外交

2023年4月16日 (日)

和田政宗氏が国会質問で「日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害があったことは否定できない」との外務省見解を覆す快挙

6_20230415105201  外務省のホームページには、尖閣諸島や竹島、北方4島などについて、「日本固有の領土」と明記しています。だが残念ながら、尖閣は中国に脅かされ、竹島や北方4島は韓国、ロシアに不法占拠されたままですが。

 ところが中国における南京事件については「日本政府としては、日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害があったことは否定できないと考えています」と言う見解を述べています。

 この見解に対し、国会で質問をした自民党参議院議員の和田政宗氏が、その内容を含めて月刊hanadaプラスに寄稿していますので、以下に引用します。タイトルは『国会史上初の答弁! 南京事件「省内に根拠となる文書は存在しない」と林外相|和田政宗』(4/14公開)です。

政府全体で記述の根拠となる文書はあるのか

先週の参院決算委員会で、南京戦についての日本政府の見解の根拠について質問したところ、国会史上初の答弁が出た。

政府が外務省ホームページなどに記載してきた、「日本政府としては、日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害があったことは否定できないと考えている」との見解について、根拠となる文書が外務省内に存在するのかを問うたところ、「外務省が作成したものは確認できない」との答弁が林芳正外務大臣より出た。

南京戦における政府見解の問題は、近現代史研究家の阿羅健一さんが昨年3月、外務省に根拠となった資料の公開を求めたところ、今年1月に「該当文書を確認できなかったため、不開示(不存在)とした」との回答を得たことで顕在化した。

阿羅さんより、「根拠のないことが外務省ホームページに記載されており、修正できないのか」との相談を受けたことにより、私も外務省と事実関係についてやり取りを始めた。そうしたところ、外務省より、根拠となる文書が外務省内には存在しないことが私にも示され、今回の国会質疑で公式に確認したものである。

私は、この審議において、外務省内に文書が存在するか否かの答弁を得たうえで、さらに政府全体で記述の根拠となる文書は存在するのかを質問しようと、まず「外務省内に根拠となる文書は存在するのか」と質問したが、「存在しない」という答弁だけでなく、なぜか林外務大臣は、次の質問で予定していた「政府全体で記述の根拠となる文書はあるのか」の問いについての答えも一括で答弁した。

その答弁は、「いま御指摘のありました外務省のホームページの記載でございますが、平成19年4月24日に閣議決定された質問主意書への政府答弁、これを記載したものでございまして、同答弁で示されました認識は関係者の証言や事件に関する種々の資料から総合的に判断したものでございます。

この資料でございますが、外務省が作成したものは確認できておりませんが、政府機関で作成されたものとしては、1975年に出版されました当時の防衛庁防衛研修所戦史室による『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』第一巻において該当する記述があると承知をしております」というものである。

慰安婦問題における河野談話と酷似

しかし、この答弁にあった『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』は、戦後30年が経過した昭和50年にまとめられたものであり、私はこの本において参考文献とされている文書や関連文書を国立国会図書館から取り寄せすべて読んだが、一般住民を日本軍が意図的に殺害したとの明確な記述はこれらの資料からは得られなかった。

また、外務大臣答弁における「該当する記述」とは、「無辜の住民が殺傷され」との記述とみられるが、これは日本軍が意図的に住民を殺害したという文脈で記されているのではなく、「非戦闘員や住民が巻き添えをくらって死亡した」との前提で記されているものである。さらに、この『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』では、「南京付近の死体は戦闘行動の結果によるものが大部分であり、計画的組織的な虐殺とはいいがたい」と明記されている。

これらから言えることは、政府の南京戦における見解は政府保有の文書において確認できないものをもとに、「公式見解」が作られており、慰安婦問題における河野官房長官談話と酷似している。

外務省ホームページの記述は、平成19年の質問主意書に対する政府答弁書の記述、「昭和12年の旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害があったことは否定できない」をもとにしたとのことだが、今回の質疑を通して明らかになったのは、その根拠となる文書が外務省に存在しないこと、根拠としている『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』においても、意図的な非戦闘員や住民殺害は明記されていないことである。

7_20230415105401 村山談話の一部の記述も根拠なく記された

私は、現在明らかになっている政府保有の文書をもとに、政府見解や外務省ホームページの記述を訂正すべきであると考える。もし、非戦闘員や住民の殺害について明確に記している文書が明らかになれば、その通り記述することになると思うが、現在そうした文書は存在しない。

では、どのように記述するのか。

『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』の記述について、参考文献である様々な資料を私は調べたが、戦闘において住民を巻き込み死なせてしまったことは記述があり、事実であると認識している。私は、このように政府の公式文書に記されている内容に修正すべきであると考える。

外務省のホームページの記述、「非戦闘員の殺害があったことは否定できない」は、中国によって「日本政府は、日本軍が意図的に一般住民を殺害し虐殺したとする説を肯定した」との根拠にされている。「非戦闘員の殺害」ではなく、「巻き込んで死亡させた」と、政府の文書に根拠をもって記されてきた内容とすべきではないか。

過去、私は平成27年の国会質疑や質問主意書において、村山談話における「植民地支配」「侵略」の定義について政府に質問した。これに対する政府答弁は「植民地支配及び侵略の定義については様々な議論があり、お尋ねについてお答えすることは困難である」と、植民地支配や侵略は定義できず、日本が行ったかどうかについても答えられないというものであった。

すなわち、村山談話における「植民地支配」「侵略」の記述は、根拠なく記されたということが明らかになった。

「定義できないなら削除すべき」

これを受け、当時の外務省ホームページ「歴史問題Q&A」における「問1 先の大戦に対して、日本政府はどのような歴史認識を持っていますか」と「問6 『南京大虐殺』に対して、日本政府はどのように考えていますか」に対する回答で、「植民地支配と侵略」という文言を使用していることについて、私は「定義できないなら削除すべき」であると政府に質問主意書で平成27年4月に問うた。

これに対する政府答弁書は「削除する考えはない」とのものであったが、その後、8月の戦後70年安倍内閣総理大臣談話を受け、外務省ホームページの「歴史問題Q&A」から、「侵略」「植民地支配」の文言が削除され、「南京大虐殺」も「南京事件」との記述に変わった。

このように、過去においては、政府が保有する文書を根拠に、言えるもの言えないものを明確にし、記述を訂正した事例があるのである。南京戦は、中国により「大虐殺があった」との宣伝に使われている。日本政府はあいまいな論拠をもとに、政府見解を作成するのではなく、明確に根拠を持った内容をもとに見解や記述を作成するべきだ。

そうでなければ、史実と違っても「日本政府も認めており事実」との誤った認識が広がってしまう。これを訂正することは、先人たちの名誉やこれからの時代を生きる子供たちのためにも重要なことである。私は根拠を持った公式見解とするよう政府に求め続けるとともに、しっかりとした歴史的事実を国内外に広めていきたい。

 まさに和田氏の言うとおりであり、外務省という政府機関まで、「自虐史観」に染まったような見解を執ることは、中国のような反日独裁国家につけいる隙を、わざわざ見せていることになります。

