政治、外交

2022年10月 2日 (日)

林外相が国葬から“台湾を排除”した理由 “中国に配慮するように”と指示、迎賓館に台湾は入れず

9_20221001163301  安倍元総理の国葬儀が27日武道館で、4300人の参列者の中でしめやかに行われました。菅元首相の友人代表挨拶では、涙を誘う場面もありました。

 ところで海外からの要人に対し、親中派の林外務大臣が影で、中国への配慮をしていたようです。週刊新潮が報じた記事から引用します。タイトルは『林外相が国葬から“台湾を排除”した理由 “中国に配慮するように”と指示、迎賓館に台湾は入れず』です。

 安倍元総理の不在に託(かこつ)け、自身のプレゼンスを高めているのが、林芳正外相(61)。安倍氏の地盤を手中に収めんとする氏は中国にすり寄るため、国葬で「台湾冷遇」の一策を講じたのだという。

 ***

Images-4_20221001163401  総理の座を目指し、昨年の衆院選で参院から鞍替えした林氏は、安倍元総理の地盤であった下関も手に入れようとしている。来年4月以降、安倍氏の死を受けて、衆院山口4区補選が行われる予定だが、安倍家に通じる関係者は、

「晋三さんの後継者に適任者がいない。断絶もやむを得ないというのが、安倍家の共通認識となりつつあります」

 と内情を打ち明ける。かねてゴッドマザーこと洋子さんのお気に入りという安倍元総理の実兄の長男や、昭恵夫人が擁立されるのでは、ともされてきた。

「いずれも出馬するつもりはなく、晋三さんの弟、岸信夫さんの息子の信千代さんは父の地盤を継ぐ予定です。すると、補選では岸家、安倍家ではない人物が立候補することになる。後継者を出したかった洋子さんも94歳と高齢になり、以前のようにその意志を絶対的に尊重するような雰囲気でもないのです」(同)

 仮に自民党候補が補選に当選しても、10増10減の区割り変更で、山口県は全4区から3区へ再編。現4区の下関市は新3区となり、そこは林氏の地盤になるとみられている。

「下関はもともと、林さんの祖父の代から地盤です。安倍さんに奪われていた“故郷”を取り返す形になります」(地元政界関係者)

「半数が不参加」

 かくて地元奪還という悲願を遂げんとする林氏は、弔問外交が展開された国葬で、外相として中国を利する動きも見せていた。

 外務省担当記者が言う。

「安倍さんが亡くなった直後、台湾の頼清徳副総統が日本へ弔問に訪れています。その際、中国外務省が日本に抗議を入れており、今回の国葬では林さんとその周辺から“中国へ配慮するように”と指示が出ていたのです。実際、外務省は台湾に蔡英文総統と副総統の参列を控えるよう何度も伝えています」

 それが功を奏したのか、今回の国葬では台湾から元立法院長が2人、元行政院長1人が来日。現職政治家を避け、日本側に配慮した人選が行われた。しかし、以前から親中派として知られる林氏はさらなる「台湾排除」に動く。

「首尾よく台湾をはじき出した」

「国葬当日に迎賓館で、岸田総理と参列国首脳のあいさつの場が設けられました。葬儀場でのあいさつも難しい各国の要人と交流するためのものです。しかし、この場に台湾が参加することはかないませんでした」(同)

 どういうことか。政府関係者が言葉を継ぐ。

「迎賓館への招待については基準が設けられました。つまり、大統領や首脳級に関しては現職と元職、議長や閣僚級が来日した国は現職のみに限定したのです」

 その結果、

「元職しか来日していないので、台湾はこの場に参加することができない。林さんは首尾よく台湾をはじき出すことに成功したのです。しかし、それと同時に、この条件に引っかかり、参列する約200の国や国際機関などのうち半数が不参加となってしまった。外務省内からは“外交チャンスが失われた”と林さんの手腕を疑問視する声が上がっています」(同)

 安倍元総理は生前「台湾有事は日本有事」と語り、9月24日には、台湾の高雄市に等身大の銅像まで建てられた。安倍氏の地盤は継いでも遺志は継がず――。どうやら、それが林氏の政治信条のようだ。

 親日国台湾に対し、あくまでも中国への配慮から冷たい態度をとり続ける林氏。今年は日中国交正常化50周年に当たることから、岸田首相も林氏を起用したのかも知れませんが、台湾に寄り添ってきた安部元首相の国葬に対し、この台湾要人への扱いは酷いものです。

 彼が外務大臣でいる限り、中国への配慮は続き、尖閣での中国海警艇の威嚇行動にも、見て見ぬ振りを続けるようです。これではますます中国に、日本が甘いとみられ、台湾有事を早めかねません。可能な限り早い段階で、林氏を外務大臣から外すことを切望します。

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2022年9月30日 (金)

日中国交50年 関係を根本から見直せ 経済・学術界も安保の視点を

Images-3_20220929153301  今年は日中国交正常化して50年の節目の年となります。ただ、現状の日中関係は覇権主義を振り翳す中国に対し、民主主義国家の立場からも、台湾有事に対する立ち位置からも、素直に50周年を祝う状況ではありません。

 今後の日中関係を占う日本側の視点として、産経新聞の社説「主張」を取り上げます。タイトルは『日中国交50年 関係を根本から見直せ 経済・学術界も安保の視点を』で、以下に引用します。

日本と中国が国交を正常化して50年の節目を迎えた。

両国の関係は、当初の熱狂的ともいえる友好ムードとはうってかわって、冷え込んでいる。

その最大の理由は、途上国から世界第2位の経済大国にのし上がった中国が、軍事力の増強を進め、覇権主義的なふるまいを隠さなくなったからだ。

日本は対中関係の見直しが必要だ。自国と東アジア、インド太平洋地域の平和を保つために、防衛のみならず、経済、学術分野も含めて対中抑止に努めるべき時代になったことを肝に銘じたい。

肥大化を日本が助けた

両国は東西冷戦のさなか、隣国同士でありながら外交関係がない問題を是正した。それにより、差し迫るソ連の脅威に連携して対抗できた。その戦略的狙いは間違っていなかった。

