コロナ感染者や医療関係者への不当な扱いを絶対やめよう
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、言いがかりや嫌がらせなどの行為が目に付くようになったと言います。読売新聞専門委員の田村良彦氏のコラム『教員が感染した大学の付属高生徒に「コロナ」 言われなき差別、偏見』(yomiDr.4/1)にその記述があったので以下に引用します。
最前線の医療機関や医師らに対しても
制服を着た高校生に向かって通りがかりの人が「コロナ」と叫んだり、運営法人の職員が子どもの保育を断られたり。教員の新型コロナウイルス感染がわかった郡山女子大学(福島県郡山市)で、嫌がらせが相次いでいると、読売新聞の福島県版(3月27日)が伝えている。記事によると、大学に100件以上の言いがかりや嫌がらせの電話があったほか、付属高の生徒にも嫌がらせの行為が数十件あったという。誹謗(ひぼう)中傷に悩む大学側が26日、記者会見して明らかにした。
差別、偏見の目は、新型コロナウイルスの対応に当たっている医療機関や医療関係者にも向けられている。日本災害医学会は2月22日、医療関係者への不当な批判に対する声明を発表。チャーター便やクルーズ船の乗客らの対応に当たった医師らが、「職場において『バイ菌』扱いされるなどのいじめ行為や、子供の保育園・幼稚園から登園自粛を求められる」など、「信じがたい不当な扱いを受けた」として、抗議するとともに改善を訴えた。日頃の取材を通じても、同様の話はたびたび耳にする。感染の広がり、患者数の増加につれて、いじめや差別も広がっているとすれば、何をかいわんや、だ。
*****中略*****
だれもが感染者、濃厚接触者になりうる
国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は3月19日に発表した提言において、「市民と事業者の皆様へ」として、まず、感染防止のために「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」という三つの条件が重なる場所を避けるよう求めた。
そして、続いて訴えているのが、偏見、差別問題だ。提言は、「感染者、濃厚接触者とその家族、この感染症の対策や治療にあたる医療従事者とその家族に対する偏見や差別につながるような行為は、断じて許されません」と述べた。そのうえで、だれもが感染者、濃厚接触者になりうる状況であること、また報道に対しても個人情報保護と公衆衛生対策の観点から特段の配慮を求めること、医療従事者が差別されることのないよう、市民に高い意識を持つことを求めた。
ウイルスとの闘いは、差別、偏見との闘いでもある。新型コロナウイルス感染症の克服に向かって進むとともに、差別、偏見の克服も成し遂げる必要がある。
私は日ごろから個人情報保護やプライバシー保護が行き過ぎる、例えば「明らかに犯罪を犯しているに違いない現場の映像で、犯人の顔や車のナンバーにモザイクやぼかしを入れて、報道している」のを見るにつけ、犯人隠しではないか、一般人からの情報提供に支障が出るのではないかと、違和感を感じたりしていますが、今回のような嫌がらせやいじめを防止するためには、逆にその必要性を強く感じます。
それにしてもこうした差別や偏見はどうして出てくるのでしょう。一部の「心無い人」の行為だとあきらめてしまっていいのでしょうか。このブログで何度も述べているように、これも被害者軽視の刑事法体系にあると言わざるを得ません。加害者を特定し、罰を与えなければ学校におけるいじめ同様、加害者はやり放題です。
その他ネットでの中傷や、職場や学校でのいじめ、あおり運転、ストーカー、近所迷惑な騒音問題やごみ放置問題等、いずれもこれらの迷惑行為の根っこは同じ、加害者の犯罪意識のなさと犯罪にしにくい法体系があると思います。つまりめったに罰せられないので「ストレス解消になる」「やって楽しむ愉快犯」的な心理が働くのでしょう。被害者は溜まったものではありません。
こういう社会から脱するために、被害者は泣き寝入りするのではなく、被害者同士の横のつながりを強め、それこそ弁護士を活用して、法の改変に圧力をかけ続ける必要がありそうです。
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