「彼(マッカーシー氏)は自分の頭に反逆者らが銃を突きつけることを許した。彼らが好まない動きをすればいつでも引き金を引くという脅しとともに」。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は7日の社説でこう指摘した。

同氏は最終的に15回目の投票で当選に必要な過半数を獲得したが、造反を続けた党内の保守強硬派約20人を切り崩すため、同派の発言力を強める数々の条件をのまされた。その一つが議長の解任動議に必要な議員数を1人に引き下げたことで、同紙は「銃」に例えた。造反議員は「小さな政府」を信条とする「自由議員連盟」に所属、外交的に孤立主義を志向する。

同氏は同議連議員に、予算審議に影響力を持つ主要委員会のポストも割り与えた。彼らが標的にするのは今後の連邦政府の債務上限引き上げだ。歳出増に伴う国債発行を財務省に認めるもので、執拗(しつよう)に抵抗するのは必至だ。議長が引き上げに応じる姿勢をみせれば解任動議の「脅し」を突きつける。バイデン政権はおろか、世界経済全体のリスクになりかねない。

2024年度の一般歳出を22年度の水準を上限とする条件ものまされた。国防費は約750億ドル削減する必要が出てくるという。保守系の米紙ウォールストリート・ジャーナルは7日の社説で中露など「好戦的な敵に与えるひどいシグナルだ」と警戒する。一連の条件は強硬派が議会運営を「人質」に取るに等しく「議長と呼ばれる名誉のために払った高い値段を悔やむことになる」と警告した。

マッカーシー氏は同じカリフォルニア州が地元のレーガン元大統領の肖像画を自室に飾る。レーガン氏は軍事増強を続けることで旧ソ連を疲弊させ最終的に東西冷戦の終結に導いた。ワシントン・ポストのコラムニスト、マルク・タイセン氏は、マッカーシー氏が国防費やウクライナ支援の削減に同意すれば「レーガンが体現したすべてを裏切ることになる」と指摘した。

政治ジャーナリストのピーター・ベイナート氏は11日の米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、共和党の内乱の背景に主要支持層である白人保守層の危機感を挙げた。米国は「キリスト教国家」と信じる彼らは人口減が進み、やがて国内で少数派に転落する。そうした「変化に力を奪われると白人キリスト教徒が感じる」憤りが、リベラルな信条や政策を「ひとまとめに不公正」とする党の極端な体質に表れているとの考察だ。(ワシントン 渡辺浩生)

中国 とんだ茶番の「ホラー劇」

中国共産党機関紙「人民日報」傘下の環球時報は4日、米下院議長選での混乱に関して「100年ぶり(の再投票)とされる米国の政治混乱は世界を不安にさせる」と題する社説を掲載し、米国式民主主義について「茶番だ」と痛烈に批判した。

社説は、その後議長に選出されるマッカーシー氏について「極端的な保守派政治屋」と断じ、「いつも狂ったように中国を批判する言論を発表し、中国人民の間での印象は非常に悪い」と批判した。そのうえで、同氏の議長選出が難航する理由は共和党内のさらに過激な議員たちに「過激さが足りない」と非難されたことだと指摘。「米国政治の分裂と対立がいかに深刻かをこの事実からうかがうことができる」と論評した。

「米議会で起きた今回の茶番劇は、大きな破壊性を持つホラー劇でもあり、世界の多くの識者は不安を覚えている」と社説は分析。理由について以下のように論述した。

米国内の政治対立が深まれば深まるほど、非理性的かつ危険な傾向がワシントンで勢いを増す。それは「外に敵を見つけて、米国内の政治対立のエネルギーを外へ向けさせることだ」とし、「米国が敵として選んだのは、経済がハイスピードで発展し、政治体制も米国とは異なる中国だ」と主張した。さらに「中米関係が今のような困難な局面を迎えたのは、米国内の病的ともいえる政治対立と深い関係がある」と結論付け、近年の米中関係悪化の原因を米国側に押し付けた。

一方で、台湾の主要メディアは米下院議長の選出問題について、中国メディアと全く異なる反応を示している。議長選挙をめぐる混乱をほとんど批判せず、当選したマッカーシー氏について「対中強硬派で、台湾の友人」といった好意的な論評が多かった。

大手紙、自由時報はマッカーシー氏について、中国からの脅威に対抗するために「中国問題特別委員会」を立ち上げることを議長選挙前に発表したと紹介。そのうえで、「台湾に対し極めて友好的で、共和党の院内総務を務めていたときに台湾への武器売却や、台湾の国際組織への加盟問題などで尽力してくれた」と高く評価した。

マッカーシー氏は昨年夏、民主党のペロシ下院議長(当時)の台湾訪問への支持を表明した際、「台湾を支持することは米国の国益につながる」と述べ、自身が下院議長になれば、同じく「台湾を訪問したい」と明かしたことがある。「マッカーシー氏が台湾を訪問すれば、米台関係はさらに前進する」と期待を寄せるメディアも少なくなかった。(台北 矢板明夫)

 マッカーシー氏が下院議員選の過程で保守強行派に妥協を図った内容は、アメリカ経済だけでなく、ひいては世界経済に影響を及ぼすこともあり得ると、この記事は述べています。いずれにしてもそうした要求を飲んでまで、議長職にこだわったのは、それなりの腹づもりがあったのかも知れません。

 特にマッカーシー氏を警戒しているのは中国で、「茶番だ」とか「ホラー劇」という言葉で揶揄している裏には、対中強硬姿勢を警戒している様子が窺えます。

 それに反して台湾は「台湾に対し極めて友好的で、共和党の院内総務を務めていたときに台湾への武器売却や、台湾の国際組織への加盟問題などで尽力してくれた」、「自身が下院議長になれば、(ペロシ氏と)同じく台湾を訪問したいと明かした」事などを取り上げ、好意的に捉えているようです。

 今後マッカーシー氏が議員選の過程のゴタゴタにどう影響されるか、また対中、対台湾への姿勢をどう向けていくか、注目されるところです。日本に対する影響ももちろんですが。

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2023年1月16日 (月)

杉山大志氏:有事こそ原子力が真価を発揮する、「ウクライナで原発攻撃だから脱原発」の誤った認識

1634287  ロシアがウクライナ侵略戦争で、最近になってインフラ攻撃を繰返しています。それ自体大変な人道に対する罪ですが、中でも原子力発電所への攻撃は、その危険性も相まって、最も避難すべき戦争犯罪の一つです。

 その点を持って原発を、有事になると最も危険な発電設備だと決めつける意見がありますが、それに真っ向から反論する記事があります。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏が、JBpressに寄稿したコラムを見てみましょう。タイトルは『有事こそ原子力が真価を発揮する、「ウクライナで原発攻撃だから脱原発」の愚 原発のテロ対策だけ強化してもリスク低減効果は乏しい』(1/15公開)で、以下に引用します。

ウクライナでの戦争では原子力発電所に攻撃が仕掛けられた。これをもって「原発は危険だから脱原発すべきだ」という意見が散見された。だがこれはおかしい。原子力発電が攻撃を受けるということは、明らかにどこかの国が敵意を持って戦争を仕掛けてきた「有事」である。ならば、有事になると日本に何が起きるか、それをまず想像すべきだろう。

石油備蓄が攻撃を受け、破壊されるかもしれない

 日本はエネルギーを多く輸入に頼っている。特に今なお一次エネルギー供給の約半分を占める石油はほぼ100%が輸入であり、90%以上を中東に依存している。天然ガスは中東依存は2割で輸入先の国は多様なものの、やはりほぼ全量を輸入している。石炭も全量を輸入している。

 石油ショック以来、日本は石油の戦略備蓄を行っており、官民で200日分の石油が貯蔵されている。しかしそのほとんどが野外に設置されている。

 例えば台湾有事ともなれば、中国は日本の最も脆弱なところから狙ってくるであろう。すると、石油備蓄タンクがテロ攻撃の対象となるかもしれない。あからさまな攻撃でなくても、誰がやったか分からない方法でエネルギーインフラを攻撃することはありうる。

 ウクライナへ侵攻したロシアの国内では、今年、石油・ガスの供給のための設備で謎の爆発が相次いだと報じられている。これは単なる事故なのか、ロシア国内の敵対勢力の仕業か、ウクライナの攻撃なのか、真相はよく分かっていない。

 石油備蓄への攻撃が未来の日本にも仕掛けられるかもしれない。

有事の「油断」で食糧危機になる

 あわせて海上封鎖されるとなると、日本は油が絶たれ、倒れる。元国家安全保障局次長の兼原信克氏は、著書『国難に立ち向かう新国防論』で指摘している。

「台湾有事に際しては、南シナ海はおそらく激しい海戦場になっているので、日本の商船隊は、スールー海・セレベス海から西太平洋を大きく迂回することになる。この商船隊の防護を、まだ誰も考えていない。迂回は長大だから、タンカーの数が倍必要になる。しかし、タンカーが数隻攻撃を受けて撃沈されれば、乗組員のほとんどはフィリピン人だから乗船を拒否するかもしれない。シーレーンからの石油輸入が滞れば、日本の経済活動は止まる。このような事態への対応を、日本はまだ検討できていない」

 エネルギーが欠乏すると食料危機も起きる。都市には食糧を運び込むことができなくなって飢餓状態になる。食料生産のためには農業機械が必要だがこの動力もなくなる。肥料と農薬は化石燃料を大量に用いて生産しているが、これもできなくなる。

 かつて堺屋太一氏が書いた小説『油断』では、中東での戦争勃発で日本への石油輸入がストップし、やがて都市では食料不足によって暴動や飢餓が起きる。生々しく書かれていて、いま読んでみても実にリアルだ。

 日本はこれまでエネルギー安全保障を有事の想定下で考察してこなかった。台湾有事などになれば、日本への物資輸入が止まり、石油備蓄などのインフラがテロ攻撃などを受ける可能性がある。

 その際に原子力発電は有事をしのぐための重要な電力供給源になるのではないか。

「新しい燃料を装荷すれば2~3年は発電可能」

 いま日本が保有している原子力発電所を全て再稼働し、平常運転の状態になったとしよう。

 このとき、海外からの燃料輸入が途絶したら、どのぐらい発電を続けられるか。既に装荷済みの原子燃料、および装荷待ちで国内に在庫として存在する原子燃料だけで、何日分の発電が継続できるだろうか。

 原子力工学を専門とする元東京工業大学の澤田哲生先生にお話を伺った。

「原子炉の場合は新しい燃料を装荷すれば、2年から3年は発電できます。では日本全体でどのぐらいもつかということですが、現状では、石油のように日数勘定はせず、各原子炉ごとに調達計画が立てられています。また、原子炉ごとの燃焼条件により異なりますので、石油と同様に『何日分』というためには推計作業が必要であり、簡単には数字は出てきません。いずれにせよ、核燃料は装荷後使える時間が長いので、準国産燃料と言う言い方をしています」

「装荷されている燃料に加えて、装荷に向けて準備中の燃料もあります。日本は海外で濃縮した燃料を六フッ化ウランや二酸化ウランの形で燃料加工メーカーが保有しています。これは日本の燃料加工工場で原子力発電用の燃料棒に加工できるので、やはり有事において使えることになります。ただこれも日本全体でどのぐらい、ということはよく把握できていないと思います。各メーカーが事業に必要な量だけ計画を立てて調達しているというのが現状と思います」

 日本政府のエネルギー基本計画では、原子力発電所の再稼働を進めることで、2030年には日本の発電量の20~22%を原子力発電所が担うことになっている。これがあれば、有事になり、化石燃料が欠乏した場合にも、何とか電力供給を続けることができる。

食料・肥料も備蓄不足、バランスある安全保障が必要

 これがどの程度の期間にわたって可能なのか、そして、それで十分なのか、といった点については、今後、政府が事業者の協力のもと検討すべきことだろう。原子燃料やその原料の形での備蓄もあった方がよいのかもしれない。

 なお平時における原子燃料の安定供給については、ウランの輸入先は多様化されているし、日本はロシアのようにいま心配されている国からは輸入していない(下図参照)。ウランを海外で濃縮する工程もアメリカ、イギリス、フランスなどであり、安定した関係にある国々だ。

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 このようにしてみると、海外から日本への物資輸送が絶たれたとき、原子力は頼りになることが分かる。このとき、石油は備蓄されたものを細々と使うことになる。液化天然ガスは長期の貯蔵には向かないので、天然ガス供給は2週間か3週間しかもたない。石炭も現状では発電所にストックされている分しか存在しない。備蓄はありうるかもしれないが、その管理は大変かもしれない。

 太陽光発電や風力発電などの変動性の再生可能エネルギーは、他の電力が安定して供給されていれば、それを補完して発電する役割を果たせる。しかし、電圧や周波数を安定させるための火力発電の動力が失われた状態でどの程度発電できるかは不透明だ。ほとんど発電できないかもしれない。

 備蓄はエネルギーだけでなく、もちろん食料や肥料も必要だろう。現状では、食料の備蓄はあるが量は少ない。肥料の備蓄は国家安全保障法のもとでようやく着手されたがこれは量も種類も少ない。数カ月や1年以上といった長い間、海上輸送が滞る事態に耐えるようにはなっていない。すると、エネルギーが絶たれると、食料供給もあまり時を移さずに絶たれてしまい、飢餓になるかもしれない。

 このように考えると、現行の日本のエネルギー安全保障はいかにもバランスが悪いと感じる。

原発より簡単なターゲットはいくらでもある

 いま原子力発電所ではテロ対策が徹底されていて、ジェット機が意図的に突入したときに備えた工事までして、そのために稼働を停止している。

 けれども、テロリストの立場になってみれば、原発を攻撃しても成功する確率は極めて低いのではないか。外部電源も非常用電源も全て絶つか、あるいは分厚いコンクリートの建屋を破壊し、さらにその中の原子炉を破壊しなければならない。

 それより簡単なターゲットはいくらでもある。石油・ガスのタンク、タンカー、送変電設備、新幹線、駅などだ。ドローンや携帯型ロケットなどの簡易な兵器でも多大な損害を起こせるだろう。

 原発のテロ対策だけ強化しても国全体としてのリスク低減には効果が乏しいのではないか。

 国防の観点から、有事を想定して、エネルギー安全保障を今一度見直すべきだ。脱原発は、有事における安全保障を脆弱にするものだ。

 日本では軍事に関する議論はとかく忌避されてきた。だがいまの世界情勢では、もはやそれでは国を守ることができない。

 そもそも原発への攻撃は国際法であるジュネーブ条約違反です。ただプーチンロシアのような国際法無視の国が、実際にウクライナの原発を攻撃しています。ただし、まだ原子炉そのものを直接は狙っていないようですが。

 もし直接高性能ミサイルなどで炉心を攻撃された場合、どれだけ耐えられるのか分りませんが、その場合は攻撃された側も当然反撃し、相手側の原発を狙うでしょう。それが分っていてわざわざ原発を狙うことがあるかどうか。これが意外と抑止力になるのかも知れません。

 それより杉山氏の言うように、石油・ガスのタンク、タンカーと言った、火力発電関係の設備を狙い撃ちする方が現実的かも知れません。相手が中国の場合、仮に反撃しても日本の方が遙かにダメージが大きいからです。食糧危機への影響も日本の方が大きいでしょう。

 もっとも実際有事にならないよう、外交努力が必要なのは言うまでもありません。 しかし何が起こるか分らない、想像を超えることがあり得るのが現実の世界です。この記事の最後の部分「国防の観点から、有事を想定して、エネルギー安全保障を今一度見直すべきだ」と言う部分が、今の日本では特に大事な課題だと思います。議論の遡上にあげしっかり対応して行く事が求められます。

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2023年1月15日 (日)

コロナ交付金で病院黒字化「幽霊病床」も 知られざる税金の無駄遣いが会計検査院調査で暴かれる

Images-10_20230114135201  コロナ感染の第8波の収束が見えない中、国のコロナ関連の支出が増大し続けています。ワクチンや検査費に加え、病院に対し病床確保のための交付金も、増え続けているようです。

 昨日の読売新聞に、この病院への給付金の詳細記事が掲載されていたので、今回はこれを取り上げます。タイトルは『コロナ交付金で病院黒字化、「幽霊病床」も…検査院調査』(1/14公開)で、以下に引用します。

「患者拒否でも支給」見直し要求

 会計検査院は13日、新型コロナウイルス患者向けの病床を確保する国の交付金事業について検査報告書を公表した。赤字だった病院が多額の交付金によって黒字に転換している実態や、交付金の対象なのに患者を受け入れられない「幽霊病床」の存在が指摘された。(社会部 山下真範、成田沙季)

3兆円

 交付金は、コロナ患者を受け入れる空き病床と、コロナ診療のために稼働を停止した病床が対象で、都道府県を通じて支給される。当初は1床あたり1日最大9万7000円だったが、2度の引き上げで43万6000円に拡充。今月11日現在、確保数は全国で4万8808床に上る。

 2020~21年度の受給額は全国3477医療機関で計3兆1029億円に上った。検査院がこのうち国立病院や労災病院など269病院の収支を調べたところ、コロナ禍前の19年度は平均約3・8億円の赤字だったのに、21年度は約7億円の黒字に転換。医業収支は約7億円の赤字だったが、病床確保交付金など補助金の受給額が平均約14億円に上っていた。

 検査院の聞き取りに対し、延べ208病院が「確保病床への患者の受け入れを断ったことがある」と回答した。理由について、60病院(29%)が「看護師不足」を挙げた。離職者の増加やクラスター(感染集団)の発生などやむを得ない事情もあったとみられるが、検査院は「患者を受け入れられない病床に交付金を支給するのは適切ではない」とし、使用可能な病床に交付対象を絞るなどの見直しを厚生労働省に求めた。

看護師不足

 「結果的に幽霊病床になったが、医療現場の過酷な状況も理解してほしい」。検査を受けた病院運営法人の職員はそう話す。

 医療現場では、離職中の「潜在看護師」の復職支援などが行われてきたが、看護師不足の解消は容易ではなかった。職員の勤務先は全国で病院を運営しており、コロナ患者が増えた場合は病院間で看護師を融通し合うとして交付金を申請した。

 だが、21年夏がピークの「第5波」で感染が全国に広がると、都心部の運営病院で看護師が不足。患者の入院要請を断らざるを得なくなったという。

 感染拡大に歯止めがかからない中、自治体は病床確保に躍起になっていた。埼玉県の幹部は「とにかく病床数の確保が最優先で、実際にどれくらい稼働できるかは考える余裕がなかった」と振り返る。

 政府の財政制度等審議会の分科会でも21年10月、約15億円を受給しながら受け入れ患者が年間わずか25人だった例などが報告されていた。厚労省は22年以降、病床使用率が地域平均の7割に満たない医療機関への支給を30%減額するなどしているが、検査院は、事実上稼働できない病床に交付金が出ているケースは現在もあるとみている。

逆転現象

 検査院は、コロナ診療のために稼働を停止した休止病床についても、問題点を指摘した。

 休止病床への交付は、コロナ診療に人員を集中させるために閉鎖した病床や、院内感染を防ぐために一部を使えなくした病床について、休止しなければ収入になっていた分を 補填する趣旨がある。

 ところが、コロナ禍前の病床使用率にかかわらず、全床分を交付する仕組みになっていた。このため、元の病床使用率が著しく低かったケースでは、休止病床にすれば収入が増える「逆転現象」が起きていた。

 検査院が382病院の休止病床を調べたところ、コロナ禍前の病床使用率が5割に満たない病院が17(4・4%)あった。検査院は、元の病床使用率を踏まえて交付金額を定める仕組みにするべきだとしている。

対策費 76兆円執行…巨額予算 国債頼み

 国のコロナ対策費については、会計検査院が昨年11月、2019~21年度の予算額が94兆円に上り、うち76・4兆円が執行されたとの検査報告書を公表した。22年度も含めれば100兆円を超えるが、多くは国の借金である国債に頼っており、将来にツケを回している形になる。

 検査院の報告書によれば、94兆円の内訳は「経済・雇用対策」が60・2兆円で最も多く、病床確保の交付金を含む「感染症防止策」は18・6兆円。スルメイカのモニュメントなど使途の是非が議論を呼んだ「地方創生臨時交付金」は15・1兆円だった。