一方、戦争の傷を癒やし、中国との安定した友好を築こうとした日本の希望はかなわなかった。

日本は長期にわたり中国の経済発展を後押しした。だが中国共産党政権は、日本の支援も利用して国力を増すにつれ、強面(こわもて)の姿勢を隠さないようになった。

日本固有の領土である沖縄県尖閣諸島の奪取に野心をみせ、海警局船の領海侵入や接続水域での徘徊(はいかい)を常態化させた。台湾併吞(へいどん)を視野に入れ、これに懸念を示す日米などの国際社会も威嚇する。

中国が対外強硬姿勢や国内の人権弾圧を改めるべきは当然だ。同時に日本には、平和を脅かす「異形の大国」が育つのに手を貸した痛切な反省が必要である。

日本は、約3兆6600億円もの対中ODA(政府開発援助)を供与した。だが、中国側は自国民に日本の協力を広く伝えず、日本政府もそれを許した。中国は日本の首相の靖国神社参拝を批判する内政干渉を続け、日本国内にはそれに呼応する勢力が存在した。

日本の最大の痛恨事は、1989年の天安門事件を巡る対応だ。民主化を求める学生を戦車で蹂躙(じゅうりん)する弾圧を行った中国は国際社会の制裁を受けた。ところが日本政府は真っ先に経済支援を再開し、孤立からの脱却を助けた。

専制主義のまま再び経済成長を始めた中国はその後、世界貿易機関(WTO)に加盟した。日米欧はこれを容認したが、中国は自由貿易の恩恵に浴しながら、不公正な貿易慣行は改めなかった。

トランプ米前政権のペンス副大統領(当時)は2018年の演説で、歴代の政権はWTO加盟などで「中国の自由化」を期待したが「その希望はかなわなかった」と述べた。「(米国家安全保障戦略で)中国に新たなアプローチを採用した」とも語った。中国と国交を結んだニクソン米大統領以来の対中関与政策からの決別だ。対中抑止へと舵(かじ)を切るこの基本路線はバイデン政権も踏襲している。

政治リスクに向き合え

これは本来、日本こそ語るべきことだった。日本政府が今年12月に向けて防衛力の抜本的強化策の検討を進めているのは、対中抑止を図って平和を守るためだ。

この抑止は防衛努力だけでは足りず、経済界や学術界の協力も欠かせない。だが日本は、その意識や対応が遅れている。もっと対中リスクを踏まえた取り組みを強めなくてはならない。

隣り合う経済大国である中国との全面的なデカップリング(切り離し)は非現実的だ。それでも経済安全保障の視点を抜きにした対中ビジネスはあり得ない。

中国が2010年、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を受けた事実上の制裁措置としてレアアース(希土類)の対日輸出を規制したのは一例だ。外資企業の技術を不当に得ようとする中国の姿勢も変わらない。中国には企業に情報提供を強制できる法律もある。

新疆ウイグル自治区で疑われる強制労働などの人権問題も見過ごせない。日本企業が中国事業でこれに加担したとみなされれば、欧米市場から排除されかねない。

経済安保の観点では、軍事転用が可能な機微技術を育成し、その国外流出を防ぐことも重要だ。ところが日本学術会議が、軍民融合を掲げる中国側との協力促進を図ることを目的とした覚書を締結しているのはどうしたことか。

国交正常化50年を機に日本がなすべきことは、こうした問題に対処できるよう対中関係を根本から見直すことである。それを抜きにした日中友好などあり得ない。

 まさにこの主張の通りです。日本は中国だけでなく、韓国にも同様の手を差し伸べて、大枚の援助をしたにもかかわらず、韓国政府は国民に知らせることなく、一方で捏造歴史教育を続け、反日を国民に植え付け続けました。それを放置した日本、それが今の徹底した反日国家に育て上げた歴史があります。なんと中国とそっくりなことでしょうか。

 中国が変わることは当面ないでしょうが、日本が変わらなければならないと思います。「自虐史観」からの脱却や、お人好し外交の転換などとともに、物言う日本にならなければなりません。同時に国内左派に向けても、物言う政府、戦う政府になることを強く望みます。

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2022年9月 9日 (金)

林外務大臣のパフォーマンス好きに呆れた米国務長官。“ハヤシは一体、何をしたいのだ”

11_20220908160201  昨年暮れのG7外相会合で、ジョン・レノンの代表曲「イマジン」のピアノ演奏のパフォーマンスを披露し、喝采を受けた林外務大臣。今年に入ってからも、総理特使としてアフリカ開発会議に出席し、首都チュニス近郊にある音楽博物館を訪れ、ビートルズの「Let It Be」を即興で弾き、悦にいっていたようです。

 よほどパフォーマンス好きなのか、バイデン米大統領が訪日した際も、同行したブリンケン国務長官とのビートルズセッションを望みましたが、ブリンケン氏から断られたいきさつもあるようです。

 そのあたりの詳細を、今月8日発売の週刊新潮が記事を掲載していますので引用します。タイトルは『林外相、米国務長官に「ビートルズのセッション」を強要 「余裕はない」と拒否されひんしゅく』です。

“音楽は国境を越える”とはいうものの、おのずとTPOが求められてしかるべきである。まして外交の最前線ともなれば「諸刃の剣」となるのは必至。今回は、鍵盤で大国の政権中枢を魅了しようとするも、あえなくしくじってしまった大臣のお話である。

 ***

 総理特使としてアフリカ開発会議に出席し、さる8月29日にチュニジアから帰国した林芳正外相(61)。かねてビートルズファンとして知られており、現地では得意のパフォーマンスを披露する一幕もあった。

「首都チュニス近郊にある音楽博物館を訪れた林大臣は、展示されていたピアノでビートルズの『Let It Be』を即興で弾き、チュニジアの首相は拍手で応えました」(政治部記者)

 同行の記者団にも「いい音が出た」と話したとのことだから、さぞ会心の出来だったのだろう。

「林大臣は1997年には国会議員仲間とバンド『ギインズ』を組むなど無類の音楽好き。昨年12月には英国リバプールで開かれたG7外相会合において、夕食会場となったビートルズ・ストーリー博物館でジョン・レノンの『Imagine』を演奏し、会見では“勇気を出して一節を弾かせていただいた”と述べていました」(同)