 河野談話や村山談話も全く然りで、韓国の泣いて喜ぶような「自虐表現」でもって、日本を陥れる結果をもたらしているのです。反日左翼の非政府関係者ならいざ知らず、政府要人が発した重みはあまりにも重い。しかも本人たちは一向にその大罪を反省していないのです。万死に値するのではないでしょうか。

 この二人の談話を踏襲せず、「侵略」「植民地支配」の文言の削除につなぐ結果となった安部談話は、やはり素晴らしかったと言えるでしょう。いずれにしても外務省の公開文書には、曖昧な形で中朝韓露などにつけいる隙を与えるような文書は、早急に書き換えることが必要でしょう。そしてその元となった「自虐史観」は完全に捨て去る必要があると思います。

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2023年4月 4日 (火)

日中外相会談〝なめられた日本〟 中国側は人質、領海侵入で「恫喝外交」展開 「スパイ防止法や対外情報機関必要だ」

Images-5_20230403145701  林外相が中国を訪問し、中国要人3人と会談を持ちました。今後の日中関係の関係改善へ向けての総括的な話し合いの中で、当然スパイの嫌疑をかけられた日本人の解放もその一つですが、どうもスルーされたようです。

 この外相中国訪問の目的と成果について、zakzakが手厳しい見解の記事を掲載しています。タイトルは『日中外相会談〝なめられた日本〟 中国側は人質、領海侵入で「恫喝外交」展開 「スパイ防止法や対外情報機関必要だ」』(4/03公開)で、以下に引用します。

習近平総書記(国家主席)率いる中国共産党政権が、「恫喝(どうかつ)外交」を展開した。林芳正外相は2日、北京で秦剛国務委員兼外相と会談し、中国当局に「スパイ容疑」で拘束された日本人男性の早期解放を要求したが、取り合わなかったのだ。沖縄・尖閣諸島周辺では、外相会談の最中も中国海警局船が日本の領海侵入を続けた。国民や国益を守り切るためにも、スパイ防止法の制定や、対外情報機関の創設が必要との意見が出ている。

約3年3カ月ぶりとなった日本の外相による中国訪問は、およそ友好的とはいえない結果に終わった。

中国当局は3月、日本の製薬大手「アステラス製薬」の現地法人幹部の男性を、「中国の刑法や反スパイ法に違反した疑いがある」(中国外務省)として拘束した。

林氏は外相会談で、これに抗議して早期解放を求めた。ところが、秦氏の回答は「法に照らして処理する」というものだった。両国の主張は平行線をたどった。

林氏は、中国が尖閣諸島を含む東シナ海や日本周辺で軍事活動を活発化させていることへの深刻な懸念も伝えた。だが、海警局船は会談中も、尖閣周辺の日本領海内を航行していた。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、中国海警局船4隻が3月30日午前11時10分ごろ、尖閣周辺の領海に侵入した。このうち1隻は領海外側に出たが、残る3隻はその後も領海内に居続けた。領海侵入時間は、政府が12年に尖閣諸島を国有化してから過去最長となる80時間36分となった。

日本としては「人質」を取られて外交交渉に臨んだ格好で、対抗手段が必要との意見も出ている。

元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は2日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、「中国が反スパイ法で日本人を拘束したのは、どうも外交のカードとして使っているのではないか」「反撃能力というのであれば、スパイ防止法も1つのツールになるだろう。『やられたらやり返す』という姿勢を示す」などと語った。

国益が激突する外交の世界は、きれいごとではすまない。

国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は「林氏は『親中派』として中国人脈を培ってきたはずだが、今回大いに役に立ったとは思えない。カナダ当局が18年に、ファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を拘束した後、中国当局はカナダ人2人を拘束した。これが国際社会の冷徹な現実だ。スパイ防止法というカードのない日本は中国に揺さぶられ、なめられている。外交交渉を優位に行うためにも、スパイ防止法の制定や、対外情報機関の創設が必要だ」と語った。

Images-4_20230403145801  島田洋一氏の主張はまさにその通りですが、ロシアのウクライナ侵略に対して、眉をひそめるような発言を繰返してきた橋下徹氏も、今回はまともな意見を言っているようです。

 ところで、何故日本ではスパイ防止法の制定がなされないのでしょうか。それは特定野党や反日メディアが「憲法が保障する表現の自由に抵触する」として猛反対するからです。

 しかしスパイ防止法を定めているその他の国々で表現の自由、言論の自由が制約されている国があるでしょうか?アメリカやイギリスなど、いずれもスパイ防止法が制定されていますが、同時に言論の自由も保障されています。

 ここは単に野党やメディアが、「憲法」を持ち出して、自己の活動に都合の悪いことが起こらないように、つまり中朝露などの独裁国家との結びつきを、疑われないようにしたいだけなのかも知れません。そんな連中のことより国益の方がよほど重要です。是非しっかりした法整備をして、スパイ天国の汚名を晴らして欲しいと思います。

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2023年3月25日 (土)

尹錫悦韓国大統領来日で「日韓雪解け」? まず韓国が日本に謝罪すべきだろう 岸田政権「なあなあ決着」への疑問

30_20230324165001  韓国は保守派の尹錫悦大統領になって、それまでの文在寅前大統領時代に最悪の関係となった、日韓関係修復の動きが加速してきました。3月16日には尹錫悦大統領が来日し、岸田首相との首脳会談も行われ、徴用工問題の韓国側提案を日本側も歓迎し、シャトル外交の再開も約束されました。

 順風満帆のようにも思える両国の関係ですが、韓国国内では反日の急先鋒である李在明氏が、代表を務める野党「共に民主党」 が多数を占めていて、徴用工問題でも日本への譲歩に憤る原告や支援者が、受け入れ阻止だと大騒ぎしています。

 もともと強い反日の土壌がある上に、徹底した反日政策を5年間とり続けた文在寅政権時代を、一気に変えることは難しいでしょう。まだまだ課題が残る日韓関係の現状を、国際投資アナリストの大原浩氏が現代ビジネスに寄稿した記事から見てみましょう。タイトルは前編『尹錫悦韓国大統領来日で「日韓雪解け」? まず韓国が日本に謝罪すべきだろう 岸田政権「なあなあ決着」への疑問』、後編『韓国と米民主党には油断は禁物、GSOMIAがどうなったか忘れるな』(3/20公開)で、以下に引用して掲載します。

<前編>

「世界平和」は望ましいが

韓国の尹錫悦大統領が3月16、17日に来日した。

日本と近隣の国々が友好関係を保つのは「世界平和」の観点からも望ましい。だが、その「友好関係」が「一方的な日本の譲歩」によって維持されるのだとしたら国益の観点からどうであろうか。

要するに、友好関係を結ぶのは大事だが、そのために相手国に卑屈になる必用は全く無いということである。これは韓国に対してだけではなく、共産主義中国、米国など世界中のあらゆる国々に対する外交上の原理原則である。

来日前から、懸案の行方については例えばロイター3月9日「韓国大統領、16-17日に訪日=松野官房長官」といった報道がなされたが、注意しなければならないのは、この記事で「懸案事項だった元徴用工問題をめぐっては、韓国政府が6日に解決策を発表。同政府傘下の財団が被告の『日本企業に代わって賠償する』方針を示していた」と表記されている部分だ。

