安全保障

2021年10月29日 (金)

中露艦隊が堂々と通過、国辱の「特定海域」を見直すべき時が来た

Unnamed-1_20211028161601  今月18日、中露の艦隊が津軽海峡と鹿児島の大隅海峡を通過したニュースが報じられました。昨日の民放でも取り上げられましたが、津軽海峡など「特定海域」に指定されている海峡は、たとえその全領域が国際的に認められている12海里の中にあっても、国際運行に使用される国際海峡には基線から3海里とし、一定の幅の公海の部分を特別に作ったもので、そこをこれらの艦船が通行したのです。

 この事案を受けてにわかにこの「特定海域」見直し論が浮上しています。昨日の民放に出演した香田洋二元海将は、全域を領海にすれば、その領海を通航しようとする船舶は、領海外国船舶航行法施行規則に基づき通報の義務が生じます。例えば津軽海峡など韓国が貿易の航路となっているため、毎回この処置を行わなければなりません。

 さらに問題はこの通報の内容を捏造または、最悪の場合通報義務を無視した場合、海上保安庁は、立ち入り検査および退去命令を実施しなければなりませんが、相手が艦船の場合は艦内が治外法権となっていて、実際には検査できず、また退去命令などの場合、紛争に至る場合があるので、現段階では現状維持が望ましいと言っていました。

 しかしこの意見は、従来の日本の基本的対処方針を踏襲しただけであって、今回の事例が示すように、安全保障上問題が深刻なことを考えれば、見直しも必要だと感じます。このあたりの詳細を、軍事社会学者の北村淳氏がJBpressに寄稿したコラムから見てみます。タイトルは『中露艦隊が堂々と通過、国辱の「特定海域」を見直すべき時が来た 世界的にも稀な海峡概念は米国に媚びへつらう姿勢の象徴』(10/28)で、引用して以下に掲載します。

 ◇

 日本海で合同訓練を実施していたロシア海軍と中国海軍の軍艦10隻が、2021年10月18日に津軽海峡を太平洋に抜け、西太平洋での合同艦隊訓練を実施した。

 中国やロシアの軍艦とりわけ今回のような強力な艦隊が津軽海峡を抜けると、日本の一部の政治家や反中・反露勢力から、「特定海域」の設定に対する非難の声があがる。

23_20211028161701  日本政府は津軽海峡などの5つの海峡を「領海及び接続水域に関する法律」(1977年5月2日公布、以下「領海法」)で「特定海域」に設定している。特定海域という制度が存在するがゆえに、中国やロシアの軍艦が大手を振って津軽海峡を通過し軍事的威嚇を加えているのだから、このような制度は廃止してしまえ、と領海法の不備を指摘するわけである。

 それに対して、「特定海域」制度を廃止する必要はないという声もある。日本も参加している「国連海洋法条約」(1994年11月16日発効、日本は1996年に批准し同年7月20日に日本につき発効)には「国際海峡」という規定が存在する。津軽海峡に関しては、特定海域の制度を廃止しても国際海峡に該当することになるため、中国やロシアの軍艦通過に関しては実質的相違は生じない。むしろ潜水艦の潜航通過に関しては現状の制度のほうが日本にとっては都合が良い、といった反論がなされている。

世界的にも稀な海峡概念

 しかし、問題はこのような表面的な法制度の問題に存するのではない。日本政府がそもそも「特定海域」を制定した動機と、この制度をいまだに維持している姿勢が、アメリカに阿(おもね)る卑屈な国家としての象徴的事例の1つに他ならない。要するに特定海域を存続させるかどうかは国家主権の問題として捉えるべきである。

 日本政府は領海法制定の過程においてアメリカ軍・アメリカ政府からの圧力に屈して、日本自身の主権を自ら制限して「特定海域」という世界的にも稀な海峡概念を生み出した。

 当時のアメリカ軍が保持していた対ソ連あるいは対中国先制攻撃作戦計画において、核弾頭装着弾道ミサイルを搭載したアメリカ海軍潜水艦が北太平洋から津軽海峡を抜けて日本海に展開することが想定されていた。

 もし、日本政府が領海法で採択する領海幅12海里を津軽海峡にもそのまま適用した場合、日本にとっては外国軍艦である米海軍潜水艦が津軽海峡を通過する際には海面に浮上して米国旗を掲揚しつつ航行しなければならなくなる。

 もちろんアメリカ海軍はそのような規定は無視することになるのだが、できれば合法的に津軽海峡の海中を潜航したまま通過するに越したことはない。

 また、日本政府が米海軍の核ミサイル搭載原潜の日本領海内通過を認めた場合には、野党や反米勢力などからの激しい突き上げに直面することになる。

 そこで日本政府が考え出したのが特定海域の概念である。つまり、日本の領海幅は12海里とするが、宗谷海峡、津軽海峡、対馬西水道、対馬東水道、大隅海峡に関しては3海里に制限し、海峡の中央部は日本の主権が及ばない公海とする、という規定である。

 これによって、領海法が施行された後にも津軽海峡の中央海域には公海帯が存在することになり、核ミサイルを搭載したアメリカ海軍潜水艦が潜航状態を保って津軽海峡を通過しても、領海法にも非核三原則にも抵触しない状態が確保されたのである。

激変した日本の海峡を巡る海軍情勢

 特定海域の制度が生み出された当時においては、中国海軍はアメリカ海軍から見ればガラクタの寄せ集めのようなレベルであり、海上自衛隊にも全く対抗しうる存在ではなかった。また、当時強力であったソ連海軍も、日本海からオホーツク海や太平洋に進出するのはウラジオストクを本拠地にする水上戦闘艦艇が主戦力であり、米海軍にとって強敵であったソ連潜水艦は主としてカムチャツカ半島を本拠地としていたため、日本の「特定海域」である公海帯をソ連軍艦が航行してもさしたる脅威とはならなかった。

 ところが現在、中国海洋戦力は海上自衛隊を圧倒し、アメリカ海軍にも大いなる脅威を与えるに至っている。また、一時低調になってしまったロシア海軍も復活しつつある。そして、韓国海軍の戦力強化にも目覚ましいものがある。したがって、特定海域が制度化された35年前とは、日本の海峡を巡る海軍情勢は激変しているのである。特定海域の概念は情勢の変化に対応させねばならない。

 領海法の特定海域の規定を廃止した場合、宗谷海峡と対馬西水道の場合、海峡の対岸がそれぞれロシアと韓国であるため、両国との調整が必要となる。そして、対馬西水道と大隅海峡に関してはそれぞれ代替ルートが近接しているため、国際海峡に指定させないことも可能だ。

 再び問題となるのは、津軽海峡である。津軽海峡には、日本海の公海と太平洋の公海を結ぶ代替ルートが近接していないため、特定海域の概念を廃止すると国連海洋法条約によって国際海峡に指定せざるを得なくなる。この場合、あらゆる国のあらゆる船舶に「通過通航権」が与えられるため、アメリカ潜水艦も中国潜水艦も津軽海峡を潜航したまま通航することが可能になる。

 しかしながら国際海峡沿岸国は当該海峡における航路を管制する権利も有している。そのため、日本は潜水艦や軍艦だけでなくあらゆる船舶に対して津軽海峡内での航路を設定することも可能である。

 そしてなによりも冒頭で述べたように、日本政府がアメリカの圧力に屈し、アメリカに媚びへつらうためにいまだに継続している、まさに自主防衛の気概を自ら捨て去っている象徴の1つである特定海域の概念は、アメリカの属国から独立する意志があるのならば、即刻廃止すべきであろう。

 ◇

 米海軍の核ミサイル搭載原潜の日本領海内通過は、日本の非核3原則といういわゆる自主規制に基づいて、認められないのであって、米国の核の傘に守られているといいながら、「核を持ち込ませない」という矛盾に満ちたバカなこの原則は、即刻廃止すべきでしょう。

 更には前出の香田氏も認めているように、現行憲法9条下で、外国艦船の停戦命令や紛争時の処置は困難ですが、そもそも領海を侵犯しようとする外国艦船に対し、何もできないという「国恥状況」は、是非改める必要がありそうです。まともな主権国家になるためにも、憲法9条を破棄し、しっかりした抑止力を持たなければ、今回のようなあからさまな威嚇行為を今後も許すことになります。日本人一人一人にこの国を守り抜く覚悟が試されています。

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2021年10月26日 (火)

台湾進攻の「次は沖縄」、日本は果たしてどうする

22_20211025170101  中国習近平政権の台湾統一への実力行使が取り沙汰されている今、バイデン政権は前トランプ政権とは違い、やや融和的な動きを見せていることが気になります。日本も台湾有事の先には沖縄有事が予想されることを念頭に、その対応を準備しておく必要があります。

 しかし各党の安全保障分野の公約を見ると、台湾に言及したのは自民党のみ、それもTPP関連で有事の際の記述はありません。野党は立憲民主、共産党、社民党のいわゆる特定野党は、そろって沖縄の辺野古への移設中止を掲げています。共産党は持論の日米安保の廃棄を未だに謳っています。