セッション拒否

 が、そうした自慢の腕も、用い方いかんでは「不協和音」を生じさせかねない。さる政府関係者が明かす。

「大臣は自らの演奏で国際会議デビューを成功させたことで、すっかり味を占めてしまいました。以後も外交日程では何かとビートルズ関連の“ネタ”を入れるよう事務方に指示を出していて、そのたび職員は対応に追われています」

 さらに、5月には以下のような一幕があったという。

12_20220908160301 「バイデン米大統領が訪日した際のことです。林大臣は同行したブリンケン国務長官とのビートルズセッションを望み、外務省の飯倉公館にピアノやギターを用意させようとしたのです」(同)

 実際にセッションの曲目まで決まっていたといい、

「それは『Don’t Let Me Down』『Get Back』『Let It Be』『Two Of Us』でした。ところが、米側はこの打診を拒みました。諦めきれない大臣は再び要望を伝えましたが、“朝6時台から動かなければならないほど仕事が山積みで、セッションをしている余裕はない”と、にべもなく断られてしまったのです」

“ハヤシは一体、何をしたいのだ”

 当の国務長官は、

「“ハヤシは一体、何をしたいのだ”とこぼしていたといいます。これとは別に、大臣はエマニュエル駐日米大使にもセッションを打診したことがあり、同じく拒否されている。米大使館からは“ミスター・ハヤシは音楽担当大臣なのか”と、呆れる声が上がっています」(同)

 参考までに林外相が選んだ4曲を訳すと、それぞれ「がっかりさせないで」「戻って来て」「あるがままに」「僕ら二人で」と、実に意味深である。ご当人に尋ねると、

「質問状を頂ければ……」

 とのことで、外務省は、

「セッションを申し出た事実はございません」(報道課)

 そう答えるのだが、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「外交とは、換言すれば国益を守るための血の流れない戦争です。そのためにはだましもすれば脅しもかける。冷徹な駆け引きも必要となるのに、日本では“仲良くすれば何とかなる”のが外交だとされている。林外相は自己陶酔している場合ではありません」

 実際外交の表舞台に立てば、それこそ国益を守るため政治生命を賭しての交渉も現実にはあると思います。もちろんその場を和ませるためのパフォーマンスも時には必要でしょうが、あらかじめ外交の場でそのパフォーマンスプログラムをセットしようと、事務方に強要するなど、林外相は全く事の本質をわきまえていないことを暴露してしまっています。「ハヤシは一体、何をしたいのだ」と思われるのも当然でしょう。

 かつて自民党総裁選に出た経緯を持つとは言え、その人がこの体たらくでは日本外交も思いやられます。しかも親中と噂されていますので、今の時期ミスマッチも甚だしい。それこそ文科省の音楽担当になった方がいいのでは、と思います。この人に外交は任されません。


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2022年1月 4日 (火)

櫻井よし子氏:岸田首相、過去の宏池会領袖の失敗を反省し、主張する外交を

14_20220103174401  岸田文雄現首相は自民党岸田派の領袖です。岸田派は「宏池会」の通称とも言えますが、この「宏池会」は自民党の最古の派閥で、池田勇人元首相が旗揚げして代々時の領袖が派閥を受け継いできました。

 この宏池会、櫻井よし子氏の言を借りれば、「わが国は対中外交で多くの失敗をした。国の根本的な政策も間違えた。その多くが宏池会が政治を主導していたときに起きている」と言い切っています。その一片は櫻井氏が産経新聞に寄せた特集記事「美しき勁き国へ」の中に、あります。タイトルは『危機の時こそ「説く力」』(1/3)で、以下に引用します。

 ◇

岸田文雄首相は「聞く力」を強調するが、その発する言葉の意味がよく分からない。首相がもっと本音を語らなければ、意思の疎通もはかれない。後述するように日本は危機的状況にある。国民に危機を率直に語り、国の安全は国民一人一人が共に負う責任だと説くときだ。憲法改正や自衛隊法改正の具体的課題を理解してもらい国民の意志と力を結集して初めて、わが国はこの危機を乗り越えられる。

中国の挑戦は厳しい。戦後の世界秩序の基本である国連などの国際機関を中国化して中華世界に変質させるための総力戦を彼らは仕掛けている。その一例が世界貿易機関(WTO)だ。WTO加盟の恩恵を貪(むさぼ)り、経済大国への道を駆け上がった中国だが、基本的にWTOのルールを守らずに今日に至る。日米欧がだまされていたと気づいたとき、彼らは世界第2の経済力と軍事力を手にしていた。

米国防総省が第2次岸田政権発足前に発表した「中国の軍事力」に関する年次報告書が中国の軍事力構築の凄(すさ)まじさを曝(あば)いている。白眉はミサイルおよび核戦力急成長の実態だ。日本のミサイル防衛論では北朝鮮が問題視されるが、2020年の北朝鮮のミサイル発射は8発。中国は250発以上で、その前の2年間は南シナ海で対艦弾道ミサイルの発射実験を継続した。北朝鮮の比ではない。

日本を射程に収めた中国の準中距離弾道ミサイル(MRBM)の発射装置は150から20年末までに250に、ミサイル本体は150から600へ4倍に増した。増加分の大半が極超音速兵器を搭載できる新型弾道ミサイル「東風(DF)17」とみられ、わが国はその脅威の前で裸同然である。

中国は台湾、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む沖縄の戦域で日米台の軍事力を上回るが、地球規模の戦略域では米国の核戦力が中国を圧倒しており、中国が台湾に武力侵攻できない理由の一つとなっている。しかしここでも中国が米国に追いつきつつあり、米国はいずれ中露、2つの核大国に向き合うことになる。

そうした中で、安倍晋三元首相が指摘したように台湾有事は日本有事、日米同盟有事という厳しい現実にわが国は直面する。台湾海峡の平和と安定を重視し、台湾を守る立場を、菅義偉前首相がバイデン米大統領との会談で公約し、岸田首相も明言した。