日本の韓国に対する賠償および「韓国が日本に支払わなければならないかもしれない賠償」については、私が執行パートナーを務める人間経済科学研究所フェロー八幡和郎のプレジデントオンライン3月6日「徴用工問題に抗議する韓国人が知らない"切り札"がある…韓国政府の『賠償金肩代わり案』を私が評価するワケ」記事が非常に参考になる。

同記事2ページ目の「請求権は『解決済み』なのに司法が暴走」では、「日韓両政府ともに、1965年の日韓国交正常化(日韓基本条約)にあたり締結した『日韓請求権協定』で、両国間の請求権問題は『完全かつ最終的に解決された』として、たとえ原告の要求が正当でも、賠償金を支払うのは韓国政府としているのにもかかわらず、文在寅政権が任命した判事が暴走し、被告企業の在韓資産を現金化しようとしているのだ」とある。

まったくその通りで、「日韓基本条約」ですでに「解決」した問題を、韓国側が日本に対して「不当にごねていた」というのがいわゆる「徴用工問題」の本質である。要するに、提訴した原告に対して賠償金を支払う義務があるのは元々韓国政府なのだ。

つまり、「本来日本側が支払う必要が無い賠償金を韓国(裁判所)が不当に請求したことによって日韓関係を破壊し、窮地に陥ったので、『(責任から逃れていた)韓国政府が勝手に賠償金を支払う』」ということになったということなのだ。韓国が勝手に行う行為に関して「日本の責任」などあるはずがない。

だから、ロイター以外にも多くのメディアで『日本企業に代わって賠償する』などという表現がなされていることは大きな問題だ

このように、オールドメディア主導で「韓国側の言い分」だけが伝えられるのは、過去の徴用工問題や、いわゆる従軍慰安婦問題などと同じパターンだ。これでは、日韓関係において「本当の意味の改善」は行われていないというべきであろう。

日本の秘密兵器

さらに、日韓基本条約が定める責任から韓国政府が逃げて、実際に日本企業の資産が奪われた場合には、日本には秘密兵器がある。

前記八幡和郎の記事5ページ目「日本人が知らない日韓交渉の歴史的経緯」および6ページ目「日韓基本条約を反故にしたら困るのは韓国である」がポイントだ。

「日韓基本条約」は、韓国に対して日本側が大幅に譲歩した内容であり、「徴用工問題でへたに日本を刺激してちゃぶ台返し」をされて困るのは韓国の方である。

具体的には、「韓国が基本条約を廃棄して再交渉というなら、あらためて、日本人が韓国に残してきた財産への補償を要求できる。さらに、日本は韓国との和解のために計5億ドルの経済協力をしたわけだから、当時の貨幣価値も考慮して返還してもらいたい」ということだ。

さらに、「また、北朝鮮が瓦解して南北統一が可能になったようなときには、『統一費用は日本に出させよう』と韓国は期待している。たしかに、かつての韓国に対する経済協力と同程度のものを北朝鮮に対して行うことを期待する、というのは理解できる。しかし、もし日韓基本条約を韓国が実質的に破棄するならば、北朝鮮の復興への協力はありえないというのは当然だ」ということなのだ。

日本は韓国に対して強力な武器を持っているのだから、「けじめをつけなければ相手にしないよ!」と毅然とした態度で接すればよいだけのことである。

だが、現状の岸田政権にそのような毅然とした態度は望みにくい。したがって、現在の(演出された)「日韓雪解けムード」は本質的な問題に目をつぶった表面的なものであり、将来の日韓関係のさらなる火種になるのではないかと懸念している。

まず、韓国が日本に謝罪すべきである

真の日韓友好関係樹立のためには、いい加減「日本側だけが一方的に謝罪する」という悪弊を終わらせなければならない。

したがって、読売新聞3月4日「『元徴用工』韓国側が解決策なら日本政府も呼応、過去の談話踏襲を岸田首相表明へ」のような「日本の過去の一方的謝罪の踏襲」など、「韓国の謝罪」がない限り行うべきではない。

竹島の不法占拠、伊藤博文暗殺、慰安婦問題、徴用工問題等々、多数の問題に関して、謝罪すべきは韓国である。慰安婦問題や徴用工問題については、根拠の無い主張や行動で日本の名誉を貶めた罪は重い。

ドイツ中部の州立カッセル大の敷地内に設置されていた慰安婦像は撤去された。しかし、設置者側が反省して自ら撤去したわけではなく、再三の日本政府の要請に応じて大学側が重い腰を上げたと伝えられる。

さらに、伊藤博文暗殺犯(テロリスト)である安重根を「義士」とする記念碑がいまだに日本の宮城県に存在する。

最悪ともいえる文在寅から、尹錫悦に大統領が代わってましになった感じがする韓国の政治だが、前記の事例からもその本質は変わっていないように思える。

2019年8月7日公開「文在寅の韓国は、アメリカに見捨てられ北朝鮮より先に『崩壊』するか」3ページ目「原田いずみ症候群から狂言自殺・自爆テロリストへ」のようなことはもううんざりだ。

そもそも、日本が韓国と友好関係を結ぶメリットはほとんど無い。韓国が改心して心から「ごめんなさい」と謝罪の言葉を述べるまで日本は「戦略的放置」を続ければよいのである。

日本は痛くもかゆくもない。

韓国が日本に対して「自らの罪」を謝罪しないのなら、また同じことの繰り返しだ。

<後編>

GSOMIA問題を忘れるな

GSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)は、日米韓にとって安全保障上重要な存在だ。もちろん、北朝鮮と38度線で接する韓国にとって特に重要である。

だから、GSOMIAは「韓国が結んでやった」などというものではなく、「日本や米国の力をお貸しいただいて」韓国の国防を強化すると言ってよい性質のものだ。

それにもかかわらず、従軍慰安婦問題を巡る日韓対立においてオバマ元大統領が、仲介の労を取る必要があった。その結果、2015年の日韓慰安婦問題合意につながり、ようやく2016年にGSOMIAが発効した。

しかし、その後、2018年に韓国海軍によるレーダー照射事件が起こった。これは「同盟国への攻撃」という観点から言えば、2月24日公開「米政府が関与か? ノルドストリーム爆破疑惑のバイデンと『迷走』岸田のコンビでは日本が危うい」で述べたノルドストリーム爆破疑惑同様重大な問題である。

ところが、韓国側は謝罪するどころか、いまだに2022年11月18日GLOBE+「自衛隊機へのレーダー照射疑惑、韓国国防省が改めて否定 絶対に認められない軍の事情」という状況だ。

そして、2019年11月19日 MONEY VOICE「文在寅氏、ついにGSOMIA継続『拒否』を明言。あと数日で韓国の自殺点が決まる」で述べられているように、安全保障のための条約を、日韓の間の政治的駆け引きの道具に使うという暴挙に出た。

結局、朝日新聞デジタル 同11月22日「韓国、GSOMIA延長を日本側に通告 米の要請影響か」で伝えられているように土壇場で翻意した。同記事のタイトルにもあるように、さすがにオバマ政権が安全保障のために苦労して成立させたGSOMIAを「おもちゃ」にするような行為に、米国側の怒りが頂点に達したことを察したのであろう。