 病床確保交付金については、看護師数などが基準に満たないのに一般病床より単価の高い高度治療室(HCU)として申請するなど、過大支給が32病院で計約55億円あったことも指摘されていた。

 今後、新型コロナの位置づけが感染症法上の「2類相当」から「5類」に引き下げられれば、患者への入院勧告などの根拠はなくなる。だが、厚労省の助言機関は11日、「医療 逼迫ひっぱく 時の調整機能を維持する必要がある」などとして、引き続き病床確保のための財政措置を行うよう政府に求めた。来年度以降も、巨費が投じられる可能性は高い。

 真野俊樹・中央大教授(医療経営学)は「感染収束が見通せない中では当面、国が病床確保などを支援すべきだ」とした上で、「巨額の公費投入について国民の理解を得るため、検査院の指摘も踏まえた適切な制度設計を進めていく必要がある」と話した。

 安倍政権、菅政権そして現在の岸田政権と、三代に渡って感染の波が継続する新型コロナウイルス感染症。国民を疫病から守るという号令の元、ワクチンや検査からダメージを受けた業界への交付金、そして治療まで一貫して国費でまかなってきました。

 その額が100兆円を超えていると聞いて驚きますが、その中でも雇用対策交付金と同様かそれ以上の、病床確保の交付金に大きな無駄が生じている実態が浮き彫りになっています。

 以前から使用していない病床への交付金の噂は聞いていましたが、作為を巡らせ、意図的に多くの交付金を受けようとする病院の実態も明らかになっています。それまでの赤字経営から一転黒字になったと言うことは、明らかに過剰な交付を行っていると言うことでしょう。

 確かにコロナ病棟は大きな負荷がかかり、日夜患者への対応で大変なのは分りますが、一方でこう言う実態を目にすると、その抜け穴を塞ぐよう行政に注文をつけなければなりません。国債で補填しているとは言え、将来への負担を少しでも減らす努力は行政の責任でしょう。

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2023年1月14日 (土)

武藤正敏氏:日韓関係改善を阻害してきた韓国の反日「市民団体」、ついに改革の標的に

18_20230113151901  韓国文在寅前大統領時代、その親北反日政策の結果、戦後最悪の関係に陥った日韓関係。同時に北の工作員への甘い対応も相まって、韓国内の「市民団体」が増長し、これが反日を更に進めてきました。

 もともと反日土壌のあるところへ、慰安婦、徴用工、レーザー照射事件、旭日旗への過剰な反発、日本製品不買運動、そして安部元首相に対する強烈な反安部運動など、あらゆる反日活動・政策が立て続けにとられてきました。

 そうした中、保守系の現尹錫悦政権になって、少しずつ反日の動きは収まりつつあるようです。元韓国大使で外交経済評論家の武藤正敏氏がJBpressに寄稿したコラムから、最近の韓国事情を紹介してもらいましょう。タイトルは『日韓関係改善を阻害してきた韓国の「市民団体」、ついに改革の標的に 補助金をもらいながら不明朗会計のオンパレード、挙句に反日活動する団体も』(1/12公開)で、以下に引用します。

 尹錫悦大統領は、国民との対話や官民の経済会議を通じ、2023年の韓国経済社会の重点課題を明らかにした。年金・労働・教育の3大改革である。だがこれとは別に、尹大統領は第4の改革を推し進めようとしている。それが「市民団体の改革」だ。

 日本人の感覚からすれば「市民団体の改革」と言われても、そんな大それたことなのかと訝しく思うかもしれない。だが、実は韓国の市民団体は日韓関係改善にとってとんでもなく大きな障害となってきた経緯があるのだ。

市民団体を野放しにしてきた文在寅政権

 市民団体の多くは健全な活動をしている。だが、中には政府の補助金や市民からの寄付を不正に使用しているものがあると糾弾されているものもある。また、北朝鮮の主張を宣伝したり、北朝鮮と結びついて社会の混乱を招く活動をしたりしている団体がある。

 その中には反日活動を煽る市民団体も存在する。日韓を離間させることで北朝鮮の政治的な思惑に呼応しているのだ。日韓関係を著しく損なう活動を行ってきたのが、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(略称:正義連。旧「韓国挺身隊問題対策協議会〈挺対協〉」)である。挺対協時代から彼らは毎週水曜日に日本大使館前で抗議活動(水曜集会)を行うことで、あたかも元慰安婦たちの代表であるかのように振る舞うようになり、慰安婦問題に関する日韓の和解を妨害してきた。

 これまでの歴史問題に関する日韓間の交渉を振り返ると、日韓で合意が成立しても、市民団体の反対で、韓国政府が合意案から後退し、新たな要求を突き付けてくることは珍しくなかった。

 しかも、文在寅政権時代には政府がこうした市民団体の活動を支援しており、こうした団体が法律に則った適切な活動をおこなっているか確認してこなかった。そうした文在寅政権の態度が市民団体を一層増長させ、何をしてもいいかのような行動を取らせることになった。

 日本企業の資産の現金化が問題となっている徴用工問題でも、徴用工支援団体が韓国政府の解決案に反対の姿勢を貫いている。こうした主張が通る限り、日韓の歴史問題の解決はない。

 尹錫悦大統領は、過激労組・民主労総が主導する貨物連帯のストを、労組に妥協することなく、「法と原則」に基づいて解決した。

 徴用工問題でも、解決案提示の最終手続きとして公開討論会を開催し、その討議結果に基づき解決案を提示すると言われている。徴用工の支援団体と法律代理人は一度はこの公開討論会に参加する意向を示していたが、韓国外交部との意思疎通の過程で問題があったとして、前日の11日に全面ボイコットを宣言するに至った。

 いずれにせよ、韓国政府は徴用工側が反対しても、現在検討中の解決案に基づき進める方向であろう。おそらく徴用工支援団体はそうした解決を妨げようとするだろうが、尹錫悦政権は市民団体の主張と国益を比較衡量して方針を決定するのではないか。

 これまでの政権は市民団体の主張に押し切られてきたが、尹錫悦政権は「法と原則」を無視した市民団体については、それを改める方向に向かっているようである。

慰安婦問題解決を妨害し続けた挺対協

 韓国において日韓関係の改善を終始妨害し続けてきている市民団体が前述の挺対協(現・正義連)である。挺対協は1992年1月8日以来、毎週水曜日に日本大使館前で水曜集会(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動)を開催、支持者を集め、日本政府からの公式謝罪及び金銭的・法的賠償を要求してきた。

 そもそも韓国の国内法においても、外交関係に関するウィーン条約に則り、外交公館周辺100メートル以内での集会やデモは禁止されている。ところが、韓国の行政当局は、「水曜集会はデモではなく記者会見である」という名目で、日本大使館前に限り、こうした行為を黙認してきた。まず挺対協の活動を黙認してきたことに対し、韓国政府には重大な責任がある。

 挺対協の活動は、寄付金と政府からの補助金で賄われている。そうした資金を獲得するためにも、水曜集会のような先鋭的な活動を通してその存在をアピールする必要があったのかも知れない。そうしていつしか、元慰安婦たちの代表然として振る舞うようになった。

 2011年12月14日、正義連は水曜集会1000回を記念し、日本大使館前の公道に無許可で慰安婦像を建てるという暴挙に出る。この慰安婦像については、撤去を求める日本政府とこれを黙認する韓国政府との間で外交問題に発展した。

 その水曜集会も、2020年5月、大きな逆風に晒された。元慰安婦でそのシンボル的存在である李容洙(イ・ヨンス)氏が突如、「支援団体のこれまでの活動は金銭的政治的利益のために慰安婦を利用しており、寄付金の使途も不明で、憎悪だけ招く集会には、もう参加しない」と宣言し、参加を取りやめたのだ。これで一気に正義連に対する世間の目は厳しいものとなったが、水曜集会はその後も開催され続けている。寄付金を募り補助金を受給するためにはこの活動が不可欠なのだろう。

 それでも集会参加者は徐々に減少している。抗議の内容も慰安婦問題ばかりでなく、反日、反米の主張、検察や保守メディアへの攻撃などが多く占めるようになっており、集会の本質が変化している。

元慰安婦を裏切り、政府を欺いた尹美香氏

 正義連の日韓関係妨害活動は水曜集会だけではない。

 1995年、日本の村山富市首相率いる社会党政権は「女性のためのアジア平和国民基金(略称:アジア女性基金)」を設立、慰安婦個々人に「償い金」を受け取るよう促した。この時、当時の挺対協は「基金は日本政府の拠出ではなく国民の寄付をもとに作られるもので、これは日本政府の責任をあいまいにするものである」と批判し、元慰安婦たちに償い金の受け取りを拒否させた。そして挺対協の指示に従わずにお金を受け取った慰安婦に対しては「自ら進んでいった売春婦であると認めたもの」と理不尽な非難を行った。

 またこの時、挺対協を窓口として韓国政府からも元慰安婦へ償い金の支給があったのだが、アジア女性基金から償い金を受け取った元慰安婦にはこれを支給しなかった。

 2015年、慰安婦問題に関し日韓で新たな合意ができた。ここでも挺対協は合意内容に反発した。慰安婦のために韓国政府が設立し、日本政府が資金を拠出した「和解・癒し財団」から、補償金を受け取ることを妨害した。

 だが、2022年に外交部が公開した文書によると、当時の外交部の李相徳(イ・サンドク)北東アジア局長は、挺対協の尹美香(ユン・ミヒャン)代表(当時、現国会議員)に2015年3月から12月までの間に計4回面談し、交渉の経緯、合意内容を説明していた。特に合意の前日には合意内容を詳細に説明していた。つまり、事前に尹美香氏は日韓合意の内容を知っていたのだ。

 それなのに、尹美香代表はその内容を元慰安婦と共有していなかった。そして日韓合意の内容が公表された後に、さもその内容を事前に知らされていなかったふりをして反対、この合意が最終的な解決とはならないよう画策したのである。

慰安婦問題解決は尹美香にとって好ましくない結末

 なぜそのような姑息な手段までとって慰安婦問題の前進に反対するのか。それは日韓で慰安婦問題が解決することが、尹美香議員にとって利益とはならないからだ。日韓間の対立が続けば慰安婦を利用した政治活動も継続でき、政府の補助金を得ることができる。また、正義連は北朝鮮の工作機関と連携していると指摘されている。日韓関係がぎくしゃくすることは、北朝鮮にとっても利益となるのだ。

 その尹美香議員はいま絶体絶命の瀬戸際に立たされている。

 1月6日、ソウル西部地裁において、検察は尹美香議員に対し正義連後援資金を私的に流用した容疑で懲役5年を求刑した。検察は「長い年月の間、苦痛を受けたおばさんたちのために市民が少しずつ募金した資金を自分の小遣いのように使用し、挺対協の資金をあたかも個人事業家のように使う過程で横領の犯行をした」と指摘した。

 被告の尹議員は管轄庁に登録することなく2015年から19年に団体の口座で計41億ウォンの寄付を受け、元慰安婦の葬儀費や戦時性暴行被害者支援などの名目で1億7000万ウォン(約1800万円)の寄付金を個人の口座で募金した疑いで在宅起訴された。また、2011~20年に個人口座で募金した元慰安婦の葬儀費1億ウォンを私的用途に使った業務上横領容疑と、2013~2020年に政府とソウル市からの補助金を不当に受領した補助金法違反の容疑もある。

 こうした容疑は氷山の一角に過ぎない可能性が高い。尹美香氏には、挺対協の資金で娘を米国の音楽大学に留学させた、京畿道安城にヒーリングセンターを購入したなど、数々の疑惑が取りざたされている。もしも2015年の日韓合意で慰安婦問題が解決していれば、尹美香氏はこうした旨味にありつけなかったはずである。状況証拠的には、慰安婦問題に便乗して私腹を肥やしたと疑われても致し方ない立場にあるのだ。

 また、尹美香氏と正義連には北朝鮮との黒いつながりがある。

 正義連は北朝鮮の工作機関の傘下にある「朝鮮日本軍性的奴隷及び強制連行被害者補償対策委員会」と協力関係にある。国家情報院はこの団体を「北朝鮮工作機関と連携し、北朝鮮の利益を代弁する親北団体」として監視している。

 尹美香議員自身も北朝鮮との関係から公安当局の監視対象になっており、その夫と妹は、日本で北朝鮮の工作員と接触した容疑で1993年にスパイとして逮捕され、国家保安法違反で有罪が確定した。このように正義連は多くの親北活動を行ったことが指摘されているのだ。

 尹美香氏や正義連の活動は日韓離間をもくろむ北朝鮮にとって極めて有効な手段となっている。その意味でも正義連の活動の停滞や尹美香氏の実刑判決を北朝鮮は望んでいないであろう。

尹錫悦政権、文在寅政権時代の補助金不正受給の調査に乗り出す

 正義連がいかに日韓関係にダメージを与えてきたをみれば、尹錫悦大統領が市民団体の改革に乗り出さざるを得なかった事情もよく分かるだろう。

 朝鮮日報は、「文在寅政権下で市民団体に支給された補助金が毎年平均4000億ウォンずつ増え、今は5兆ウォンを超えている。その多くが不透明、不適切に支給されていると判断しており、これまでに摘発されただけでも不正受給は2300億ウォンに達している」と報じた。さらに「政府補助金以外に全国17の地方自治体が支出した補助金の規模はさらに上回る」「しかし、どの団体がどんな目的で使ったか管理されていない」という。10億以下の補助金は会計監査が免除される緩い補助金法も見直す予定という。

 大統領室関係者は補助金管理が不十分だった理由として「中央政府の職務放棄、自治体の責任、ポピュリズムが重なった」と指摘している。

 TV朝鮮は「労組の不法活動に向かっていた政府の刃先が今度は市民団体に向いた格好」「尹錫悦政権は今後、利権カルテル改革に本格的に取り組むと見られる」と報じている。

不正を見て見ぬふりの政府が市民団体の横暴を助長

 市民団体が日韓関係改善を繰り返し妨害してきた背景には、TV朝鮮が指摘するように中央政府の職務放棄やポピュリズムがあると考えられる。中央政府は多くの補助金を交付していたにもかかわらず、それが適切に使用されているかどうかを監理していなかった。北朝鮮とつながる不法活動にも真剣に目を向けてこなかった。こうした職務放棄が、市民団体の傲慢を招いたのだ。

 また、市民団体を追及することは世論の反発を招きかねないというポピュリズムの心情も影響を及ぼしていたのだろう。

 しかし、現在の韓国にとっては経済交流・協力の面、北朝鮮の核・ミサイルによる威嚇に直面している安全保障の面で、日本と協力して対処することが重要となっている。そんなときだからこそ、市民団体による国益を害する行動はきちんと管理していかなければならない。

 市民団体の活動は法律の範囲内で適切に行われるべきである。これまでやりたい放題だった市民団体の改革が進展すれば、日韓関係改善の取り組みも見違えるほどスムーズに進む可能性もある。それほどこの第4の改革には大きな意味がある。

 この記事から窺えるように、韓国の反日市民団体は北朝鮮の影響を強く受けていることが分ります。それを親北反日の文在寅前大統領が管理杜撰なまま資金援助をし、多くの不正が生まれていたようです。

 韓国はこのブログで何度も指摘しているように、併合時代から日韓条約締結前後まで、史実をひっくり返した捏造歴史を元に、国民を洗脳教育してきた歴史があります。従って尹錫悦政権がどんなに頑張ろうと、なかなか反日の姿勢は国民の中では変わらない可能性があります。ましてや今でも反日野党が議会の多数を占めている現状から、一気には進まない背景もあります。

 日本はしばらくは韓国政府の動きを注視し、前のめりせず適切に対処していく方がいいでしょう。徴用工に関する公開討論会でも、原告側は相変わらず政府が提案した「韓国の財団が肩代わりする案」に猛反発しているようです。もともとこの原告の提訴も「捏造したもの」だと思いますがね。

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2023年1月13日 (金)

三浦瑠麗氏:「安倍元首相は2度、暗殺された」 死後も故人を誹謗し続ける異常な反安部一派

Q_20230113095701  安倍元首相暗殺事件から半年が過ぎました。容疑者の山上徹也容疑者は本日13日起訴される予定です。この日本で起きた暗殺テロ事件、戦後の大政治家を失ったと言う事件なのに、何故か悲しみに暮れる一方で、日本を分断するある種の勢力がその凶行を覆い隠し、死者を愚弄するような動きを示しています。

 その不穏な動きとは何でしょう。それに関し国際政治学者の三浦瑠麗氏が、産経新聞に寄稿したコラムで所見を述べています。タイトルは『安倍元首相は2度、暗殺された』(1/11公開)で、以下に引用します。 

2022年に起きた安倍晋三元首相の暗殺事件は、日本政治の特殊性をあらためて思い知らせる出来事となった。それは、安倍氏が二度暗殺されたように見えるからである。一度目は突然に生命を奪われ、二度目は死者の抗弁不能性を利用する形で。

政治指導者の暗殺事件それ自体は、先進民主主義国においても存在しないことはない。米国のジョン・F・ケネディ大統領はソ連に亡命歴のある元海兵隊員に殺害され、その弟のロバート・ケネディ上院議員はイスラエル支援を理由に殺された。明白な政治イデオロギーによる暗殺では、イスラエルのイツハク・ラビン首相が自国民の和平反対派に命を奪われ、イタリアではアルド・モーロ元首相が極左テロ集団「赤い旅団」に誘拐され殺された。日本でも今世紀に入ってから他に政治家が二人、暴力団員や右翼団体の人間によって殺害されている。それでも、安定したデモクラシーにおいて暗殺は稀だというのは事実であり、こうした事件の裏にはいずれも特異な性格や政治・社会的背景に基づく凝り固まった思考の犯人の存在があった。

義憤や憎しみに駆られて会ったこともない人を殺す――というのはよほどの信念やイデオロギーが絡んでいるか、何か犯人の精神のうちに歪んだ不安定さがなければならないだろう。ケネディ兄弟暗殺事件の犯人像については、なぜ究極の手段である殺害の決心を固めたのか、理解しがたいものとして語られることが多かった。だからこそ、過剰な合理性を推定した陰謀論も広まりやすい。

反対に、犯人が偶像化される場合もある。例えば、伊藤博文を暗殺した安重根は韓国では英雄の扱いを受けている。しかし、それも犯人が民族なり宗教なりネイションなり、一定の集団を代表している場合のみである。安倍氏は論争的な政治家ではあったが、日本の左右対立は暗殺を招来するほどのっぴきならないものではない。だから、安倍氏の暗殺に際し当初広がった感情は、左右を問わず信じがたい衝撃であったのだ。

自民党の反応は当初混乱していたが、執行部の判断は最終的に真っ当なものだった。怨恨の線が濃厚な単独犯の感触が警察からもたらされると、自民党執行部は選挙戦を再開し、民主主義のプロセスを守り平常通り投票が行われるよう気を配った。主要野党の党首らも口々にお悔やみの言葉を述べ、同情の言葉を欠かさなかった。

だが、人間は一言目に何を言うかではなく、二言目に何を言うかが肝要だ。二日後の日曜日には、暗殺がもたらす精神の動揺に何らかの理由を見出そうとする心の働きがそこかしこに観察され始めた。すぐ目の前に亡くなった人がいるのに、他の死を持ち出して「命は平等だ」と指摘することで、安倍さんという固有の死を相対化しようとする言説も浮上した。凶弾に斃(たお)れた姿に「政治家の宿業」を感じたとコメントする人もあった。また、安倍政権に対抗陣営から向けられた憎しみが原因となったとして、古くからの敵に矛先を向ける人もいた。私のもとには週刊誌から「安倍さんの何が死に至った原因だと思うか」という取材が舞い込んだ。

反論できない死者への名誉侵害

怨恨や誇大妄想などから飛躍して殺害の決心に至った犯人の動機を、社会的要因からのみ説明しようとするアプローチには常に危険が潜んでいる。すべての殺人犯には社会的背景があるが、すべての殺人犯にならなかった人にも社会的背景があるからだ。そのうえ、新たに注目を集めようとして殺人を犯す犯罪者を促してしまう可能性すらある。