状況は非常に厳しいと予想されるが、それでもわが国は活路を切り開く、前に進む、これが日本だと呼びかけるのが国のリーダーの責務である。台湾の蔡英文総統は有事に備え予備役強化を図る「全民防衛動員署」を新設し、国民全員で国を守る姿勢を世界に示そうと訴えた。安全保障を米国に頼ってきた日本も、今、目覚めて全員で日本を守る決意を世界に示すときだ。

岸田首相にはもう一つの重大な役割がある。断じて中国に誤解させないことだ。日本は中国の侵攻を許さず、必ず反撃すると明確に伝え続けなければならない。その決意を予算と国防政策の両方で特筆する形で見せていき、日米同盟を筆頭にあらゆる国々との連携強化を「スピード感」を持って進めるのがよい。

岸田首相は「本格的な首脳外交」と「徹底した現実主義」で「新時代リアリズム外交」を推し進める、と表明した。新時代リアリズム外交とは①自由、民主主義、人権などの普遍的価値観の重視②気候変動、新型コロナウイルスなど地球規模課題の解決③わが国を守り抜くための備えの強化だという。

これら全て、焦点は中国への向き合い方だが、対中国で首相は揺らいでいないか。首相が誇る自民党宏池会(岸田派)は「自由を渇望」して誕生した、と「核兵器のない世界へ」(日経BP)で首相は書いた。自由の希求が宏池会の原点ならば、ウイグル人、香港人、チベット人やモンゴル人から根こそぎ自由を奪っている中国になぜ抗議しないのか。中国の人権侵害に対する国会の非難決議の要求を、公明党が主張したにしても、なぜ潰したのか。

北京冬季五輪・パラリンピックに政府使節団などを派遣しない「外交的ボイコット」は米国、英国、豪州、カナダなどに遅れること半月以上、中国へのいじましいばかりの遠慮は人権侵害も他民族の虐殺も、更には他国の領土の切り取りさえも許されると中国共産党に誤解させかねない。

岸田首相はまた、わが国の平和と安全を守り抜くために敵基地攻撃能力も排除せず、現実的に対処すると繰り返すと同時に「核なき世界を目指す」とも語り続けている。「現実的に」分析すればわが国周辺こそ地球上でミサイル、核の密度が最も高い地域だ。その中で核なき世界をどう達成するか。岸田首相が尊敬するオバマ元米大統領は核なき世界を目指すと演説し、ノーベル平和賞を受けた。しかし彼は「戦後、最も核弾頭を削減しなかった大統領」だった。米紙ニューヨーク・タイムズが「概念と実績の大きな乖離(かいり)」として批判した点だ(2016年5月28日)。

他方オバマ氏は核なき世界を掲げる一方で、米国保有の核兵器の品質保全と機能改善のために30年間で1兆ドルの予算を計上した。強大な核の力を持って初めて核なき世界への交渉を主導できる。全てが力の世界であることを、あのオバマ氏でさえ知っていた。1発の核さえないわが国の首相が核なき世界を目指すなら、発言力を持つために核の保有が必要だということだ。交渉のための材料も力もない理想論は空論に近い。岸田首相も現実を見ることが大事ではないか。

わが国は対中外交で多くの失敗をした。国の根本的な政策も間違えた。その多くが宏池会が政治を主導していたときに起きている。

宏池会の源流となる吉田茂元首相は当時の日本の経済的貧しさと国民の軍に対する忌避感の強さの前で再軍備の助言を退け続けた。池田勇人元首相は前任の岸信介元首相による日米安全保障条約改定に対するすさまじい反対におじけづいて経済成長推進に特化した。宮沢喜一元首相は慰安婦問題で韓国や中国の反日世論に圧倒されて、証拠もないのに慰安婦強制連行説を韓国政府に8回も謝罪した。

加藤紘一元幹事長も河野洋平元衆院議長も、中韓両国の反日世論および国内の左翼勢力の圧力の前で証拠もなしに慰安婦の強制連行を認めた。宏池会は圧力の前で耐えきれずに国家の根幹に関して妥協し、くずおれた。

岸田首相には発想を変えてほしい。宏池会の原点である自由や民主主義を大事にして、主張してほしい。「中国は巨大かもしれない。それでも私たちは価値観において正しい。だから勇気を持って声を上げ続けよう。広く世界に訴えよう」と。

 ◇

 中国を巨大にしてしまった日本と欧米。その日本と欧州が今や中国の経済力や軍事力の前に忖度を繰り返している様は、なんとももどかしく思えます。確かにまともに中国への批判や非難をすれば、倍返しされるのは目に見えています。そしてそれは賢い対応ではありません。

 長期的視野に立って、徐々に中国から経済的な自立をしていく、それを自由主義陣営のまとまった動きにしていく。そして差し迫った台湾海峡の有事には、日米豪プラス英印の一体となった防衛力で牽制し、できるだけ無力化していく。そうした動きに積極的に加わっていくことが肝要でしょう。

 しかし現実には櫻井氏の指摘のように、岸田政権の腰は重い。岸田首相には所信演説で述べたように、「新時代リアリズム外交」を口先だけではなく、しっかりと実行に移す責任があります。過去の「宏池会」領袖たちの失政に決して陥ることなく、新時代の「宏池会」として日本の国益に資するよう、手綱をを引きしめて欲しいと思います。そうでなければ総裁選再選の目は消え去っていくでしょう。

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2021年11月20日 (土)

有本香氏:中谷首相補佐官は「民族弾圧常習犯」に「寄り添う」のか

Images-2_20211119164501  岸田首相は総裁選で、人権問題で中国に「毅然と対応する」として、担当補佐官の新設を公約していました。そして8日、その人権問題担当の首相補佐官に中谷元氏を起用する方針を伝え、第2次岸田内閣発足にあわせ、就任となりました。中谷氏は岸田氏との面会後、「外相や経済産業相と緊密に協力し、国際的な人権問題に対処する」と強調し、就任後の言動が注目されていました。