まだ終わっていないGSOMIA問題

そして、実はこのGSOMIA問題はまだ解決していない。本来は1年ごとに更新される効力の期限が來る90日前までに通告をしなければ自動延長されるのだが、2020年8月24日東京新聞「GSOMIA『いつでも破棄できる』と韓国は強調」と強弁しているのだ。

2019年8月22日に韓国が一度協定の破棄を決定したが、協定失効前日の2019年11月22日に開催した国家安全保障会議で協定失効通告の停止を決定したから「協定失効通告の効力停止」の状態であるため、いつでも破棄可能だというのが韓国側の理屈である。

このような行為を改めないままの韓国と「友好関係」など維持できるのであろうか?まずは韓国が過去の「過ち」を自ら認めるところから両国の友好関係が始まる(なお、2023年3月16日に行われた岸田文雄総理と尹錫悦大統領による日韓首脳会談で、尹大統領は「会談で完全な正常化を宣言した」と報道された。だが、韓国が再び同じような「暴挙」を行わないという保証はどこにもない)。

最悪の敵は?

今回の「日韓雪解けムード」において、オバマ政権の副大統領であったバイデン大統領が、日本側に圧力をかけた可能性は十分にある。彼らにすれば、「台湾有事」が視野に入る中で、対中国勢力として日韓を団結させたいという事なのであろう。

そして、韓国が反省して謝罪しないから「日本側に大幅に譲歩を求める」という過去の悪しきパターンが繰り返される。

だが、米民主党政権がどれだけ頑張っても、韓国は歴史的に中国の事実上の属国であり、現在でもその傾向は変わっていないように思える。韓国が西側の一員であるというのは幻想であり、西側の仮面を被った中華圏であると捉えるのが正解ではないだろうか。

ナポレオンは「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」と述べているが、韓国に関しては「無能」というよりも「本当に味方になってくれるのか」という疑いが常に付きまとう。

しかも、日本側に大幅な譲歩を要請していると思えるバイデン民主党政権は、「ノルドストリーム爆破事件」という重大疑惑を抱える。彼らの要請に従ったからと言って、日本の安全保障をしっかりと考慮してくれるとは思えない。

また、3月19日公開の「中国の仲介でイラン・サウジ関係改善、世界は米国抜きで回り始めた」で述べた中東産油国と違って、韓国との友好関係を維持することに日本の実益はあまり無い。韓国に対しては、日本の国益に照らし合わせてどのような対応を行うべきか慎重に検討すべきだ。

 このブログでも再三述べているように、日本の戦後外交はGHQが植え付けた「自虐史観」の強い影響を受け、腰が引け続けていて相手の強硬な態度に右往左往し、謝罪を繰返してきた経緯があります。

 日中友好条約は、当時中国がソ連との確執や文化大革命による疲弊の中で、日本に救いを求めてきたのが真相ですが、中国側の周到な準備と調査、戦術の中で日本が逆に中国側の手玉に取られ、終始中国側の都合のいいように条約を結ばれたことが、門田隆将氏の著書に記述されています。

 日韓条約も日中条約までとは言えないでしょうが、韓国側の強硬姿勢に推された面もあるのではないでしょうか。そして中国においてもそうですが、特に韓国においてはその後も慰安婦や徴用工と、ゆすられ続けているのです。一方で竹島の不法占拠は意のままにされ続けています。

 まさに大原氏の述べるように、「韓国との友好関係を維持することに日本の実益はあまり無い。韓国に対しては、日本の国益に照らし合わせてどのような対応を行うべきか慎重に検討すべきだ」と思いますね。その前に、日本の腰砕け外交を早急に立て直さねばならないのは、言うまでもありませんが。

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2019年7月 7日 (日)

対韓輸出規制、対韓外交転換の先がけに

2019070100000068mai000view  昨年から続く韓国の反日行為、とりわけ徴用工裁判での賠償請求が直接の引き金となって、漸く今月1日、政府は半導体材料3品の対韓輸出を規制(実際は優遇処置の解除)を発表し、今月4日から実施しました。同時に輸出に関する優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外することも発表しました。産経新聞の今月1日のネットニュースから引用します。

 経済産業省は1日午前、軍事転用が容易とされる「リスト規制品」の韓国への輸出管理体制を見直し、テレビやスマートフォンの有機ELディスプレー部分に使われるフッ化ポリイミド、半導体の製造過程で不可欠なレジストとエッチングガス(高純度フッ化水素)の計3品目について、4日から個別の出荷ごとに国の許可申請を求める方針を正式発表した。

 韓国に対してはこれまで、安全保障上の友好国への優遇措置として手続きを免除していた。いわゆる徴用工問題で事態の進展が見通せないことから、事実上の対抗措置に踏み切った。(-中略-)

Images-3  リスト規制品以外の先端材料の輸出についても、輸出許可の申請が免除されている外為法の優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外することも発表した。ホワイト国からの除外は韓国が初めて。1日から24日までパブリックコメントを実施した上で最終判断する。除外後は個別の出荷ごとに国の輸出許可の取得を義務づける。

 その後西村康稔官房副長官は記者会見で、「徴用工へ問題の対抗処置ではない」と以下のように記者会見で述べています。

 西村康稔官房副長官は1日午前の記者会見で、経済産業省がスマートフォンなどの製造に必要な材料について韓国向けの輸出規制を強化すると発表したことに関し、いわゆる徴用工問題をめぐる対抗措置ではないとの認識を示した。「安全保障を目的とした輸出管理制度の適切な運営に必要な見直しだ」と強調した。

 西村氏は「韓国との信頼関係の下で輸出管理に取り組むことが困難になっている」と指摘。「韓国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこともあり、より厳格な制度の運用を行うこととした」と説明した。「WTO(世界貿易機関)のルールにのっとっており、自由貿易に逆行するものではない」とも語った。

F78bd_1524_9bad143da119409909d60d599ba23  そうは言っても「慰安婦支援財団の一方的解散」、「徴用工関連の国際法を無視した賠償請求」、「軍艦島世界遺産登録の際の横やり」、「旭日旗を戦犯旗として誹謗中傷」、「レーダー照射事件でのあるまじき対応」、「慰安婦への天皇謝罪発言」と、度重なる韓国の反日行為への報復と言うことは間違いないでしょう。寧ろ遅いくらいの対応です。

 これに対し韓国のメディアや外務相は予想通り批判の応酬を重ね、洪楠基経済副首相は「明白な経済報復、国際法違反であり、撤回しなければ相応の措置を必ず取る」と断言しました。日本製品の不買運動も広がりつつあります。

 これは予想通りの反応です。しかし今まで日本のこのような反撃対応を受けたことがない韓国側は、一応今まで通りの批判や対抗処置をちらつかせていますが、この制限処置は韓国の最大とも言えるIT産業群に大きなダメージを与えるため、実際はかなり困惑度が高いはずです。ただ経済音痴の文大統領がトップにいるため、その影響を予感できないのかも知れません。