 差し迫った中国の脅威に対し、日本のこの有様はあきれてものが言えません。一億総お花畑の現状は、事が起こらない限り目覚めないのでしょうか。中国のお膝元のこの日本を、米国が肩代わりして防衛してくれるなど無理だと気づかなければなりません。台湾防衛ですら米国にとってやっかいな重荷なのです。

 このあたりの実情を、米国のブラマ・チェラニ(インド政策研究センター教授)氏がNewsweek誌に寄稿したコラムから引用します。タイトルは『台湾進攻の「次は沖縄」...中国の野心は「ヤマアラシ」作戦で防げ』(10/19)です。

 ◇

<中国の台湾進行を防ぐには、「非対称」戦略を進めることで中国に物理的な高いコストが発生すると意識させることが必要だ>

中国の強引な拡張主義は、これまでになく危険な方向に向かっているのかもしれない。最近は記録的な数の中国軍機が台湾の「防空識別圏(ADIZ)」に進入している。台湾の吸収による「祖国統一」を目指す中国政府の本気を示す明確なメッセージだ。

中国は台湾を一貫して自国領土だったと言っているが、実際には歴史修正主義に基づく疑わしい主張だ。台湾は歴史の大半を通じ、非中国系のマレー・ポリネシア系民族の居住地だった。地理的にも台湾本島は中国大陸よりフィリピンに近い。住民の大半も現状維持を望んでいる。

だが習近平(シー・チンピン)国家主席は1950年代に毛沢東がチベットで行ったように、「祖国統一」の名の下に台湾の併合を狙っているようだ。中国が台湾に侵攻すれば、近年で最大の世界平和への脅威となる。

台湾が占領されれば、死活的に重要な地域における航行の自由が損なわれ、インド太平洋地域のパワーバランスが覆る。中国は日本列島から台湾、フィリピン、ボルネオ島へと続く「第1列島線」を突破し、近海を支配下に置ける。一方、信頼できる同盟国としてのアメリカの評価は決定的に傷つく。台湾の征服を防げない(または防ぐ気がない)のであれば、他の国もアメリカには頼れないと考えるだろう。

台湾に隣接する南端の島々を持つ日本にとって、このリスクは特に深刻だ。麻生太郎副総理兼財務相(当時)が7月に語ったように、「次は沖縄」かもしれない。アメリカに頼れない日本は再軍備から核の保有に向かう公算が大きい。韓国、フィリピン、タイなどは中国の勢力下に入りそうだ。

台湾防衛に米軍を投入すると明言せよ

それでもアメリカは、中国による台湾占領とアジアの安全保障秩序崩壊を本気で防ごうとしているようには見えない。歴代の米政権は南シナ海から香港、新疆ウイグル自治区まで、習の拡張主義的行動を何度も許してきた。バイデン米大統領が最近、中国に融和的姿勢を見せていることも、習の自信を深めているはずだ。

中国の台湾占領を阻止できる手段があるとすれば、国際社会の評価だけでなく、物理的にも高いコストが発生すると中国側に意識させることだ。だからこそ、バイデンは台湾防衛のために米軍を投入すると、習にはっきりと告げなければならない。

トランプ前大統領の退任直前に機密解除された内部文書「インド太平洋におけるアメリカの戦略的枠組み」は、台湾の「非対称」能力構築を支援するよう推奨している。一部の元米政府・軍当局者も、こうした戦略に賛同を表明した。ジェームズ・スタブリディス退役海軍大将が指摘したように、ヤマアラシの針状の毛は消化が困難なため、大型の捕食者から身を守る盾になる。同様に対艦・対空ミサイルのような兵器は、台湾侵攻を高コストで長期にわたる血みどろのゲリラ戦に変えるはずだ。

しかし米台両当局者が非対称戦略について合意したとしても、中国という龍の喉を詰まらせる「ヤマアラシ型台湾」を構築するには数年かかるだろう。侵略者に持続的なゲリラ攻撃を仕掛ける大規模な民間人部隊の育成が必要だ。

それまでの間、侵略を思いとどまらせる方法は1つしかない。戦争も辞さないと脅すことだ。アメリカは冷戦の期間中そうやって、今の台湾よりも政治的に危うい状態だった西ベルリンの自由を守り抜いた。

最悪の対応は台湾を武力で守る意思を明確に示さず、口だけで中国の台湾占領に反対することだ。罰を受けずに行動できることに慣れた習はさらに大胆になり、奇襲侵略作戦を命じかねない。そうなればインド太平洋の秩序は覆され、アメリカの世界的優位に致命的打撃を与えるだろう。

 ◇

 地政学的に中国から遠く離れたアメリカが台湾防衛に躍起となるのは、台湾が中国の軍門に下ったならば、中国の太平洋への展開が一気に可能になると共に、それゆえ超大国の座を脅かされる可能性があるからで、むしろ近隣にあって火の粉が飛んでくることが予想される日本の方が、実害が大きいことを知るべきでしょう。

 ブラマ・チェラニ氏の指摘の通り、台湾が沈めば韓国、フィリピン、タイなどが中国の勢力下に入ると共に、日本も例外とは言えないでしょう。少なくとも沖縄は完全に狙われることになるでしょう。

 それだけ台湾防衛は西側諸国、特に日本にとって死活的重要な案件です。アメリカに防衛を肩代わりしてもらうなど、甘いことを言っている場合ではありません。そのアメリカも番犬とみている日本が何もせず、寝てばかりいるようでは、いい加減愛想を尽かすのではないでしょうか。

 ブラマ・チェラニ氏はアメリカに頼れない日本は再軍備から核の保有に向かう、と述べていますが、それが可能であればもうやっているはずです。憲法9条も変えられない日本にとって、再軍備から核の保有に向かうなど、夢のような話ですが、今確実にその時期が近づいていると言えます。トランプ氏も容認したこの安全保障政策を、日本は本気になって進める必要がありそうです。

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2021年10月 4日 (月)

中国軍が日本に仕掛けている心理戦 ー「諦めさせる」こと

Images-8_20211004093601  岸田新政権が今日スタートの予定です。前回取り上げたように甘利幹事長の経済安全保障政策、中国を念頭に置いたものですが、その中国は虎視眈々と日本の領土、尖閣諸島を狙いに来ています。その先は沖縄を狙いに来るのでしょうか。

 その中国の人民解放軍の戦略はどういうものか。ジャーナリストの吉田典史氏が、JBpressに寄稿したコラム『狙いは「諦めさせる」こと、中国軍が日本に仕掛けている心理戦 元海将・伊藤俊幸氏が語る中国海軍の実態と戦略』(9/30)にその概要を見ることができます。以下に引用して掲載します。

 日本のメディアは、尖閣諸島(沖縄県)周辺に出没する中国船の動きを連日報じている。確かに日本の安全保障にとって重大な問題ではあるのだが、尖閣にだけ目を奪われていると中国海軍の実態が把握できない。実は中国海軍の空母や潜水艦は太平洋で活発に動いている。その動向を40年以上にわたり観察してきた元海上自衛隊海将、金沢工業大学虎ノ門大学院教授の伊藤俊幸氏に、中国の狙いと、日本はどのような対応が可能なのかを聞いた。(吉田 典史:ジャーナリスト)

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中国の空母は重大な脅威なのか?

──伊藤さんは「中国海軍が太平洋での動きを活発化させている」と以前からよく指摘されていましたね。

伊藤俊幸氏(以下、敬称略) 私が潜水艦部隊にいた1996年、中国海軍艦艇が初めてアメリカのハワイ沖まで航行しました。中国海軍はこの時期にはすでに活動地域を太平洋に広げ始めていたのです。

 1970年代までの中国海軍は、北は青島から、南は海南東までの自国の沿岸防衛しかできませんでした。その後、中国海軍の父と呼ばれる劉華清元上将は、旧ソ連から、ランドパワー(大陸勢力)における海上防衛について学び、第1列島線(日本の南西諸島から台湾を隔てて南シナ海まで)、第2列島線(日本の小笠原諸島からニューギニアまで)の概念を作り出しました。これはオホーツク海を聖域としていた旧ソ連海軍の考え方を踏襲し、第1列島線内を聖域化するため、第2列島線までの間でアメリカ海軍を阻止するという考え方です。

──太平洋では、中国の空母の動きも顕著です。

伊藤 海軍が空母を保有するのは、それがないと艦隊防空ができないからです。艦隊には、少なくとも2つの弱点があります。1つは、戦闘機などの空からの攻撃。もう1つは、潜水艦からの海中からの攻撃。私も艦長だった1998年、ハワイでのリムパック(RIMPAC)演習(環太平洋合同演習)で米国などの艦艇を15隻沈めましたが、「鉄の棺桶」といえるほど艦隊は脆弱なのです。