 ところが、重大な人権侵害行為に制裁を課すための、日本版マグニツキー法の制定については「簡単にいかない」と慎重な姿勢を示しました。そして「一方的に価値観を押し付けて制裁するやり方も一つだが、寄り添って問題を解決する役割を日本は期待されている。紛争を助長したり、事を荒立てたりするのがすべてではない」と述べ、「対話と協力」を人権外交の基本とする日本政府の立場を説明したようです。これでは親中議員と対話はなく、首相補佐官の資質が問われます。

 この点について、ジャーナリストの有本香氏が、作家百田尚樹氏の新刊「日本国記・新版」を取り上げながら、zakzakにコラムを寄稿しています。タイトルは『中谷首相補佐官は“民族弾圧常習犯”に「寄り添う」のか 「制裁法には慎重」な構えとの報道も 就任早々「白旗」の残念な所業』 (11/19)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

 私事だが、9カ月にわたり編集を手がけてきた百田尚樹著『日本国紀[新版]』(幻冬舎文庫)が17日、発売された。同時に、全国の大型書店で売り上げトップとなり、即日に重版が決まって、いまホッとしている。

 3年前に刊行された単行本『日本国紀』(幻冬舎)は65万部のベストセラーとなったが、今回は書店への客足が減ったコロナ禍での発売である。しかも、大幅に加筆したとはいえ既刊本の文庫化という位置づけでもあり、売れ行きが心配ではあった。

 ひとまず好結果を得たのには、夕刊フジ読者の応援も小さくなかったと思う。この場を借りて御礼申し上げたい。

 3年前に続いて、『新版』もまた、発売のちょうど1カ月前にはネット書店で予約が開始され、その日のうちに、最大手アマゾンで売上ランキング総合1位に躍り出た。ただし今回、版元の幻冬舎は落ち着いたもので、私の目から見ると、慎重な構えという印象すらあった。

 この一因は、前回の発売と同時に激しい「アンチ日本国紀」活動が始まったことにあろう。作品はもちろん、著者や編集担当の私に加え、版元も不当な攻撃を受けた。

 今振り返っても、3年前の「アンチ日本国紀」活動は常軌を逸していたといえる。主導したのは、いわゆる左派文化人らだったが(=一部の保守系人士も攻撃に加勢した)、本そのものや著者、編集者である私にケチを付けるだけでは足らず、特定の大型書店に対する「不買運動」まで起こされたのには驚いた。

 さらに驚いたのは、その「アンチ」勢のなかに、与野党の国会議員が混じっていたことである。

 イデオロギーの左右を問わず、こういう人間に権力を持たせたら、たちまち国民の「表現の自由」を抑圧するだろう。そう思うと、私はむしろ勇気が湧いた。日本を守ろうと命をかけて戦った幾多の先人を思えば、あるいは隣の国で、悪魔のごとき圧政者と戦うウイグル人やチベット人を思えば、「アンチ」の嫌がらせなど蚊の羽音にも劣る。

 一方、『日本国紀[新版]』を読み返すと、改めて、いまの日本の政治家の不甲斐なさを思い知る。私たちはつい、「野党議員に比べたら自民党の議員はマシ」などと思いがちだが、この甘やかしは禁物である。

 折しも、岸田文雄政権が鳴り物入りで任命した「国際人権問題担当の首相補佐官」の中谷元氏が、「制裁法には慎重」な構えだと報じられた。

 中谷氏は「一方的に価値観を押し付けて制裁するやり方も一つだが、寄り添って問題を解決する役割を日本は期待されている。紛争を助長したり、事を荒立てたりするのがすべてではない」(15日夜のBS日テレ番組)と述べたそうだが、民族弾圧常習犯のどんな価値観に「寄り添う」というのだろうか。

 今年春頃には中谷氏は、「人権外交を超党派で考える議員連盟」の共同会長として、「日本版マグニツキー法」(人権侵害への制裁法)の制定を訴えていたと記憶しているが、あれは何だったのか。立場が変われば、威勢のいいことは言いにくいというのかもしれないが、私が理解できないのは、なぜ就任早々、自らの限界をわざわざ表明するのか、だ。

 畏れながら、中谷氏にはぜひとも、『日本国紀[新版]〈下〉』の154ページからのくだりをお読みいただきたい。そこには、1919年、第一次世界大戦後の「パリ講和会議」で「国際連盟」の設立が話し合われた席上、日本が、「人種差別禁止」の規約を入れるよう主張した旨が書かれている。

 欧米列強が、有色人種の地であるアジア・アフリカの大半を植民地としていた当時、これを主張することがいかに勇気の要ることだったか。この崇高な先人の振る舞いに比して、新任補佐官の「早々の白旗」は誠に残念な所業と映るのである。

 ◇

 中谷氏が持論を撤回した背景には、有本氏の述べた「日本国記」への凄まじいばかりの批判、非難と同様の、圧力があるのかも知れません。中谷氏が、マグニツキー法の制定は「簡単にはいかない」と述べたあたりから、それは窺えます。つまり中国の日本国内での工作員に似た人たちは、メディア、言論人、政治家、経営者に多数巣くっていて、陰に陽にこの補佐官に圧力をかけた可能性が考えられます。

 つまり岸田政権では、中国の人権問題に直言する立場の人間が、その立場を放棄したような発言をしたことから、当然対中外交には「人権」をカードに使えないことを暴露したのです。同盟国のアメリカもがっかりでしょう。早くも岸田外交は、先行き暗雲が立ちこめたと見ていいと思います。

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2021年10月24日 (日)

横田早紀江さん【めぐみへの手紙】から 放置、不作為、無関心…「国家の恥」 

Podcast_hahanoinorirs  当時13才だった横田めぐみさんが、北朝鮮に拉致されて42年が経ちました。めぐみさん以外にも、多くの日本人が拉致されて、帰還できたのはたったの5人。北朝鮮はもう拉致被害者はいないと嘯(うそぶ)いています。

