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2023年2月14日 (火)

大原浩氏:NHKの「電波押し売り」をいつまで放置するのか? いい加減スクランブルか完全国営かはっきりすべし

Images-12_20230213154901  私事ですが、NHKはニュース以外殆ど見ません。そのニュースも冒頭の5分くらいで、後はお決まりの障害者やマイノリティーの特集などが続き、そこでチャンネルを変えます。ところが民放も見る番組が限られ、視聴率の低下傾向からか、CMがやたら長く目立っています。そのCMも白痴化が進んでいて、馬鹿馬鹿しいので結局スイッチを切ります。

 そんなこんなでテレビ視聴時間は食事中に限られ、情報の殆どはネットからという日が続いています。そこで今回はこのテレビをテーマにした記事を取り上げます。国際投資アナリストの大原浩氏が現代ビジネスに寄稿した記事で、タイトルは『NHKの「電波押し売り」をいつまで放置するのか? いい加減スクランブルか完全国営かはっきりすべし』(2/12公開)で、以下に引用します。

もはや「戦後」ではない

日本初のテレビ本放送は、1953(昭和28)年2月1日、東京・内幸町にあったNHK放送会館で始まった。70年前のことである。ちなみに、日本テレビも同年8月28日に開局しており、1955年4月1日のTBSなど民放各社が続いた。

これは、1945年に終戦となり焼け野原となった日本を何とか復興しようと懸命に頑張っていた日本人にとって、朗報であったといえよう。

まだ、各家庭にテレビ受像機が普及していなかった時代には、Pen 2021年8月5日「1964年、街頭テレビはこんなに小さかった! 身近なモノのサイズを考える」のような街頭テレビに黒山の人だかりができていた。

この記事の写真を見ると驚かされるが、当時の画質の悪いテレビで、本当に後ろの方の人が見えていたのかと思わず疑ってしまう。プロレス、ボクシング、大相撲の中継にはたくさんの人が集まったそうだが、1964年の東京オリンピックの時もすごかった。

このような時代、国民にとって「テレビ」がとても重要な存在であったことは疑いが無い。例えば、紅白歌合戦の最高視聴率は81.4%(1963年・第14回)である。まさに国民的テレビ番組と呼んでもよい状態であった。(ただし、民放もNHKとほぼ同時期に歩みを進めている。NHKだけが重要であったわけではない)。

しかし現在は、情報を得る手段が、新聞・ラジオ・(地上波)テレビなどのオールドメディアしか無かった当時と比べて、ケーブルテレビ、Netflixやユーチューブ等の動画配信、さらには「ネットメディア」などが乱立し情報過多といえよう。

「強制徴収する受信料制度」に基づく「公共テレビ」など今や「過去の遺物」だと言ってよい。「電波を押し売りする組織」を維持する必要が一体どこにあるというのだろうか。

最後の項で述べるが、本家ともいえるBBC(1936年に世界で初めてのテレビ放送を行った)も「強制受信料制度」の問題点を改革する動きを始めているのだ。

NHKを観ているのは一部の人だ

テレビ放送開始当時は重要な国民の情報源であったが、現在は多チャンネル、ネットの時代だ。NHKのテレビ放送に「公共性」など無いと言える。ちなみに2021年・第72回の紅白歌合戦の視聴率は最低の34.3%である(2022年は35.3%)。

ちなみに朝ドラの平均視聴率も1983年の「おしん」の52.6%を最後に右肩下がりで、2022年の「ちむどんどん+舞い上がれ!」は15.8%と悲惨だ(社会実情データ図解、NHK朝の連続テレビ小説年度別平均視聴率の推移)。

ついでに同「NHK大河ドラマの平均視聴率推移」では、1987年の「独眼竜政宗(渡辺謙)」39.7%および1988年の「武田信玄(中井貴一)」39.2%以降下げ、2019年の「いだてん(中村勘九郎/阿部サダヲ)」で最低の8.2%を付けた後、「鎌倉殿の13人(小栗旬)」は12.7%である。