 空からの攻撃を防ぐためにイージス艦を配備するのですが、艦隊を守るためにはまだ不十分です。空母艦載機で、より離れたところで敵を排除する必要があります。ですから、現在の中国空母が海自にとって重大な脅威であるとは言えません。原子力推進機関がなく、十数機しか艦載機が搭載できない空母は、航空自衛隊の戦闘機と海自潜水艦で確実に沈めることができるからです。

 ただし、今後10年以内に中国の空母は少なくとも4隻以上になります。これは、日本の真南、つまり、第1列島線と第2列島線の間に、1隻の空母を含む中国艦隊が常駐するようになることを意味します。現在、南シナ海などに常駐し、訓練や他国に寄港などしているのがアメリカ海軍と海自です。その逆バージョンを中国海軍がしてくることになる、と考える必要があります。

 第2次世界大戦末期(1944年)、サイパンが陥落したことで米軍による日本への空襲が本格化しました。中国海軍の空母が常時いることになるであろう海域は、日本からサイパンまでの距離の約半分の場所です。ここで頻繁に訓練をすることになるのです。

 海自と空自は、この動きを警戒・監視する必要があります。長い滑走路のある空自の基地は太平洋側にないため、狭い基地からでも垂直離発着できるF35Bが必要となります。海上での警戒監視中に本土まで戻る余裕がないことも考えられます。そこで必要になるのが、海上基地です。海自護衛艦「いずも型」2隻の空母への改修は、空自戦闘機をどう運用するかとの視点から設計されたものなのです。海自の艦隊防空用の空母を造るのは、おそらく20年ほど後になるでしょう。

──アメリカのような攻撃型の空母を保有しないのですか?

伊藤 イギリスもフランスも中国も、あくまで艦隊防空用の空母なのです。アメリカの空母は80機以上の航空機を搭載していますが、そのようなことができる空母をアメリカ以外の国は持っていません。他の国に対するパワープロジェクション(戦力投射)能力を持っている空母はアメリカだけです。皆さんはアメリカの空母の映像しか見てないから、それしかイメージできないのかもしれませんが、その認識は間違っています。一部の専門家は「海自が攻撃型空母を保有する」「これを機に攻撃できる態勢をつくれ」と語ります。第2次世界大戦の頃の意識のままなのです。

中国が仕掛ける“切り崩し”工作

──尖閣諸島の現状はどう見ていますか?

伊藤 国連憲章では侵略戦争は当然禁じられていますし、加盟国の武力行使が許されるのは、「武力制裁」および武力制裁発動までの自衛権行使の場合だけです。

 中国政府は尖閣諸島を自分たちの領土と主張していますので、例えば「自国内で起きた問題を解決するための治安維持」などとして尖閣に軍隊を送ってくることが考えられます。

 海自や海上保安庁は前々から、その対応を検討してきました。今年(2021年)2月、内閣官房や海保などの担当者が、自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、「外国公船が尖閣諸島への上陸を強行すれば“凶悪犯罪”と認定して、警察官職務執行法第7条に基づき警察権を行使する」「相手を制圧するために武器を使う『危害射撃』を行う可能性がある」ことを説明しました。

「海自を尖閣に送れ」といった世論がありますが、私は現時点で海自が出ていくことは好ましくないと考えています。海外からみると「世界第2位の実力を持つ海軍」が前面に出ることになり、その姿は世界から見て衝撃的に映るでしょう。

 海保でも手に負えない場合、自衛隊に下される命令は「防衛出動」になります。その際は海保や警察からスイッチし、自衛隊が敵の排除のために行動をとります。中国が海保に手荒なことをしないのは、そばにいる海自や空自を警戒しているからだと思います。海自の哨戒機は尖閣諸島周辺を飛んでいるでしょうし、潜水艦も潜っているかもしれません。

──元自衛官などが、「尖閣諸島で軍事衝突があった場合、沖縄や九州も巻き込まれる戦争になる」と指摘しています。

伊藤 尖閣諸島については前述のように手を出してくる可能性はあり得ますが、そこからさらに日本本土を攻撃をした場合、国連の安保理決議にもとづき、中国に対して武力制裁が行われるでしょう。中国への国際世論は相当に厳しいものになるはずです。日米安保のもと、米軍も自衛隊とともに戦うでしょう。

 自衛隊の出動に関しては、2003年成立の武力攻撃事態等対処法(「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」)により、自衛隊が防衛出動する法的な根拠が明確になっています。皆さんがイメージしている専守防衛とは異なり、憲法の範囲で襲ってくる敵を排除できる国になっているのです。

 中国はこのあたりを心得ていますから、日本と本格的な戦争はしたくない。むしろ、台湾への工作と同じく、日本国内で様々な工作をして切り崩そうとしてくるでしょう。政治家をはじめ多くの日本人が「中国に対抗しても無理だ」と諦めるような心理になることを目標にするのです。そのために尖閣諸島周辺に連日、公船を出没させているのだろうし、太平洋にも進出しているのだと私はみています。日本の内部から崩れるように仕掛けてきていることにこそ、警戒すべきでしょう。

 ◇

 日本の防衛省も中国のこの動きを念頭に、対抗戦略を考えてはいると思いますが、何しろ日本には「憲法9条」があります。防衛省や自衛隊の考える国防戦略に沿った防衛策も、その9条障壁のために自由に実施に移せないでしょう。まずはしっかりした防衛策を打ち立てるためには、「9条改正」を視野に入れる必要があります。

 更に、中国との攻防の最前線「尖閣」は、残念ながら中国側の主張「中国の領土」を、完全には打ち消せていません。いわゆる「棚上げ論」を容認してしまった付けが、今も棘のように刺さってしまっています。ですから政府も尖閣への日本人の上陸を認めていないのでしょう。中国に「領土侵犯」の口実を与えるからです。

 この問題の解決は、「尖閣は日本固有の領土」だと言うことを、国際社会に認めさせるしかありません。しかし南シナ海でのフィリピンとの抗争で、国際司法裁判所の「フィリピン勝訴」の決定を、「紙くず」と強弁した中国です。一筋縄ではいかないでしょう。もし岸田新政権がこの偉業を成し遂げれば、一躍時の人になれるでしょうが、可能性は極めて小さい。残念ながら現状維持が今のところ精一杯のような気がします。

 今できることの第一は「憲法9条」を改正し、普通の国・日本を取り戻すしかないように思います。そこから尖閣や竹島、拉致問題、北方領土解決の道が開けていくのではないでしょうか。

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2021年6月12日 (土)

いつまで「弱小国の振り」を続けるのか?

Images-4_20210612104601  私の願いは、日本がその潜在力を発揮して、世界に発信できる・ものが言える国になることです。そして法を疎かにし、人権を蹂躙する国々にはっきりNOといえる国になることです。そのためには経済力のみならず、しっかりした抑止能力を持つ軍事力を備えることが不可欠です。

 あの経済的な弱小国北朝鮮でさえ、核という最大級の兵器を手に入れ、先軍政治を徹底しているからこそ、米国と渡り合えるまで「力」を発揮しているのでしょう。もちろん砂上の楼閣でしょうが、いいにつけ悪しきにつけ発信力はあります。

 核を持てとまではいいませんが、少なくとも自衛隊を言葉の上でも「軍」と呼び、ポジティブリスト方式で行動を縛るような、手枷足枷を取り去ることが必要です。そのためには「戦力保持」を禁じた憲法9条2項を破棄することが必須です。

5_20210612104601  日本は外力に弱いとされています。これも戦後からでしょうが、上記のような訴求は外国人からも指摘されています。ヘンリーストーク氏やケントギルバート氏らは、彼らの著書の中で何度も指摘しています。ここにまた同様な訴求記事が見られます。「WEB Voice」に寄稿された、国際政治学者のグレンコ・アンドリー氏のコラム『いつまで「弱小国の振り」を続けるのか? 日本が“再軍備”できない本当の理由』(5/26)がそれです。以下に引用して紹介します。

 ◇

日本はどうして弱小国家の振りを続けているのだろうか。

国際政治学者のグレンコ・アンドリーは、戦後日本の基本原則である「吉田ドクトリン」があったお陰で、日本の軍事力は高まることがなかったと指摘する。この時代の、日本における真の安全保障とは何だろうか。

吉田ドクトリンの功罪

戦後、日本を国際関係の「弱者」「小国」として固定させたのは、いわゆる「吉田ドクトリン」である。

吉田ドクトリンとは、安全保障をアメリカに依存することで、軽武装を維持しながら経済の復興、発展を最優先させることによって、国際的地位の回復を目指した戦後日本の外交の基本原則である。

アメリカは朝鮮戦争勃発のため、日本に軍事費増加を要求したが、吉田茂首相は日本国憲法第9条を盾に、この要求を拒否した。

吉田首相が退陣した後も、吉田ドクトリンの路線は日本に定着した。安全保障をアメリカに任せたおかげで、日本は復興や発展に集中でき、高度経済成長を成し遂げて世界第2位の経済大国となった。吉田ドクトリンに基づく方針はおおむね現在も続いており、多くの人から評価されている。

