小野寺五典議員:「専守防衛」の元で「必要最小限度の自衛の措置」では、領土、国民の安全は守れない。
岸田首相は安保三文書を閣議決定したとき、「反撃能力」の保有を明記しつつも「必要最小限度の自衛の措置」だと定義し、「専守防衛」の考え方に変わりはない、と発言しています。これで果たして敵の攻撃に対して、有効な反撃が出来るのでしょうか。
元防衛相で安全保障に詳しい自民党の小野寺五典議員が、それに疑問を呈しています。産経新聞のコラムから引用しましょう。タイトルは『ウクライナ侵略1年 私はこう見る 高い「専守防衛」のコスト』(2/20公開)です。
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「専守防衛」が、自国にどれだけ大きなコストを負わせるか。今のウクライナの姿は、それをまざまざと示している。ウクライナは他国を侵略する意図も、そのための装備も有していなかった。では、それで平和が守られたか。むしろ、そうであったからこそロシアのプーチン大統領は攻撃しようと判断したのだと思う。
これまで続いてきたのはウクライナ国内の戦闘だ。ロシア側は、送り込んだ兵士の被害があっても、モスクワでは人々が普通に生活している。こうした状況下でプーチン氏が「このあたりで停戦しよう」と考えることはないだろう。残念ながら、これが専守防衛のリアルだ。ロシアも、相手国やその仲間の国の反撃で壊滅的な被害を受けると思えば、侵略という選択はしなかったはずだ。
他方、各国がウクライナを応援しているのは、ウクライナが自ら国を守る意欲を示しているからだ。「私たちは戦えないので助けてください」という国を、助ける仲間はいないだろう。
日本の安全保障に同盟国の米国をはじめ、価値観を共有する国々とのチームが重要な役割を果たしているが、日本自身が努力しないとチームは機能しない。日本も、万が一のときは「自分たちの力で領土を守る」「やられたらやり返すぞ」という強い意志と能力を持つことが必要だ。
課題は山積している。昨年8月、ペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪れた直後、中国が発射した弾道ミサイル5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。ミサイル防衛は従来、北朝鮮を念頭に配置していたが、今後は中国も、もしかしたらロシアも意識しなければならないかもしれない。3正面に向き合うとなれば、そのための装備と警戒監視活動が必要となる。反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有するだけでなく、太平洋域を含む広い範囲で警戒監視に当たれるようドローンなど無人の装備も活用すべきだ。
非常に脆弱(ぜいじゃく)で国際スタンダードに劣後しているサイバー防御など、日本の安全保障体制をソフト面で引き上げる必要もある。憲法9条に基づく専守防衛は、武力攻撃を受けたときに必要最小限度で守らないといけない。大規模災害が起きた際、司令官は「全力で国民を守れ」と言えるが、自衛隊が本来の能力を最も発揮すべきときに「必要最小限度で守れ」ではおかしい。国民を万全な体制で保護するためにも憲法改正は必要だ。
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「反撃能力」は最大限の装備と能力を発揮して、領土、国民を守る為に万全を期すものです。小野寺氏の指摘の通り、「専守防衛」で「必要最小限の自衛の措置」では、中国軍どころか北朝鮮軍にもたちどころに粉砕されるでしょう。
今の日本には軍事専門家がいないのか、いても政府の安全保障の会議には呼ばれないのか、相変わらず敵から見れば「お花畑」の考えで染まりきっているようです。現実が見えていません。
もう一つ岸田首相の考え方の中に「非核三原則」がありますが、わざわざ核を持ちません、造りません、持ち込みませんと宣言する国があるでしょうか。日本の周りには核で威嚇する国がそろっているのに、です。
これでは積極的に核で威嚇して下さい、と言っているようなものです。そして威嚇されれば、まさにアメリカにおんぶに抱っこの状態で、守ってもらわなければならないでしょう。そこに日本の主権があるのでしょうか。
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