「フェミニスト」上野千鶴子氏が入籍していた事実に唖然! 飯山陽氏が語る「おひとりさま」を裏切る偽善者
岸田政権が日本の重要課題と位置づける「少子化問題」。その一因に「結婚しない男女」の問題があります。(以前このブログで櫻井よし子氏の警鐘文を取り上げました)。その風潮を助長しているのが所謂「フェミニスト」思想、そしてその代表格のような人物が社会学者の上野千鶴子氏です。
このブログでも取り上げましたが、東大の名誉教授でもある彼女は2019年度の東京大学卒業式で、左翼思想満載の祝辞を述べたことで、そのマルクス主義的思想の片鱗を遺憾なく発揮していました。
その上野氏は「おひとりさま」の教祖とも呼ばれています。ところが先月末週刊文春が上野氏が入籍していた記事を公開しました。それをうけて、イスラム思想研究者の飯山陽氏が月刊hanadaに寄稿した記事を紹介します。タイトルは『偽善者に騙されるな 「おひとりさま」を裏切る偽善者』で、以下に引用して掲載します。
◇
結婚しない人が増えている。
2022年6月に内閣府から発表された 『少子化社会対策白書』によると、「生涯未婚率」は年々増加しており、1970年には男性1.7%、女性3.3%だったのに対して、2020年には男性28.3%、女性17.8%となった。生涯未婚率とは、五十歳になった時点で一度も結婚したことがない人の割合である。
「生涯未婚者」や「非婚者」という言葉には、どこか寂しい印象がつきまとう。最期には孤独死をむかえて無縁仏となる、という負のイメージとも重なりやすい。これに「おひとりさま」という新しい名称を与え、その印象をポジティブに変えようとした人物がいる。東京大学名誉教授で、フェミニストとしても名高い上野千鶴子氏だ。
2007年に出版された「おひとりさまの老後」(法研)に始まる上野氏の「おひとりさま」シリーズ本は、累計128万部を売り上げたベストセラーだ。2021年発売の「在宅ひとり死のススメ』(文春新書)で上野氏は、「わたしには家族がいませんので、基本、ひとりで暮らしていま現在七十二歳。このまま人生の下り坂をくだり、要介護認定を受け、ひとり静かに死んで。ある日、亡くなっているのを発見されたら、それを「孤独死」とは、呼ばれたくない。それが本書の執筆動機です」と述べている。
著者の上野氏も非婚だ、というのがこのシリーズの前提である。彼女は自ら「負け犬」を名乗り、卑下してみせるリップサービスも忘れない。私もあなたたちと同じなんだと、仲間意識を喚起する。
ショッピングサイト・アマゾンには、当該シリーズ本について「独りで生き抜く勇気をもらいました。自分に強く生き抜くって大変だけど、素敵だとおもいました」とか、「私も一人だけど、やっぱり幸せです」「この本は、生きるための道標(戦略本)になると思います」「私はお一人様ですが、とても参考になり、友達にも勧めてます!!」といったレビューが多数寄せられ、軒並み高評価がつけられている。
上野氏は間違いなく非婚者の星であり、ロールモデルだった。「その道」で最も稼いだ人物の一人でもあろう。
見事な言行不一致
ところが二月末、『週刊文春』が「”おひとりさまの教祖〟上野千鶴子が入籍していた」という記事を出した。実は、上野氏は「負け犬」ではなかったのだ。
ある男性と二十年以上前から恋愛関係を続け、結婚か養子縁組かは不明だが入籍し、相続もしていたと報じられている。相手の男性は二年前に亡くなったが、晩年に生活を支え最期を看取ったのは上野氏で、火葬の際には「本当に憔悴していた」という。
これはおかしい。これではまるで、仲睦まじい夫婦そのものではないか。
上野氏は自らが非婚派だっただけでなく、結婚という制度自体を強固に否定し、いかに結婚が誤った制度であるかについて、社会に対し声高に訴えてきた。
2016年9月には『東洋経済』で、結婚について「自分の身体の性的使用権を、特定の唯一の異性に、生涯にわたって、排他的に譲渡する契約のこと」と定義している。これはマルクスの盟友エンゲルスが、一夫一婦制によって女性は男性の奴隷及び子供を生産する道具となった、と述べたことを彷彿とさせる。上野氏は自ら「マルクス主義的フェミニスト」を名乗って憚らない。
2020年4月には『週刊金曜日』で、「結婚という法制度自体がイヤ」「自分のセックスの相手をお国に登録する意味は、まったく認められません」とも述べている。
ところが、彼女は入籍していた。言行不一致も、ここまでくれば見事なものだ。
いや、感心している場合ではない。彼女に影響を受け、結婚や出産のタイミングを逃した人は少なからず存在するだろう。1976年生まれの筆者も、女は自立しろ、男に頼るな、結婚も出産も自由を失うだけだ、そんなものをするのは愚かな女だけだ、と言われて育った。女の子は「私は一生、結婚なんてしない。 職業を持ち一人で自立して生きていく」と宣言することこそが正しい、と教わってきた。上野氏は間違いなく、そうした社会の風潮を先導していた一人だ。