安倍氏の殺害を社会問題の発露として整理しようとする動きは、一歩間違えば死者とそれを取り巻く遺族の当事者性の簒奪(さんだつ)ともなる。尊厳ある一人のリーダーの死に対して、抗弁可能性がないのをいいことに、過度に侵襲的な言説も横行した。それらの否定的言説は、まるで安倍氏という存在が暗殺を経てより強い求心力となることを恐れているかのようであった。

日本は元々多元的社会であり、官邸一強といわれた安倍政権でさえ、日本の中心として統治することはできなかったのだが、安倍氏という一つの大きな中心―岸田文雄首相が考えるところの楕円のもう一つの中心―が失われたことで、元々ある、「中心」を作り出すまいとする日本社会特有の脱中心化の動きがさらに強まったのかもしれない。

性暴力被害を受けた人の気持ちをさらに傷つけることをセカンド・レイプと呼ぶが、安倍氏は凶弾に倒れただけでなく、セカンド・アサシネーション(暗殺)にも晒された。安倍氏が死後に受けた様々な名誉の侵害は、まさしく「第二の暗殺」とも言える現象だった。政敵に対するテロを不条理な暴力として一丸となって非難し退けるのではなく、死者に対して毫(ごう)も尊厳を顧みることなく帰責性を認定しようとする姿勢。それは、社会に存在するある種の醜さ、つまり相手の不幸を願い足を引っ張る態度として浮かび上がる。日本社会は嫉妬によってしばしば突き動かされており、死んでしまった人はまさに口なしの状態に晒されるのではないか。そうした恐ろしさを覚える年であった。

遺した足跡まで〝亡きもの〟に…

だが、安倍政権の評価はその長所も短所も含めて、歴史に記憶しておかねばならない。2022年は日本の防衛費の倍増と打撃力の保有へ向けて道筋が敷かれた年でもあった。安倍政権のあいだに世界は大きく変わった。戦後ずっと対米距離感で語られがちであった日本のナショナリズムは、対中距離感によって定義されるようになった。第一次安倍政権が目指した戦後レジームからの脱却は、世界の潮流が変わり、日本がそれに応じて変貌していく中で8割方成し遂げられたと言ってもいい。安倍政権は日中の戦略的互恵関係を定義し、インド太平洋構想を打ち出した。米国との歴史和解を完成させ、戦後70年談話では保守がリベラルに歩み寄って豊かな言葉で歴史認識を語ることで、歴史論争に区切りをつけた。

安倍首相は米国が抜けた後のTPP11(11カ国の環太平洋戦略的経済連携協定)を主導し、幅広い分野にわたる経済合意をまとめた。国内の経済改革は道半ばであった。ただし、アベノミクスにはその副作用が見えるにせよ、株価は3倍になり、失業率はほぼ完全雇用を達成し、女性活躍も進んだ。彼が敷いた路線であるところのインド太平洋構想と、QUAD(日米豪印の協力枠組み)の取り組み、中国との共存戦略はいまも持続している。

セカンド・アサシネーションは、憲政史上最長の安倍政権の足跡を、旧統一教会との関係という一点に意味合いを集約することで、亡きものにしようとする動きに基づいていた。現状の全否定はいつの時代にも暴力を招き寄せる。不正に対する「世直し」と見ることで、暴力を免罪しようとする動きに繋がるからだ。しかし、暴力や憎しみに加担する感情に未来はない。仮に救いがあるとすれば、後世の日本人は安倍首相の遺した足跡をもう少し正当に評価することができるかもしれない、ということだろうか。

 私は安部元首相の最大の功績は、戦後GHQとその日本人シンパが作り上げた「戦後レジーム」を、変えようとしたところにあると考えています。それが安倍氏の政治信条であり、作られた「自虐史観」から「日本古来の伝統や文化」を取り戻すことだったと思います。

 ところがその「自虐史観」にはまり続け、かつそれを利用しようとする外国勢力に加担する、学会やメディアや放送界の勢力が、安倍氏に過度に反応し、存命中のみならず、三浦氏の指摘の通り亡き後まで誹謗しているのです。

 私は一部の、山上犯人説を疑う意見にも興味を抱いています。山上容疑者の所持した銃の発射時の動きの不自然さや、不明な銃弾の行方、また安倍氏の銃創の角度等における不可解な点などを指摘し、他からの銃撃があったのではないかという説です。銃撃音の音響解析においても山上容疑者の銃とは異なる音が認識されているようです。これはいまだ確たる証拠とはなっていないようですが。

 山上容疑者の背後に大きな闇の勢力があり、山上容疑者の暗殺日以前の様々な動きも、その闇からのシナリオに沿った指示による演技だとすれば、彼はあくまで操り人形だったのかも知れません。逆にそうであれば、彼が突然、安部元首相襲撃に至る理由がはっきりします。ただこれはあくまで推測ですが。

 いずれにしろ、日本を普通の国にしようと生涯かけて頑張ってきた安部元首相と、そうしてはならじと逆に彼を貶めたい一派(海外も含む)との戦いが、この暗殺事件で終焉を迎えてしまいました。今後安部元首相の意思を継ぎ、その理念を追求し続ける政治家の登場を心から願っています。

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2023年1月12日 (木)

春節を控えた中国で再び“コロナ感染爆発”が起こっている「2つの根本的原因」 なぜ今「ゼロコロナ政策」をやめたのか

17_20230111165301  コロナ感染爆発の中国からの渡航者に、日本は水際対策として検閲の強化をしましたが、在日中国大使館は対抗処置として日本人へのビザ発給手続きを停止すると発表しました。欧米にはこの処置は執らず、日本と韓国だけのようです。

 対抗処置と言うからには、中国も水際対策をすればよいわけで、意味が分りません。常套手段の言いがかりでしょう。しかも日韓だけという事は、経済的に中国依存の高い国への腹いせのように思えます。何処まで狭量な態度でしょう。

 ところで中国のコロナ感染爆発、一説には国民の半数を超えたとありますが、何処まで本当か分りません。中国疾病予防コントロールセンターの公式発表では、8日基準で14171人。死者は数人レベルです。誰がこんな数字を信じるのでしょうか。あのWHOでさえ、正確な数字を要求しています。

 最近の中国のコロナの感染爆発状況を、現代ビジネス編集次長の近藤大介氏が、週刊現代誌上で公開していますので、以下に引用して紹介します。タイトルは『春節を控えた中国で再び“コロナ感染爆発”が起こっている「2つの根本的原因」 なぜ今「ゼロコロナ政策」をやめたのか』(1/10公開)です。

「民族大移動」の季節

1月22日、中国は春節(旧正月)を迎える。14億中国人は、1月1日の元日を「単なる一休日」としか見なしていない。春節こそが、絶対的に故郷で親族と過ごすべき「最重要の祝日」である。

中国政府の予測では、今年の春節期間(前後を含めた40日間)、延べ20億9500万人の「民族大移動」になる見込みだという。これは、「コロナ前」の2019年の延べ29億8000万人の約7割にあたる。すでに7日から、鉄道や航空などで、「春運」(チュンユン)と呼ばれる春節の帰省ラッシュが始まった。

「春運」で恐れられているのが、現在、都市部で猛威を振るっているコロナウイルスが、農村部にも拡散し、いよいよ「全民感染」の状態になることだ。

当然ながら農村部は都市部と較べて、医療体制が整っていない。かつ高齢者の住民が多いので、彼らが重症化して多数の死者を出すことも考えられる。すでに都市部では、火葬場に人々が殺到し、どこも機能不全に陥っている。

だがそれでも、最悪のコロナ禍の中で、「春運」は始まった……。

中国で、なぜいま再びコロナウイルスが猛威を振るっているのか。現地での個々の現象については、すでに様々な報道があるので重複しないが、その根本的原因とも言える中国の政治システムの「欠陥」について指摘しておきたい。

中国の政治システムには、少なくとも二つの大きな「欠陥」がある。一つは時期的なもので、もう一つは普遍的なものだ。

5年に一度の「空白の5ヵ月」

まず前者から述べる。

中国の政治は、憲法前文などが法的根拠となり、「共産党が政府を指導する」システムである。具体的には、5年に一度、秋に共産党大会を開催し、その人事と方針に基づいて、翌年3月に新政府が発足する。そして新政府が5年間、行政を司っていくというものだ。

ところがこのシステムを進めると、5年に一度、「陥穽(かんせい)」が生まれる。「空白の数ヵ月」と言ってもよい。

つまり、秋に共産党大会で新たな人事と方針が決まっても、それを実行していく新政府は、翌年3月にならないと発足しないのだ。それまでは「旧政府」が継続して行っていくことになる。

特に、10年に一度、政権が代わる時が要注意である。巨大な官僚機構から見ると、新しいボスは3月にならないとやって来ない。それまでは以前からのボスたちが司っているが、彼らは3月には去っていく。そのため万事「後ろ向き」で、「膨大な不作為」が起こるのである。

つまり、諸政策が停滞する。そしてそうした中から、「重大な危機」が起こるというわけだ。

一例を示そう。2002年11月に第16回共産党大会が開かれて、江沢民総書記から胡錦濤総書記にバトンタッチされた。しかし胡錦濤政権が発足したのは2003年3月で、その間に「空白の4ヵ月」が生まれた。その時起こったのが、SARS(重症急性呼吸器症候群)だった。

突如発生した未知のウイルスに対して、時の江沢民政権は有効な手立てを打てないまま、2003年3月に胡錦濤政権にバトンタッチした。その結果、新政権発足が華々しく行われた北京は、SARSが蔓延して修羅場と化した。

最終的には、中国を中心に8096人の感染者が報告され、うち774人が死亡したのだった。いまの新型コロナウイルスに較べれば小規模に思えるかもしれないが、感染者の1割近くが死亡するという点では、SARSの方が恐ろしかったとも言える。

ともあれ、それから20年を経た現在も、「空白の5ヵ月」の真っただ中なのである。本来なら、「2期10年」で引退すべき習近平総書記が、昨年10月の第20回共産党大会で、トップの座に居座った。しかも、序列2位の李克強首相を始めとする「気に入らない幹部たち」を、あまねく蹴散らしてしまった。それでも蹴散らされた面々は、3月まで残っているのだ。

こうした「変則形」は、巨大な官僚組織に、とてつもない「停滞」をもたらしている。国務院(中央政府)の「本丸」からして、李克強首相は共産党大会で「否定」されたのにまだ残っていて、代わって「肯定」された李強新首相が就くのは3月だ。そのため部下たちは、いま李克強首相に従えば、3月に李強新首相に蹴飛ばされると思うから、戦々恐々と委縮している。

そうした巨大な官僚機構の機能不全の中で起こっているのが、いまの中国の新型コロナウイルス騒動なのである。そのため、中国政府が万事、適正な政策を講じられるはずもないのだ。

すでに14億中国人の過半数が感染

中国は、それまで3年近く続けてきた「ゼロコロナ政策」を転換するにあたって、ウイルスの急激な蔓延と、それに伴う影響などについて、適切な措置を取るよう準備していなかった。「空白の5ヵ月」にあたるため、「誰も責任を取らない状況」だったのだ。1月8日からは、新型コロナウイルスは「乙類乙管」という、それまでより低レベルの感染症に切り替えられた。

こうしたことによって「全民感染」という状況を引き起こした。中国では「津波」にたとえられている。はっきり統計を取っていないので実数は不明だが、すでに14億中国人の過半数が感染したとも言われる。

おそらく多数の重症化した高齢者が、死亡していることだろう。「おそらく」というのは、圧倒的多数のコロナウイルスによる死者が、「別の要因」をつけて葬られているため、実態が掴みきれないからだ。

昨年12月20日から、コロナウイルスによって心臓、脳、血管などに障害が起こって死亡した場合は、「コロナウイルスによる死亡」とはしないと定めた。ちなみに、国家衛生健康委員会が発表した1月7日の新規感染者数は7074人で、死者は2人である。

こうした状況に、憤りを隠せない現場の医師も多い。上海のある医師は、1月6日にSNSにこんな投稿をした。

〈 本来ならこんな文章を発表したくはない。だがあれこれ迷った末に、やはり出すことにした。(この文章を題材に)討論したり憤ったりすることを歓迎する。

私は上海で仕事をしていて、最近は大量の新型コロナウイルスの患者が入院しに来る。その中の少なからぬ人々に対して、病院側は新型コロナウイルスの患者と診断するなと言ってくる。

病人は咳(せき)と発熱で入院している。PCR検査をしたら陽性だった。胸部のCTスキャン検査をしたら肺に炎症を起こしている。入院後も肺の症状が悪化し、家族が延命措置を拒否したため、最後は血圧や心拍数が下がるなどして死亡した。

私は死亡通知書に、「死亡の原因は重症化した肺炎で、そこに至ったのは新型コロナウイルスのせいだった」と書いた。すると翌日、病院側から電話が来て、「死亡原因を変更するように」と言われた。「では何と書けばいいのか?」と聞いたら、向こうも押し黙ってしまった。

私は問いたい。一体なぜなのか? なぜ新型コロナウイルスにかかって死亡したと書いてはいけないのか? 患者の家族に対して、もうこれ以上の書き換えはしたくない 〉

まさに、「無理が通れば道理が引っ込む」というわけだ。この医者の投稿は瞬く間に削除されたが、多くの人々に回覧され、共感が広がった。

ともあれ、「空白の5ヵ月」の間、適切な政策が臨機応変に打てないことが、中国の政治システムの「時期的な欠陥」である。こうした状況が、春節を挟んであと2ヵ月ほど続くことになる。

「2023年世界の10大リスク」第2位

もう一つの中国の政治システムの「普遍的な欠陥」とは、先の第20回共産党大会によって、習近平総書記という今年、古稀を迎える高齢の政治家に、権力が集中してしまったことである。

このことは、アメリカで地政学を研究する著名な民間組織「ユーラシア・グループ」が、「2023年世界の10大リスク」の第2位に挙げている。ちなみに第1位は、「ならず者ロシア」だ。

以下、ユーラシア・グループの発表を引用する。

〈 リスクNo.2 「絶対的権力者」習近平

中国の習近平国家主席(共産党総書記)は2022年10月の第20回党大会で、毛沢東以来の比類なき存在となった。

共産党の政治局常務委員を忠実な部下で固め、国家主義、民族主義の政策課題を事実上自由に追求することができる。しかし、彼を制約するチェック・アンド・バランスがほとんどなく、異議を唱えられることもないため、大きな誤りを犯す可能性も一気に大きくなった。

習近平の中国では、恣意的な決定、政策の不安定さ、不確実性の増大が常態化することになる。国家資本主義の独裁国家が世界経済でこれほど大きな位置を占めるという前例のない現実を考えると、このグローバルで巨大な問題は過小評価されている…… 〉

一人に権力が集中することは、物事の決定を早めるというメリットもありそうだが、実際はそうなっていない。そもそも、これだけ複雑化している世の中で、森羅万象を一人で決めることなど、神でもなければ不可能だ。しかも小国ならまだしも、中国は14億という世界最大の人口大国なのだ。

ユーラシア・グループは、「習近平主席が犯した不手際」の例として、やはりコロナ対策を挙げている。

〈 昨年、私たちは中国がゼロコロナの罠に自らはまったと警告したが、残念ながらその通りであった。習近平は高品質の外国製mRNAワクチンを拒否し、国産ワクチンの接種率も不十分だった。中国国民は重症化しやすく、突然のゼロコロナ政策からの転換は致命的となった。(中略)

わずか数週間前、習近平は2年以上前にゼロコロナ政策を開始した際と同様、恣意的な方法で同政策を終了させた。高齢者のワクチン接種率が低いにもかかわらず、市民や地方政府に警告することもなく、その結果発生する集団感染に対処する十分な準備もないまま、すべての制限を解除してウイルスを野放しにするという彼の即断により、100万人以上の中国人が死ぬことになるだろう(ほとんどはコロナによる死者と報告されないだろうが)。

このような途方もない、そして巨大なコストのUターンを実行できるのは、無敵の権力を持つ指導者だけである 〉

読んでいて、いずれも納得のいく指摘である。ちなみに先日、中国外交部の関係者と雑談していたら、外交部の退職者だけで、すでに50人以上「急死」していて、そのリストが回覧されているのだとか。

中国国内で噂される「4つの説」

それでは、習近平主席は昨年末になぜ突然、あれほど固執していた「ゼロコロナ政策」を放棄したのか?

これには中国国内で、4つの説が噂されている。いずれも噂の域を出ないが、一応、列挙しておく。

【1.経済悪化深刻説】

昨年3月5日、全国人民代表大会の初日に、李克強首相が「今年は5.5%前後の経済成長を達成する」と華々しく述べた。ところが、「ゼロコロナ政策」が足を引っ張り、2022年の中国経済は悪化する一方だ。

足元で、第3四半期までの経済成長率3.0%、11月の輸出は前年同期比-8.7%、輸入は-10.6%、小売売上高(消費)は-5.9%、10月の若年層(16歳~24歳)失業率は17.9%……。

このままでは政府が掲げる「復工復産」(仕事と生産の復活)は厳しいと判断し、「ゼロコロナ政策」に終止符を打った。

【2.「白紙運動」影響説】

昨年11月24日に、新疆ウイルグル自治区の中心都市ウルムチで、マンション火災が発生。極端な「ゼロコロナ政策」によって住民が逃げ遅れたり、消防隊が駆けつけられなかったりして、10人が死亡した。

この事件の実態がSNSで拡散されたことで、中国各地の大学や市街地などで、いわゆる「白紙運動」が起こった。若者たちが白紙の紙をかざして、「習近平下台!」(習近平は退陣せよ)「共産党下台!」(共産党は退陣せよ!)などと叫んで抗議する様子は、日本でも広く報道された。

このように、あからさまに共産党や最高指導者を非難するデモが中国で発生したのは、1989年の天安門事件以来、33年ぶりのことだった。習近平総書記としては、10月に第20回共産党大会を開いて、異例の「総書記3期目」を確定させたばかりというのに、その威信にすっかり傷がついてしまった。

中国の若者たちが、ここまで怒りを爆発させたのは、中国がいつまでも理不尽極まりない「ゼロコロナ政策」を続けていたからだった。しかも、このままでは、習近平指導部としては望まない若者たちとの全面対決になるリスクがあった。

そこで、ひとまず「ゼロコロナ政策」の看板を一気に下ろして、国内的な宥和を図ろうとした。

【3.習近平主席感染説】

昨年11月18日と19日、タイのバンコクでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開かれ、習近平主席も参加した。その中で習主席は19日、自らが昨年7月1日に任命した李家超香港行政長官と会談した。二人はマスクをつけずに握手を交わし、近距離で比較的長時間、話し込んだ。

その翌日に李家超長官が香港に戻った時、空港でPCR検査を受けたところ、コロナに感染していることが判明した。おそらく李長官は、自らが感染したこと以上に、畏れ多い習近平主席に移してしまったのではないかということを懸念したに違いない。何せ自分を香港トップに押し上げてくれた恩人なのだ。

だがやはり、習近平主席に感染していた。ただちに「中南海」(最高幹部の職住地)で緊急医療体制が組まれ、習主席は隔離静養生活に入った。

実際、19日の晩にバンコクから帰国して以降、25日にキューバのディアス・カネル主席と人民大会堂で会談するまで、丸5日間も公の場に姿を現さなかった。こうしたことは極めて異例だ。

ところが、習主席はほぼ無症状だった。「なんだ、コロナって、こんなものか」。それで習主席は、「ゼロコロナ政策」の解除を決断した。

【4.WHO圧力説】

WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長は、「習近平主席の盟友」とも揶揄されているが、昨年来、中国の極端な「ゼロコロナ政策」に頭を悩ませていた。そこでコロナ対策に関して、世界と足並みを揃えるよう、中国に何度も要請してきたが、馬耳東風だった。

WHOは昨年秋、中国が今後とも極端な「ゼロコロナ政策」を継続するならば、世界から中国だけを切り離して、2023年以降のコロナ対策を実行していくと、最終通告を出した。中国が一番恐れるのは、中国を除外することによって、台湾を加盟させたり、オブザーバーとして迎え入れたりすることだ。そこで渋々、「ゼロコロナ政策」に終止符を打った。

重ねて言うが、これ4説は、いずれも噂の域を出ておらず、何ら確証を得られたものではない。だが1月8日、中国は完全に「ゼロコロナ政策」と決別した。

より深刻な新型が出現した場合

今後の展開だが、前述の「ユーラシア・グループ」が、こんな警鐘を鳴らしていることを、おしまいに紹介しておこう。

〈 もしコロナに深刻な新型が出現した場合、習近平の存在が理由で、中国国内外に広く拡散する可能性が高くなる。

中国は検査やゲノム解析に力を入れていないため、新型のウイルスを特定することができないだろう。医療制度が貧弱すぎるため、感染症が変化してより深刻になっていても気づくことができない。

これまでの習近平の透明性のなさから考えると、強力な変異体のニュースを公表することもできないだろう。世界はより致命的なウイルスに備えるための時間をほとんど、あるいは全く持てないだろう 〉

 武漢を発祥の地とする新型コロナウイルス(チャイナウイルス)によるパンデミックは、3年の時を経て、再び中国から世界に向け二次パンデミックを起こそうとしています。もう勘弁して欲しいと心から思います。中国へのビザ発行停止も結構、とにかく中国へ行かない、中国から来させない様にして欲しいのが偽らざる心境です。

 おそらく将来歴史の記述の中で、習近平はスターリン、毛沢東、そしてプーチンと並ぶ、極悪でかつ愚かな指導者の一人にあげられているでしょう。そんな中で暮らす中国人も不幸ですが、台湾を初め周辺国も大迷惑です。

 願わくは経済の大幅な停滞から来る、国民の共産党への不満が鬱積して、政権がひっくり返ることですが、すぐには無理でしょうね。プーチンと同様、本人の失脚ないしは死を待つしかないのでしょうか。いずれにしろ日本はこの国から飛んでくる火の粉を何とかして防ぐしかありません。

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2023年1月11日 (水)

小池都知事が打ち上げた少子化対策「月5000円支給」の意義と効果、対して岸田首相の「異次元の少子化対策」の評価は?

