シンガポールで遊ぶミャンマー国軍トップの家族写真が拡散… 国民は「なぜこんなことが許されるのか」と激怒
2月23日このブログで公開した「世界を困らせる3大バカ老人とは・・・」の3人の中の一人、ミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官。息子や娘も国を食い物にしているようですが、国民の苦悩そっちのけで、シンガポールで遊ぶ家族写真が拡散、物議を醸しているようです。
そうした状況を旅行作家の下川裕治氏が、デイリー新潮にコラムとして寄稿していますので以下に引用します。タイトルは『シンガポールで遊ぶミャンマー国軍トップの家族写真が拡散… 国民は「なぜこんなことが許されるのか」と激怒』(3/03公開)です。
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国軍の弾圧を逃れ、タイに密入国。その後、自殺したものと思われるミャンマー人の遺書が、ミャンマー内で拡散されている。そこには「ご飯をください」「水をください」という悲痛な叫びが書き連ねられていた。
昨年、ミャンマーとタイの国境にあるタイ側のメーソートを訪ねた。街の人の話では、国境の山を歩いて越え、タイに密入国するミャンマー人は1日100人をくだらないという。国軍に追われた人たちだ。タイ側に逃げれば身は安全だが、密入国の身では働くことはできない。自殺したのはそんなミャンマー人なのか。
2年前のクーデターでミャンマーの人たちの生活は一変した。仕事がなくなり、将来への夢も消えた。貯えもなくなりつつある人が多い。しかし生きなくてはならない。国軍に対抗する民主派の軍隊、国民防衛軍(PDF)で銃をもつか、国外脱出の道を選ぶか。
それを見すかすかのように、1月1日、国軍はパスポートの発給を停止した。システムの更新が対外的な理由だが、
「軍事政権になると多くの若者が国外へ逃げようとする。それは国軍も織り込みずみ。パスポート発給のための賄賂で国軍幹部が儲けようとしている前兆」
そう考える市民は多い。
パスポートをめぐる混乱は過去にも…
ミャンマーは2011年まで軍事政権がつづいた。その後、民政化し、社会は活気づいたが2021年、クーデターで再び軍事政権に戻ってしまった。2011年までつづいた軍事政権時も多くの若者が海外脱出を試みた。そのためのパスポート取得が至難だった。500ドルを超える裏金が必要だった。その金が軍の幹部の懐に入っていった。
当時、ヤンゴンの空港でミャンマー人の青年とパスポートを待ちつづけたことがあった。彼と一緒にバンコクまで行く手筈だった。発給を依頼した間に立つブローカーから頻繁に電話が入った。曰く「いまパスポートオフィスにいる」「職員がなかなか現れない」。結局、パスポートは届かないまま、飛行機の搭乗時刻になってしまった。僕はひとりで飛行機に乗った。あの時代にまた戻っていく気がした。
実際、パスポートの発給申請を受け付けていた昨年12月、すでにブローカーの暗躍がはじまっていた。正規のやり方で申請するためには、ネットで申し込み、QRコードを受けとらなくてはいけない。しかしそこがうまくいかない。ブローカーに頼むしかなかった。通常手数料の4万チャット(約2600円)が100万チャット(約6万5000円)まで値あがりしていた。
QRコードを取得しても、その先がある。連日、パスポートオフィスには長蛇の列ができていた。
そんなミャンマーで国軍トップのミンアウンラインの家族の写真がSNSで拡散された。妻や息子や娘、家族たちの楽しそうな姿。場所はユニバーサル・スタジオ・シンガポールだった。ミャンマーからチャーター機で向かったという。
ミンアウンラインだけでなく、息子や娘も経済制裁を受けている。シンガポールは経済面の制裁には加わっているが、彼らの入国まで制限していない可能性は高い。しかしシンガポールで撮られた写真は、パスポートすら手にするのが難しい国民感情を逆なでする。国軍の武器調達にかかわるミャンマー人がタイで逮捕されたが、その取り調べから、ミンアウンラインの隠し財産も発覚してきているという。
「経済制裁を受けた国軍関係者は何種類ものパスポートをもっています。私たちはなかなかパスポートがつくれないのに、彼らは簡単につくることができる」
船員になって国外に出ようと考えているRさん(24)はいう。
2月24日にパスポートをつくるためのQRコードの申請は再開された。しかし申し込みが殺到しているのか、なかなかつながらないという。
ミンアウンラインのシンガポールでの写真が掲載されたSNSには、こんな文章が添えられていた。
<どうしてこんなことが許されるのだろう?
この一家はミャンマー人のすべての苦しみに責任があります。
何百万もの人々がホームレスになっているのは、この一族の権力と富に対する欲のせいだ。
どうして彼らが贅沢を楽しむことが許されるのだろうか?>
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今やミャンマーが何故軍政を敷いているか、その本質が明確になっています。彼等は国民を食い物にし、貧しいミャンマーの中で唯一贅沢な暮らしをする為に、頂点にいるのです。経済制裁を受けても賄賂と利権で潤っているのでしょう。
私はサウジアラビアに数年滞在していました。サウジアラビアも王家の独裁国家ですし、賄賂も横行していましたが、国民には石油収入を還元し、宗教上の理由からか男女の格差は大きなものがありますが、 国民全体は豊かな生活を送れるようにしていました。ミャンマーの軍人とは全く異なります。
ただ出稼ぎに来ている外国人は貧しい生活を強いられていました。様々な国から来ていますが、掃除をしているバングラ人は1日600円の収入(10年前)で、半分は国へ送金していました。もちろん技術士や医師などは高給でしたが。
日本人はアメリカなどとは相対的に給与レベルがじり貧で、今や30年前の半分以下となり、台湾や韓国にも抜かれつつありますが、ミャンマーやバングラなどから見れば、まだまだ豊かです。
今の若い人で日本に不満を持っている人など、こういった国に行ってみればいいと思います。収入や治安など、自分たちがどんなに恵まれているか分るはずです。世界は広く、いろいろな人がいろいろな環境で暮らしているのだと言うことを、よく見て考えて欲しいと思いますね。
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