京都精華大学人文学部教授から1993年には東大文学部の助教授となり、1995年には東大大学院の教授となった。論壇でもメディアでもフェミニズムの旗手として脚光を浴び、世に非婚やおひとりさまなどをススメてきた。上野千鶴子は、男に依存せず自立していて、意気軒昂で知的で、なおかつ社会的地位も名誉もある、新しい時代の女性の理想像を体現していたはずだった。
彼女の活躍と連動するように、日本の生涯未婚率は上昇し、少子高齢化も進んだ。 上野氏のイデオロギーや活動が、わが国における非婚者の増加や少子高齢化に多少なりとも「貢献」した可能性を勘ぐるのは、筆者だけではあるまい。
結婚するかしないか、子供を産むか産まないか。重大な局面でこうした選択を迫られた女性が、上野氏の主張や、彼女が牽引してきた「フェミニズム」的な思想や生き方に影響を受け、非婚や子供を産まないほうへ背中を押された事例は少なくなかろう。夫にも子供にも縛られず、自由にのびのびと、しかも日本の最高学府の教授として活躍する彼女の姿に自身を重ね、こんな生き方もいいなとか、私もこうありたいと思った女性や、非婚という自分の選択は正しかったと自己肯定したり、結婚や子育てに自由を奪われ翻弄される主婦に対して、敗北感ではなく優越感を感じたりした女性もいただろう。
おひとりさまとは言っても、生涯未婚者と、連れ合いに先立たれてひとりになるのとでは全く違う。
前者だったはずの上野氏は、実は後者だったわけだ。彼女には、自分には愛し愛された家族がいたという記憶が残っているだろう。愛した人と過ごした年月と思い出に加え、財産まで受け継いでいる。彼女は、いまは物理的にはおひとりさまかもしれないが、心のなかは温かいもので満たされているはずだ。それらのすべては、生涯未婚者には限りなく縁遠い。
「私は弱者の味方」という嘘
家族というのは、長い歴史のなかで、無数の人間たちが子孫を生み育てるだけでなく、自らの心の拠り所ともしてきた共同体だ。しかし上野氏をはじめとする現代の社会学者は、家族は人間一人ひとりの「居場所」にして愛情と幸福の源である、という理念を「幻想」だと否定してきた。現代社会学は家族というものを、個人を縛り付け、自由を奪う監獄のようなイメージで捉える。その家族から脱却すること、あるいは家族を作らない、結婚しないことが、新しい、正しい生き方だと喧伝されてきた先に、いまの日本がある。
ところが、当の上野氏自身は、他人に対しては非婚やおひとりさまを勧めつつ、自らはちゃっかり伴侶を得て家族を築いていた。
不特定多数の人を孤独な人生へと導いておいて、自らは温かい幸せに包まれていた。
これほど偽善に満ちた裏切りは、そうはあるまい。
彼女は「平等に貧しくなろう」と「脱成長」を訴えているが、自身は東京都武蔵野市のタワーマンションの上層階を購入して居住し、愛車はBMWで、八ヶ岳の別荘も「相続」している。
上野氏が「お前たちはせいぜい平等に貧しく暮らせ」と仰せなのは、自身がすでに十分に「成長」し、美味しい思いをしてきたからであろう。我々一般庶民は、そこまで侮られているのだ。
彼女の言行不一致は著しく、自分だけは特別だという特権意識は「平等」という彼女の掲げる崇高な理想とはあまりにかけ離れている。
筆者は生涯未婚を否定しない。結婚したくない人もいるだろうし、したくてもできなかったという人もいるだろう。しかし、生涯未婚率上昇の背景に、結婚を否定し、非婚こそ是だ、それこそ進歩的女性のあるべき姿だ、というイデオロギーを吹聴してきた上野氏のような左翼活動家がいたこと、小学校から中学校、高校でも、そして大学という高等教育の場でも、メディアでも、それが肯定されてきたことは確認しておく必要がある。
「私はあなたたち弱者の味方だ」と言う活動家の甘言に騙されてはならない。よく見れば、彼らが弱者などではなく特権を持つ強者だということがわかるはずだ。
◇
共産主義思想の持ち主は多くは上野氏と同様、平等とは裏腹の特権意識を持つ人が多いと思いますね。その代表例が中国共産党員であり、日本でも日本共産党のトップ層です。
またテレビの反日コメンテーターにも「我々庶民」といいながら、都心に邸宅を構えている御仁も多いと思います。所謂言行不一致の人間はごまんといるのが現実でしょう。
特にこの上野氏の言行不一致は罪が重い。自身がマルクス主義にかぶれたからと言って、結婚まで「国家に登録する」耐えがたい行為のように考える様は、まさにマルクス主義に洗脳され、抜け出せない人間の「わめき」のように聞こえます。いずれにしろ「化けの皮」が剥がれた彼女の今後が注目されます。
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