民放チャンネルの枠を政府が押さえればよい

今でも社会的大事件、災害の際には(テレビ東京以外?)の民放が報道特別番組を編成し、「国民のニーズ」に応えている。

2021年3月6日公開「菅首相『長男接待』騒動のウラで、なぜかマスコミが報じない『本当の大問題』」で述べたが、民放といえども「国民の財産」である「電波」を借用して営業しているのだから、ある意味当然である。

もっと議論を進めれば、民間放送局に免許を与える際に、「重大な事件」が起こった場合には、「政府の広報」としての役割を果たすべき事を明確な(義務)規定によって定めればよいのである。その方が、たくさんのチャンネルでより多くの人々に情報を伝えることができる。また、局ごとに番組内容をアレンジすれば、より多くの情報を同時に伝えることもできる。

すでに述べたように、娯楽番組においてNHKの役割は終わった。国民のごく一部しか見ていないのだから、観たい人はスクランブル放送で別途料金を支払えば良いだけの事である。

問題は「緊急放送」だが、いまどきNHKしか見ることができない家庭など無いだろう。もしかしたら、離島などでそのようなケースがあり得るかもしれないが、その際には民放で「報道特別番組」を見るための設備投資に補助を与えれば良いのだ。その金額などたかが知れている。

スマホの方が「国民メディア」である

最近、北朝鮮のミサイル発射や地震速報などでJアラートが鳴ることが多い。実際、国民に何かを伝えたければ、今ではスマホの方が手っ取り早い。近い将来、テレビ放送で情報を伝えること自体が「過去の遺物」になっているであろう。

現在テレビの世帯所有率は約93%(単身世帯は87.5%)だが、年々低下傾向にある。若い世代では、固定電話を持たずに、携帯(スマホ)だけという場合が増えているが、(地上波が映る)テレビも「固定電話」のようになっていくのではないだろうか。

ソフトバンクニュース2022年4月21日「身近で進む『デジタル化』、普及率はどれくらい?」によればスマートフォンの保有率は79.7%である。また、13~59歳は90%以上の保有率、20~49歳では100%以上で1人1台以上保有している。

しかも60代でさえ約8割の人が保有しているから、70歳以上の人々が保有率を極端に下げているということだ。「国民皆スマホ」は「すでに起こった未来」である。

実際AVウォッチ2021年5月21日「10~20代の約半分『ほぼテレビ見ない』。NHK調査」と報道されているように若者はテレビそのものから離れている。

政府は、むしろ、ネットや携帯で広報・告知に注力すべきである。例えば、HP上では動画を含めた大量の情報を掲載でき、オンディマンドでいつでも再生できる。したがって、テレビ放送を見た人々の噂と違って情報の真偽を誰もがいつでも自分で確認できる。デジタル庁がまずこのような事業を推進すべきではないだろうか?

もちろん、ネット上の情報伝達にNHKのような非効率な組織を介在させることは「悪」だと言ってよいだろう。

NHKは「押し売り」をやめるべき

まず、国民には「押し売り」を拒否することができる「基本的人権」があるのは明らかだ。日本では、「契約自由の原則」は、憲法第13条(個人の尊厳および幸福追求権)、憲法29条(財産権)に由来するとされる。

法務省の「契約自由の原則」資料も漫画でわかりやすくその内容を説明している。

そして、前述のようにNHKが「オワコン」になっているにも関わらず、AV Watch 1月19日「NHKの“2倍割増金制度”が4月から運用決定。総務省が規約変更認可」と報道された。

まったく、言語道断である。

例えば、憲法第30条で明確に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」と規定されている税金でさえ、Money Forward 2021年7月9日「最大1.4倍!?知らなかったでは済まない追徴課税と加算税」なのである。(税金の仕組みは大変複雑なので、詳細は税務署や税理士などの税の専門家に必ず直接確認いただきたい)。

いずれにせよ、延滞税などすべてを合わせてもNHKによる「3倍」もの「懲罰的徴収」を正当化する理由にはならない。

それどころか、NHK受信料に関しては憲法違反を理由とした提訴が行われている。広島駅前法律事務所「最高裁平成29年12月6日大法廷判決(NHK受信契約制度の合憲性)について解説しました」に詳しいが、私は、これはいわゆる「不当判決」であると考える。