16_20230110170101  岸田首相が年頭の記者会見で、「異次元の少子化対策に挑戦する」と語りましたが、具体的中身は未だ見えて来ていません。これから詰めるのでしょうが取りあえず掲げたのは、〈1〉児童手当を中心とした経済的支援の強化〈2〉学童保育や病児保育、産後ケアなどすべての子育て家庭への支援拡充〈3〉育児休業の強化を含めた働き方改革の推進――の3本柱です。だが、いずれも既存政策であり、専門家の間からは「異次元」とはほど遠いという意見も出てきています。

 ただ、昨年には新生児が80万人を切ろうとしている現在、アドバルーンを上げるだけでもまだいいのかも知れません。このまま不作為を続ければ、日本の将来は本当に暗澹たるものになるでしょうから。

 そうした中、東京都の小池知事が、子育て家庭に所得制限なしの「一人月5000円支給」の少子化対策を発表しました。これについてデイリー新潮が、次のようなコラムを公開していますので以下に引用します。タイトルは『“パラサイト・シングル”の名付け親が語る、「小池都知事」少子化対策の希望と絶望』(1/09公開)です。

 小池百合子・東京都知事がブチ上げた「月5000円支給」の少子化対策が大いに注目を集めている。「バラマキ」と批判の声がある一方で、都内の子育て世帯からは「歓迎」の声も聞こえてくる。果たして少子化に歯止めをかけることはできるのか? 専門家に聞くと、国や地方自治体が目を背けてきた「少子化」問題の真因が見えてくるのだった。

*********

 1月4日、小池都知事は年頭あいさつで「もはや一刻の猶予も許されない。“育ち”を切れ目なくサポートする給付を行う」と述べ、都内の0~18歳を対象に1人当たり月5000円程度の給付を行う考えを明らかにした。

 都内の0~18歳人口は約193万人(2022年1月時点)。所得制限は設けない方針のため、給付額は単純計算で年約1200億円にのぼることになる。都の22年度の一般会計当初予算(約7兆8000億円)の約1.5%に相当するが、小池氏は「行政改革で生じた財源を充てる」意向を表明している。

「小池知事は現在編成中の23年度予算案に関連費用を盛り込み、新年度からの給付開始を目指しています。5000円の根拠としては、家計に占める子供1人あたり教育費の全国平均(約7000円)と東京平均(約1万2000円)の差額から算出したと説明しています」(全国紙都庁詰め記者)

“バラマキ”批判に対し、小池都知事は「未来への投資」だと反論。実際、「少子化」が年々加速しているのは事実で、昨年の全国の年間出生数は1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込む見通しだ。また1人の女性が生涯に産む推計人数をあらわす合計特殊出生率は東京都で1.08(21年)と、全国平均の1.3(同)を大きく下回り、5年連続で低下した。

心配は“いま”より「将来の学費」

 岸田文雄首相の「異次元の少子化対策」という意味不明なスローガンに比べ、具体策を打ち出した点を評価する声は多いが、その実効性については賛否が割れている。

『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』や『パラサイト・シングルの時代』など多数の著作がある、家族社会学の第一人者で中央大学教授の山田昌弘氏は、小池氏の“挑戦”をこう評する。

「問題の解決に向けた“一歩前進の動き”と評価していますが、少子化対策はそもそも国全体で取り組むべき課題であり、東京都でできることには限界があります。それでも今回の給付が開始されると、2人目や3人目を産むのを迷っていた中間所得層の世帯などに対し、“産んでみようか”と背中を押す効果はあると考えます」

 一方で、

「少子化対策は、お金を配るだけでなく、子育てに費やす時間を確保できるよう労働時間の短縮や、特に男性の育休取得の環境整備などとセットで行うことでより効果が発揮されますが、これらは地方自治体の裁量を超えてしまう。また少子化が加速している背景には、“いま、お金が足りない”から子供を産めないというより、将来の子供にかかるお金のほうが心配だからと“産まない”ほうを選択する若者が増えている実態があります。つまり将来の学費の心配をなくしてあげたほうが、少子化対策としての効果は大きい。1980年代は年間40~50万円だった私立大学の授業料は現在90万円を超えるまでになっています。少子化対策で考えるべき第1の条件は高校以降、大学や専門学校までの高等教育にかかる費用を少なくすることですが、地方自治体だけで完結する話ではありません」(山田氏)

 重要なのは、今回の東京都の対策に続く形で、国や他の地方自治体が少子化対策に乗り出すことだという。

ハンガリーは「25兆円」支出で出生率上昇

 非正規雇用に就く男女が年々増え、正社員であってもかつてのように将来の賃金上昇は望めなくなるなど、若者を取り巻く経済状況が不透明さを増している点も少子化問題に大きな影を落としている。

「少子化の根本原因を考えた時、“若者の将来の経済不安”という要因は外せません。しかし、その不安を払拭するためには相当の財政支出が必要になる。ハンガリーのオルバン政権は少子化対策にGDPの5%弱を使って、出生率を上げたことで知られます。日本に当てはめると年約25兆円になる。結婚した若者に住宅を安く供給する、大学や専門学校の学費を無料にする、奨学金返済を半減させる……などの思い切った支出をしなければ、実際、子供は増えないと考えています」(山田氏)

 それが無理ならば、少子化を受け入れるしかないが、山田氏によれば、それは日本人の生活が「徐々に貧しくなることを受け入れることと同じ」だという。このままでは小池都知事の取り組みも“焼け石に水”となりかねない。国も巻き込んだ、さらなる対策の強化が求められている。

 このブログでも少子化問題は何度も取り上げていますが、少なくとも首相自ら会見で、少子化問題を取り上げたことの意味は大きいと思っています。問題は具体策とその実施時期、更には財源をどうするか、と言うことでしょう。

 記事の中に出てくる山田氏も言うように、今子供を持っている親への支援だけでなく、これから子供を産む対象の人への支援、更には結婚しない人が増えていますが、そういう人への対応など、相当な深みを持った政策検討が必要とされます。日本でもハンガリーのような思い切った策が打てるかどうかは分りませんが、いずれにしろ相当思い切った政策を打たねば、少子化の解消は困難だと思われます。

 子ども家庭庁の発足など、環境を整える必要もありますが、以上述べたような取り組みを大胆かつ早急にとり進める必要があります。小池都知事の政策はその呼び水になれば、一定の効果をもたらしたと評価できるかも知れません。

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2023年1月10日 (火)

エネルギー安全保障の中核を担えるか、危機に瀕する原子力がGX「グリーントランスフォーメーション」の主役になる道

15_20230109153301  前回の食料の安全保障に続いて、今回はエネルギーの安全保障を取り上げます。日本はエネルギーの大半を海外に頼っていて、その自給率は2019年度で12.1%。東日本大震災の直後の2012年に6.7%と底を打ち、その後徐々に回復してきていますが、その多くは再生エネルギーの増加が寄与してきています(全エネルギーに占める割合2010年度4.4%から2019年度8.8%へ)。

 ただそれと同時に、福島原発事故の影響で、多くの原子力発電所が稼働中止となったため、原子力の割合が減っています(同2010年度11.2%から2019年度2.8%)。その減少分を補うため、毎年数兆円に上るLNGや燃料炭の輸入を追加輸入しています。

 それが電力コストを押し上げる要因にもなっています。2010年から2019年までの推移は下図の通りです(2019年度は産業向けは17.0円/kwh、家庭向けは24.8円/kwh)。

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 ただ2022年に入って、ロシアのウクライナ侵略が始まり、その影響で8月には産業向けは21.1円/kwh、家庭向けは27.9円/kwhと一気に高騰しています。これは化石燃料依存度80%半ばと非常に高いため、世界のエネルギー価格の高騰の影響をまともに受けているためでもあり、またもともと単価の高い再生エネルギーの比率アップも影響しています。これでは日本の産業競争力に大きなマイナス要因になり、また生活負担の増大にもつながっています。

 そこで当然浮上してくるのが原子力の再利用です。稼働停止の原発の再稼働だけでなく、次世代の革新的原子炉の開発や核燃料サイクルの大幅な見直しも含まれます。その点の詳細を経済学者でアゴラ研究所代表取締役所長の池田信夫氏がJBpressに寄稿した記事から引用して紹介します。タイトルは『危機に瀕する原子力が「グリーントランスフォーメーション」の主役になる道 宙に浮いた核燃料サイクルを転換するとき』(1/06公開)です。

 日本原燃は2022年12月26日、青森県六ヶ所村の使用済み核燃料の再処理工場の完成目標時期を2年先送りして「2024年度上期のできるだけ早期」に延期すると青森県に報告した。当初は1997年に完成する予定だったが、これで26回延期されたことになる。

 直接の原因は、原子力規制委員会の審査に合格する見通しが立たなかったことだが、本質はそこではない。核燃料サイクルは日本の原子力開発の根幹だったが、その目的がわからなくなり、宙に浮いてしまったのだ。

原子力政策の「静かな大転換」

 原子力に消極的だった安倍政権に対して、岸田政権は原発の再稼働や運転延長を認めている。GX(グリーントランスフォーメーション)という脱炭素化政策でも、最大の力点が置かれているのは原子力である。

 その基本文書である「GX実現に向けた基本方針(案)」には「次世代革新炉」という言葉がたくさん出てくるが、その中身は今と同じ軽水炉である。かつて次世代の原子炉とされた高速炉はなく、核燃料サイクルという言葉は1回しか出てこない。

 これはあまり注目されていないが、原子力政策の大転換の第一歩である。1956年に始まった日本の原子力開発長期計画では、軽水炉は過渡的な技術であり、最終的にはウランを軽水炉で燃やしてできるプルトニウムを再処理して高速増殖炉で燃やし、消費した以上のプルトニウムを生産する核燃料サイクルが目的とされた。

 これによってエネルギーを自給できない日本が、無限のエネルギーを得ることが最終目標だった。1973年、石油危機で資源の枯渇リスクに直面した通産省は、原子力開発を国策として核燃料サイクルを建設した。

 しかしサイクルの中核となる高速増殖炉(FBR)は各国で挫折し、日本でも2016年に原型炉「もんじゅ」が廃炉になった。それでも経産省は高速炉開発の道を探ったが、2019年に提携先のフランスが開発を断念した。高速炉を「次世代原子炉」とする路線は成り立たなくなったのだが、日本はその路線を変えられなかった。それはなぜだろうか。

核燃料サイクルで核兵器が製造できる

 核燃料サイクルには、もう1つの目的があった。プルトニウムは核兵器の材料になるのだ。中国でもロシアでも、高速炉はプルトニウムの生産装置である。1968年に核拡散防止条約(NPT)ができたのは1964年の中国の核実験がきっかけだが、そのとき米ソの隠れた目的は、日本と西ドイツの核武装を封じ込めることだった。

 日本はNPTのそういう不平等性を知っていたので、これに抵抗した。条約に署名したのは発効直前の1970年2月、批准は1976年6月だった。「非核三原則」を唱えた佐藤栄作も、最初はNPTに反対だった。こういう日本政府の迷走がアメリカに「日本は核武装するのではないか」という疑惑を抱かせた。

 1977年にカーター政権が核拡散を防止するという理由で再処理を放棄し、日本にも再処理をやめるよう求めたが、日本は拒否した。原子力施設はIAEA(国際原子力機関)が査察していたが、日本は事前に一括して再処理に同意する「包括的事前同意」を求め、1988年に日米原子力協定を結んだ。この協定では、使用目的のないプルトニウムは保有してはいけない。

 今の核燃料サイクルの目的は再処理して高レベル核廃棄物の体積を減らすことだが、危険なプルトニウムは増えてしまう。それをプルサーマル(MOX燃料を燃やす軽水炉)で消費する計画だが、MOX燃料の使える原子炉は全国で3基しかなく、日本が47トン保有するプルトニウムを毎年1トン消費するのがせいぜいだ。

 かつてFBRはエネルギーを無限に増殖する「夢の原子炉」とされたが、今では非在来型ウランの埋蔵量は300~700年分、海水ウランはほぼ無尽蔵にあるので、経済的には意味がない。プルサーマルはウランを再処理して、わざわざ10倍近いコストのMOX燃料にして燃やす非生産的な技術である。

原発は「トイレなきマンション」ではない

 プルトニウムを増やさないためには、再処理しなければいい。使用済み核燃料を燃料棒のままキャスクに入れて、乾式貯蔵すればいいのだ。原発が「トイレなきマンション」だというのは誤りで、乾式貯蔵のスペースは発電所の敷地内に数十年分ある。六ヶ所村には300年分以上の核廃棄物を置くことができる。

 問題はそういう技術的な制約ではなく、「六ヶ所村はゴミ捨て場ではなく工場だ」という建て前で使用済み核燃料を受け入れた青森県との安全協定である。これは単なる念書で、法律で決まっているわけではないが、青森県知事が「六ヶ所村に置いてある使用済み核燃料はすべて電力会社に返す」というと、たちまち原発は運転できなくなる。

 もう1つの問題は、全量再処理をやめると核燃料がゴミになることだ。いま日本にある使用済み核燃料1万7000トンの資産価値は約15兆円(2012年原油換算)だが、これがすべてゴミになると(使用済み核燃料を保有する)電力会社は大幅な減損処理が必要になり、弱小の会社は債務超過に陥る。

 これは会計処理を変えれば解決できる。使用済み核燃料を引き続き資産として計上し、毎年少しずつ分割償却する制度を導入すればいいのだ。これは廃炉の処理で導入されたのと同じで、固定資産税は軽減され、法人税の支払いも減る。これによって電力会社の(将来にわたる)税負担は数兆円単位で軽減される。

 最大の問題は、1970年代から続けてきた核燃料サイクルを中心にした原子力開発が、根底から変わることだ。これまで次世代炉とはプルトニウムを燃やす高速炉であり、軽水炉はそれまでのつなぎという位置づけだったが、サイクルで回るはずの核エネルギーが袋小路に入ってしまった。

 余剰プルトニウムを減らせないと、日本は日米原子力協定違反になる。だから「余剰プルを減らす努力をしている」と言い訳することが、今ではほとんど唯一の核燃料サイクルの目的だが、日本が核武装するには日米同盟を破棄する必要があり、現実には不可能だ。原子力協定は見直してもいいのではないか。

このままでは日本の原子力産業は終わる

 日本の原子力産業は、いま絶滅の危機に瀕している。民主党政権が2011年の福島第一原発事故の後、全国で54基動いていた原発をすべて止め、今も9基しか運転していない。この12年間に失われたのは、電力や燃料だけではない。発電所に勤務していた作業員や開発に携わる技術者など、多くの人材が失われた。

 政府の掲げるGXも「2050年カーボンニュートラル」も、原子力なしでは不可能だが、日本では原子力は民間企業でリスクの負い切れない事業になった。電力自由化で火力や原子力への過少投資が発生して電力危機の原因になっているが、原子力は特に深刻である。

 日本原子力発電を受け皿会社にして、BWR(沸騰水型原子炉)の東京電力・中部電力・東北電力・北陸電力・北海道電力の原子力部門を原子力公社に統合し、核燃料サイクルを含めて国有化する構想も経産省で検討されているという。

 国有化には巨額の国費が必要になるが、原子力損害賠償・廃炉等支援機構にはすでに国が出資し、交付国債という形で東電に約8兆円の融資が行われている。廃炉・賠償・除染にかかる21.5兆円を東電が今後40年かけてすべて負担する、という政府の計画を信じる人はいない。最終的には、数兆円規模の国費投入が行われるだろう。

 つまりこれは国の原子力救済を間接的にやるか直接的にやるかだけの違いである。政府が原子力を救済することは、GXを進める上でも重要だ。今の「生かさず殺さず」の状態では、原子力産業に未来はない。

 技術者の士気は下がり、大学の原子力工学科はなくなり、若い人材は集まらない。再処理や高速炉に投入されてきた人的・物的資源を、政府が次世代革新炉に再配分し、世界でもトップレベルの原子力技術を残すべきだ。残された時間は少ない。

 高速増殖炉「もんじゅ」の挫折、再処理工場の相次ぐ完成延期、そしてその中で起きた福島第一原発の炉心溶融事故で、日本の原子力政策は頓挫しました。そしてその結果生じた、再生エネルギーと化石燃料への転換で、日本の電力料金は世界でも最も高いレベルになるという、最悪の状態になっています。

 更には原発の再稼働や新しい発電所の建設が、近隣住民の反対や司法の判断によって思うように進まず、計画停電など電力危機が間近に迫ってきているのが現状です。従って先ずは使える設備から利用可能にすることが喫緊の課題で、そこから将来へ向けて新たな展開を考えるべきでしょう。

 化石燃料の利用をこれ以上増やすのは、GXへの逆行や外貨の垂れ流しにつながるため、得策ではありません。再生エネルギーもコストや供給安定性の問題があります。従って当面は原子力利用がやはり避けて通れない道でしょう。海水ウランの利用可能研究や次世代革新炉の開発と同時に、核のゴミの処理の方向付けも早急に進める必要があると思います。ここは国が主導でエネルギー安全保障政策として進めるべきでしょう。

 ある識者が指摘していたのですが、国の安全保障に関わる問題について、例えば軍事基地問題や、原発関連の施設などは、国が指定した場所に設置できるようにすべきだ、と。もちろんその地域住民の意見は最大限に考慮するにしても、最終的な決定権は国に置くべきだと言うことです。そうしなければ新しい自衛隊の基地や核のゴミ処分場のような案件は、いつまで経っても決まりません。賛同したいと思いますね。

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2023年1月 9日 (月)

農水省とJAが牛耳る日本の農業政策。実態は衰退の一途で危機が目前に迫っている。国民は食料・農業政策を彼らから取り戻すべきだ

Images-9_20230108155901  日本は今3つの安全保障が必要とされていると考えます。一つは王道ですが防衛に絡む安全保障。二つ目にはエネルギーの安全保障。そして3つめは食料の安全保障です。この3つはどれが欠けても日本は存亡の危機に見舞われます。

 今回は食料安全保障を取り上げます。低い食糧自給率や、外国産食料品の買い負けなど、多くの課題がありますが、その概要を少し以前になりますが、キャノングローバル研究所の山下一仁研究主幹が、週間「世界と日本」に掲載した記事から引用します。タイトルは『日本の危機的な食料安全保障』です。