 もちろん韓国は黙っていないでしょうから、次々に対抗処置を打ち出してくるでしょうが、大国米中と比べ日本にとって韓国経済や貿易の依存度はかなり低く、逆に日本は貿易だけでなく、金融制裁も含めて今後のカードを準備し、徹底的に戦うことを望みます。

 「日韓併合時代」の統治や、日韓基本条約時の日本の対韓貢献を完全に無視し、恩を仇で返す国とは交流の価値はありません。明治以来の、口は悪いのですが、それこそ「腐れ縁」をこの際断ち切るチャンスです。古くは福沢諭吉の「脱亜論」、現代では古田博司氏の「非韓三原則」(助けない、教えない、関わらない)を実行する時期に来ています。

 懸念することはただ一つ、それは韓国の反撃ではありません、「日本政府の甘い対応、腰砕け」です。そうならないことを切に願います。

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2019年5月26日 (日)

何しに来た?韓国議員団

Download_5  5月19日から4日間、韓国の「国会朝鮮半島平和繁栄フォーラム」(委員長:朴炳錫議員)に所属する議員団が、両国関係の改善と北朝鮮核問題に対する連携策を、日本の国会議員らと話し合うために来日しました。その議員団、日本に何をしに来たのか目的が定かではありません。NEWS-POSTSEVENの記事から引用します。

 韓国議員11人は5月21日に開かれた自民党外交調査会に参加。徴用工訴訟問題で韓国政府への働きかけを求める自民党に対し、代表の朴氏は「日韓請求権協定を尊重する。国と国との約束だ」と述べる一方、「韓国大法院の判決も尊重しなければならない」などと答えた。これまでの韓国政府の主張を繰り返すだけで、進展はなかったという(産経新聞2019年5月21日付「韓国議員団が自民議員らと面会…関係改善に焦る韓国側」)。

Maxresdefault_1  会合に出席した石原伸晃氏が、韓国議員団に向かって、「おいでになった目的は何ですか?」と突き放すように質問する始末だった。

 韓国政治に詳しい専門家によると、議員団メンバーのうち、与党・共に民主党所属の朴洸オン議員、全恵淑議員、魏聖坤議員はいずれも、日韓間で懸案となっている諸問題で積極的に活動・発言してきたことが過去に報じられていると言います。

 「朴洸オン議員は2017年1月、国会で、韓国国内に55ある慰安婦像を国家で管理するための法案を発議したことがあります。また今年3月、グーグル・コリアに対し、『YouTube上の〈慰安婦は売春婦だ〉と侮辱する映像を削除し、公式に謝罪せよ』と要求している。

 全恵淑議員は、国会女性家族委員会委員長に就任後の2018年8月、ラジオのインタビューで、日韓両政府が「最終的かつ不可逆的に解決」とした慰安婦合意について『無効化宣言をしなければならない』と述べました。魏聖坤議員は、『韓国の国民が独島(竹島の韓国名)を訪問しやすくするため、接岸施設の整備などを政府が支援すべき』と主張しています」(韓国政治に詳しい専門家)

 この議員団には、与党以外の議員もメンバーに加わっています。以下野党や無所属議員の活動履歴です。

 「野党・正義党の秋惠仙議員も、先の慰安婦合意は“第二の日韓併合”であるとし、野党3党の26人を代表して、2016年8月30日に『日本政府による慰安婦財団への拠出金10億円の受領を拒否し、慰安婦像撤去要求を拒絶する決議案』を国会に提出しています。

 さらに無所属の孫今柱議員は、2016年8月29日の記者会見で、『慰安婦合意を結んだ韓国政府(当時は朴槿恵政権)は、元慰安婦と国民に謝罪して、慰安婦合意を破棄しなければならない。それが私たちの歴史を正しく立て直す最小限の道理だ』と語っています」(韓国政治に詳しい専門家)

 議員団のおよそ半数が、日韓政府間の合意をことごとく批判し、韓国国内の“反日的感情”を煽るような主張や活動を繰り返してきたと言います。日本側としても、そうした主義や主張を持つ韓国の国会議員らを相手に、関係改善のための建設的な議論をするのは難しいように思えます。

 正に何の目的で来たのか、捏造の歴史に基づいた持論展開のためであれば、来る必要など全くありません。作家の崔碩栄氏は、今回来日した韓国議員団について、次のように分析しています。

 「今回の韓国議員たちは特別に反日的というわけではなく、“普通の議員”です。韓国ではこれが一般的。

 本当の問題は、彼らが目的も名分もあまり深く考えずに、来日したのではないかということです。石原議員が『おいでになった目的は何ですか?』と言い放っているのが象徴的で、韓国側は事前に通告も調整もせず、交渉の材料も何も持たず、突撃面談してきたように見える。『日本にひと言文句を言ってやる』程度の軽い気持ちで来ていて、今の日韓関係の危機的状況を理解していないのではないか」(崔氏)

Myonpaku  李明博元大統領の竹島上陸と天皇謝罪要求に始まり、朴槿恵前大統領の告げ口外交と続いた、韓国の反日の流れは、現在の文在寅大統領にいたって、敵国に等しい怒濤のような反日侮日の大波となって押し寄せています。

 ここは冷静に、しかし確実な防衛策をもってこれらの反日行為を食い止めると共に、経済や金融の制裁を効果的に運用し、逆襲体制を構築する必要があるでしょう。彼らの都合の良いように捏造された歴史を、真実に戻そうという気は全くないようですから。


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2019年3月24日 (日)

国益無視の外務省、その要因は

Sty1712070012f1 アメリカ東部時間で1941年12月7日午後1時に、日本の駐米大使野村吉三郎がアメリカの国務長官ハルに所謂「最後通告」を届けることになっていましたが、日本大使館の1等書記官奥村勝三のタイプライターでの英翻訳文作成作業が手間取り、届けられたのが1時間20分遅れの2時20分になりました。例の真珠湾攻撃は1時30分に開始されましたから、通告前の攻撃開始になり、アメリカが言う「騙し討ち」になった経緯は今では公知の事実です。

 しかしこの奥村書記官は前日夜遅くまで外出していました。本省から「いつでもアメリカに手交できるよう万端の手配をしておくこと」という通達がなされていたのにも関わらず、館務の責任者井口貞夫参事官は大使館内に緊急体制を敷かず、奥村書記官の外出を許してしまったわけです。

 確かに通告が時間通りに届いていたとしても、先制攻撃を仕掛けたわけですから、アメリカの反撃への初期対応としてはそれほど違っていなかったかも知れません。だが後に広島に原爆を落とした際、当時の大統領トルーマンは「パールハーバーの騙し討ち」への報復の権利として、この投下の理由を挙げています。つまり原爆投下はできなかった可能性が高いのです。又アメリカ人の日本人に対する激怒と憎悪ももう少し少なかったかも知れません。

Fc2_20140719_183954227 ただこの先制攻撃に関しては、今では開戦時のアメリカ大統領ルーズベルトの「思う壺」だったことが、その後の研究によって明らかになりつつあります。そのため「ハル・ノート」を含む様々な工作が開戦までに日本側に展開されています。その大きな役割を担っていたのが、アメリカによる日本側の電報などの通信傍受と暗号解読でした。それと、今回のブログのテーマである、外交官の稚拙な対応です。

