異論排除の共産党、党員除名への朝日、毎日の批判に「内部干渉」と逆ギレ。まさに中国共産党と瓜二つではないか。
一共産党員として「日本共産党の党首公選制」を訴えた松竹伸幸氏が除名処分となりました。除名は最も重い処分です。
これに朝日新聞や、毎日新聞がかみつきました。朝日は社説で「国民遠ざける異論封じ」と報じ、毎日は同様「時代にそぐわぬ異論封じ」と報じました。共産党は早速、朝日新聞を「党運営に対する乱暴な介入、干渉、攻撃だ」と批判し、毎日新聞の社説には、「政党の自由に対する攻撃で、あまりにも見識を欠いたものだ」と批判しています。
だが一般的に見れば、共産党側も、両新聞側も反日左翼の代表で、コップの中の戦いにしか過ぎないと思います。両新聞も元来「異論封じ」は社是のようなもので、批判するのもおこがましいようですが、批判することによって自身の異論封じを和らげようとしているのでしょう。
この顛末をフリーライターの梶原麻衣子氏が、月刊hanadaプラスの【読書亡羊】蘭に、コラムを寄稿していますので紹介します。タイトルは『党内の異論を封殺する日本共産党に外交なんて無理なのでは? 』(2/10公開)で、以下に引用します。
◇
党改革を訴えたら除名処分
共産党員の朝は早い。
『しんぶん赤旗』を配り歩き、収入の1%を党費として納める。政党助成金や企業・団体献金を受け取らない代わりに、27万人と言われる共産党員が党を支えている。
既に報じられているように、一共産党員として「日本共産党の党首公選制」を訴えた松竹伸幸氏が除名処分となった。理由は「分派活動を行ってはいけない」とする取り決めに対する「重大な規律違反」であるといい、除名は最も重い処分だ。
共産党執行部のこの判断を聞いて「やっぱり共産党だな」と思った人は少なくないだろう。近年、共産党は若手や女性を前面に出して、イラストやカラフルなチラシや動画を使ったポップな党勢拡大運動に勤しんでいたが、やっぱり地金は隠せない。どんなに包み紙を柔らかい素材にしても、中身はやっぱり共産党なのだ。
松竹氏は、かつては党職員として政策委員会の安保・外交部長を務め、志位委員長との方針の違いから退職した後、かもがわ出版に移り、編集・執筆業に従事している。憲法と自衛隊をどう位置付けるかをテーマにした本を多数、著わしてきた。退職後も党員を続け、かつては週2回、朝5時に起きて『しんぶん赤旗』を配っていたという。
その松竹氏がここへきて繰り出したのが『シン・日本共産党宣言 ――ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)だ。
日本共産党には党首選がなく、結果、志位体制が長々と続いている。公明党以外の各党は党員を交えた投票によって代表や党首を選んでいるにもかかわらず、だ。
党内で党首選が実施されることで、おおよその方向性を同じくする政党内にも、さまざまな点で違う意見を持つ議員が存在し、活発な議論が行われていることが可視化される。
一方、共産党の場合、「闊達な党内議論」を外から確認することはできない。
松竹氏はそうした状況に一石を投じようと、本書を刊行して公選制を訴えるとともに、「もし党首公選が実現するなら、自分も手を挙げたい」と名乗りを上げたのだ。
プーチンより長い志位体制
共産党は「安倍一強」や「異論の出ない自民党」を批判してきたが、当の共産党・志位和夫委員長体制はすでに20年以上、続いており、メドベージェフ政権を挟んだロシアのプーチン政権よりも長い。
しかも、ロシアにはいろいろ問題はあるにせよ、対立候補も出馬し、大統領選挙が行われたうえで国民から選ばれて大統領に就任している。
大統領選と党首選では事情が違うが、日本共産党党首の場合は、すべての党員が投票して決める選挙は行われない。民主集中制と呼ばれる制度の下では、党員の最も小さな集まりである支部から始まって、選出に選出を重ねてきた人たちが代議員となり、中央委員を選ぶ。そして中央委員が党首を選ぶ。だから民主的だというのだ。
松竹氏も指摘するように、これは中国共産党と同じシステムだ。中国も日本共産党も、「民主集中制を取っているから、独裁にはなり得ない」としているが、中国は習近平が定年ルールをも超越して、独裁的長期政権を築いている。
では共産党はどうなのか。宮本顕治や不破哲三も「長期政権」だった。
先日、立憲民主党の西村智奈美代表代行が、同性婚を巡るやり取りの中で岸田首相に「プーチンの方がマシ」と発言して物議をかもしたが、こと選出プロセスにおいては、この言葉はそのまま志位委員長に贈った方がいいかもしれない。
共産党の「変節」を追う