穀物の国際価格が上昇してパンや即席めんなどが値上げされた。食料自給率も低下して、マスメディアは食料不安を報じている。しかし、これは自己の利益のために農業保護の増加を狙う農水省などの思うつぼである。実際には、農政のせいで我が国の食料安全保障は危機な状況だ。

穀物価格は長期低下傾向

最も重要な食料品は、エネルギーを供給する穀物(米、小麦、トウモロコシ等)と大豆である。人口が増えて食料危機が起きるなら、既にこれらの価格は上昇しているはずだ。ところが、生産増加により、穀物の実質価格は、過去1世紀半ずっと低下基調だ。穀物価格が3倍に上昇した2008年でも、70年代の価格水準を下回っている。経済力が大きく低下しない限り、日本が食料品を買えなくなることはない。

虚飾にまみれた食料自給率

食料自給率は、国内生産を輸入品も含めた消費で割ったものである。同じ生産量でも、自給率は、飽食の限りを尽くしている現在の食料消費を前提とすると下がり、30年前の消費なら上がる。輸入がない終戦後の自給率は、餓死者が出ているのに100%である。

食料自給率は農水省の最高傑作だ。60%以上も食料を海外に依存していると聞くと、国民は農業保護を増やすべきだと思ってくれる。政府は20年以上も45%に引き上げることを目標としている。ところが低下一方なのに、農水省は恥じる様子はない。自給率が上がれば、農業保護の根拠が弱くなって困るのだ。

農水省が低下させた食料自給率

1960年の79%から今の37%までの自給率低下の要因を、農水省や農業経済学者は、パンや肉などの消費が増える食生活の洋風化だと言う。このため畜産振興策が採られ、今では養豚農家の所得は2千万円となるなど、畜産は大きく発展した。しかし、欧米のように、自国で穀物や草を育ててエサにするのではなく、エサはほとんど輸入に依存した。これでは自給率は上がらないし、輸入が途絶すると日本の畜産は壊滅する。

亡国農政

農業界は、農家所得向上という名目で米価を上げた。これで米の生産は増えて消費が減ったので、1970年から減反政策を実施している。“洋風化”で消費が減少したので、米価維持のため生産を減少させ続けた。1967年1426万トンの米生産量に対し、農水省が今年提示した生産量は半分以下の675万トンである。

農家保護なら、欧米のような財政からの直接支払いという方法がある。農家への3500憶円ほどの減反補助金で高い米価を維持している政策に代わり、農業で生計を立てている主業農家に直接支払いを限定すれば、財政負担は1500憶円ですみ、消費者も米価低下の利益を得る。

しかし、JA農協にとっては高米価の方が望ましい。高米価で滞留したコストの高い兼業農家の兼業所得も、農業に関心のない兼業農家が農地を宅地向けに転用・販売して得た巨額の富も、JAバンクの口座に入った。JAバンクは預金量100兆円を超える日本有数のメガバンクに成長した。米が過剰になり1970年に減反を開始して以降も、JA農協は農林族議員や農水省に圧力をかけて米価を上げ続けた。

かつては6月に麦を収穫して田植えをしていた。しかし、兼業農家がまとめて休みが取れるゴールデンウィークに田植えをするようになって、日本の農村風景から麦秋は消えた。JAバンクという金融事業が利益の大半を占めるJAにとって、米と麦の二毛作よりも米と兼業の方が利益になった。農政は麦には関心を持たなくなり、小麦の生産は1960年383万トンから100万トン程度に減少した。

米の需要が減少し、パンなど麦(小麦、大麦など)の需要が増加することは予想されていたので、米価を下げて、米の生産を抑制しつつ需要を拡大し、麦価を上げて、麦の生産を増加させつつ需要を抑制するという政策を、採るべきだった。ところが、1960年から米価は4倍になっているのに、麦価はほぼ据え置きである。国産の米をいじめて、輸入主体の麦を優遇したのだ。今では500万トンの米を減産し、800万トンの麦を輸入している。食料自給率低下は農政の責任だ。

日本の食料危機

物流が途絶して輸入食料が手に入らなければ、深刻な食料危機が起きる。最も重大なケースは、軍事的な紛争でシーレーンが破壊され、海外からの船が日本に近づけないという事態である。台湾有事を想定してもらいたい。

これに対処するためには、短期的には食料備蓄、中長期的には食料増産が必要となる。減反を廃止して生産を増やし米価を下げれば、1年分の消費量以上の米を輸出できる。小麦や牛肉が輸入できなくなったときは、輸出していた米を食べるのである。輸出は無償の食料備蓄となる。輸出とは国内消費より生産していることだから、米の自給率は100%を超える。

食料増産に必要な農地は、1961年に609万ha、その後公共事業などで160万ha新たに造成しているので、770万haほどあるはずなのに、440万haしかない。農水省の減反政策と不徹底な土地規制で、日本国民は、330万haもの農地を転用と耕作放棄で喪失した。今の価格でこの半分の160万haを転用したとすれば、農家は250兆円程度の転用利益を得たことになる。

米価を維持するために、JAは農水省が提示した以上に米の減産・減反を進めようとしている。農林族議員は、選挙で落選すると失業するので、JAの言いなりだ。農水省も予算や組織の維持のために農林族議員の力に頼る。国民が農政に関心を持たなくなっているのをよいことに、かれらは農業を犠牲にして日本の食料安全保障に壊滅的な打撃を与えてきた。

台湾有事になると、日本は食料から崩壊する。半導体を入手できないという経済安全保障以前の問題だ。餓死者が出てから農水省などを批判しても手遅れである。国民は食料・農業政策を彼らから取り戻すべきだ。

 私の家の周りにも、耕作放棄地が至る所にあります。この記事の通り日本の農政の最悪の姿の一つがこの減反に起因する耕作放棄地の増大でしょう。また後継者不足も大きな問題となっています。個人農家が圧倒的に多いからです。農地の転売規制や法人経営の過度な参入規制が、その要因の一つです。

 これらすべては記事で述べられている、JAの収益拡大と農林族の票田維持から来ているのです。つまり農林族とJAと個人農業主の利害関係のトライアングルが、日本の農業の衰退といびつな構造の原因となっているのです。

 そして国民の目から離れているこの問題を、メディアが一向に取り上げないので、そのままずるずると蟻地獄のように、回復不能の渦の中に落ち込んでしまっています。山下氏の言うとおり国民は食料・農業政策を農水省から取り戻すべきでしょう。

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2023年1月 8日 (日)

3人の識者が語る:旧統一教会と北朝鮮の関係、創価学会の実態、世界で勢いを増す「政治カルト」など、山積する宗教問題

14_20230107161401  国会で与野党すったもんだのやりとりの後、ようやく成立した旧統一教会の被害者救済法案。両親が信者の所謂「宗教2世」やその支援団体や、弁護士連盟などは「まだまだ課題が残っている。被害者がいることを忘れないでほしい」、「政治的判断は分からないが、もっと時間を掛けても良かった。つくるのであればもっとしっかりしたものをつくってほしかった」などと、注文をつけています。

 この法案や旧統一教会と北朝鮮とのつながり、また関連する旧統一教会以外の宗教団体(特に創価学会)、また海外の政治と宗教の動きなど、評論家の宮崎哲弥氏、『宗教問題』編集長の小川寛大氏、ジャーナリストの鈴木エイト氏が、2023年の宗教について話し合った内容を、週刊ポストが全3回に渡って報じていますので、以下に引用して紹介します。

 旧統一教会問題で政治と宗教の関係に注目が集まっている。影響は創価学会と公明党にも波及しており、日本の宗教はターニングポイントを迎えている。評論家の宮崎哲弥氏、『宗教問題』編集長の小川寛大氏、ジャーナリストの鈴木エイト氏が、2023年の宗教について話し合った。【全3回(1/05公開)】

*********

第1回:中身が甘い被害者救済法案への危惧 旧統一教会と北朝鮮の関係にも注目

宮崎:昨年12月、統一教会(世界平和統一家庭連合)をめぐる被害者救済法案が成立しました。これは支持率が急降下した岸田文雄・首相が政治的に必要だと判断し、急ごしらえした法律だと言えるでしょう。

鈴木:教団を規制する法律ができたことは最低限評価しますが、やはり中身が甘い。既存の法律より行使要件が厳しくなった面もあります。

小川:与党も野党もパフォーマンスの一面が否めません。そもそも統一教会含め、宗教団体の信者の大半は一般的な社会生活を送っています。その信者がマインドコントロールされているからとして財産権を奪うことは、憲法に抵触する恐れもあった。まだ様々な問題が残っているので新法を叩き台に今後さらに議論を深めるべきですが、世の中が「これでよかった」「すべて解決した」という空気感になっていることも危惧しています。

宮崎:規制の実効性が薄く、適用しにくい一方、違憲立法の可能性を否定できない……。解散命令手続きはどうですか。

小川:今後、おそらく1月~2月のうちに解散命令請求が出て、裁判所が解散命令を出すかどうかを審理する。教団側は最高裁まで争うことができ、実際和歌山の明覚寺に解散命令が出た(※注)際は確定まで3年かかりました。それまで世間の関心が持続するかどうか。

【※注/系列寺院による霊視商法詐欺事件を起こした「宗教法人明覚寺」(和歌山県)が2002年、和歌山地裁から解散命令を受けた件。文化庁は1999年に、同団体が「公共の福祉を害した」として和歌山地裁に解散請求していた】

鈴木:解散命令が出ても宗教法人格が剥奪されて税制上の優遇措置などがなくなるだけで、「宗教団体」としての活動は可能です。解散して信者が完全にバラバラになるわけではない。

小川:解散まで数年かかるうちに、教団が資産を隠す恐れもあります。統一教会は韓国に本部があるので日本からそこに送金したり、教団の土地や施設などの名義を信者や別の法人に移す方法です。過去にオウム真理教は資産の名義を変え、当局の差し押さえを逃れた。

鈴木:外為法に抵触しない100万円弱の現金を、信者が直接韓国に渡って届ける方法もある。つまり、抜け道が多いんです。

北朝鮮とのつながり

小川:じゃあ、結局どうすればいいのか。本気で教団に罰を与えたければ、解散ではなく破産に追い込むことが、より大きなダメージになるでしょう。そのために民事裁判で損害賠償額を確定し、教団の資産と照らし合わせるなどの必要がある。教団を潰すには時間はかかるけど、一つ一つ積み上げるしかありません。

鈴木:全国霊感商法対策弁護士連絡会などの集計では、2021年までの被害額は約1240億円ですが、実質はその10倍と言われています。一方で教団が国内にプールする資産は数百億円とされ、賠償には全然足りない。韓国の本部には1000億円ほどあるようなので、それを取り戻せればいいのですが。

宮崎:政治との癒着は断絶できるのですか。

鈴木:教団内部では「今は一時的にバッシングされているだけで、波が終わればまた政治家は教団に協力する」という認識が優勢です。彼らは閣僚クラスや自民党中枢の情報を握り、大勢の政治家が首根っこを押さえられている。この先も政治家との密な関係を小出しにしてくる可能性があります。

小川:政治との関係は切りようがない。自民党と統一教会は半世紀近くのつながりで、歴史的に深すぎます。岸田首相の「一切関係を絶つ」という発言は軽く、逆に信頼を失う発言になっている。

宮崎:私が気になるのは教団と北朝鮮の関係です。『文藝春秋』(2023年1月号)によれば、日本人信者が教団に献金した4500億円がロンダリングされて北朝鮮のミサイル開発に流用されたとのことで、事実なら由々しき事態です。「北朝鮮が脅威だから増税して防衛費を上げる」と主張する自民党の保守派が、日本で集金した金を北朝鮮に送る宗教団体と深くつながっているのだとしたら、保守の正当性に関わる大問題ですよ。

第2回:創価学会はいまや選挙の互助会か 「選挙以外に学会員を熱狂させる機会がない」の声も

鈴木:統一教会の問題が創価学会にまで飛び火して、週刊誌などで学会の元会員などによる学会批判が飛び交いました。

小川:興味深いのは、従来は「名誉会長である池田大作が作った正しい学会に戻せ」という教義に真面目な意見が多かったけど、今回は「学会は根本的にどうしようもない」という批判が多いことです。池田氏が表舞台から去って十数年が経過し、池田氏のカリスマ性でまとめていた部分が消失してしまったのか、組織に金属疲労が見られる。

宮崎:創価学会は公称827万世帯が会員という桁外れに巨大な組織ですが、日本でこれ以上教勢を伸ばすことは難しい。この先、どう生き残るかが喫緊の課題でしょう。

鈴木:創価学会に限らず、新宗教はどこも弱体化しています。そんななかで、今年は4月に統一地方選がありますね。

小川:公明党は地方議会を主戦場にします。理由は地方に影響力を持ちたいということはもちろんですが、学会員を食わせる手段でもあるという事情がある。本来は「宗教法人創価学会」が雇う学会員を地方議員に当選させ、税金で生活させる手段として地方選挙があるということを聞いたことがありますが、地方ほどそうした傾向がうかがえます。公明党は選挙戦の勝利を至上命題にする政党で、これまで比例ブロックでは全国くまなく当選者を出してきました。しかし創価学会の弱体化に伴い、今後は東北や四国など地方のブロックで公明党が1人も当選させられない可能性が出てきた。もし本当にそれが起こったら、単に1議席を失う以上のインパクトがあり、何らかの体制変革が求められるはずです。

宮崎:選挙は創価学会の組織原理に組み込まれているのです。公明党が選挙において創価学会に依存しているんじゃなくて、その逆。だからこそ、全国津々浦々に候補者がいることに意味がある。それなのに櫛の歯が欠けるように落選者が出ると、学会全体の問題になってしまう。

小川:よくわかります。今実際に創価学会の会員を取材すると、日蓮や仏教の教えに関する話はほとんど聞きません。純粋な宗教運動なら日蓮の記念日に全員で題目を唱えることなどが活力となりますが、創価学会は純粋な宗教的パワーはほぼなくなっている。交わすのは選挙の話ばかりで、もはや宗教団体ではなく選挙の互助会のようです。

宮崎:彼らにとって、選挙は一種の「祭り」なんだよ。

小川:逆に言えば、選挙以外に学会員を動員して熱狂させる機会がない。

宮崎:学会自体が弱体化しつつあるなか、現在の体制や体質は見直さざるを得ないでしょうね。他方、統一教会は来たる統一地方選において、「手のひらを返した」自民党が自分たちの協力なしでは沈んでしまうことを見せつけようとしていると思いますね。教会信者による助力の不在によって存在感を際立たせようというわけです。

鈴木:すでに教団側は地方議会や地方議員に「家庭連合は反社会的団体ではありません」という陳情書をどんどん送っている。ある種の脅しです。

小川:票目当てに、宗教団体とズブズブの関係になる政治家の節操のなさも問題です。ある保守系の地方議員は「僕はね、宗教5つ入っている」と言っていた。思想信条がないんですよ。

第3回:世界で勢いを増す「政治カルト」 トルコ、インド、アメリカで政教分離の危機

宮崎:現在、日本の宗教界はターニングポイントを迎えています。伝統宗教も新宗教も、選挙や葬式ばかりに頼るのではなく、本当の意味での宗教的な救済をどのように信者信徒にもたらすかを真剣に考えないといけません。家族や地域社会など、国と個人の間にある中間共同体が崩れ、寄る辺を失う人が増えるなかで、あまりに宗教が形骸化している。

小川:オウム事件後、神社や仏教、創価学会など既存の宗教は総出で宗教法人法改正に抵抗したけど、統一教会の問題についてはダンマリで嵐が過ぎるのを待っています。下手に騒いだら、こっちに来るとの認識です。

宮崎:宗教はアイデンティティの根拠を教えます。そして生死の意味も教える。だからこそ宗教2世問題の根は極めて深いと言える。特異な生育状況、生活環境に投入されてしまった2世がいかにして、それを克服するか。極めて厄介な問題ですよ。

鈴木:宗教2世の問題は安倍(晋三)さんの事件でようやくクローズアップされました。救済法案が成立したのも、宗教2世が顔を出して支援を求めたことが大きかった。

小川:これからはカルト的な宗教法人には社会の厳しい目が向けられて、活動が難しくなるはずです。しかし、それで個人が抱える心の問題が解決するとは到底思えません。むしろ新しいステージに移行するのではないか。

宮崎:その意味でも伝統宗教が本来の宗教性を取り戻すことが重要だと思いますね。かつてオウムに走った若者に「単なる風景」と切って捨てられた伝統宗教ですが、その後も「単なる風景」は変わらなかった。とくに寺院はいまこそアイデンティティの拠り所として出直すべきではないか。他方「政治カルト」もこれから勢いを増しそうな気配ですね。

小川:世界に目を向けると、トルコのエルドアン大統領やインドのモディ首相のように、宗教指導者と見まがう政治指導者が現われています。現にアメリカのトランプ前大統領をみればわかりますが、彼を支持するキリスト教右派・福音派のサポートがなければ、もう共和党は選挙ができない。政教分離は大切な原理原則であり、日本も堅持すべきですが、世界的には政教分離は終焉に向かうかもしれません。今後はそんな視座も持っておいたほうがいい。

宮崎:しかしそれは政治が硬直化し、それゆえ不安定化する原因にもなります。現代政治の要諦は理念などではなく妥協と利害調整です。だけどカルトには両方とも難しいでしょう。

 宗教はもともと人々の心のよりどころとして発生したはずなのに、キリスト教にしろ仏教にしろ、その他の宗教にしろ、その後の過程で、教会や仏閣の維持管理のための信者からの集金母体となっていった歴史があります。それはそれで信者の心が満たされればいいのでしょうが、どうかすると金集めに重点が置かれた結果が、今も昔も問題の根源だと思います。

 ましてやイスラム教のように、中東など一部の国で、それを国の政治と一体化させ、独裁的な政治運営の道具のように取り扱っている現実があります。このように宗教はもはや人々の心の救いと言う本質から、離れてしまっている例が多いように思います。それがまた新興宗教の生まれる下地にもなっているようです。

 人の心の問題を解決するこれはという処方箋がありません。そこに宗教のつけいる隙が生まれてきます。この被害者救済法はその防波堤への入り口となっただけかも知れません。ですからこれからさらに改訂を重ねていく必要はあります。しかし個人の信仰の問題は奥深いものがあり、これで解決という神の手のようなものはないので、簡単には行かない気がしますね。

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2023年1月 7日 (土)

長谷川幸洋氏:中国・習近平がたくらむ「コロナ感染輸出」の恐ろしすぎる危険性 日本はどうすべきなのか?

Images-6_20230106162901  昨年12月、突然ゼロコロナ政策を解除した中国。その直後、瞬く間に感染爆発が発生、中国のほぼ全土に感染が広がっています。正確に言えばゼロコロナ政策の最中から、感染は拡大していたようです。何せ、少しでも疑いのある人が突っ込まれていた隔離施設は、「密」状態だったのですから、感染していない人でもその中で感染していたことが窺えます。

 当局は責任逃れで感染者の実数把握はもとより、重症者や死者の公表も控えています。中国に忖度していたWHOまで、「中国から現在報告されている数字は入院者数、集中治療室(ICU)利用者数、また特に死者数について、新型コロナによる真の影響を過少に示している」とデータに疑問を呈しています。

 そうした中、中国は国内外の渡航規制の解除に踏み切りましたが、日米を始めEUその他の多くの国が中国人の入国時の検査など、検閲強化を実施し始めています。モロッコは入国禁止に踏み切りました。中国はなぜか「政治的な動き」だと反発していますが、政治的ではなくあくまで疫病拡散防止の処置でしょう。

 この中国のコロナの感染状況に関し、ジャーナリストの長谷川幸洋氏が現代ビジネスにコラムを投稿していますので、取り上げます。タイトルは『中国・習近平がたくらむ「コロナ感染輸出」の恐ろしすぎる危険性 日本はどうすべきなのか?』(1/06公開)で、以下に引用して掲載します。

中国で「感染爆発」が起きている!