それでは、実際に吉田ドクトリンは正解だったのだろうか。日本が高度経済成長を成し遂げたのは紛れもない事実だから、成功だという意見は理解できる。

一方、吉田ドクトリンが日本の足枷になっていることもまた、事実である。主権を回復してから70年近く経っているにもかかわらず、日本は憲法9条を改正できず、自国の防衛、安全保障政策を自主的に制限している。

もしあの時、アメリカの要求通り軍事費を増やしていれば、その後の再軍備も現実的になり、今の日本は自立した軍隊を持つ「普通の国」になっていた可能性が高い。

日本が弱小国の振りを続ける余裕はもうない

吉田ドクトリンが妥当だったかについては、やはり議論の余地がある。百歩譲って、吉田首相の在任当時は経済の復興を一刻も早く実現する手段として合理的な判断だったとしても、その後もずっと日本の安全保障政策の基本になっている状態は明らかにおかしい。

吉田首相自身も、再軍備の拒否と復興、発展の最優先を敗戦直後に置かれた状態を踏まえた上で決断したと思われ、同じ状態が未来永劫、続くことは想定しなかっただろう。

「21世紀の日本は小国として、大国の中国やアメリカ、ロシアとバランスを取りながらうまく付き合う」という方針は、驚くべきことに今でもかなりの支持を集めている。実際自民党から共産党まで程度の差はあれども、国政政党が軒並み小国路線を支持している

しかし、これでいいのだろうか。まず言えることは、人口が1億人以上で、世界第3位のGDPの国は、どう見ても「弱小国」ではない。弱小ではない日本がなぜ「弱小国」の振る舞いをしなければならないのか。

日本は東アジアにある。隣に中国とロシアのような凶暴な軍事大国と、日本人を拉致する犯罪国家の北朝鮮がある。このような地域に位置すれば、弱小国は必ず危険に晒される。仮に直接の軍事侵攻を受けなくても、隣国に振り回される運命を免れない。

実際にいま日本の領土はロシアと韓国に不法占領されており、尖閣諸島も中国に狙われている。中国をはじめ、近隣諸国は日本の外交・内政問題への干渉を繰り返している。

この状態で、日本が弱小国として振る舞うことは決して許されない。今は当たり前の平和な日常が破壊されても構わないなら、そのままでもいいのかもしれない。だが、現在の暮らしを守りたいなら、弱小国の振る舞いを続ける余裕は、日本にはもうない。

いつまで「弱小国の振り」を続けるのか? 日本が“再軍備”できない本当の理由

アメリカに"日本を守る気になってもらう"ために

筆者は、地政学的な思考としては「親米」を選ぶ。そして「日本の安全保障政策の基本は、日米同盟を軸にした親米路線しかあり得ない」とも考えている。

しかし、戦後復興を成し遂げた後もなお吉田ドクトリンを続ける路線は、決して親米ではない。さらに言えば、それは対米従属ですらない。もし日本が本当に対米従属であれば、アメリカの要望通りある程度の再軍備を実行したはずだ。

再軍備を拒否した時点で、日本は対米従属の国ではない。現在でも吉田ドクトリンを支持している論者には、アメリカに対する愛も尊敬も、執着もないといえるだろう。自分で生活を守る努力をせず、ただ楽をしたいためにアメリカを利用しているだけである。

吉田ドクトリンの支持者は、「いざというときにアメリカは日本を守ってくれる」と言う。それを批判する反米左翼は「話し合えば分かり合える」と言う。さらにそれらを批判する反米保守は「アメリカは絶対に日本を守ってくれないから、対米自立しかない」と言う。しかし、全部間違いなのである。

吉田ドクトリンの支持者と反米左翼は「日本が努力しなくても済む」という点で共通している。また、反米左翼と反米保守は「アメリカとの同盟は要らない」という点で共通している。

さらに、いずれの一派も「アメリカが日本を守る気になるように、日本は今まで何か努力をしたのか」「アメリカが日本を守る気になるように、どうすればいいのか」を真剣に考えていない、という点で共通している。

実際の安全保障において、「アメリカは日本を守る」「守らない」という議論は無意味であり、現状に何の影響も与えない。

むしろ「アメリカが日本を守る気になるために、何をすればよいか」を語る議論こそ現状に影響を与え、日本の安全保障に役立つ可能性が十分にある。

日本は、今までアメリカが日本を守る気になるための努力をせずに、日米安保の条文だけに甘えてきた。条約の条文は大事だが、それが全てではない。実際に各時代の政権が条約をどう運用するかが重要である。当然、日米安全保障条約も例外ではない。

日本にとっての"真の安全保障"とは

日本人が日米安保条約の第5条(「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」)の条文に頼るだけの態度を続けるなら、いずれアメリカも条文を守る気にならず、条約が形骸化する恐れがある。

アメリカが日本を守る気になるには、まずは日本が国防のための努力を行い、少なくともアメリカが諸同盟国に要求する防衛費の対GDP比2%の予算を実現し、アメリカの地政学的な戦略に付き合う必要がある。

反米左翼と反米保守は「対米従属」と言うであろうが、これは従属ではない。日本の国家安全保障を確立するために必要な外交政策であり、何よりも日本の国益に適うのだ。

吉田ドクトリンに基づく外交を続け、日米安保条約の条文だけに頼っても、日本の主権と独立を守ることはできない。また、左右の反米主義者の極論を聞いても、日本は危うい道を歩むだけだ。

今の日本に必要なのは、防衛費の倍増と再軍備だ。複雑かつ危険極まる現代の世界において、危機はいつ、どこから迫ってくるか全く予測できない。

不測の事態は必ず起きる。有事にいち早く対応するには、平時のうちに危機に備える必要がある。日本の国民一人ひとりが、国家安全保障が日常生活に直結することに気づき、国防の努力の必要性を理解すべきだろう。

政治家もまた、利権や自分の政治生命ばかりではなく、国家の主権と独立を守ることを第一の目的にしなければならない。

 ◇

 幸か不幸か戦後75年の間日本が直接的な戦闘に巻き込まれることはありませんでした。その間朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争やイラク戦争など、多くの戦争や戦闘が繰り返されても、日本は後陣で支援はしても前衛での戦闘に加わってはいません。

 それを9条教の人たちは憲法9条のおかげといいます。しかしそうでしょうか。確かに積極的に戦闘に加わるには、憲法がその抑止に働いたのは事実でしょう。しかし大戦の直後から北方領土や竹島を占拠され、拉致被害者を出し、その奪還は全くできていません。戦闘には加わっていなくても、領土や国民を奪われているのです。これは紛れもなく戦っていなくとも敗戦なのです。この敗戦に9条は何か役立ったのでしょうか。

 アンドリー氏の言うとおり日本は弱小国のふりをしています。そして人口の規模や経済規模に見合った防衛力を持とうとしても、憲法が足かせになります。その憲法を、あえて言いますが、少数の護憲派が手を変え品を変え阻止しようと躍起になります。憲法改正の制度的な困難さも加わります。

 そして日本人自身の安全保障感性の絶対的な弱さ、つまりお花畑思考が追い打ちをかけます。今平和が続いているのになぜ軍備拡張が必要なのか、と。多くのメディア、特に左翼メディアは軍事アレルギーを国民に振りまき、護憲を訴え続けます。島を占拠され続け拉致被害者を放置され続けていても、彼らはそのために何かしようと動きません。中共や南北朝鮮には忖度しても日本の安全保障にはそっぽを向いています。彼らにはそもそも愛国心というものがないのでしょう。

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2020年6月11日 (木)

中国に立ち向かう台湾、果たして日本は?