党首公選制と並んで、本書が日本共産党と志位委員長に突きつけているのが「自衛隊と憲法9条」のあり方だ。むしろこちらの方が、共産党にとっては痛手となった可能性もある。
本書の安保政策はかねて松竹氏が提案し続けてきたものがベースになっているが、ここへきて安全保障環境に対する国民の危機意識が高まっており、「9条護持」「軍拡ではなく外交!」の掛け声だけでは事態に対処できないことが露呈しているためだ。
本書では、共産党の安保議論も振り返ることができる。松竹氏が入党した1974年、共産党は「中立自衛」を掲げており、9条についても「自衛権の行使にあらかじめ大きな制約を加えたものであり、憲法の恒久平和の原則をつらぬくうえでの制約ともなり得る」として、日米安保条約の破棄後、9条改憲も辞さないとしていた。
ところが1994年、共産党は「9条は共産主義の理想に合致している」として、180度転換。
それにより、共産党は「侵略されたらどうするんだ」という質問への回答に窮するようになった。その結果、現在の志位委員長の持論である「外交でなんとかする」一辺倒になってしまったのだ。
さすが元共産党・政策委員会の安保・外交部長だけあって、この辺りのツッコミの鋭さは際立っている。
加えて、松竹氏は2005年に党の月刊誌に寄せた「自衛隊と9条」に関する論文で志位委員長から「共産党の立場から大きく逸脱している」と批判され、自己批判文書の掲載を迫られ、処分こそなかったものの、その後、松竹氏は退職したという経緯がある。ツッコミの切っ先が鋭くなるのも当然だ。
もちろん、改憲派からすれば松竹氏の言う「改憲ナシの自衛隊と9条の並立」には乗れないし、本書で詳述している抑止力に対するスタンスも相容れない。それでも、「当面は自衛隊を使うが、最終的には解体する」と嘯く共産党の現執行部と比べれば、現実に即した安全保障議論ができる。
そして松竹氏がなぜ、共産党に現実に即した安全保障論、自衛隊論、憲法論を望むかと言えば、その先に野党共闘を見ているからだ。つまり、松竹氏の提案を共産党が拒絶し、より「純潔路線」に行けば行くほど、野党共闘は遠のき、自民党に利する形になる。
松竹氏の除名処分は「党内プロセスを経ずに党首公選制をぶち上げ、党を攻撃した」ことが第一に挙げられている。しかし、第二の理由として本書で「安保政策の転換を図らなければ野党共闘は不可能、と攻撃した」ことを挙げている(下記URL参照)。
やはり、安保政策と、それが現実的であるがゆえに野党共闘が遠のいている、という痛いところを突かれたことが大きいようだ。
「党に対する攻撃だ!」
さて、松竹氏の除名が公表されると、日本共産党の小池晃書記局長は会見で
「異論を述べたから処分したわけではない。異論を外から攻撃する形でやってきた(からだ)」
「党をしっかり守らないといけない。攻撃されたら」
と述べている。本書の内容や「党首公選制」の提案を「外からの攻撃」とするのは、あまりに狭量ではないか。
すでにリベラル派とみられる有識者からも「残念」「提案を却下するにしてもオープンに議論したうえでなら、共産党のイメージアップに資したのではないか」との批判の声が漏れている。「当然の処分だ」と言わんばかりの共産党議員のツイートとは実に対照的だ。
こつこつと、朝もはよから『しんぶん赤旗』を配り歩き、なけなしの党費を納めている党員らは、この一党員に対する党の仕打ちをどう受け止めているだろうか。
何よりつらいのは、共産党・志位委員長の「武力攻撃を受けそうになっても、外交でなんとかします!」と言ってきたこととの言行不一致だろう。国内・党内でさえ対話を実現できない政党に、外交を任せられるわけがないのだ。
◇
こうして同じ左の立ち位置にいる朝日新聞や、毎日新聞からも批判され、またそれに対して「内部干渉」として逆ギレしていますが、その様は完全に中国共産党と同じ構造だと言えるでしょう。
いかに中国共産党とは異なると言っても、その組織構造が殆ど同じ点からは、やはりいくら仮面をかぶっても独裁政党の本質は見え見えであり、民主主義国家の中では浮いた存在は否めないでしょう。
歴史的にもソ連共産党や中国共産党との対立、新左翼との対立、部落解放同盟との対立など、同類との軋轢を繰返しています。まさに異論は排除する一貫した姿勢があるのでしょう。共産党が主導する野党共闘など旨くいくはずがありません。
外交優先といいながら、相手の異論を完全に封じる姿勢からは、外交など成り立つわけはありません。 日本の為に存在価値がゼロ、むしろマイナスのこの党は、異論を認めないまま内部崩壊してもらう方が、日本の為に間違いなくなるでしょう。
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