中国で新型コロナの感染が爆発中だ。感染はどこまで広がるのか。新たな変異株は誕生していないのか。不安は募るが、明らかになった点もある。中国の意図だ。彼らは「自然感染による集団免疫の獲得」を目指す一方、西側への「感染輸出」を狙っているように見える。

肝心の中国が情報を公開していないので、実態は不明だが、米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)が昨年12月15日に発表した推計によれば、ロックダウンの再開などがなければ、中国で「3月1日までに最大460万人が感染する」と予想している。

その場合、1日当たりの死者(報告分)は3月29日までに8860人に達する。死者は累計で4月1日までに50万2000人、2023年末までには「100万人をはるかに超える」見通しだ。

もっとひどい予想もある。

英国の調査会社、エアフィニティ(Airfinity)が1月3日に更新した推計によれば、1月13日時点で1日当たりの感染者が370万人に達し、死者は10日後にピークを迎えて、1日当たり2万5000人、昨年12月以来の累計死者は58万4000人になる。4月末までには累計の死者が「中国全土で170万人に達する」と予想している。

新しい変異株なのか

この新型コロナは、どんな種類なのか。

中国の疾病予防センター(CDC)の専門家は、記者会見で「130のオミクロン変異株のうち、50種類を中国で検出した」と語っている。だが、それがすべて、とは限らない。

世界保健機関(WHO)によれば、判明している分だけで、オミクロンには500種類以上もの派生型がある。心配なのは「まったく新しい凶暴な変異株が生まれていないかどうか」だ。

WHOは繰り返し、中国に情報提供を求めてきた。中国は12月30日、ようやく協議に応じたが、それでも情報を開示しなかった。WHOは声明で「中国側には引き続き、ウイルスの遺伝子配列情報を含めて、リアルタイムの情報提供を求めた」と述べている。

新たな変異株は出ているのか、あるいは、これから出てくるのか。この点は、専門家の間でも意見が分かれている。

ジョンズ・ホプキンス大学の感染症専門家、スチュアート・キャンベル・レイ教授は「中国は非常に多くの人口を抱えている一方、これまでは限られた免疫しかなかった。それは新株が爆発する土壌になっているように思う」と語っている。

一方、同じジョンズ・ホプキンス大学のデイビッド・ダウディ教授は「新株が生まれて、世界的な感染爆発が起きる可能性は確かにあるが、オミクロンに対する世界レベルの免疫効果を考えれば、その可能性は1年前より低いだろう」と、やや楽観的だ。

オミクロン変異株については、米国の疾病予防センター(CDC)が12月30日、「XBB1.5」と呼ばれる派生型の感染が米国で40.5%を占めた、と発表した。この型がいま、最大の焦点になっている。

WHOの専門家は1月4日、記者会見で「XBB1.5はこれまで見つかったなかで、もっとも感染力がある」と語った。米国では、12月24日時点でXBB1.5感染者の割合が前週の2倍になった。大変な感染力だ。ただし、毒性については、WHOは「データは入手していないが、過去の派生型と比べて、より重いという証拠もない」と語っている。

中国はどうかと言えば、中国共産党の新聞、チャイナ・デイリーが1月3日、「中国の専門家チームが上海でXBB1.5による3例の感染を検出した」と報じた。ただし、同紙は「中国が発生元ではなく、外部から流入した」と報じている。いずれにせよ、中国紙の情報なので、真相は不明だ。

ゼロコロナ政策からの急転換

こうしたなか、「中国の新たなコロナ戦略」が浮き彫りになってきた。彼らは、いまや「自然感染による集団免疫の獲得」を目指している。中国製ワクチンには「効果が期待できない」と分かったからだ。それだけではない。「西側への感染輸出」も狙っているかのようだ。それは、状況証拠が物語っている。

第1に、中国はウイルスの遺伝子配列情報の公開を拒否している。これが公開されなければ、新たな変異株が生まれているのかどうか、分からない。そうなると、西側は対応する新たなワクチンを作れない。

次に、中国は西側のワクチンを欲しがっていない。「中国は中国製ワクチンとロックダウンでコロナを制圧した」と自慢してきた手前、いまさら西側に頭を下げて、ワクチン提供を頼めないのだろう。習近平総書記(国家主席)の沽券に関わるからだ。求心力がガタ落ちしてしまう。

習近平政権は昨年12月7日、ゼロコロナ政策を突然、放棄した。なぜ方針転換したのか、真相は不明だが、中国ウオッチャーの間では「各地に広がったデモを恐れた」「習氏自身が感染し『コロナの症状は軽い』と分かった」「ロックダウンでも対処不能で、感染を止められなくなった」など、さまざまな説が流れている。

以来、中国はPCR検査の義務付けや国内移動の規制を矢継ぎ早に廃止した。香港の新聞、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は1月5日、香港と中国全土の往来を止めていた検問所を「8日から開放する」と報じた。同紙は「これで1日当たり5万人が香港と中国本土を自由に往来するようになる」と伝えている。

中国は同じ8日から、中国への入国者に対する隔離義務を解除する。中国は一般国民の海外旅行を禁止してきたが、同日から旅行目的でのパスポート更新手続きも再開する。

「感染輸出」をもくろんでいる…?

これらが何を意味するか。

13_20230106163401 国内で感染がこれほどの猛威を奮っているにもかかわらず、国民の大移動を始まる春節(1月22日)の直前に、こうした措置を立て続けに断行するのは「海外で感染が広がってもかまわない」という話にほかならない。つまり「感染輸出」である。

普通の国であれば、感染の恐れがある自国民は出国前に厳重にチェックして、他国に迷惑をかけないようにするだろう。いずれ帰国すると分かっているのだから、それは自国のためでもある。だが、中国にそんな常識は通用しないのだ。

米国や英国、カナダ、オーストラリア、日本、フランス、スペイン、イタリア、韓国、マレーシア、台湾などは新型コロナの陰性証明を求めるなど、入国規制を強化した。これに対して、中国は「政治的な動きだ。対抗措置をとる」と反発している。これも「中国人の海外旅行を奨励している」証拠である。

中国はコロナを克服できるか

そうだとすると、これから何が起きるのか。

自然感染による集団免疫の獲得を目指す中国と、ワクチンによる集団免疫獲得を目指す西側との競争になる。農村部への感染拡大はこれからだが、北京など大都市は「すでにピークアウトした」という報道もある。中国が集団免疫を獲得するのは、時間の問題かもしれない。

西側には「多くの犠牲を強いる自然感染による集団免疫の獲得」という選択肢はない。新たな変異株が出ているなら、対応するワクチンを開発して、人工的に免疫を作るしかない。

この競争で西側が遅れをとれば、中国は一段と大胆、かつ攻撃的な姿勢で西側と対峙するようになる可能性が高い。逆に、中国が負ければ、しばらくはおとなしくなるかもしれない。

中国の戦略は、必ず成功するとは限らない。自然感染で集団免疫を達成するには、不透明で複雑な条件が多く、100%達成可能とは言えないからだ。中国が自力で効果の高いワクチンを作らない限り、犠牲者を増やすだけ、という結果になる可能性もある。

中国が新型コロナを克服できるかどうか。あと数カ月もすれば、見えてくるだろう。日本はそれまで中国人はもちろん、中国滞在歴のある人について、十分な監視が必要だ。中国からの入国制限だけでは、まったく不十分だ。香港などを経由して入ってくる中国人にも目を配らなければならない。

米国は中国から入国する航空機について、排水検査を実施する。乗客の排泄物にウイルスが混じっているかどうか、調べるためだ。新型コロナ対策は安全保障問題に直結している。日本も同じような検査をして、米国と情報交換すべきだ。

昨年12月23日公開コラムで指摘したが、米国のジョー・バイデン政権と岸田文雄政権の感染症に関する対中認識は、完全に間違っている。両政権は、それぞれ「国家安全保障戦略」に「感染症対策で中国と協力できる」と記したが、中国は協力するつもりなど、まったくない。

甘い認識では、中国にしてやられるだけだ。

 日本は中国への配慮・忖度から、どうしても甘い対応になりがちです。ここは中国が何を言おうと、中国人および中国に滞在歴のある外国人の入国時の検疫は、一人も感染者を見逃さないよう、厳しく対処する必要があります。

 3年前、武漢で初の感染者や、その後死者が出たときに、それを隠蔽した中国当局の動きから、「武漢ウィルス研究所」からの流出説がささやかれました。更には「細菌兵器説」も流れました。長谷川氏のこのコラムの「感染輸出」説は、それを彷彿させるものです。

 意図的かどうかは分かりませんが、中国以外の国にも感染が広がることについて、中国は放置している節はあります。もともと中国発祥のこの疫病に対し、損害賠償を要求したいところですが、再び世界に拡散されてはたまったものではありません。いずれにしろビジネスマンも含めて、徹底的な水際対策をして、中国由来のこの疫病をストップしなければなりません。

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2023年1月 6日 (金)

再生可能エネルギーは「無条件で善」なのか ジャーナリストが暴く再生可能エネルギーの「闇」の正体とは

11_20230105153401  前々回取り上げましたが、東京都が大手ハウスメーカーが新築提供する戸建てハウスに、ソーラーパネルの取り付け義務化の条例が成立しました。こうした再生可能エネルギーが、化石燃料によるエネルギーの代替として脚光を浴びているのはその通りですが、いいことばかりではないようです。

 ジャーナリストの岩瀬達哉氏が、「再生可能エネルギーはまるで「無条件の善」のように言及されることも多いが、それは本当なのか。今日本で本当に起きていることをレポートする」と言うキャッチコピーで、週刊現代に寄稿したコラムから引用しましょう。2部構成で前編は『【衝撃ルポ】再生可能エネルギーは「無条件で善」なのか《消費税10%上げ相当、土砂崩れで12人犠牲》』、そして後編は『再生可能エネルギーの「闇」の正体とは《風が吹かない地に風車》《鉄塔が小さく見えるように写真を加工》』(1/04公開)で、以下に掲載します。

<前編>

「炭素税」で莫大な負担

風力、太陽光、地熱……「再生可能エネルギー」は無条件で「善」だと思われている。だが、本当にそうだろうか。発電所建設の実態や国が示す計画を精査した結果、あまりに杜撰な実態が見えてきた。

地球温暖化を食い止めるために、二酸化炭素排出量を減らさなければならない―。

30年以上前から、世界各国では「環境問題」が議論され、様々な政策が実行されてきた。そして'23年、日本では新たに〈クリーンエネルギー戦略〉なる政策がスタートする。政府の目標は、「2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロ」にすることだ。持続可能な世界を作らなければならない、という理念に異議はない。しかし、この改革が国民にとってどれだけ大きな負担を強いるのか、政府は十分な説明をしてこなかった。

「クリーンエネルギー戦略によって、とんでもない税負担が国民にのしかかってくる」

こう警鐘を鳴らすのは、エネルギー問題に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の杉山大志研究主幹だ。

「この政策は、温室効果ガスを減らすための脱炭素技術の開発とともに、再生可能エネルギー(再エネ)の安定供給に欠かせない蓄電池工場や半導体工場など、経済安全保障分野に総額150兆円を投資するというものです。すべての技術開発が順調に進んだとしても、20年後、30年後になってようやく社会実装できる技術なので、高コストなうえ、すぐには普及しない。産業競争力の強化には繋がりません」

政策の基本設計は、まず20兆円の新たな国債(環境債)を発行したのち、今後10年間で官民が協力して約130兆円を追加投資するというもの。その償還財源は、二酸化炭素の排出量を金額に換算して企業に拠出させる新たな税金(カーボンプライシング)の導入だ。最も分かりやすいのは「炭素税」で、企業に対し石炭や石油、天然ガスなどの排出量に応じた税金が課せられることになる。

再生可能エネルギーの闇

「新たな国債による投資といえば聞こえはいいものの、間違いなく国民に重い負担を求めるスキームです。民間企業にしても、投資額は製品価格に転嫁する以外にない。仮に約150兆円を10年で回収するとなると、年間約15兆円です。消費税率の7.5%分に相当するため、消費税が実質17.5%に引き上げられるのに等しい」(杉山氏)

では、約150兆円はどこに使われるのか。主軸となるのが、風力、太陽光、地熱などの再エネを最大限導入するための取り組みだ。

再エネは温室効果ガスを出さないうえ燃料費の必要のない理想のエネルギーであるかのように喧伝されてきた。しかし、その事業現場では、住民無視の、強引な開発が行われている実態がある。

筆者は宮城県と福島県の県境に位置する人口1万人ほどの町、丸森町に足を運んだ。周囲が山に囲まれた風光明媚なこの町では、風力発電所の建設を巡って事業者と住民が揉めに揉めている。

住民が風車建設に反対する最大の理由は「安全性」だという。地域一帯は花崗岩が風化してできた真砂土と呼ばれるもろい土壌でおおわれている。'19年の台風19号がもたらした大雨では、町内の複数地区で大規模な土砂崩れを引き起こし、12名が犠牲となった。うち1名はいまも行方不明だ。

その山に、霞が関ビルよりも高い約147~180mの風車を最大12基も建設すれば、大雨による土砂災害が起こることが心配される。また、風車による騒音や低周波音の及ぼす健康被害について心配する声も多い。

'22年11月27日に開かれた住民向け事業者説明会では、怒号が乱れ飛んだ。発電所の開発を行っているのは三菱HCキャピタルと日立パワーソリューションズの100%子会社であるHSE。青井貴裕開発グループ長は、「しっかり取り組んでいきたい」「しっかり考えていきたい」など、「しっかり」という言葉を25回以上繰り返した。

住民たちの怒りの声

しかし、住民の心配事や疑問にはまったくと言っていいほど真摯に答えていない。それどころか、多くの住民が手をあげているにもかかわらず、途中、3度にわたり一方的に説明会を打ち切ろうとしたのである。

それまで静かに説明を聞いていた住民たちも、さすがに激怒した。

 

「おかしいだろ。あんたらが1時間半話して、30分しかやってないんだ、質疑応答。あんたらの意見聞きに来たんじゃないんだよ。われわれの意見を言いに来たんだ」

「みんなちゃんと来てるんだから、ちゃんと質問させなさい」

このあと質疑応答が再開されたものの、相変わらずののらりくらり答弁が続いた。

「そんなこと、わかんねえのか、お前たちは。なんのために来てるんだ。資料も持ってこないで、人を馬鹿にしたような話をするんじゃない」

つるし上げ状態となった青井グループ長は、「(風力事業を)町の未来のためにしっかりやって欲しいというご意見も頂戴しています」と、か細い声で反論するのがやっとだった。

資源エネルギー庁作成の「事業計画策定ガイドライン」では、風力発電事業は「一方的な説明だけでなく、自治体や地域住民の意見を聴き適切なコミュニケーションを図るとともに、地域住民に十分配慮して事業を実施し、誠実に対応する」よう求めている。HSEは、より「しっかり」と「地域住民に十分配慮し」た事業を「誠実」にすすめるべきだろう。

<後編>

風が吹かないのに風車

この日の説明会では、風力発電建設の根拠となる事業の「採算性」についての質問も出ている。

前町長の渡辺政巳氏が、「以前、町で調査したところ平均3mしか風が吹いていないというので、丸森では風力発電は難しいという結論だったんです。どのくらいの風が吹けば発電が可能なのか」と質問すると、青井グループ長は「4m以上は吹いて欲しい」と述べた。

風車のブレード(羽)は、一般的には3~4mの風でようやく回転する構造になっている。また台風などで風速24m以上になると、発電機などが破損する可能性があるため、発電を中止する。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「風力発電導入ガイドブック」によれば、風力発電事業は年間を通じて100%発電できるわけではなく、風車の発電率(設備利用率)は「20%以上であることが望ましい」とある。ようやく回転するくらいの風で、発電能力を20%以上引き出し、採算ベースに乗せられるものなのか。この点を後日、青井氏に問い合わせたところ「4mで採算が合うという意味ではなく、やっぱり4mは吹いて欲しいということで申し上げたということですね」という不可解な回答が返ってきた。

「SDGs(持続可能な開発目標)」のひとつである「クリーンなエネルギー」開発を掲げながら、事業者は安全性や経済性について明確に説明できていない。その裏で進めていることは、住民を無視した利益最優先の企業活動といえよう。

全てに無理のある計画

宮城県は、東日本大震災の復興事業のひとつとして風力発電事業の誘致をはかってきた。県内各地の風速を計測するなど事業適地を選定したうえで、県独自の「ゾーニングマップ(導入可能エリア)」を公表してきた。

その結果、県内では9事業者が最大253基の陸上風力発電所の建設を計画しているが、なかには拙速で杜撰な事業計画も混在している。たとえば関西電力は、宮城県と山形県の県境に風力発電事業を計画していたが、'22年7月、事業撤退を余儀なくされた。

その原因となったのが、「宮城県環境影響評価技術審査会」に提出した資料の「ごまかし」だ。

この資料では景観に与える影響をシミュレーションした「フォト・モンタージュ」を掲載しているのだが、なんと風車や送電線の鉄塔が小さく見えるように加工していたのだ。同審議会の平野勝也会長からは「なめた真似はしないでください」と叱責され、村井嘉浩知事は「明確に反対だ」と表明することになった。

関西電力もまた、再エネによって美しい未来を切り開き、雇用を生み出し地元に貢献するかのように装いながら、やっていたことは「デタラメ」な事業計画だった。

政府は温室効果ガスを「2013年比で46%削減」という目標を掲げる以上、無理な再エネ開発を続けるだろう。この目標値を達成しなければならない期限は2030年、残された時間は短い。

日本が46%という高すぎる目標を掲げてしまったのは、'21年4月に開かれた「気候変動サミット」だった。この会議にオンライン出席した菅義偉首相(当時)は、温室効果ガスの削減目標を2030年までに「2013年比で46%削減」に引き上げ、さらに50%の高みを目指すと発言した。この国際公約を空手形に終わらせないため、〈クリーンエネルギー戦略〉が、急ごしらえで練られていったとされる。

しかしそれまで日本の目標値は、生前の安倍晋三元首相が「パリ協定」で示した「26%減」だった。安倍首相から菅首相に政権が移った途端、目標値を20ポイントも底上げした理由は何か。

アメリカへの「忖度」

唐突ともいえる目標値の引き上げについて、気候温暖化交渉で首席交渉官を務めたこともある東京大学公共政策大学院の有馬純特任教授が、背景事情を含めて解説する。

「野心的な目標を立てて、温室効果ガスを削減していくという方向性は間違ってはいません。しかし46%減という目標を'30年までの残された時間で達成できるかというと、まず実現は難しい。そのことは経産省から菅首相にも説明されていました。にもかかわらわず、目標を大幅に引き上げたのはバイデン大統領が誕生した直後のサミットに向けて対応が必要だったということなのでしょう」

有馬氏は続ける。

「グリーン色の強いバイデン大統領のもと、アメリカは削減目標を〈2005年比で50~52%〉に引き上げた。これに同調してカナダも〈'05年比で40~45%〉という数値目標を出し、EU加盟国にいたっては基準年が違うものの〈'90年比で55%以上〉という非常に高い目標を出してきた。アジアの安全保障が厳しくなる中、日本は最大の同盟国であるアメリカの意向を尊重せざるをえない。こうした力学が働いた結果、目標値を引き上げたのでしょう」

そもそも日本の温室効果ガスの排出量は、世界の排出量の3%でしかない。150兆円をかけて3%をゼロにできたところで、全地球規模での温暖化対策には、ほとんど意味をなさない。そうした事実があるにもかかわらず、日本政府は実現がきわめて困難な目標を国際公約としてきたのだ。

その目標を達成するための〈クリーンエネルギー戦略〉も名前は立派だが、やろうとしていることは旧来と同じ利権主義の公共事業に過ぎない。このやり方を改めない限り、再生可能エネルギーは日本人を不幸にし続けることになる。

 はじめに目標ありき、は必ずしも間違っているとは言いませんが、その目標は「効果」と「実現性」に裏打ちされたものでなければ、必ず無理が出てきます。特に国家目標となれば尚更、国益を考えて出さなければ後々国民への負担が大きくなってきて、首を絞める結果となります。この記事の国家目標はその最たる例かも知れません。

 更には、その目標を達成する数字作りのために、この記事にもあるように、詐欺にも似たごまかしで事業を展開することも出てきてしまいます。まさに「効果」も「実現性」もなきに等しい愚かな計画となります。