 その北朝鮮の見解を信じず、政府や時にアメリカ大統領にも帰還を求め続けてきた拉致被害者の家族たち。中でも拉致被害者の象徴的存在である横田めぐみさんの母、横田早紀江さんが娘に綴った手紙が公開されました。JAPANForwardに掲載された記事から引用します。タイトルは『【めぐみへの手紙】放置、不作為、無関心…「国家の恥」残せない』(10/22)です。(なおこの文は、2021年10月2日付産経新聞【めぐみへの手紙】を転載しているということです)

めぐみちゃん、こんにちは。厳しい夏を何とか生き抜き、涼やかに、高く澄み渡るようになった空を見上げると、秋の気配を感じます。世界を覆う新型コロナウイルスの災厄の中、人と人とのつながりの大切さを改めて思います。10月5日、あなたは57歳の誕生日を迎えますね。13歳だった女の子が、どんな姿になっているのか、もう想像さえできません。お母さんも85歳のおばあちゃんになってしまいました。時は刻々と過ぎ、それでも必ず生きて抱き合えると念じて、祈り、命の炎を燃やしています。

この季節になると頭をよぎるのは、北朝鮮から羽田空港に到着した飛行機のタラップを下り、祖国の土を踏みしめた拉致被害者5人の姿です。

平成14年10月15日。蓮池薫さん、祐木子さん夫妻。地村保志さん、富貴恵さん夫妻。そして曽我ひとみさん。めぐみちゃんと同じように北朝鮮に拉致された5人が、私たちのもとに帰ってきてくれました。

救出運動では、めぐみちゃんたちとともに、被害者の顔写真も掲げました。「助けてください」。街頭で叫び続けました。写真で幸せそうな笑みを浮かべていた若者たちは年を重ね、やせて、疲れ切っていました。それでも、帰ってきてくれて本当にうれしかった。

「5人が降りた機体から、あなたも笑って飛び出してくるのではないか」

お父さんとお母さん。そして、あなたが通った新潟小学校の馬場吉衛校長先生と一緒に、ずっと、タラップを見つめていました。でも、あなたは現れず、それから19年間、時は止まったままです。

拉致被害者も、その家族も老い、病を抱え、残された時間は本当に僅かです。

拉致事件が起きて40年以上が過ぎゆく中、非道で残酷な事実は風化し、解決が遠のいていく不安を常に感じていました。放置、無関心、不作為-。これほど大事な問題がなぜ、拾い上げられないのか。理由をさまざま考えましたが、最後は日本が国家として全身全霊をそそぎ、子供たちを取り戻すしかないのです。

このままでは、日本は「国家の恥」をそそげないまま、禍根を次の世代に残してしまいます。私たち親の世代は絶対に、この国家犯罪に決着をつけなければなりません。すべての子供たちが祖国の土を踏む姿を見届ける人生でありたいと、切望しています。

普通の庶民であるわれわれは、声を上げて訴えることはできても、直接、被害者を取り戻す力はありません。今こそ優れた政治家、官僚の皆さんに力を発揮していただきたい。何よりも困難な局面にある今、国民の皆さまの一層の後押しがなければ、事は前に進みません。ふとした日常に被害者を思い、思いを声にして伝えていただきたい。心の底からそう願っています。

平成14年9月17日、史上初めての日朝首脳会談で、北朝鮮は拉致を認めて謝罪しましたが、何の証拠もなく、めぐみちゃんたちは「死亡した」と伝えてきました。9年に家族会を結成し、手を携え闘ってきた私たちにとって残酷な、押しつぶされるような瞬間でした。

日本は今、国を牽引(けんいん)する新しい政治のリーダーが決まろうとしています。被害者と私たち家族が生きて、元気なうちに抱き合えるのか。リーダーは覚悟を持ち局面を切り開いていただけるのか。不安と焦りにさいなまれながら、「今度こそ」という期待をつなげます。

今こそ、拉致事件を振り返り、いかにすれば解決するかを考えてください。

北朝鮮は一筋縄ではいかない、手ごわい相手であることは重々、承知しています。でも最後は、最高指導者に被害者全員を返す決断を求め、それこそが世界の平和を導く術だと、心の底から理解してもらわなければなりません。

私たちはこれまで、日本の首相が代わるたび顔を合わせ、即時解決への訴えを重ねてきました。お父さんも家族会代表として救出運動の最前線に立ち、全国を飛び回りました。体を病み入院しても、あなたと抱き合うため、病床で必死に命の炎を燃やしました。再会の思いを果たせず、天に召されたお父さん、多くの被害者家族、そして支援者の皆さん。託された奪還の願いを実現するまで、お母さんたちは倒れるわけにはいきません。

日本では近く、大切な選挙が行われます。政治家の皆さま。遠く離れた異国の暗闇で、救いを待つ子供たちを思ってください。命の問題である拉致事件を、党派を問わず真心から議論してください。知恵を絞り、一日も早く、解決への歩みを進めてください。

新たなリーダーには、残された時間の少なさを直視し、具体的な動きにつなげていただくことを願ってやみません。拉致問題はまさに、「正念場」です。国民の皆さまもどうか拉致事件を己のこととして感じ、それに向き合う政治のありようを凝視し、解決を後押ししてください。

19年前の9月17日。無事を信じて、自宅に置いためぐみちゃんの写真に「早く帰っておいで」と声をかけました。思いはかなわず、想像を絶する長い闘いになってしまいましたが、タラップから下りてくるあなたと、笑顔で抱擁できる日が必ずやってきます。

めぐみちゃん、あともう少し、待っていてね。お母さんは最後の力をふり絞って、闘いを続けます。

(横田早紀江)

 ◇

 切々とした文面に胸を打たれます。東日本大震災の犠牲者とその家族にも、同じ感情を持ちますが、根本的に違うのは東日本大震災は天災であって、この拉致被害は人災、それも北朝鮮という国が起こした国家的犯罪で、そしてその犯罪を未然に防げなかった日本と言う国の罪、という背景があるからです。

 戦後日本はGHQの占領統治を受け、日本国憲法第9条を押しつけられました。この9条は端的に言えば国を侵略されても戦えない、戦ってはいけない条文なのです。その後解釈によって自衛権は排除しない、自営のための組織である自衛隊(軍隊と言えないのはそういう意味です)は保持してもいい、と言うことになりました。