Img_553bd54ee62df297687bf43bd3e121d23422  中国の国家安全法香港適用による、事実上の一国二制度破棄の余波は、当然台湾にもおよび、台湾国内では野党も含めての中国非難という、前代未聞の状況が発生しています。

 こうした中、中国の海砂採取船を台湾の巡視船が拿捕するという案件が発生しました。日本の巡視船が自ら衝突を企てた中国漁船を拿捕し、船長を逮捕した事件(後の中国における大規模な反日デモのきっかけとなった事件)がありましたが、この海砂採取船は特に衝突を企てたのではないようです。

 以下に軍事社会学者北村淳氏によるコラム「中国の違法な海砂採取船、ついに台湾に拿捕される (副題):中国に立ち向かう台湾、あやふやな安倍政権」(JBpress 6/11)を引用掲載します。

 南シナ海、台湾周辺、そして東シナ海における米中の軍事的緊張が高まっている。アメリカ海軍も、定例業務化してしまった南シナ海でのFONOP(公海航行自由原則維持のための作戦)に加えて、軍艦の台湾海峡通航など中国に対する軍事的牽制姿勢をより強化している。

 天安門事件発生日と同じ6月4日には、先月に引き続いてアメリカ太平洋艦隊所属のミサイル駆逐艦ラッセルが台湾海峡を通航し、香港国家安全法制定に対する抗議、それに「台湾に手を出すな」という意思表示を行った。

 そしてラッセルが台湾海峡を通過している頃、台湾海峡南部の台湾浅堆では、台湾沿岸警備隊巡視船が中国浚渫船を拿捕して乗組員を高雄に連行するという事件が発生した。

Img_0eddf681f65139c4f3cc9dd0a6a939381613 違法な海砂採取、環境破壊も深刻

 トランプ政権による台湾支持の動きの強化にともなって、台湾海峡では台湾、中国、米国の間での軍事的緊張が加速度的に高まっている。さらに、台湾では台湾の排他的経済水域内に位置する台湾浅堆での中国浚渫船による違法な海砂採取も問題となっていた。

 中国本土沿岸域では海砂の採取が禁止されている。そのため大型(27000トン以上)の海砂運搬船を伴った中国浚渫船が、広大な浅海域である台湾浅堆で、海砂採取作業を実施(もちろん違法に)している。

 中国浚渫船が出没している海域は台湾と中国の中間線の台湾側であり、台湾の排他的経済水域内である。したがって、台湾政府の許可がなければ何人といえども海砂採取にかかわらず、いかなる経済活動も実施することはできない。しかし中国船は、これまで数年間にわたって毎日10万トンにものぼる海砂を採取し続けていると言われている。

 海砂を違法に採取しているだけではない。中国海砂採取船団は漁業資源の破壊という問題も引き起こしている。台湾浅堆は古来より澎湖諸島の漁民にとって豊富な漁場となっており、とりわけ澎湖イカとサワラの主要な産卵地そして生息地となっている。そのように台湾漁民にとって貴重な漁業資源が、中国浚渫船による大量の海砂採取作業によって、大きな被害を受けているのだ。このような状況が続くと、漁業資源が枯渇するだけでなく、台湾浅堆の自然環境も壊滅的状態に陥ってしまうと、中華民国自然生態保育協会(SWAN)では危惧している。

 SWANの調査では、台湾浅堆には643種類もの魚に10種類の珊瑚が生息している。ところが、このような生物学的にも貴重な海域で、大規模な海砂採取が続けられれば、貴重な自然環境が失われるのは自明の理である。それに加えてSWANは、台湾浅堆の調査中に、中国トロール漁船が廃棄した巨大な漁網を数多く発見している。

 まさに、台湾浅堆の漁業資源と自然環境は中国によって荒らされ放題なうえ、危機的状況に陥りつつあった。そこで2019年より、台湾沿岸警備隊が中国採取船団に対する本格的な取り締まりを開始した。だが中国側は盗掘の機会を狙って採取船団を送り込み、あるいは船名の隠蔽や改竄を行って海砂採取を続けており、台湾当局による取り締まりは難航している。

反撃に出た台湾

 先週、6月4日、2隻の海軍フリゲートと共に台湾浅堆海域に出動した台湾沿岸警備隊の巡視船「高雄」(3000トン)と巡視艇「澎湖」は、違法操業中の中国大型浚渫船(7539トン)を拿捕し、中国船の船長以下乗組員10名を高雄の興達港に連行した。

 今後も、台湾側による中国海砂採取船団の取り締まりは強化されるものと思われる。自然環境破壊や漁業資源の保護はもちろんのこと、なんといっても自国の排他的経済水域内での中国側の違法行為に目を背け続けることは、台湾の主権を自ら軽んずることを意味するからだ。

 台湾海峡を挟んで2000発以上の各種弾道ミサイルと数千発の各種巡航ミサイルを撃ち込む能力を保持した中国軍と常時対峙している台湾は、アメリカによる軍事的支援を少しは期待できるとはいうものの、可能な限り自らの力で自らの主権を守り抜こうとする努力を続けている。

頼りない日本

 台湾にとって、最悪の事態に際してはアメリカ同様に頼りにしたいと期待を抱いていたのが日本である。何といっても、台湾が中国の手に落ちた場合には、日本の安全保障は危殆に瀕する以上、日本が台湾の安全保障に敏感であるのは当然、と台湾側では考えているからだ。

 台湾が中国に組み込まれると、南シナ海を通過して日本にもたらされる原油や天然ガスは全て台湾沿海を通航せねばならないため、中国は容易に遮断することができてしまう。また、中国軍が台湾を強力な軍事拠点化することにより、先島諸島から沖縄にかけての空域と海域は中国軍の優勢が確定してしまう。そのような軍事状況となった場合、もはや米軍にとって沖縄は安住の地ではなくなり、沖縄の米軍戦力を大増強するか? 沖縄からグアムに後退するか? という選択に迫られることになる。

 いずれにせよ、台湾の安全保障と日本の安全保障が一蓮托生の関係にあることは事実だ。それにもかかわらず、近頃の安倍政権による台湾周辺状況や香港国家安全法に対する無関心的姿勢は、あたかも中国習近平政権に気を遣っているかのごとき印象を国際社会に刷り込む役割を果たしており、台湾はもとより同盟国アメリカの失望を招き信頼を大きく失ってしまっているのである。

 コラム後段の日本の姿勢については言うまでもなく、「尖閣諸島の中国海警局の公船による威嚇航行になすすべもなく遺憾砲しか打てない」、また「不法占拠された竹島への韓国議員の上陸や韓国軍の軍事訓練に対しても、これまた遺憾砲しか打てない」状況から、推して知るべし、でしょう。

 習近平政権への気遣いもあるでしょうし、善隣外交という外務省の姿勢もあるでしょうが、それより根本的には尖閣や竹島の例からもわかるように、軍事力を背景に持てないための「弱腰・腰砕け」外交のなせる業としか言えないと思います。

 あの民間の経済力も技術力も最低レベルの北朝鮮が、アメリカにも中国にも、そしてロシアにも「偉そうに」対応できているのも、ひとえに核を伴う軍事力(真の中身は不明ですが)があるからでしょう。

 軍事力の背景がなくとも、フィリピンのドテルテ大統領のような「強い発言力」をもった人も中にはいますが、とりわけ今の日本には剛腕と言われる人は少ない。またそういう人を「良し」としない国民が多くいます。だが昔からこうだったのではない。戦後の「GHQ憲法」「自虐史観」がそうさせてしまったのでしょう。

 ノーベル賞に代表される科学技術の分野にしても、オリンピックに代表されるスポーツの世界においても、「一番」だとか「強い」ということは国を挙げての称賛に値します。軍事力(軍に抵抗がある人には防衛力)も強いことに越したことはない、なぜそう考えないのでしょうか。やはり「自虐史観」の洗脳効果でしょうね。

 何度も申し上げますが、戦後75年経った今、もう「自虐」は止めて、独裁国家から民主国家を守る砦の役割の一つを担う、そういう日本になってもいい時期だと思います。そのために9条を改正して、強い防衛力を持った国に変えていきたいものです。

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2019年11月 5日 (火)

悪質な北朝鮮船に「放水」しかできない日本が情けない

Afr1910090040p1  今回は元海上保安官一色正春氏のコラム『悪質な北朝鮮船に「放水」しかできない日本が情けない』(ironna 11/05)を取り上げます。

***

 水産庁の漁業取締船と北朝鮮船の衝突事件で、改めて日本の対応の甘さが浮き彫りになった。北朝鮮は賠償を求めているが、日本が公開した動画には、放水を受けた漁船が急旋回し、接触する様子が記録されている。違法操業を繰り返す悪質な北朝鮮船に、警告と放水しかできない日本。これでは、北朝鮮に舐められても仕方ない。

 水産庁の漁業取締船と北朝鮮漁船との衝突事件は、当初こそニュースにもなり、巷(ちまた)でも話題に上がったものの、絶好の政府攻撃材料であるにもかかわらず、マスコミや野党が騒がず、いつの間にか尻つぼみになってしまいました。

 9年前に中国漁船がわが国の巡視船に対して故意に衝突させた事件や、昨年に起きた韓国海軍による自衛隊航空機に対する火器管制レーダー照射事件のように、今回も有耶無耶(うやむや)な形で終わりそうです。

 しかし、この事件は北朝鮮によるわが国の主権侵害という問題だけではなく、わが国の安全保障にぽっかりと空いている穴を浮かび上がらせてくれました。その穴が何なのかという話の前に、今回の事件における問題点を整理しますが、誤解がないよう用語の説明から始めたいと思います。

 まず、排他的経済水域(EEZ)というのは公海であり、国際法上、主権が及ぶのは領域(領土、領海、領空)に限られ、公海というものは、どこの国にも属さない自由な海です。接続水域やEEZというのは「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)によって、例外的に沿岸国の一部の権利のみが保障されているにすぎません。