 事業者はその計画を進めることで、利益を得ようとしますから、住民説得の段階でごまかしが出てきてしまいます。それでは全く国益から離れた事業と言うことになります。

 国は事業者任せにせず、その「効果」と「実現性」を明確にすべきです。それが出来ないならその事業は取りやめ、かつ全体を見渡して目標が達成できないなら、改めて対外的な忖度を廃して目標の改訂を宣言すべきでしょう。無理な目標をがむしゃらに達成しようとして、国が弱体化しては元も子もないでしょう。それが国の責任というべきものだと思います。

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2023年1月 5日 (木)

「防衛費は人を殺す予算」発言だけじゃない 「たら」「れば」を事実のように語る「日本共産党」のデマ・炎上体質を斬る

1_20230103172301  絶え間なく日本の政権を批判し、日本を貶める言動を繰返す日本共産党。一方弱者やマイノリティには甘い言葉を囁き、財源を示さず出来もしない政策をでっち上げる政党。そして吉永小百合氏や小泉今日子氏といった人気女優を宣伝に利用し、その怖さを知らない人たちを洗脳し続ける共産党。

 イギリスやアメリカ、ドイツでは非合法化しているのに、何故日本では存在し続けるのか。GHQの占領政策の落とし子なのでしょうか。その日本共産党の素顔を今回取り上げたいと思います。

 少し古い記事ですが、産経新聞のコラム、「日本共産党研究」から引用します。タイトルは『「防衛費は人を殺す予算」発言だけじゃない 「たら」「れば」を事実のように語る共産党のデマ・炎上体質を斬る』です。(この記事は「日本共産党研究-絶対に誤りを認めない政党」(産経新聞政治部、産経新聞出版)から抜粋しています)

■炎上した「ゴンゴドウダン」ツイッター

 若手のホープである衆院議員で、1982年生まれの池内沙織は2015年1月25日未明、ツイッターにこんな投稿をした。

 《こんなにも許せないと心の底から思った政権はない。「ゴンゴドウダン」などと、壊れたテープレコーダーの様に繰り返し、国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権。安倍政権の存続こそ、言語道断。本当に悲しく、やりきれない夜。眠れない》

 当時は、イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国(IS)」に拘束された日本人男性の画像がインターネット上に公開された後だった。首相の安倍晋三が「テロ行為は言語道断であり、許し難い暴挙だ」と述べたことを念頭に書き込んだわけだが、罪を犯したテロ集団への批判は一切なく、なぜか安倍政権を批判するという意味不明の投稿だった。

 ネット上で投稿を問題視する意見が続出すると、池内は投稿を削除。26日午前のツイッターで《今の時期に昨日のようなツイートは不適切だと考え削除しました。お詫びいたします》と釈明した。

 委員長の志位和夫も同日の記者会見で、「政府が全力を挙げて取り組んでいる最中だ。今あのような形で発信することは不適切だ」と指摘した。その上で「残虐非道な蛮行を強く非難する」と述べ、政府には「人命最優先であらゆる可能性を追求し、解放のために全力を挙げてほしい」と語った。

 自らの主張を正しいと声高に強調する共産党で、トップが事実上の謝罪に近い釈明をしたのは極めて珍しい。それだけネットの影響の大きさを無視できなくなったということかもしれない。

 もっとも池内は自らのツイッターを謝罪した当日の26日夜、今度はネット動画の番組で「自民党に1票を投じることは日本版ネオナチに投票することと同じだ」と述べた。「歴史偽造のウルトラ右翼とその台頭を許さない。ウルトラ右翼政権を1日でも早く終わらせるために戦う」とも語っており、本当に反省しているかどうかは疑わしい。

 14年12月の衆院選で初当選した池内は中央大学在学中に共産党系の青年組織、民主青年同盟(民青)に入り、共産党にも入党。卒業後は民青東京都委員会に勤務していたという筋金入りだ。自身のホームページによると、小中学校時代は《いじめられた友人をかばって、大げんか。正義感の強い子でした》、ポリシーとして「差別は許さない」「ヘイトスピーチは許さない」などと書いているが、衆院選直前の同年11月に開かれた「赤旗まつり」では、安倍の顔にヒトラーを模したとみられるヒゲを付けた写真を貼ったドラムを嬉々として叩いていた。

 これが「正義感が強く、ヘイトスピーチは許さない」人間がすることだろうか。共産党の品性が疑われる行為である。

 ツイッターをめぐっては、共産党のターゲットでもある「女性」を失望させるような脇の甘さも見せた。16年2月に起きた「保育園落ちたの私だ」の匿名ブログをめぐり、民主や共産党が安倍政権攻撃の切り札として矛先を向け始めた矢先だった。

 共産党参議院議員の吉良佳子が、自身のツイッター(2月17日付)に《わが家にも認可保育園に入れないとの通知が区から届きました。やはり、保育園が足りない中の保活は厳しいです》と書き込んだ上、さらに国会前でも「保育園落ちたの私だ」のプラカードを持って嬉々としてデモに参加したのだ。

 吉良も池内と同じ1982年生まれ。13年の参院選東京選挙区で同党として12年ぶりに議席を獲得し、その風貌などから「共産党のアイドル」とも言われている。

 15年に男児が生まれたばかりの吉良にしてみれば、「子育てママ」としての顔も見せてアピールしたかったのかもしれないが、多くの女性は逆に反発。国会議員である吉良の年収は2100万円以上あり、目黒区議の夫の収入も含めた世帯年収は2700万円以上となる。保育園入所の優先順位には、各家庭の年収も大きくかかわっており、吉良のような高額所得者が後回しになるのは当然なのである。ネット上には、次のような書き込みが相次ぎ、「弱者の味方」を訴える共産党にとって、吉良の行動は逆効果となった。

 「あきらかに庶民を馬鹿にしている」「貧乏人の味方のふりをされるのが一番むかつく」

 「金持ちなんだから家政婦を雇えばいいのに」

 

■「たら」「れば」を事実のように語る

 池内が書きなぐった「ツイッターの行きすぎ」では非を認めたが、自らの誤りをめったに認めないのが共産党の体質でもある。

 共産党は2016年2月3日、国立大学の年間授業料が安倍政権で15年後に約40万円値上げされるとのチラシの一部を突然、修正した。「安倍政権が学費値上げ」の表記のうち、「安倍政権が」の部分を「安倍政権のもとで狙われる」に修正し、「試算」の文字を追加していたのである。

 これには伏線があった。同日午前の衆院予算委員会で公明党政調会長・石田祝稔がこのチラシを取り上げ、「『たら』『れば』の世界のことを事実のように書いて若い人に配っている。けしからん」と批判。安倍も「値上げは決まっていない。全くのデマゴーグだ。選挙を前に極めて有権者を惑わせる」と答え、訂正を求めていた。

これに対して共産党は昼の予算委理事会で首相の発言に抗議したにもかかわらず、同日中にひそかにチラシを修正していたのだ。マスコミへの公表もなかった。

 財務省は15年10月、国立大への運営費交付金を31年度まで1%ずつ削減した場合、全額授業料で賄うと現在よりも約40万円高い93万円程度になるとの試算を示していた。早速目をつけた共産党はその直後から「学費値上げ」を断定的に強調したチラシを作成、党のホームページにも掲載していたが、あくまで「試算」の話であるため、値上げにはつながらなかった。にもかかわらず共産党は5カ月間にわたって「デマ」を流し続けていたわけだ。

 共産党国対委員長の穀田恵二はこの日午後の記者会見で、「(値上げ反対の)運動があったからこそ今年度の学費値上げはなくなった。非常に効果があったと自負している」と主張。その上で「(政府が来年度以降に)上げないとは言っていないというのが今の焦点だ」と述べ、引き続き値上げ阻止に向けて活動する考えを示した。

 安倍は2月8日の政府与党連絡会議でも、このチラシについて「現場の学生たちは困惑している。こういったデマに学生が惑わされることのないように、しっかり情報発信をしていきたい」と強調した。

 すると、今度は共産党書記局長(当時)の山下芳生が同日の記者会見で「チラシは適切にバージョンアップした」と述べ、「修正」との指摘を否定。「値上げの危険性が財務省の試算に見られたので警鐘を発し、反対の戦いの中で来年度の値上げは見送られた。戦いを起こすことの重要性が示された」と、あくまで正当性を訴え、自らの非は認めなかった。

 「日米安保が改定されれば、アメリカの戦争に巻き込まれる」「秘密保護法が成立したら、自由にものが言えなくなる」「戦争法案(安全保障関連法案)が通れば、徴兵制になる」……。

 彼らの「たら」「れば」が当たったためしはないが、逆に言えば、「たら」「れば」さえ入れておけば、どんな誇大妄想も、どんな大袈裟な批判も理屈抜きに可能になる。そんなデマゴーグに等しい言葉の数々が、今日も「若い人」や「女性」たちにネットや街頭から「カクサン」されているのである。

 これは、数ある共産党の悪行の中のごく一部でしょう。この記事にあるように、国民にとってある種マイナスのイメージを作り上げ、それを誇大に取り上げることにより、いかにも政権が酷いことをしているかのような、「デマ」を垂れ流すことによって、党の存在感を演出しているのですが、逆に言えばそれしかないのでしょう。

 この反権力の為には何でもあり、つまり反権力無罪の姿勢は、例の朝日新聞等の左派系新聞にも見られます。その主張が本当に国や国民の利益につながればいいのですが、とてもそうは思えない。従って「日本共産党」は非合法化し、朝日などの左派系新聞は廃刊を望みます。そうすれば日本は今よりかなりよくなることが期待できるでしょう。

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2023年1月 4日 (水)

東京都、新築の太陽光パネル義務化で税金が中国に流れる? 「80%が中国産で、その6割が新彊ウイグル自治区で製造」

10_20230103163701  去年の暮れ、東京都で全国初の新築家屋への「太陽光パネル義務化」の条例案が可決されました。その決定に関し様々な意見が寄せられていますが、再生可能エネルギーの利用という肯定的な部分だけでなく、否定的な意見も多いこの条例です。

 それに関して、週刊新潮が特集記事として昨年12月29日号に掲載した記事を、デイリー新潮が公開していますので取り上げます。タイトルは『新築の太陽光パネル義務化で税金が中国に流れる? 「80%が中国産で、その6割が新彊ウイグル自治区で製造」』(1/03公開)で、以下に引用します。

 国政進出でつまずいて以降、注目を浴びたのは「密です」と発したことくらいか。最近すっかり影が薄くなった“女帝”だが、相変わらず本業では首をかしげたくなる政策が多い。その最たるは、新築戸建て等への「太陽光パネル設置」の義務化。まさに“師走の暴走”ともいうべき暴挙である。

*******

 先月15日、東京都議会で全国初の条例案が可決した。一昨年9月、小池百合子都知事がぶち上げた都内の新築物件への太陽光発電導入義務化が、本格的に始まる運びとなったのだ。

 都政担当記者が言う。

「都内で戸建てを新築する場合、延べ床面積2千平方メートル未満の建物に、事実上、太陽光発電に必要なパネルの設置義務が課されます。あくまで都は、設置を求める主体は大手ハウスメーカー約50社とし、各社に一定のノルマを与えるだけで消費者に選択の自由はあるとしていますが、都内の実に6割近くの新築物件が対象になる見込みです」

 小池知事は導入家庭の“電気代が下がる”などと喧伝するが、このご時世に戸建てを買えるのは高所得世帯に限られよう。しかも太陽光パネル設置で給付される補助金の一部は、全家庭が負担する「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で賄われるため、不公平感は拭えない。

 格差拡大を助長すると批判する声もあるうえ、さらには我々の血税が“かの国”に流れる可能性が高いというのだ。

「人命に危険が…」

「世界の太陽光パネルの80%が中国産で、もうすぐ95%になるといわれていますが、その約6割が新疆ウイグル自治区で製造されているのです」

 そう指摘するのは、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏だ。

「少数民族へのジェノサイドや強制収容所が問題となっているウイグル産のパネルについては、今年6月に米国が輸入禁止の措置をとり、EUも同様の禁止法案を審議中。なのに都は事業者に“人権を尊重してほしい”と要請するだけで、事実上黙認する構えです」

 ウイグル人の命を軽視した強制労働による産物が、都の施策によって大量購入されようとしているわけだが、太陽光パネルは「都民の生命」をも脅かす存在として、杉山氏はこう続ける。

「都の水害予測では、巨大台風や大雨で江東区や江戸川区などは最大10メートル以上の浸水が1~2週間続くとされています。国の機関が試験した結果、太陽光パネルは水没しても、光を浴びれば300V以上の電気を発電し続ける。ところが漏電を検知して送電を止めることができないので、感電による二次災害や救助・復旧の遅れで人命に危険が及ぶ。都に質したところ“まだ感電事故は起きていない”“水没したら専門家を呼んで下さい”などと言っていましたが、十分想定内のことで、人権軽視も甚だしい」

 都民を蔑(ないがし)ろにする姿勢は、未来を担う子供たちへの教育にも暗い影を落としている。

 そもそもこの条例案、都民の住宅購入に当たって、大手ハウスメーカーを選択した場合、否応なしに太陽光パネルが設置されるのです。これは個人の選択の自由を奪うことにならないか。下手をすれば憲法違反に抵触する恐れもあります。

 またこのタイミングで唐突に何故この条例案が発議されたのか、その背景は何か?と疑ってしまいます。まさか中国への忖度でもないでしょうが。

 都は様々な疑問について回答をしているようですが、すべて納得のいく回答とは限りません。つまり「義務化」そのものが「安全上」必要だとか、「人命救済」に必要だとか、必然のものであればいいのですが、そうでなければ選択の自由は「住宅購入者」に与えるべきであると思いますね。

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2023年1月 3日 (火)

有本香氏:安倍元首相こそが「安保3文書改定」の真の功労者 戦後日本最大の変化の道筋を示した

Img_128cab16590b5164efe4a67fa9406ad52543  昨年暮れには安保改定3文書が閣議決定され、反撃能力の明記など今までの政策から一歩踏み出した、日本の安全保障政策の大きな転換となった一年でした。それに応じて岸田首相の指導力が脚光を浴びるはずですが、いずれもその足がかりを築いたのは、安部元首相でした。

 ジャーナリストの有本香氏がそれに関しzakzakに寄稿しています。タイトルは『安倍元首相こそが「安保3文書改定」の真の功労者 岸田首相のそれがかすんで見えてしまう 戦後日本最大の変化』(22/12/30公開)で、以下に引用して掲載します。

「五黄の寅年は荒れる」といわれるが、確かに2022年は大荒れだった。そんな年の凶事を、国内外一つずつあげるなら、世界では「ロシアのウクライナ侵攻」、国内の出来事としては、「安倍晋三元首相暗殺」の衝撃がやはり大きかった。

しかも、安倍氏の他界は、半年近くがたついまとなって一層、その「不在の大きさ」を思い知らされる。

安倍氏が存命だったら…。この半年の間にそう思ったことは一度や二度ではなかった。特にその思いを強くしたのは12月、岸田文雄首相が、唐突に「防衛増税」を言い出し、わずか1週間で増税方針を決めてしまったときである。

もし、安倍氏が元気で、100人近い最大派閥を率いていたら、岸田首相はかくもやすやすと、「防衛費増額を増税で」とは言い出せなかったろう。加えて、同じく12月に改定された「安保3文書」の中に、「専守防衛」や「非核三原則」といった、日本を過度に縛る奇妙な標語が残ることもなかったのではないか。

実際、安倍氏は首相時代の2018年2月14日、衆院予算委員会で「専守防衛は純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい」と踏み込んだ答弁をしていた。「相手からの第一撃を事実上甘受し、本土決戦となりかねない構え」だとの認識をすでに明示していたのだ。

2つの奇妙な標語が残ったとはいえ、「反撃能力」の保有を記した新たな「安保3文書」の意義は大きい。これすなわち、自衛隊が敵領土への攻撃力を持つことに踏み込んだことを意味するからだ。戦後日本最大の変化の一つと言って過言でない。

そんな3文書改定は、「岸田政権の成果」として歴史に刻まれることにはなるが、実の功労者が誰であるかは、みんな分かっている。文書改定の実務に携わった自民党の佐藤正久元外務副大臣(参院議員)は18日、自身のフェイスブックに次のような投稿をした。

「安全保障三文書の作成を(先祖の)墓前に報告して参りました。この中身は安倍元総理の想いも相当詰まったものだと言えます。防衛省への格上げ、特定秘密保護法、平和安全法制に続いての防衛政策の大きな節目に、再び関与出来たこと、先祖のお導きだと思います」

佐藤氏の投稿に「岸田首相」の言及がないことを当てこする気はない。しかし、第一次安倍政権で2007年、防衛省への格上げを成したときからの、安倍氏の「国防」への信念の揺るぎなさ、自身のリスクを省みず特定秘密保護法や安全保障法制(平和安全法制)を通しきった姿勢と比べると、岸田首相のそれがかすんで見えてしまう。

「死せる安倍、生きる岸田を走らす」

三国志に由来する故事をもじって、こんなふうに言う向きもある。ただ、私はいまだ、そうしたレトリックに酔う余裕はない。日本に国難迫るいまこそ、安倍氏に元気でいてほしかった。

一方で、そんな安倍氏の功績と、その人を喪った事件ごと、なかったことのようにしようとする「力」があることに震撼(しんかん)する。

例えば、TBSが18日、午後2時から9時間を使って放送した特番『報道の日2022』の番組予告欄には、ウクライナでの戦争の最前線から、福岡5歳時餓死事件まで、今年のさまざまな事件が列記されているが、驚くことにそこには「安倍」のアの字もない。

さらに、奈良市は、近鉄大和西大寺駅北側の安倍氏暗殺現場に、一切の「印」を残さず再開発をすることを決めたという。この決定は、有識者らから「交通に支障がでる」「事件を思い出す」といった意見が出て、市長が決めたと伝えられる。

反対する民間人によるネット署名も始まっているが、民主主義の国で憲政史上最長の政権を担当した首相、つまり私たち国民が最も長く支持した宰相の「非業の最期」を、記しもしないというのは一体、どんな心映えによるのだろうか。

安倍氏の功績を後世に正しく語り継ぐ。むしろ、日本の「国防」はその行為から始まると思うが、いかがか。

 「戦後レジームからの脱却」「美しい国作り」という、理念を訴えた戦後の偉大な政治家、安倍晋三元首相。その安倍氏の強い思いが安倍氏の死後「安保3文書」の骨格となり、昨年の安保政策の画期的転換の下敷きとなっています

 しかし有本氏の指摘の通り、「専守防衛」や「非核三原則」の標語が残ったことは、未だに自民党内リベラル派や公明党への気兼ねが見えて、戦後レジームを引き継いでいるように思われて残念ですが、戦後日本の安全保障政策の転換の第一歩になったことは間違いないでしょう。ようやく普通の国に近づいたのは評価していいと思います。

 今後は置き去りになった、「専守防衛」からの脱却や、「非核三原則」の破棄を進め、真に普通の国になることを期待します。ただ残念ながら岸田首相にはその気がないでしょうから、次期政権への期待先送りとなるでしょう。

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2023年1月 2日 (月)

高市早苗氏:有事ではまず「自分の国は自分で守る」、日本の現状「新たな危機の時代に突入した」

9_20230101171201  高市早苗経済安保相は昨年、岸田首相の防衛費増額のための増税論に果敢に反論を繰返しました。最後には増税の結論を最終的には先に延ばすことにより、矛を収めた形でしたが、彼女の今このタイミングでの増税に反対する姿勢が伝わったと思います。しかも自身の進退もかけて。

 その高市早苗氏が夕刊フジのインタビューに応じました。昨日付のzakzakにその記事が掲載されています。タイトルは『経済安保「自分の国は自分で守る」高市早苗氏、単独インタビュー 日本の現状「新たな危機の時代に突入」特定秘密保護法、経済版を作りたい』(1/1公開)で、以下に引用します。