 しかし忘れてはならないのは1951年、占領から解放された日本が憲法改正の機会を得たのに、時の吉田茂首相がいわゆる吉田ドクトリンのもと、経済優先政策を採り、負担を強いられる防衛をアメリカに依存する政策を採ったことです。つまり9条はそのまま残されてしまいました。後日その吉田氏はあれは失敗であったと述懐していますが。そしてその後も、今日まで手つかずに残されてきたのです。

 この北朝鮮による拉致も、いわゆる国家侵略の一つです。9条の足枷の元、積極的な沿岸防衛をしてこなかったその代償でもあります。つまり9条を廃止し、しっかりとして軍備を備えていれば、北朝鮮も日本を拉致の対象国としなかった可能性があります。一歩下がって被害者を出したとしても、軍を背景にその奪還に、今より遙かに有利な交渉を進められた可能性は大きいと思います。

 尖閣も竹島も北方領土も、すべて同じ要因の元にあると言ってもいいでしょう。更には日本の外務省の外交能力がここまで低いのも、同様な要因が絡んでいるものと思われます。

 今回立憲民主党員だった生方幸夫氏が暴言を吐いたように、野党には故土井たか子氏と同様、北朝鮮の代弁者が複数います。しかし他の多くの野党議員も含め、日本の政治家は帰還を望んでいるでしょう。

 そして彼等は日本の首相が北朝鮮と有利に渡り合えるように、一丸となって日本の外交の足枷、憲法9条を変えるように努力しなければなりません。そこからこの問題の解決の発端が見えてくるのではないでしょうか。ご高齢になった横田早紀江さんに喜んでいただける日が来ることを、念じてやみません。

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2021年10月23日 (土)

岸田政権の執るべき対韓国政策:注目すべき外国人二氏の主張

180818_seirontomonokai_kentgilbert  今回は外国人二氏による韓国問題への主張を取り上げます。韓国問題はこのブログでも再三取り上げてきましたが、この二氏の主張はまさにこのブログの主張とも親和性が高いと、勝手に思っています。

 まず最初にケント・ギルバート氏の記事を取り上げます。ギルバート氏は日本人よりも日本のことをよく知り、またよく心配してくださる米国人の弁護士ですが、このブログでも氏の「日弁連の正体」という著書を取り上げ、日本の弁護士にサヨクが多い実態を紹介しました。(ブログタイトルは「弁護士になぜサヨクが多いのか」)

 今回はギルバート氏がzakzakに寄稿したコラムから引用して紹介します。タイトルは『靖国問題“たかり・反抗期国家”は相手にするな 岸田首相の「真榊」奉納を韓国が非難 文政権の出方によっては「米韓同盟」危うくなる可能性も』(10/22)です。

 ◇

 岸田文雄首相は17日、東京・九段北の靖国神社で始まった秋季例大祭に合わせて「内閣総理大臣 岸田文雄」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納した。安倍晋三元首相や菅義偉前首相、自民党の高市早苗政調会長らは例大祭に合わせて参拝し、英霊に尊崇の念を示していたが、政治家として当然の行為だ。

 これに対し、中国の国営通信、新華社は反対する論評をした。韓国外務省も「政府は日本の過去の侵略を美化し、戦争犯罪者を合祀(ごうし)する靖国神社に日本の責任あるリーダーらが再び供物を奉納したり参拝を繰り返したりしたことに深い失望と遺憾を表す」と非難していたが、バカげた反応と言うしかない。

 靖国神社は、明治維新で命を落とした幕末の志士や、明治以降の日本の戦争・内戦で亡くなった軍人、従軍看護婦、勤労学徒などを、身分や勲功、男女の区別なく祀(まつ)る神社である。韓国が指摘する東京裁判(極東国際軍事裁判所)で戦犯とされた人々だけのものではない。

 伝統文化に従って戦没者の慰霊と顕彰を行うことは、米国や中国、韓国でも行っている。靖国参拝を阻止しようとする中韓の言動は、内政干渉というしかない。

 米国の腹の中は「関心なし」だ。ジョー・バイデン政権は現在、国内のかじ取りに苦慮しており、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の政治的ゲームに付き合っている暇はない。ただ、韓国の出方によっては「米韓同盟」を危うくする。

 米国は、安全保障上の東アジアの連携(日米同盟や日韓同盟)を1セットだと考えている。韓国が日本に内政干渉を続けるなら「同盟国・日本が攻撃された」と受け止める。米国が見据える先には中国がいることから、韓国の連携を乱す行為は「中国への協力」ともいえるのだ。

 韓国系の人権団体などが、米国各地で慰安婦像を設置している。米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、中国が資金源になっているという調査結果を出している。韓国側が「日米同盟の弱体化」を狙って中国と連携しているとすれば、それは完全に敵対行為である。

 韓国は深刻な経済不況にさらされており、「反日」しか国民の目をそらす有効な手立てがないのかもしれない。だが、それは韓国の国際的信用を下げる愚策である。

 岸田首相が外相時代の2015年、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」とする日韓合意が結ばれた。合意にもとづき、元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」が設置され、日本は10億円を拠出した。韓国側の事情で財団は解散となったが、10億円は返却されていない。

 これは「たかり」と言われても仕方ない行為である。アントニー・ブリンケン国務長官は当時、国務副長官として合意締結に深く関わったとされるため、バイデン政権が韓国側を支持する可能性はゼロに近いだろう。

 日韓電話首脳会談は15日にようやく行われた。岸田首相は、慰安婦問題や徴用工問題は解決済みとする日本の立場を示し、韓国側に適切な対応を求めたという。岸田首相の対応を高く評価したい。“たかり・反抗期国家”を相手にする必要など、まったくない。

 ◇

 中国が靖国参拝批判を続ける理由は、日中戦争中の日本軍の侵攻にその要因をたぐれば、分からないこともありませんが、完全な内政干渉である事には違いありません。香港、ウィグル問題に言及すれば、頑なに内政干渉と言う国が、完全なダブスタをやっているのです。