 では、今回の事件のように公海上で船籍の異なる船が衝突した場合は誰が裁くのかというと、国連海洋法条約で下記のように定められています。

第九十七条 衝突その他の航行上の事故に関する刑事裁判権

1 公海上の船舶につき衝突その他の航行上の事故が生じた場合において、船長その他当該船舶に勤務する者の刑事上又は懲戒上の責任が問われるときは、これらの者に対する刑事上又は懲戒上の手続は、当該船舶の旗国又はこれらの者が属する国の司法当局又は行政当局においてのみとることができる。

 これを今回のケースに当てはめれば、わが国の官憲は水産庁の漁業取締船の乗組員に対しては司法権を行使できますが、北朝鮮の漁船乗組員に対しては行使することはできず、北朝鮮漁船の乗組員を裁くのは北朝鮮国家であるということです。

 北朝鮮国家が自国の漁船乗組員に対して、どのような処置をとるのかは分かりませんが、おそらく水産庁漁業取締船の乗組員は日本国海上保安庁の捜査を受け、よほどのことがなければ、不起訴になるとは思いますが、業務上過失往来危険容疑で書類送検されるでしょう。

 このように、衝突事件に関しては、わが国の官憲は北朝鮮漁船乗組員に対して事実上何もできませんが、果たして他に方法がないのかということを考えてみましょう。

 まず、現場はわが国が主張するEEZであることから、「排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律」(EEZ漁業法)の適用が考えられます。

 なお、北朝鮮は国連海洋法条約を批准しておらず(米国も同様に批准していない)、そもそもわが国のEEZを認めていません。その上、わが国との間には国交がなく、日中や日韓のように漁業などに関する協定を結んでいないため、細かい話をすると国際法上ややこしいのですが、本稿は厳密な法律論を述べることを目的としておりませんので、世界中で160カ国以上が締結している国連海洋法条約をベースにわが国の立場で話を進めていきます。

 今回のケースは漁船が沈没してしまったため、おそらく違法操業に関する決定的な物的証拠を押さえられていないと思われます。たとえ漁船が沈没していても、映像などの証拠があれば法令上は検挙することは可能なのですが、有罪率99%を誇る完璧主義なわが国の検察はそれだけでは、なかなか起訴してくれません。ですから実務上、このようなケースにおいて違法操業の容疑で検挙することは難しいので、考えられるのはEEZ漁業法の

第十五条の二 漁業監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、漁場、船舶、事業場、事務所、倉庫等に立ち入り、その状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し、又は関係者に対し質問をすることができる。

第十八条の二 第十五条の二第一項の規定による漁業監督官の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はその質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者は、三百万円以下の罰金に処する。

 の罰条です。北朝鮮漁船は水産庁の船に自ら体当たりしてきたので、漁業監督官の検査を拒み、妨げ、もしくは忌避した可能性が高いのですが、問題は漁業監督官に検査を行う意思があったのか、あったとすれば、その意思を相手に明確に伝えていたのかが争点になり、かつ、それが映像などで記録されていなければ、同様の理由で検挙することは難しいです。

 また、物理的に60人もの人間(北朝鮮は徴兵制なのでほぼ軍隊経験者であり、どのような武器を隠し持っているかも分からず、しかも衛生環境が悪いので、どのような感染症に罹患(りかん)しているかも分からない)を、狭い船内に確保することは、相当のリスクを負います。

 さらに、日本に入国させるとなると法務省入国管理局(入管)、検疫、税関などの手続き、拘束すれば食と住の手当てだけではなく監視する人員、嫌疑不十分となれば帰りの飛行機の手配など、手間のかかることばかりです。それだけではなく、取り調べなどの捜査に、ただでさえ足りない人員や船舶を割かれるため通常業務に支障が出るだけでなく、その穴を突かれ、結果的に違法操業が増える可能性もあります。

 リーズナブルに考えると、その場で「無罪放免」するのが一番ですから、今回、北朝鮮漁船の乗組員を、その場で帰してしまったことは、ある意味では正しいと言えます。しかし、司法手続きを費用対効果だけで考えれば治安が保たれません。今回、北朝鮮漁船はわが国の公船である水産庁の取締船に対して故意に体当たりしてきたのですから、わが国の主権に対する明白な挑戦と真摯(しんし)に受け止め、厳正な対応をとらねばなりませんでした。

 今回の対応が前例となり「日本の船から何か言われても、ぶつければよい」と思われれば、公船は言うに及ばず日本の漁船に対しても体当たりをしてくるかもしれません。実際に接近してこなくても威嚇だけで日本の漁師は、多大なプレッシャーを感じるでしょうし、最も懸念されるのが、今後、水産庁の腰が引けてしまうことです。

Images-3_20191105112201  それでなくとも彼らはわが国の公船が、放水しかしないことを分かっているので軽く見ている節があり、わが国のEEZ内において公船が自国の領域であることを主張しながら小銃によりわが国の船に対して威嚇するほどです。そんなことは中共(中国共産党)でもやりませんし、何よりも北朝鮮はわが国の同胞を何百人も奪ったままの国であることを忘れてはいけません。

 では、どうすればよかったのかというと、現行法で考えられるのは刑法の殺人未遂罪の適用です。刑法は基本的に国内の犯罪を取り締まるためのもので、かつては日本人が被害者の殺人事件でも発生場所が国外であれば、根拠法令がないため犯人の身柄を拘束するなど、わが国単独では強制力を行使できませんでしたが、ある事件をきっかけに刑法が改正されました。

 それは平成14年にわが国の海運会社の現地法人が所有し運航するパナマ船籍タンカーの船内で起きた、日本人が被害者となった殺人事件です。発生場所が公海上であるためパナマ国内で発生したとみなされ、その直後に同船が日本に入港してきたにもかかわらず、海上保安庁は刑事裁判管轄権を持つパナマから委託を受けるという形での捜査協力しか行えませんでした。

 結果としてフィリピン国籍の犯人は旗国であるパナマに移送され、現地の裁判所で無罪判決が下されました。そして、それを受けた海運業界から法令改正を要求する声が高まり、その翌年に刑法が改正され「殺人の罪及びその未遂罪」については日本国外においても日本国民に対して行われた場合には適用されるようになりました。

 単なる衝突事件ではわが国に管轄権がないことは前述しましたが、今回は故意に船をぶつけてきたわけですから

ここで舵(かじ)を切れば、水産庁の船に衝突するだろう

       ↓

衝突すれば、水産庁の船が沈むかもしれない

       ↓

船が沈めば人が死ぬかもしれない

       ↓

別に相手が死んでもかまわない

 という「未必の故意」を立証すれば立件可能です。実務的にはかなり難しい、いわゆる「無理筋」ですが、相手は国際法の枠外でわが国に対してくる国なのですから、教科書通りに法令を順守する優等生的対応では限界があります。実際問題として他国では似たようなことがしばしば行われており、わが国の漁民は、そうやって散々痛めつけられてきました。

 何よりも北朝鮮漁船乗組員を拘束することで拉致問題に何らかのプラス効果があったと思われます。少なくとも、現場で「無罪放免]したことにより、北朝鮮から侮られることはあっても感謝されることはありません。最低でも、救助治療を名目に日本国内に連れていき、日本の社会の様子を見せて返すだけでも北朝鮮にダメージを与えることができたはずです。

 現政権は拉致問題が最重要課題と考えるのであれば、今後は今回のような甘い対応ではなく、片っ端から拿捕(だほ)するくらいの姿勢で臨んでいただきたいものです。実務上、難しい面もあるとは思いますが、ロシアは今年の9月に5隻の北朝鮮漁船を拿捕し、300人以上の乗組員を拘束しています。ロシアにできることが日本できないわけはありません。トップがやる気を見せれば日本の優秀な現場は動くのです。

 どれだけ日本人が拿捕され拉致され拘束され、最悪の場合は殺害されても日本政府は甘い対応しかしてこなかったのが、戦後の日本外交です。日本人を保護し救出するためであっても武力を使ってはならない憲法上の制約や、過去の日本の戦争の過剰な反省からか、中国漁船に対するインドネシアの対応や、このコラムにあるような北朝鮮漁船に対するロシアの対応など、絶対にとりません。

 考えてみればこれは憲法25条の生活権の蹂躙であり憲法違反です。憲法9条を守るために25条を蹂躙する、これも現行憲法の欠陥の一つではないでしょうか。9条が戦前の他国への侵略(と言うことにされている)の反省であるとしたら、日本国民の安全や保護のためには9条がどのように貢献しているのか、9条信者に聞いてみたいですね。

 いずれにしても一色氏の言われる通り、「トップのやる気」が必要です。私はそのやる気を見せるためには「覚悟」が必要だと思います。国の内外にはこの当たり前の国民と国益保護を果敢にやろうとする行動に対し、とんでもない反発をする人たちが多くいます。その人たちに対し果敢に論破できる勇気と覚悟が必要でしょう。

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2019年10月30日 (水)