高市早苗経済安全保障担当相が、夕刊フジの単独インタビューに応じた。日本を取り巻く安全保障環境は極めて厳しい。中国は軍事的覇権拡大を進め、ロシアなどと合同軍事演習を繰り返している。北朝鮮は核・ミサイル開発を強行している。「台湾有事」「日本有事」に備えた防衛力強化は急務で、経済の側面から日本の国益を守り切る経済安保が注目されている。激動の時代を乗り切る、意気込みを力強く語った。(中村昌史、海野慎介)

********

――2022年を振り返り、どう感じるか

「とにかく、激動だった。ただただ無念なのが7月8日。安倍晋三元首相が、ああいうかたちでお亡くなりになった。辛さを、ずっと、引きずっている」

――安倍氏は、21年の自民党総裁選で高市氏を推した。外交・安全保障などの理念継承も期待される

「1997年ごろから、教育問題に始まり、さまざまな勉強会でご一緒した。安倍氏の理念は突き詰めると『国力を強くする』ということだったと思う。国力は経済力であり、国防力でもあり、今や情報力、サイバー防御力など、多様な分野に広がった。安倍氏はずっと、『自分の国は自分で守る』という信念を語っていた。日本はまさに、その局面にある。力をつけなければならない」

――自民党政調会長から岸田文雄内閣入りした

「試行錯誤のなか、自分なりの達成感はある。総裁選に名乗りを上げた後、政調会長を務めた。22年8月10日からは、経済安全保障担当相として、新たな挑戦が始まった」

――日本を取り巻く情勢をどう見るか

「拡大する中国の軍事動向、ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の核・ミサイル開発など、国際社会は戦後最大の試練を迎えている。日本も『新たな危機の時代』に突入したといえる」

――「台湾有事=日本有事」の懸念が高まる

「有事では、まず日本が主体的に対応する。これを忘れず、必要な能力をつけなければならない。日米同盟は重要だが、『日米防衛協力のための指針(ガイドライン)』でも、何か事があれば、まずは日本が主体的に対処し、米国はこれを補完、支援する立場だ。有事に米軍が最初から戦ってくれるのではない」

――戦略、政策が問われる

「まさに国防もそうだが、政調会長として短期間で政権公約を作り、全国遊説し、21年の衆院選に勝利できた。22年の参院選の公約もうまくまとまり、結果もよかった。その点での達成感はある」

――経済政策の指針となる「骨太の方針」で、プライマリーバランス(PB=基礎的財政収支)の黒字化にこだわる財務省とのせめぎあいがあったと聞く

「政調会長として、やはり『骨太の方針』が一つの山だった。党全体の会議でさまざまな意見が出たが、最後は一任していただいた。岸田首相と対面で議論し、『ただし、重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならない』との一行を加筆していただいた。財政規律を重んじる内閣の中にあっても、非常に影響力のある一行を盛り込めた。食料やエネルギー、経済などの安全保障を徹底し、政策の安定性、継続性を確保するうえで、重要政策は当初予算で措置することなどが盛り込まれたのも成果だろう」

――防衛費増額では、岸田首相の「増税」方針が波紋を呼んでいる

「政調会長としてまとめた自民党公約には、『NATO(北大西洋条約機構)諸国並みの対GDP(国内総生産)比2%以上を念頭に』と書き込んだ。参院選ではさらに踏み込み、『5年以内に抜本的に強化』『NATO諸国並みの対GDP比2%以上』と明記した。中国、ロシア、北朝鮮。日本は、隣国すべてが核保有国だ。3カ国のリーダーへのメッセージでもあることを意識して、公約を打ち出した」

――閣僚として初めて、亡命ウイグル人でつくる「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ総裁と面談した

「中国の人権侵害の実態について、さまざまな話をお聞きした。有意義だった。人権尊重も自民党の公約だ。岸田首相も人権担当補佐官に中谷元氏を置いている。人権外交にしっかりした問題意識をお持ちだと確信している」

――自身の担当にも関連する

「人権問題は経済安全保障にも関わる問題だ。中国の人権状況に対して、欧米では、強制労働で生産された製品の輸入を規制した」

――日本の姿勢が問われる

「中国をめぐっては近年、サイバー攻撃などが主要課題だったが、人権が重視されるようになった。米国は昨年から、エンティティリスト(=米商務省が管轄する貿易取引制限リスト)で、人権侵害に関与する団体・企業を対象に追加した。米国の輸出管理は日本にも適用され、罰則もある。欧州も同様だ。人権は、経済安保にも関わるテーマだ。政界、経済界を含め日本全体が高い意識を持たないと、サプライチェーン(供給網)から弾き出される」

――具体的な課題は

「いま歯を食いしばって頑張っているのは、機密情報の取り扱い資格『セキュリティー・クリアランス』(適格性評価=SC)だ。これを確実に法制化しなければならない。すべてが手探りで、まずはG7(先進7カ国)の情勢を調べた」

――G7は進んでいたか

「詳細は機微に触れ、なかなか教えてもらえなかった。恥を忍び、英国のシンクタンクに個人的に依頼して調べると、G7各国が、相当しっかりしたSCを持っていることが分かった」

――日本の現状は

「日本唯一の法定のSC制度は、安倍氏が政権の命運をかけてつくった『特定秘密保護法』に基づく適性評価の仕組みだけだと思う。ただ、秘密の指定対象は『防衛』『外交』『テロ』『スパイ行為』の4類型で、各大臣が『特定秘密』指定した情報などにアクセスすることにしかならず、対象が非常に限定的だ。その経済版を作りたい」

――具体的には

「特定秘密保護法改正で対応する手もあるが、目的を考えると少し違うと思っている。例えば、最近の社会では、民生と軍事の両方で活用される『デュアルユース』の先端技術があふれている。民間でも活用される技術を、特定秘密に含めて指定するのは現実に即していないだろう。そこで、経済安全保障推進法の改正案で、『産業版SC制度』をつくりたいと私は考えている」

――法制化の課題は

「G7は友好国だ。このチームから弾き出されるのは、国益や経済上、得策ではない。特定秘密保護法では、対象情報の範囲のほか、適性評価で調査できる事項も法律で限定されている。一方、海外のSCでは、国籍をはじめ、家族の渡航歴、思想信条、忠誠心などまでが調査項目だ。隣人や知人へのヒアリングも行われる。日本が受け入れられるかが難しい」

――なぜ導入が必要なのか

「このままでは、日本企業が、海外との共同研究、外国政府の調達、民間企業同士の取引などから排除される恐れがある。これが大きな理由だ。特定秘密保護法では、特定秘密にアクセスしたくない人は、国家公務員でも適性評価を受ける必要はない。強制ではなく拒否できる。一方、SCを有していないと、積極参入を希望する日本企業や個人が大変苦労することになるかもしれない。政府に限らず、海外の民間企業との取引でも、情報通信、量子技術、AI(人工知能)など、多くの分野がデュアルユースだ。SCだけでなく、他国企業からの調査を求められる状況まで出てくる。なお、企業における従業員に対する自主的なバックグラウンドチェックについては、労働法制がネックとなってやりづらいという声があり、ここへの対応も考えなくてはならない」

――新年への意気込みと目標を

「いま申し上げたSCを、いかに法制化できるか。日本政府として、大変な作業に挑むことになる。1年で出来上がるかどうかも分からない、気が遠くなるような作業だが、何とか法律にしたい。もう一つは、G7の科学技術相会合の議長を務める。さまざまな技術の共有をめぐる意識を議論したい。宇宙担当相として『デブリ(ごみ)』の問題にも取り組みたい。宇宙空間を浮遊する中国やロシアの衛星破壊実験で生じた破片など、危険なデブリが問題化している。日本は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と民間企業が協力してデブリ回収技術を開発している。ビジネスの可能性にもつながる話だ。国際ルール策定も含め、壮大な宇宙分野にも挑戦したい」

――多忙な日々だ

「録りためたドラマを見る暇もなくなったが(笑)。国民の期待に応えられるよう、力を尽くしたい」

 高市氏は、自民党総裁選出馬の際に、様々な提言録をまとめ上げていますし、政調会長時代も参議院選の自民党の政策公約をまとめ、現経済安保相就任後もSCはじめ重要政策の法案作りにも汗を流しています。

 これほど国家の政策全般にわたって幅広く研究し知見を広めている議員も数少ないでしょう。本当に他の議員も彼女のように国や国民のために重要な政策を考えて欲しいと思いますね。もちろん野党議員にも。今後とも高市氏のご活躍を期待したいと思います。

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2023年1月 1日 (日)

福島香織氏:世界が緊張、中国からまたも世界にばらまかれるかもしれない強毒ウイルス

Images-5_20221231162501  明けましておめでとうございます。今年も「強い日本、たくましい日本」の再生を念じて、このブログをしたためていこうと思います。どうかよろしくお願いします。

 残念ながらおめでたさも今ひとつ、と言った年明けになってしまいました。その要因は「新型コロナウィルス感染拡大第八波」です。しかももっと恐ろしいことに隣の大国中国が感染爆発の最中ということ。もともとこの疫病の発生源でもあり、再び世界に恐怖をまき散らしているのです。

 本年第一弾は、この状況をフリージャーナリストの福島香織氏が、JBpressに寄稿した記事を取り上げます。タイトルは『世界が緊張、中国からまたも世界にばらまかれるかもしれない強毒ウイルス 中国の「ウィズコロナ」は新たなパンデミックの始まりになるのか』(12/29公開)で、以下に引用します。

 中国のコロナが猛威をふるっている。おそらく新型コロナウイルスがパンデミックを起こしたこの3年の間で、今の中国が最も感染者数が多く、感染による死者が多いはずだ。

 だが、この局面で中国は、出入国者に対する隔離措置を撤廃し、国内外の自由な移動を解禁した。正月、そして1月下旬の春節休みには、おそらく中国人の大規模移動が起こるとみられ、世界には改めて緊張が走っている。

日本に先駆け本格的な「ウィズコロナ」時代に

 中国政府は12月26日、「新型冠状病毒肺炎(新型コロナウイルス肺炎)」の名称を「新型冠状病毒感染(新型コロナウイルス感染)」へと変更した。それに伴い、A類感染症予防コントロール措置(厳格な管理コントロール)からB類(基本的な予防と治療)に緩和し、1月8日以降、国外からの入国者に関する隔離措置を取らないことにした。入国48時間前のPCR検査の陰性証明があれば、中国人であれ外国人であれ自由に入境できる。飛行機の座席も「5席に1人」というソーシャルディスタンス制限をなくした。また一国家、一路線としていた航空便数の制限もなくした。

 濃厚接触者判定も行わない。リスクの高低を区別せず、感染者に対しては重症度による収容と治療を行い、適時に医療保障政策を調整し、入境者や貨物に対する検疫管理も行わないという。入国後のPCR検査も強制せず、また陽性が判明しても、無症状や軽症で基礎疾患もなければ強制隔離はせず、自主管理に任される。

 中国の感染症政策は、ウイルスの危害性によって甲類、乙類、丙類(A、B、C)の3つに分けられている。甲類はペスト、コレラ。乙類はSARS、エイズ、B型肝炎、流行性出血熱、狂犬病、デング熱など。丙類はインフルエンザ、おたふくかぜ、はしかなどだ。

 新型コロナは乙類に分類されながら、管理コントロール基準は甲管理に指定され、今までペスト級の危険ウイルス扱いだったが、SARSやエイズなどの危険度に格下げになった格好だ。厳格な隔離管理ではなく、基本的な予防と適切な治療の必要な感染症ということで、これで地方政府が負担させられていた防疫医療コストも大幅に下げられることになる。

 世界の多くの国で、すでに「ウィズコロナ」をかけ声に、新型コロナを理由とした行動規制や入国規制が大幅に緩和されている。中国も今回の規制緩和で、ついに本格的な「ウィズコロナ」時代を迎えることとなった。中国のネットユーザーたちは、「羊(陽性者)はいなくなった」「新型コロナと人類は共存することになった」などと書き込んでおり、3年ぶりの自由な移動の正月、春節休みに歓喜の声を上げている。

 河北省の医療関係者の話によれば、現行の甲類管理を続行すると、おそらく国民経済全体が回復不能なほどの打撃を受けるという判断があったのだろうという。

 日本でも医療逼迫を防ぐために新型コロナ感染症を2類相当から5類相当に引き下げるべきだという議論が活発化している。11月まで「ゼロコロナ政策」堅持を掲げていた中国だが、あっという間に日本よりも早く新型コロナウイルスに対するリスク評価を引き下げてしまった。この政策転換によって生産、消費を回復させることもでき、経済崩壊を回避することができるだろうと期待されている。

高齢者が次々に死亡、政府はただ傍観

 だが専門家たちの間では、新たな懸念が起きている。

 1つは中国各地で目下拡大中の新型コロナ感染スピードが異常に早く、当局はこれに対して「躺平」(寝そべり)主義、つまり、無策のまま傍観しているだけだということ。その結果、想像以上の死者が出ると言われている。それに中国社会が耐えられるか。

 統計上は新型コロナ肺炎による死者はゼロの日が続いている。だが、北京の火葬場では霊柩車が数十台の行列を作って火葬の順番を待っている様子が、海外メディアで連日取り上げられている。予約が1カ月先まで満杯で、その予約に割り込むためには2万6000元を余分に支払うことを要求された、といった証言もあった。SNSには、火葬の予約を受けるにあたって死因を新型コロナとしないように要求された、といった書き込みもあった。

 新型コロナ感染による死亡は、死因が「呼吸器不全によるもの」と定義されており、心筋梗塞やその他基礎疾患の悪化、合併症や老衰といった死因では、新型コロナ感染の死亡とカウントされないという。だが、12月以降の高齢者の死者は異様に多い印象があり、これが新型コロナ感染のアウトブレイク(感染拡大)と無縁とは考えにくい。

 訃報が公表されている政界人だけでも、85歳の元中国国家体育委員会副主任・劉吉(12月19日)、89歳の元江西省政治協商会議主席の朱治宏(20日)、97歳の共和国勲章受章者の張富清(20日)、中国工程院院士の趙伊君(92歳)、張国成(91歳)。文化人では、12月19日から21日の間に、中国電影資料館元館長の陳景亮、元北京電影制片廠の著名撮影技師の羅徳安、著名俳優の傳祖成、北京服装学院美術学院公共芸術学副教授の周濤、監督の王景光、著名劇作家の楊林らが相次いで北京で死去した。

 また、清華大学が11月10日から12月10日に出した訃報は18人。すべて現職および退職の教授、教職者だ。北京大学は10月31日から12月5日までの36日間に15人の退職教授が死去した。この15人はいずれも65歳以上で、その中には著名言語学者の符淮青(86歳)、著名生理学者で北京大学生命科学院の元院長の周曾銓(86歳)も含まれていた。

 このほか、京劇名優で知られる儲蘭蘭がわずか40歳の若さで死亡し、また37歳の元中国スーパーリーグのサッカー選手、王若吉も感染によって慢性疾患が悪化し、瀋陽で亡くなったという。

 他にも、長老の朱鎔基が新型コロナで北京の301軍病院に入院している、いや、すでに死亡しているといった噂や、政治局常務委員の趙楽際が感染しているといった噂が、確認の取られないままネット上に広まった。

 こうした状況から、北京および中国各地で猛然と感染拡大している新型コロナウイルスは、従来のオミクロン株よりも強毒なのではないか、という意見もある。

 興味深いのは、毎日新聞が、中国の民間ゲノム解析会社関係者などからの情報として、中国政府が11月下旬、中国内に拠点を置く民間の受託解析企業に対して新型コロナウイルスのゲノム配列の解析を当分の間行わないよう通知していた、と報じた記事だ。つまり、中国当局は新たな変異株が誕生するかもしれないことを懸念し、あるいはすでに誕生していたとしても、その情報が公にならないように厳格に管理しようとしているのではないか、ということだ。

 中国の農村では、鶏やアヒル、豚などの家畜、あるいは野生動物と人間の暮しが非常に近い。そういう環境がこれまで新型コロナウイルスや新型インフルエンザの発生を促す要因であるとされてきた。春節大移動は人が密集する都市から、動物と人の距離が近い農村への圧倒的規模の移動が起こり、そこで感染が拡大するわけだから、新たな変異株誕生の懸念が深まるのは当然だろう。そして中国の姿勢としては、そうした変異株が誕生しても情報は厳しく統制して秘匿する可能性が強いのだ。それこそ、今すでに行っているように死者数や感染者数などの数字はいくらでも操作できるのが中国なのだ。

 だが、中国の春節で年老いた親を交えた一家団欒後、親がバタバタ亡くなるようなことになれば、これほど悲惨なことはない。人々の心は乱れ、その恨みが社会不安を招く可能性もある。

変異株が再び海外にばらまかれる恐れ

 もう1つの懸念は、中国でそのように生まれた変異株が海外に再度ばらまかれ、新たなパンデミックが起きる可能性だ。

 中国の大型旅行予約サイト「Cトリップ」のデータによれば、12月26日の出入国規制緩和の発表後30分で海外旅行目的地の検索が10倍以上に急増したという。おそらく多くの中国人が年始年末、春節休みに海外旅行に行こうと考えているのだろうと推察される。

 人気の行先は日本、タイ、韓国。特に日本については、資産を移動させたい中国人の資産家が、近場で、政治が比較的安定している国として魅力を感じているという。これまで中国では新規パスポートの発行にも制限がかかっていたが、12月からパスポート発行が比較的簡単になったという声が上がっている。習近平政権3期目に入り、中国国内が政治的にも経済的にも不安定になってきているタイミングで、海外渡航規制が突然解除されたのは、資産家たちにとっては資産移動や「潤」(RUN、中国からの逃亡)の絶好のチャンスとも捉えられよう。

 中国国家移民管理局のサイトは12月27日、1月8日から移民管理政策の最適化措置をとり、中国公民の出国旅行審査と、普通パスポートや香港への商務ビザの発行を再開すると発表している。香港では中国国内で唯一、海外製のmRNAワクチン接種が認められており、この際に香港でワクチン接種してこよう、という旅行者も多いようだ。

 米国のブリンケン国務長官はこうした中国の動きに対し、新型コロナの新たな変異株の出現への警戒と準備を呼びかけており、中国からの入国者に対する感染者識別やトレーサビリティの強化を訴えていた。具体的な措置はまだ明らかにしていないが、ウォール・ストリート・ジャーナルは米国の匿名官僚の意見として、日本やマレーシアのやり方を参考にするとしている。

日本は北朝鮮の警戒感を見習うべき

 ちなみに日本は12月30日以降、中国からの入国者に対し、緊急水際対策を実施し、過去7日の間に中国からの渡航歴のある人について入国時検査を行い、陽性者に対してはゲノム解析の対象者とし、待機施設での原則7日間の隔離を講じるとしている。日中直行便も増便しない。ワクチン3回接種、あるいは入国72時間前の陰性証明提出は、すべての入国者に求められている。

 この措置について厳しいと考えるか、あるいはもっと厳格にすべきと考えるかは、中国の新型コロナ感染状況に対する見方や立場によってかなり違う。

 北朝鮮はこのほど中国公民の入境に関して、一律30日の隔離観察を行うことに決めた。親日派の中国の知人は、北朝鮮のこの警戒感は、中国のことをよりよく理解しているからだ、と指摘し、日本も北朝鮮なみの水際対策を行うべきだ、と語っていた。

 いずれにしろこの冬が「新型コロナパンデミックの終焉」となるか、「新たなパンデミックの始まり」となるかの分かれ道といえるだろう。

 中国人の観光客を心待ちにしてきた日本の観光地や小売業者は、一気に水を浴びせられた形となっています。しかし第八派の渦中にいる日本としては、これ以上の感染拡大は容認できないし、ましてや新規変異株の国内への持ち込みなど、絶対に阻止しなければなりません。

 中国当局は、経済の落ち込み防止を第一に考えて、いままでのゼロコロナ政策を転換したのですが、やり方があまりにも急で稚拙そのものです。その上感染急拡大を認めず、公表数字は極めて低いまま。そしてその公表もやめたと言います。

 更には中国コロナ対策チーム、共産党ナンバー2の李強氏がトップになり、習政権の感染対策を「巨大な成果」と言ったというのには、さすがに笑うしかありません。もはやこの独裁政権のすべてが信用できないという思いになります。もっとも今に始まったことではないようですが。

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