 「あなたの息子ををいかなる外国の戦場に送ることはしない」と言って大統領選に勝利したルーズベルトは、公約を守るためには日本に戦争を仕掛けるわけにはいきません。そこが解っていれば野村大使としては、アメリカから和平交渉を決裂させ宣戦布告できないことは、予測できたはずです。また様々な状況の変化を細かく分析すれば、通信傍受や暗号解読を疑うことが出来たかも知れません。

 日本は対米和平交渉進展のため背水の陣で、近衛文麿首相のルーズベルトとのトップ会談の模索を続けましたが、ルーズベルトの参戦への思い入れで潰されてしまいます。そして近衛内閣がトップ会談の挫折を受けて退陣し、代った東条英機内閣の外務大臣、東郷茂樹も和解の妥協案を送ったものの無視され、逆にハルノートを突きつけられたのです。

 当時平均33才の研究員で構成された「総力戦研究所」の模擬内閣で、日米が戦えば「日本は必敗である」という結論が出されましたが、東条英機は「これはあくまで机上の演習である。実際の戦いというものは計画通りに行かない」と言い、口外するなとも言ったようです。その内閣の一員である東郷外相はその事実を知っていたかどうか分りませんが、この緊迫した時点で外相が知らなかったとすれば大問題でしょう。

414e03uamyl_ac_ul436_ いずれにしろ「最後通告」の遅延という大失態をしてしまったその責任は大きく、またそれ以前の和平の機会を逃してしまった外務省は、軍同様日本を戦争への道に引きずり込んだ一方の当事者でもあります。ところが戦後この事実は外務省によって隠蔽され続け、あろう事かこの通告遅延の責任者と当事者の、井口貞夫と奥村勝三は外務大臣経験者である吉田茂内閣時にいずれも前後して外務次官になっています。「騙し討ち」の事情を知っている吉田首相の隠蔽工作のため、と言う可能性が高いと思われます。又当時の野村大使も戦後参議院議員を2期務めています。

 そして外務省は戦後この失態、つまり「騙し討ち」の原因を作ったことを隠蔽するため、更には省の廃止を言われないため、GHQに取り入り開戦理由をすべて「軍」に押しつける様に画策しました。ですから日本軍を一方的に悪者にするため、「自虐」の道に走るようになったものと思われます。

 こう考えれば、ことのほか近隣諸国にへりくだった対応をしてきた理由も頷けます。竹島問題にしても南京大虐殺や慰安婦強制連行、また教科書問題にしても、外務省としてこの問題に正面から反論せず、寧ろ河野談話発表や教科書問題の近隣諸国条項策定などに於いては、積極的支援もしているようです。国益無視の外交そのものです。いや寧ろ国益を敢えて損なうような外交までしていると言えます。(以上杉原誠四郎氏の著書「外務省の罪を問う」を参照)

 話を変えて、外務省の役人はまた外交官として、特に大使「全権大使」と言われるように日本を代表して外国に赴任します。赴任国の情報を収集分析、つまりインテリジェンス活動に励むと共に、日本の国益を守り、在留邦人の生命と財産を守るのも役目であるはずです。その役割の重大さから国内勤務より破格の報酬が支払われているそうです。

 ところが私が実際に経験したのですが、サウジアラビア滞在時にアラブの春が勃発しました。隣の国エジプトで大規模なデモが始まったとき、真っ先にエジプトを離れたのが大使だと聞きました。それより古くイラク軍がクウェートに侵攻したときクウェートの大使も不在、近くのバーレーンでは大使も参事官も不在だったと言います。

 なぜ有事に不在になるのでしょうか。これでは「全権大使」の役割を果たしていません。在留邦人のことはどう考えているのでしょうか。一説によると最も早く情報が耳に入るから逃げ出したのでは、と揶揄する向きもあります。

 外務省には外交官の知恵として、危機管理に関し「逃げろ」「対応するな」「抗議は後でする」という行動指針が有ると言います。まさかこの指針を忠実に守っているのではないでしょうが、上の例では大使は「抗議を後で受ける」ことになってしまいます。

 このようにどう見ても「国益を優先して考える」べき外務省として、あるまじき実態が白日の下に晒されています。ですから「害務省」などと言われるのでしょう。もちろんそうではない、日夜日本のために頑張っておられる人も多いと思いますが、外務省全体としては、省員の教育を含め出直し的改革が待ったなしだと思われますね。

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2019年3月13日 (水)

韓国への報復処置、直ちに実施を

Asohofuku

 共同通信の昨日3月12日付の記事で、麻生太郎副首相兼財務大臣の委員会答弁について次のように報道されました。

 麻生太郎副総理兼財務相は12日の衆院財務金融委員会で、韓国の元徴用工訴訟で賠償を命じられた日本企業の差し押さえ問題を受け、韓国への報復措置を例示し具体的に検討していると述べた。「関税に限らず、送金の停止、ビザの発給停止とかいろんな報復措置があろうかと思う」と語った。

 日本維新の会の丸山穂高氏に対する答弁。麻生氏は「そういったものになる前の所で交渉しており、きちんとした対応をやっていかないといけない」と語り、報復措置の実施に至らないよう努力していると説明した。

 この発言に対し、韓国内の報道機関もかなり敏感に反応しているようですが、後段の「事前の対応」の部分にあるように、日本としては慎重に進める様子もうかがえます。

 ただここでよく考えなければならないのは、今までの「迷惑をかけたと思わされている相手に、怒らせないように低姿勢で臨む」という対応は、いい加減に止めて欲しい、と言うことです。

 戦後、李承晩ラインを勝手に引かれ、漁場を占有され、日本漁船を拿捕、漁師を殺され、竹島を不法占拠され、統治時代の諸施策を「圧政と蛮行」だと歴史を改竄され、戦時の慰安婦・徴用工の史実捏造に基づく謝罪と賠償を強要され、戦ってもいないのに戦犯と罵られ、旭日旗を戦犯旗と騒ぎ立てられ、火器管制レーダーを照射されたのに謝罪もせず、逆に哨戒機に威嚇されたからと謝罪を要求され、天皇に慰安婦に謝罪しろと暴言を吐かれる、と言うように、立て続けに攻撃をされてきました。

 さらに国際的にも発信した日韓慰安婦合意を勝手に破棄し、日韓請求権協定での合意を無視して徴用工個人賠償請求裁判を強行するような、国際法違反行為も平気で続けてきました。

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 もし戦前であれば、これだけ陵辱されれば宣戦布告でしょう。それなのに今までの日本外交は「遺憾」と「抗議」のみ。逆に慰安婦問題では「謝罪」を繰り返しています。まるでヤクザに睨まれ金銭を要求され、反論すると逆ギレされ脅されている被害者と同じです。日本にとって日韓併合は最大の誤りでした。歴史は元に戻せませんが戦後3/4世紀、もう過去を振り返るのは止めましょう。

 今韓国文政権は、米朝会談の物別れも有り、米韓関係にも隙間が生じ始め、親北政治の屈折点を迎えていて、また経済面でも労働者優遇政策が裏目に出て低迷、支持率も下降気味ですので、徹底的に叩くチャンスです。麻生大臣の述べたとおり、有効な報復処置を直ちに取り進めるよう望みます。決して躊躇することなく。