日本の核武装はあり得るか? 米国で専門家が議論

Img_17d1fba64525f868983a1f17d93b27391073  今回は産経新聞ワシントン駐在客員特派員で麗澤大学特別教授古森義久氏のコラム「日本の核武装はあり得るか? 米国で専門家が議論」(JBpress 10/30)を取り上げます。核武装についてはこのブログで数回取り上げました。今回は米国での議論が中心です。

 日本は独自の核能力を開発する意図があるのか――つい最近、米国のアジア専門家集団の間でこんな議論が展開され、その内容が公表された。

 日本は自国を取り巻く国際安全保障環境が厳しさを増すなか米国と離反することをいとわず、核武装へと向かうのではないか、という仮説が提起されたのだ。

 日本にとっての国際情勢は、米国から見てもそれほど危険を感じさせる状況だということだろう。

危機に直面した日本の対応を討論

 米国で「日本の核武装はあり得るのか」という疑問が取り沙汰されていることについて、日本側としては「なぜ、いま?」と当惑することだろう。だが、米国でこの問題をめぐる討論の舞台となったのは、ワシントンで最も伝統があり、最も規模の大きい民間研究機関のブルッキングス研究所(左上の図)である。しかもその討論に参加したのは、実績があり米国で名前を知られた官民の専門家や学者だった。

 ブルッキングス研究所は10月下旬、「パワー大競合時代の日本」と題する報告書を公表した。執筆者は、同研究所副所長で外交政策部長のブルース・ジョーンズ氏を中心とした7人のブルッキングス所属の研究員である。いずれも中国、日本、東アジアなどの専門家だ。

 彼らは、東アジアで米国にとって最重要の同盟国とされる日本が、中国や朝鮮半島などの変化に対してどんな対外戦略をとるのかを、長時間討論した。その討論の記録をまとめたのが、報告書「パワー大競合時代の日本」である。

 ブルッキングスといえば、ワシントンに数ある民間のシンクタンクのなかでも伝統的に民主党寄り、リベラル系の機関である。研究所としての基本スタンスも民主党リベラルに傾斜している。研究所に集まる研究者、学者、元政府高官、元軍人らもほぼ全員が民主党政権支持を明確にしてきた。だから共和党保守のトランプ政権には批判的な傾向が強い。

 そのブルッキング研究所がこの時点で日本の安全保障について論じるのは、日本にとっての国際環境がかつてなく厳しいと見ているからだ。報告書の作成にあたったジョーンズ氏は、日本にとっての安保上の脅威や危険、不安定の要因として以下の諸点を挙げていた。

・中国の軍拡と対外的な軍事的攻勢

・中国の武装艦艇の尖閣諸島海域への侵入

・米国の対中攻勢による緊張の高まり

・北朝鮮の核兵器とミサイルの脅威

・日本と韓国の対立

・トランプ政権の一貫しない対日防衛政策、対アジア政策

 以上のような要因により危機に直面した日本が、自国防衛のため、さらには対外戦略としてどんな対応を示すのかを探るのが、討論の主目的だった。トランプ政権の政策を日本にとっての脅威や不安定の要因として挙げるのは、いかにも民主党寄りの専門家たちらしい認識だと言えるだろう。

1_20191030141801 日本は核武装するのか?専門家の見方

 さて、その7人による討論のなかに、「日本の核オプション(選択肢)は?」と題された章があった。

 問題を提起したのはジョーンズ氏だ。同氏は「さあ、こうした情勢下の日本は独自の核兵器能力を開発する必要性をどのように感じているだろうか」と問いかけた。その背後に、日本にとってこれだけ安保上の危機や脅威が高まると、自主防衛や、極端な場合、核武装という手段を考え始めても不自然ではない、という推定があることは明白だった。

 この問いに対する討論参加者たちの発言を紹介しよう。

◎マイケル・オハンロン氏(日米同盟やアジア安全保障の専門家) 

「日本にとって、核兵器保有の決定を下すにはまだ時期尚早だと思う。しかし日本では核武装について会議で語り、論文で論じることはこれまでのような禁断ではなくなったと言える。日本がその方向に実際に動くのは、まだ遠い先のことだろう。ただし日本がいったん核武装の決定を下せば、きわめて早くそれを実行できるだろう。核兵器の拡散を心配する側にとっては慰めにならない状況だと言える」

◎ミレヤ・ソリス氏(日本研究学者)

「日本では、(アメリカに)自国が放棄されるのではないかという懸念が高まっている。トランプ政権が北朝鮮の核兵器保有や短距離ミサイル能力保持を完全に認めてしまい、日本の根幹の安全保障が脅かされるのではないか、という恐れが日本にはある。核兵器保有の選択をめぐる論議も、それに伴い広がる可能性がある。

 しかし安倍晋三首相は日本の非核三原則には変化はないと言明し続けている。日本全体としても、現在は核武装に進むことによるマイナスはプラスをはるかに上回ると考えているようだ。日本の核武装はアジアに軍拡競争をもたらすだろう。しかも日本国民の意見は反核が強く、原子力の平和利用にも反対の立場の人たちが多数いる。まして核兵器を配備して他国に照準を合わせるという計画を受け入れる国民は少ないだろう」

◎アダム・リフ氏(日中安保関係の専門家)

「日本の(被爆国という)歴史の重みを考えると、独自の核兵器保有という道は、たとえ戦略的論理がその必要性を認めていても、きわめて難しいと思う。最近の日本では、核武装の必要性を説く戦略的議論が登場してきた。だが、現状を完全に激変させる一大危機が突然起きたような場合でなければ、核のオプションを選ぶことは難しいだろう。

 安倍政権は2012年以来、安全保障面で重要な政策をいくつも採択し、自衛隊を徐々に強化してきた。だが核兵器の開発となると次元は異なる。自衛隊の強化とは根本的に異なる、きわめて政治的な範疇の政策となる。

 日本の核兵器への反応は、韓国のそれと比べると興味深い。両国ともに北朝鮮の核兵器の脅威に直面しているが、それぞれの国民の核に対する態度はまるで異なるのだ」

 こうした米国の専門家たちの発言は、いずれも、近い将来に日本が核武装する可能性はないという判断を示している。だが、それでもこうした議論が同盟国の米国で真剣に展開されるという現実は、日本側としても知っておくべきだろう。

 米国の専門家たちは「近い将来に日本が核武装する可能性はない」と言う判断をしているようですが、多くの日本人も同様の考えだと思います。しかしこの記事にもあるように「日本にとっての安保上の脅威や危険、不安定の要因」が増大していることは見逃せない現実です。

 従って近い将来核武装をする可能性はないといっても、より情勢がひっ迫すればそうは言っていられない状況も起こりえるでしょう。「殺されても戦わない」というバカな左翼人はさておき、日本が脅威にさらされれば日本を守るための防衛手段は絶対必要です。その中でも核による抑止力は甚大です。ですからやはりいつでも核武装できる準備は整えておく必要があるのではないでしょうか。

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2019年10月13日 (日)

国境最前線の島守る体制整備を

2_20191013144001  今回は東海大学教授・山田吉彦氏の「国境最前線の島守る体制整備を」(正論10/7)を取り上げます。韓国人観光客の大幅減少に見舞われている対馬の現状と問題点が述べられています。

 韓国の文在寅政権下における反日的な政策の影響が国内の一部地域の経済、社会に影響を与えている。その影響が顕著なのは、国境の島「対馬」(長崎県)である。韓国からの距離は約49・5キロ、高速船が約70分で結んでいる。昨年、対馬を訪れた韓国人観光客数は、約41万人に上った。2017(平成29)年の韓国人観光客による島内消費額は、約79億4千万円となり、島の経済は韓国人に依存する体質になっていた。しかし今年に入り急速に韓国人観光客の来訪は減少している。7月は前年比約4割減、8月は約8割減となり、この2カ月間の島内消費額は約10億円の減額と試算された。

≪対馬の現状に目向けたい≫

 韓国人観光客が急増したのは、2005年愛知万博が開催されるのに当たり期間限定で韓国から日本への90日以内の観光目的の滞在にビザが不要になってからである。翌年、この期間が無期限に延長され、韓国に最も近い対馬に観光客が押し寄せたのだ。

 半面、対馬では、自衛隊基地の周辺の土地が韓国資本に買われ、ホテルが建設されるなど、安全保障上の問題も起きた。また、対馬市の北部にある比田勝港の出入国者数は月平均5万人を超え、2017年度、全国の港の中で最も出入国者の多い港となり、入管、税関、検疫の担当者は、急増した出入国者への対応に苦慮した。

 韓国人観光客の急激な増減は、島の経済を混乱に陥れた。そのような対馬の窮状を見かねて、韓国人旅行者問題などに警鐘を鳴らしていた自民党議員による「日本の尊厳と国益を護る会」は、政府に対し対馬振興法(仮称)を制定し国防上重要な自衛隊基地周辺土地の国有化や国内旅行者の航空運賃を引き下げることを要望した。