娯楽番組も報道番組も、選択肢が多数ある現在では個人の嗜好である。

性的マイノリティが保護されるべきなら、朝ドラや紅白歌合戦が大嫌いな「番組マイノリティ」も守られるべき。いいや、むしろ前述のとおり、NHKの番組を見る人々の方が少数派になっているから、彼ら「マイノリティ」の権利を守るためにスクランブル放送化で対応すればよい。

裁判官といえども、我々と変わらない一般国民である。「高い良識・見識」を持つことが求められるが、本当にそうであるかは確かめようが無い。彼らも組織の中で「上司」の顔色を窺って出世を目指すサラリーマンと変わらないのだ。

正直、前述の最高裁判決は、政府に忖度し波風を立てないようにした「現状追認判決」に思える。たぶん、司法としては「NHKの受信料制度を(憲法違反によって)ひっくり返す勇気」が無いから、「立法によって対処してほしい」と望んでいるのではないだろうか。

結局、視聴(料金)支払いの強制は、最高裁の判決に関わらず人権侵害行為だと考える。

国民に不可欠なものなら、なぜ国営にしないのか

1万歩譲って、NHKが国民に必要不可欠なものとすれば、「完全国営」にして費用をすべて税金で賄った方が合理的である。

税金(所得税)は所得に応じて課税される。また、累進課税で所得が多いほど高い税率になるから、所得の少ない人々の負担は軽い。それに対して、NHKの受信料は貧富の差に関わらず一律だから、低所得層の負担が非常に大きい。

また、税金の使い道は、国民が選挙で選んだ議員が国会で審議して決定、その内容も明らかにされる。だが、NHKの予算は国会で審議されても透明性に欠けると考える。例えば、NHK職員が国家公務員とかけ離れた高給取りであるとよく騒がれるが、なぜなのか?

逆に、国営とは真逆のスクランブル放送にしないのもおかしい。

これまで述べてきたように国民にとって必要が無いから「押し売り」しないと売れないのだ。

衛星テレビ、ケーブルテレビ、Netflixなどの有料配信と「自由競争」をすれば「親方日の丸」のNHKに勝ち目がないとNHK自身が考えているのだろう。

そのような「必要のない組織」を「強制徴収」した受信料で支える必要は全くない。

BBCは改革へ向かっている

昨年2月5日公開「過去の遺物、NHK強制受信料制度の一掃を――BBCで見直しすすむ」の冒頭「英国でも『強制加入』が問題になっている」で、英国文化省が「BBCの受信料制度廃止を示唆」したニュースを取り上げた。

その後、東洋経済オンライン昨年5月7日「NHKにも影響?BBC『受信料制度見直し』の意味」と伝えられる。

冒頭で述べたように、本家の英国BBCは旧態依然とした「受信料強制徴収制度」から離脱しようとしているのだ。日本も、戦後の「負の遺産」を整理すべき時ではないだろうか。

 さすがに最近は「JAPANデビュー、アジアの一等国」のような、台湾統治を悪意を持って捏造した番組のようなものはないようですが、戦後NHKの出発点はGHQによる言論統制(プレスコード)の中で、放送内容を完全に反軍、反神道日本、そして周辺国擁護から出発した経緯を持ち、その名残が今でも残っているようです。

 ですから反政府の思想が報道番組の中に潜んでいて、時々首をかしげる内容が見られます。また日曜日の政治討論番組「日曜討論」では、各党の意見が平等に扱われ、議席数とは真逆の野党の意見が長々と続くので、今では全く見る気もしませんね。

 TBSの反日番組「サンデーモーニング」や「報道特集」よりはいいかもしれませんが、いずれにしろ見る価値はないと言っていいでしょう。ましてやドラマやバラエティは一切見たことはありませんね。

 私も大原さんの見解には賛成ですし、他国のように多チャンネルにして選択肢を増し、NHKは国営放送(税金運用)としてニュースチャンネルとすればいいでしょう。その際内容には国民監視可能とするのがいいでしょう。

 この問題、電波オークション等の意見が出されて何年にもなります。既得権を保持したい現チャンネル局の猛反対はあるでしょうが、いい加減総務相も重い腰を上げるべきでしょう。

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