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2019年1月21日 (月)

歴史を政治利用する韓国文政権

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 文大統領の年頭会見での発言は、「三権分立の原則で司法判断は尊重しなければならず、日本政府もやむを得ないとの認識を持つべきだ」や「日本の政治指導者らが政治的な争点とし、論争を拡散させているのは賢明な態度ではない」など、過去の歴史と現在を同化させ国際慣行を無視した「日本責任論」を展開する内容でした。これに関し大学教授で経済学者の田中秀臣氏は次のように述べて反論しています。

 そもそも、徴用工問題は日韓という国家同士の国際的な取り決めである。韓国も日本と同様に三権分立だが、国際的な交渉においては、もちろん三権それぞれと外国が交渉する必要はない。司法の判断で、行政府の国際的な取り決めとは違う帰結をもたらしてしまえば、まずは韓国内で調整すべき話である。

 文大統領は会見で、事実上「日本国民に『歴史』を反省して、この事態に甘んじろ」という、他国民をあたかも自分たちの「奴隷」のように扱う姿勢を鮮明にした。植民地としての歴史が韓国民のプライドとアイデンティティーを傷つけた過去の経緯は不幸な出来事だろう。だが、他方で「歴史」を根拠にして「反省」を迫られている現代の日本人の大多数は、植民地支配にもいかなる戦争にも、そして韓国が現在直面している半島の分断にもいささかも関係していない。

 その上で田中氏は文政権が歴史を政治利用していると述べています。文政権に限らず過去の韓国の政権はいずれも政治利用してきましたが、一段と弾みを付けている感じがします。田中氏は次のように続けます。

 要するに、韓国は日本とのもめ事が起きるたびに、「歴史」を政治利用しているだけなのである。日本を韓国の都合のいい言い訳として利用しているのだろう。ただ、こうした韓国の外交政策は、他国の責任を常に要求する「他国責任論」とでも言うべきものではないだろうか。

 そしてこのような相手に対し、どう対応していけばいいか、田中氏の考えを続けます。


 では、こうした韓国に日本はどう対処すればいいのか。政治的な断交や「無関心」を求める人たちもいる。それも一つの意見だろう。だが、ここでは日本と韓国が今後も長期的な外交に携わることを、取りあえず前提にしよう。

 現在の日韓関係はゲーム理論でいう「繰り返しゲーム」という状況だ。徴用工や慰安婦、レーダー照射問題のように、国家間の取り決めがあって、初めは両者とも「協力」している。だが、やがて韓国が一方的に「裏切る」。この場合、日本側は「報復」や「異議申し立て」などを行うのがベストな戦術である。

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 私も「日韓で協議してお互いに解決していこう」、などという現状日本政府のやり方は、相手が悪いという立場ではなく、所謂「喧嘩両成敗」という前提があるように思います。徴用工賠償判決や火器管制レーダー照射問題は、明らかに韓国側に非がある問題で、協議ではなくペナルティ前提の抗議や制裁レベルでの対応が正しいと思います。

 最後に田中氏は過去の歴史対応について、次のように述べています。

 日本の世論の一部やマスコミ、そして識者や政治家には、「植民地支配」をまるで自然法則か何かのように、日本人の背負うべき宿命として考える傾向にある。これは実に非倫理的なことだ。歴史から学ぶことは必要だが、他方で歴史によって常に特定の国民が罰せられ、他国の道理に合わない行いに甘んじる、こんなことは不正義以外の何ものでもない。

 まさに田中氏の言うとおりだと思います。これが真の国際常識では無いでしょうか。日本の一部に歪曲した韓国の歴史認識に同調する、反日勢力がいることを残念に思うと同時に、そう言った勢力が無力化していくことを願ってやみません。



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2019年1月13日 (日)

日韓問題「リセットの時が来た!」

 今回はフジのプライムニュースに自民党議員を中心とした、最近の韓国への思いを述べた記事がありましたので、引用します。 

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日韓問題「リセットの時が来た!」「韓国に経済制裁を!」 自民党から政府に対抗措置求める声相次ぐ

自民党から韓国への制裁を求める声が相次ぐ
「人・モノ・カネと全体的に対抗措置を考えるべきだ」
「韓国から日本への人的渡航の制限をやるべきだ!」

1月11日、自民党は外交部会と外交調査会の合同会議を開催し、日韓情勢について議論を行ったが、この場では韓国に対し、これまで以上に厳しい声が相次いだ。

振り返れば、昨年からの韓国の行動は、国会議員による日本の領土である竹島への不法上陸、竹島周辺での海洋調査船の航行や軍事演習、慰安婦に関する財団の一方的な解散表明など、度々日本側を挑発するような行いが続いてきた。そのたびに、日本政府は様々な形で韓国に抗議を行ってきたし、自民党側も抗議を行ってきたが、口頭での抗議であり、抑制的な行動を取ってきたとも言える。

しかし今回、自衛官を危険に晒すような、韓国海軍の駆逐艦による自衛隊機への射撃管制用レーダーの照射や、戦時中の朝鮮半島出身労働者、元徴用工らへの補償問題に関して、韓国で日本企業の資産の差し押さえ申請が認められたことは、日韓関係に一層大きな打撃を与えた。

しかも1月10日に文大統領が会見で、徴用工問題に関し、日本政府は「司法の判断を尊重すべき」と述べた上で、「日本の指導者が政治争点化するのは賢明ではない」「謙虚な立場を持たなければならない」などと発言。

「抗議の段階は超えた」大使召還、経済制裁、韓国人の入国規制案も

合同会議では冒頭に、出席議員から「我々は品格のある国として、相手を尊重して「遺憾」という言葉を使ってきた。全体として遺憾!遺憾!だけではなくて、抗議ということで外交上の言葉遣いとして格上げしてほしい。残念ながら隣国は国際法を守らない国だと明確に日本政府には言っていただきたい」との声が挙がると、他の出席者からは、韓国への具体的な対抗措置、制裁措置を提案する声が続いた。

「対抗措置をしっかり検討すべきだ。解決するまで日本の大使は戻ってきてもらえばいい。韓国は特別だから配慮しなきゃと言って、今までさんざん煮え湯を飲まされてきた。絶対引かないということをやらないと、韓国は未来思考だなんて良く言うなと。こんなことして、未来思考なんてできるわけない。歴史認識の問題についてもリセットボタンを押す時がきた(出席議員A)」

「韓国は超えてはいけない一線を大きく超えたと思う。韓国から日本への人的渡航の制限をやっても良いではないか。ビザなし渡航の制限や、就労ビザの制限なども考えるべき。短期的にはもちろん日本にもダメージはあるが、こうした問題を放置することで、中長期的な国益が失われることを考えれば、ぜひ検討してもらいたい!(出席議員B)」

また、会合では出席者から、日本企業の韓国からの撤退などを検討すべきだとの声もあがったほか、韓国で活動している日本企業を守るため、自民党としても企業との間で意見交換を行い、韓国への対抗措置を講じていくべきだとの意見も出た。合同会議の終了後に松下外交部会長は記者団に対して「政調会に上げる」と述べて、党として具体的な検討に入ることを明らかにした。