 日本の防衛体制を考えるにあたり国境の島や沿岸部に日本人が安定して生活を営むことができる環境を作ることが欠かせない。政府は国境の島々において安定した人々の暮らしが国土、国家の主権を守ることにつながることを考慮し、2016年4月に有人国境離島法を制定した。

 同法では、創業支援や雇用確保のための補助金制度、島と近隣の主要都市を結ぶ航路・航空路の島民運賃の低減を図る施策などが盛り込まれている。

≪人々の暮らしが主権を守る≫

 対馬ではこの補助制度を使い2017年には77人の雇用が増えたが、地域経済の振興までは結び付いていない。早急に韓国人観光客に頼らない地域の再構築をしなければ国境の島の社会が崩壊しかねないのだ。自民党議員の提案も考慮し速やかな対応が必要である。

 韓国人旅行者の減少と合わせ、さらに深刻な問題が対馬に忍び寄っている。

 10月2日早朝、北朝鮮は日本海に向け弾道ミサイルを発射した。島根県隠岐諸島沖のわが国の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。この海域は、好漁場として知られる大和堆(やまとたい)海域に近く、この日も石川県のイカ釣り漁船が10隻ほど出漁していて極めて危険な状況だった。

 北朝鮮のミサイルは、すでに韓国と日本の全土を射程圏内に入れていると考えられる。このような東アジアの安全保障にとって危機的な状況にある中で、韓国は日本との間の「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」を破棄しようというのだ。

 この協定は、2010年、北朝鮮が韓国の延坪島を攻撃した事案を契機に、日米韓の3カ国が防衛体制を確立するために軍事情報の保護を目的とした枠組みである。北朝鮮がミサイル実験を繰り返す状況下において、GSOMIAを破棄するということは、日米韓3カ国の防衛協力の終焉(しゅうえん)を招き、東アジアの秩序を崩壊させることにつながる。

≪わが国全体の問題につながる≫

 北朝鮮、その支援国である中国と韓国が密接なつながりを持つようになり、わが国の防衛ラインは韓国とわが国領土との間の対馬海峡に置かれ対馬が国境の最前線になるのだ。すでに中国は、日本海にも1千隻規模の漁船団を送り込み海域侵出の布石を打っている。韓国の外交姿勢を冷静に分析し、日本の外交、防衛体制を再構築しなければならない。

Images-7_20191013144101  とはいえ、わが国の防衛力の増強には限界がある。国民が安全保障上の危機を感じ、防衛力、警備力を支持するとともに、生活の中で国境地域の社会の安定や振興を支援する体制構築が必要である。そのためには、政府による支援策のみならず、国民全体が対馬などの国境の島に目を向け、旅行や島の物品を購入するなどの日常的な経済的支援が有効である。

 対馬での韓国人観光客の問題は数的増加を最優先にしたインバウンド戦略に警鐘を鳴らしている。多数の外国人観光客を受け入れるには、社会体制を整備する必要がある。まずは国家の主権を守り、治安を維持するための施策の充実を優先しなければならない。

 国境の島で起きている問題は、いずれわが国全体の問題になることだろう。

 このコラムでは二つの重要な提言がなされています。一つは外国人観光客に地域の経済を頼るのはいいが、一国だけに集中して頼る場合のリスク。対馬だけではなく九州のいくつかの観光地も同じ問題を抱えています。氏の言う通り官民一体となった経済的支援は必要でしょう。

 もう一つは国境最前線での防衛の問題。対馬はその最重要地域でもあり、対馬に限らずこのような状況の地域には、しっかりした戦略的な防衛体制を構築することは言を俟たないでしょう。そのためのさらなる法整備が待たれます。

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2019年1月24日 (木)

韓国「自衛権的処置の実行」に言及、敵性を表す

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 韓国の国防省は23日、日本の哨戒機が威嚇飛行を行なったと批難しました。またまた自分勝手な理不尽な主張で、もはや尋常な国家とはとても思えません。朝日新聞の記事から引用します。

 韓国国防省は23日、日本の哨戒機が東シナ海の岩礁「離於島(イオド)」付近で同日午後2時3分ごろ、韓国海軍の艦艇に低空で接近する威嚇飛行を行ったとし、強く糾弾するとの声明を発表した。「明白な挑発行為」と認定したうえで、「このような行為が繰り返される場合、軍の対応行動規則に沿って強力な対応を取る」とした。岩屋毅防衛相は23日、低空飛行を否定した。

 鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防相は韓国記者団に「(同様の行為を防ぐために)使える手段をすべて利用して警告し、一定の範囲内に入った場合は自衛権的措置を取ることを日本側と合意し、実行すべきではないか」と述べた。武力を行使するとも受け取れる表現を用いて批判するのは極めて異例といえる。国防省は日本大使館の防衛駐在官を呼び、抗議した。

 離於島は韓国と中国が管轄権を争っており、周辺は日中韓の防空識別圏が重なる。声明によると、哨戒機は海軍艦艇が明確に識別できる状況にありながら、距離約540メートル、高度約60~70メートルの「低高度の近接威嚇飛行」を行ったという。韓国軍関係者によると、韓国側は哨戒機に数十回の警告通信を行い、「離脱せよ」、「これ以上、接近するなら自衛権的措置を取る」などと呼びかけたが、哨戒機は通信に応じず、周辺の旋回を続けたとしている。今月18日、22日にも韓国艦船に「威嚇飛行」を行ったとも主張している。

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 これに対し岩屋防衛大臣は次のように反論しています。

 岩屋氏は23日、記者団に、韓国側が低空飛行したとする自衛隊機について、高度150メートル以上、距離500メートル以上を確保していたとし、「記録を取っているが、国際法規や国内法にのっとって適切な運用を行っていた」と低空飛行を否定した。
 指摘された自衛隊機は海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)所属のP3C哨戒機だったと明らかにした。自衛隊機が応答しなかったとの韓国側の指摘には「問い合わせにはきちんとお答えして意思疎通をしながら運用を行っている」とした。

 火器管制レーダー照射問題での韓国の対応などから、韓国側が事実を捏造して報道している可能性は非常に高く、又日本の自衛隊の哨戒機が国際慣行を無視して行動するはずもないので、韓国がこう言う主張をすることにより、火器管制レーダー照射事件の反論にも利用しようとする、意図が感じられます。

 また「これ以上、接近するなら自衛権的措置を取る」と呼びかけたことは、攻撃する意図を持っていたことにも繋がり、もはや韓国は北朝鮮を超えて、日本に対する敵対国だと自ら宣言したようなものです。日本もこの報道を看過せず、隣国のこう言う敵対行動の意図に対し、速やかに憲法を改正し、防衛対応できるようにしなければなりません。



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2019年1月22日 (火)

開き直りの韓国に協議打ち切りは当然

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 防衛省は韓国海軍駆逐艦による、火器管制レーダー照射問題で、事実をねじ曲げ開き直る韓国に対し、協議を打ち切り新証拠の接触音の公開と共に、防衛省としての「最終見解」をホームページに公表しました。

それに対し韓国側は、国防省報道官を通じて次のような声明を発表しています。

 日本側が根拠資料を提示せず電磁波の接触音だけを公開した後、事実関係の検証のための両国間の協議を中断するとしたことに深い遺憾を表明する。

 今回、日本側が提示した電磁波接触音は、韓国が要求した探知時間や方位、電磁波の特性などを全く確認できない、実態の分からない機械音だ。韓国側が継続して強調したように日本側は正確な証拠を提示し、両国の専門家が参加した中で科学的で客観的な検証に積極的に応じることを促す。

 今回の事案の本質は、人道主義的な救助活動中である韓国艦艇に対する日本の哨戒機の低空威嚇飛行であり、これに対する再発防止と日本側の謝罪を再び促す。韓国政府は、強固な韓米連合の防衛体制とともに、韓日安保協力を強化するための努力は継続して発展させていく。

 何とも唯我独尊、手前勝手な非論理、開き直りの声明です。自分の非を認めず、証拠としての様々な映像や、前後の状況、最後には照射された接触音まで公開しても、単なる機械音だと断じて、あくまで証拠を認めません。

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 一方韓国側は主張を二転三転させ、かつ論理をすり替えて逆批判する。これが韓国なのです。かつて金大中氏拉致事件の際、犯人の指紋が現場に残っていたのを指摘しても、犯行への関わりを全否定した経緯があり、韓国は証拠を示しても開き直る国だと、在日韓国人ジャーナリストの辺真一氏が言っていますが、まさにその通りの無法国家です。

 そう言った意味では「協議打ち切り」はやむを得ない処置ですが、しかしこのままでは又韓国は日本に勝ったと思い図に乗りかねません。その意味ではレーダー照射の実態を10カ国語で発信する検討に入ったと政府関係者が言っているようですが、検討するまでもなく即実施すべきだと思います。世界中に嘘つき韓国の実態を拡散して世界の人々に認識をして貰いたい。逆にそうすることで、韓国が少しはまともな国になる糸口になるかも知れません。



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