これもステルス侵略。日本の高級ブランド農産物が中国で大量栽培。その損失額は数百億に上る。
日本のブランド化された農産物の流出が止まりません。先月、韓国へ高級ブドウ「ルビーロマン」の流出事件を紹介しましたが、中国への流出も数多いと言われています。
今回は中国に流出した「シャインマスカット」の記事を取り上げます。産経新聞論説副委員長佐々木類氏がzakzakに寄稿した記事で、タイトルは『止まらないブランド農産品の流出 自治体の対策だけでは限界、国は日本の知的財産を守れ! 種苗法改正も時すでに遅し「シャインマスカット」など中国流出』(1/23公開)で、以下に引用します。
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シャインマスカットは、国立研究開発法人の農研機構果樹茶業研究部門が33年かけて開発した。それを韓国に留まらず中国も盗んでいる。
日本の農家から盗んだ品種を自国で栽培し、果物市場へ流通させる。姿を隠した巧妙な手口、これも1つの「ステルス侵略」といえよう。
国や自治体、生産者が長い年月と資金をかけて開発したブランド農産品の種苗の海外流出が止まらない。
推計される生産量をもとに、日本側に支払う品種の利用許諾料(出荷額の3%と仮定)を算出すると、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が品種登録している高級ブドウ「シャインマスカット」の中国への流出だけでも、年間100億円以上の損失が発生している。
農水省によると、イチゴだけでも、5年間で最大220億円の損失に上る。最近では、みかんの産地で知られる愛媛みかんの「愛媛38号」が中国に流出していたことが判明した。
2021年4月の種苗法改正で、農作物の新品種は海外への持ち出し制限を付けられるようになったが、時すでに遅し。シャインマスカットは、改正前に中国に流出していた。改正以降も流出は後を絶たない。
同年6月、シャインマスカットの苗木4株を許可なく販売目的で保管していた愛媛県西条市の会社員の男が、種苗法違反容疑で警視庁に書類送検された。男は「小遣い稼ぎだった」と供述しているが、この行為が生産者らに甚大な被害をもたらしかねない。農水省によると、栽培面積は日本の約30倍の5万3000ヘクタールにまで拡大しているという。
たかだか書類送検事案というなかれ。事件は苗木を接ぎ木すればいくらでも増やせるという事実を物語っている。
シャインマスカットは17年ごろから、中国で「陽光バラ」「香印翡翠(ひすい)」などの名で広く販売されているのが確認されている。
流出した新品種が海外で産地化されれば、生産者らが本来得られる利益が失われてしまう。ブランド品は紛れもなく日本の知的財産であり、中国や韓国による窃盗を許してはならない。
それにはまず、日本自身が脇を固めないとならないのである。種苗法こそ改正したが、商標登録が進まず流出先の農家にやりたい放題されてしまうという現状がある。
初競りでひと房100万円以上の値がついた石川県産の高級ブドウ「ルビーロマン」と同じ名称のブドウが昨年、韓国で流通していることが県の調査で判明した。
金欲しさに苗木を盗み海外流出させる日本人がいる以上、自治体や生産者だけでは種苗の流出は防げない。海外における商標登録も煩雑だ。国が責任を持って流出防止に努めていかねば、中国や韓国のステルス侵略を防ぐことは不可能だ。
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今月初めこのブログで「農水省とJAが牛耳る日本の農業政策。実態は衰退の一途で危機が目前に迫っている」を取り上げましたが、このブランド農産品のように、数少ないとはいえ伸びている生産物の保護に対しても、農水省の怠慢が見られるようです。
もちろん盗んだ先の中国や韓国が悪いのですが、それを持ち出す日本人がいることも大変残念なことです。一時の金儲けの為に、何百億もの損害を日本に与えてしまっています。長期の懲役刑に処したいものです。
日本は先端技術にしろ、アイデア商品にしろ、苦労して開発したものを簡単に盗まれてしまう脇の甘さがあります。今は高度成長を終えた停滞期にあるのに、そうしたことはますます日本の弱体化につながってしまいます。政官業一体になって中韓のようなパクリ国家に盗まれないよう、気を引き締めなければならないと思います。
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