日韓議連退会の城内氏「日韓は相当危険信号。韓国は後戻りできなくなる」

安倍首相に近く、外務副大臣も経験した城内実環境副大臣は、昨年11月に韓国の一連の行為を受けて「日韓友好議員連盟」を退会した。

その城内氏は、合同会議終了後に、FNNの取材に対して、文大統領の発言について「全く言語道断です。特に徴用工の問題については、日韓請求権協定で最終的かつ完全に解決している。仮に個人の請求権が認められるのであれば、韓国政府が対応すべきある。これは、またゴールポストを動かす話です。三権分立とか、司法の判決というより、国際法を順守することは当然求められるわけですから」と述べた上で、次のように日韓関係の今後について語った。

「日本は決して足して2で割ったような解決策、例えばいわゆる徴用工財団を作って、そこに日本が金を出すなんていうような、そんな解決策は絶対にありえません、日本は淡々と、日本の立場を一歩も譲らずにやっていくと、同時にあらゆる対抗措置をしっかりと考えていかないといけない」

そして、先の大戦が終わってから今年でもう74年を迎える中で、日韓が歴史的に抱えてきた問題を指摘し、両国が真の友好関係を築くべきでありながら、それに水を差すような文大統領の行動について、批判とともに警鐘を鳴らした。
 

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「根底にあるのは、日本政府に対する韓国側の甘えもあるし、それを許してきてしまった、これまでの日本政府及び我々日本人の問題もある。そろそろ戦後74年たつわけですから、もう日本と韓国は真剣に今後についてどういう関係を築いていくかを考えるべき時に来たのではないか。文大統領は未来志向と言っているが、未来志向という前に、今、山積している日韓の竹島問題も含めて、どういう対応をするのかということを、しっかり反省してもらって、謝罪をすることは謝罪してもらえないと、未来志向どころか後戻りできないような関係になってしまう。もともと友好国ですからね、友好国によくこんなことをしてくるなと。一般の国民の皆さんもどうなっているんだと。韓国酷いんじゃないかという意識に変わりつつあるので、相当危険信号なので、後戻りできなくなる前に、韓国としてはきちっとした対応をとって欲しいなと期待します」

文大統領こそ政治争点化をやめ、謙虚な姿勢を持つべきでは。韓国も歴代政権は、いわゆる元徴用工らへの補償について、日韓請求権協定に含まれると認めてきた。文政権が日韓のこれまでの積み重ねを壊し、様々な問題を深刻化させたことは間違いないだろう。

日本政府は、日韓請求権協定に基づき、2国間協議を申し入れているが、韓国が協議に応じない場合、第三者を入れた仲裁委員会への付託、さらに国際司法裁判所への提訴なども検討している。

経済界を中心に、日韓関係の悪化に懸念の声も挙がってはいる。しかし、これまで韓国に対して日本が譲歩し続けてきたことが今回の結果につながったとすれば、文政権の姿勢が変化しない限り、自民党を中心に韓国への制裁を求める声が日増しに強くなることは明白だ。文大統領側こそ、日本に対する挑発行為と、政治争点化を一刻も早くやめ、謙虚な姿勢と、誠実な対応が求められている時ではないだろうか。

(フジテレビ政治部 自民党担当キャップ 中西孝介)

 この記事の通り、自民党議員は韓国との関係をリセットしようという思いを抱き始めたと言うことでしょう。友好国というのは言い過ぎで、元々そう言う関係ではなかったし、制裁など含めそう思い始めたのもやや遅い感じもしますが、いずれにしろ漸く本質的な対応を取ろうという機運が出て来たのだろうと、歓迎したいと思います。

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2019年1月11日 (金)

責任転嫁の韓国大統領年頭会見

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 韓国の文大統領は昨日、年頭の記者会見に於いて、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じたいわゆる徴用工訴訟判決に関し、「日本の政治指導者らが政治的な争点とし、論争を拡散させているのは賢明な態度ではない」と指摘し、繰り返し強い反発を示してきた安倍晋三政権の対応を批判しました。

 この問題は元々日韓請求権協定で解決済みの問題を、韓国側が蒸し返し、最高裁に於いて国際協定に違反する判決をしたのが発端なのに、例によって開き直りの発言をしたものです。又この文大統領の会見の前に、韓国の裁判所が被告企業である新日鐵住金側に差し押さえの決定をしたのに対して、日本側は韓国に日韓請求権協定に基づく協議の要請をしていましたが、それには何ら触れられていません。

 これに対し日本側の反応は一様に批判的で、産経ニュースからの引用で以下にその発言の幾つかを記します。


 南米出張中の佐藤正久外務副大臣は自身のツイッターに、文氏の発言を引用して「協議要請中なのに、その回答をしないばかりか、この発言とは。事実を事実として見ない発言の繰り返しだ」と書き込んだ。

 河野太郎外相は9日夜(日本時間10日未明)、ネパール・カトマンズで記者団の取材に応じ、「日本企業に不当な不利益が生じないようにしてもらいたい」と韓国側に求めた。

 元外相の岸田文雄・自民党政調会長は10日、党本部で記者団に、文氏の発言は「大変残念だ」とした上で「(韓国側は)協議には応じるべきだ」と強調した。

 更に菅官房長官は文大統領の発言を受けて反発、その内容を産経ニュースから引用します。


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菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じたいわゆる徴用工訴訟をめぐる韓国の文在寅大統領の発言について 「韓国側の責任を日本側に転嫁しようというものであり、極めて遺憾だ」と厳しく非難した。

 菅氏は「日韓請求権協定は司法府も含めた当事国全体を拘束する。最高裁判決の確定で作り出された韓国側の協定違反の状態を見直す責任を負うのは当然ながら韓国側だ」と指摘した。

 同時に「韓国政府が現在に至るまで具体的措置をとらず、加えて原告側による差し押さえの動きが進んでいることは極めて深刻だ」とも語った。 

 この菅官房長官の発言は、今までの発言より一歩踏み込んだ強い調子の発言ですが、あの火器管制レーダーの対応にみられるように、こう言う言葉のやりとりでは、なかなか前に進まないような気がします。


Download

 もともと文大統領は、前朴槿恵大統領時代に頓挫しかけたこの徴用工裁判を、原告に勝利させるために、最高裁長官を現長官に代えたような人です。その上で彼は「三権分立の原則で司法判断は尊重しなければならず、日本政府もやむを得ないとの認識を持つべきだ」と言っているわけです。

 もともと反日、親北の大統領ですから、今後とも何かにつけて日本と摩擦を起こすでしょう。それを念頭に置いての対応をするしかありません。国際世論に訴えて、相手の出方を窺うのが王道のように見えますが、この国でかつこの大統領のもとでは、「ガツン」と一発、経済制裁や金融制裁を実施するしかないのではないでしょうか。

 それがもとで両国の間に亀裂が入れば、と言うかもう亀裂は入っていますので、亀裂が更に大きくなれば、それはそれで福沢諭吉の脱亜論ならぬ、「脱韓論」として粛々と断交に向けて進めばいいのではと強く思います。


 

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