 しかし韓国は大東亜戦争では日本の一部でもあったし、軍人として日本軍と行動を共にした韓国人も多くいたのです。その韓国に靖国参拝をどうのこうのといわれる筋合いは全くありません。完全に国内に対する韓国政府の反日政治活動の一つと言えるでしょう。

2021080200309626wow0001view  次に、二人目に取り上げるのは、韓国人のファンドビルダー氏で、JBpressに注目すべきコラムを寄稿しています。内容は、韓国に対し岸田政権が行うべき外交政策に、まさにぴったりの主張で、タイトルは『自浄能力のない韓国に期待しても無駄、強力な輸出規制をかけよ 日本は韓国の「良き隣人」をやめ「強い隣人」になれ』(10/21)で、以下に引用します。

 ◇

 2015年の慰安婦合意と「明治日本の産業革命遺産」のユネスコ世界遺産登録に外相として対処した岸田首相。だが、慰安婦合意はその後、破棄され、ユネスコ世界遺産登録でも、朝鮮人の徵用を表す「forced to work」という言葉が公式文書に残されるとともに、朝鮮人の徵用を知らせるインフォメーションセンター設置を推進することが決められた。首相になった岸田氏は韓国とどう向き合えばいいのか──。韓国における保守派論客として知られるファンドビルダー氏の論考(後編)。

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 前回記事「韓国人が語る、反日全体主義集団と化した韓国とどう向き合うべきか」で、考えられる対韓カードとして、「関税引き上げ」「送金制限」「査証発給中止」「韓国産農水産物輸入制限」「韓国人不法在留者追放」を提示した。

 もっとも、送金制限カードは、主に在日韓国人の簡易送金を制限することになるため、韓国に対する効果的な圧迫にはならない。査証発給の中止も民間韓国人の往来を不便にするだけで効果的な圧迫ではない。韓国人不法在留者の追放も効果は制限的だ。韓国産農産物輸入制限カードはある程度の効力があるだろう。

 この中でかなり効果があるのは、韓国製品の関税の引き上げだ。これは、日本向け輸出品を生産する韓国企業にとって直撃弾となる。仮に韓国政府が報復すれば、今度は日本製の素材や部品、装置を輸入する以外にない韓国企業が被害を受ける。韓国政府の応酬で関税が引き上げられた日本製品を高い価格で購入することになるので、関税引き上げカードはかなりの効果がありそうだ。

 何よりも問題を「短く太く」終わらせる最も効果的な方法は、核心素材や部品、装置の対韓輸出規制だ。

 2019年に3品目(フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト)で実施した時から今まで、韓国メディアは核心素材の制裁措置が韓国素材産業の活性化と国産化を促進させたため、日本企業が売り上げ減などの被害を受けたと報道した。朝日新聞などの一部日本メディアも同じように報じている。

 しかし、これらは産業界を全く知らない反日記事に過ぎない。どの記事にも韓国が国産化した素材の歩留まりに関する内容は見当たらないからだ。

最も効果的なカードは輸出規制

 歩留まりは生産品に占める良品の比率で、歩留まり60%は、全生産品の60%が良品、40%が不良品という意味だ。生産における歩留まりは企業の収益性を左右する非常に重要な尺度で、一般に開発初期製品の歩留まりは低く、長期間にわたる試行錯誤と経験の蓄積によって高まっていく。

 したがって、韓国企業が国産化した素材は歩留まりが低いレベルにとどまっている可能性が濃厚だ。歩留まりが低ければ、製品を作るほど赤字幅が大きくなりかねないため、韓国の素材生産業が赤字を免れるには納品価格を高く設定せざるを得ない。そうなれば、サムスン電子などは日本産素材よりも、はるかに高い単価で韓国産素材を購入する困難に直面する。

 さらなる問題は品質だ。

 韓国メディアは、国産化した素材の品質に関してほとんど具体的な内容(例:純度99.99999%など)を報道しない。国産化した素材がサムスン電子などの汎用半導体工程に投入されるのか、あるいは超精密半導体工程にも投入可能かどうかは分からない。

 外国の競合企業は日本産の高品質の素材を輸入し、高度な製品を生産するが、サムスン電子など韓国企業は価格が高く、品質の安定性が確認されていない韓国産素材を購入しなければならない状況に置かれる。

 日本政府による核心素材3品目の韓国向け輸入管理強化は、国産化を掲げた韓国政府の期待にもかかわらず、韓国産業界に負担を強いたことになっている。

 韓国政府は「素材の国産化政策」を熱心に展開するが、時代錯誤な非効率政策だ。得意な分野に集中し、自信がない分野は日本製素材など最高のものを購入することで、世界と競合する製品を生産できる。「国際分業」の効果である。

 だが、韓国は日本に対抗するため、自信がない分野まで自ら作ると意気込んでいる。これは、必要ないところに税金と時間を投入するという点で、非効率でしかない。無理な国産化推進は、韓国社会を高コスト構造にし、企業の国家競争力を弱める。

 日本が輸出規制を拡大すると、韓国は持ちこたえることができなくなる。韓国の「国産化を促進する機会になった」という虚勢は、状況が切羽詰っていることを示している。

 韓国向け輸出規制を拡大する日本に韓国が対抗して「国産化政策」を推進すれば、韓国が到達する終着駅は、北朝鮮と同じような、外部の経済と断絶した、自給自足の世界しかない。

 以上が、韓国に対する制裁措置で、核心素材や部品、装置の輸出規制が最も効果的なカードだと考える理由である。

あまりに生ぬるかった過去の日本の対応

 いわば「No Pain, No Gain」だ。 韓国向け輸出規制に踏み切れば、日本素材企業の売り上げ減に加えて、サムスン電子など韓国企業の製品(半導体等)の生産に支障が出る。そうなれば、世界的に半導体価格が上昇するだろう。もちろん、日本企業も被害を受ける。しかし、副作用があったとしても、問題を早く終結させる方がはるかに有益だ。

 韓国の激しい反発に動揺する必要はない。世界貿易機関(WTO)など国際社会を利用した日本批判にも神経を使う必要はない 。自分自身を道徳的に完璧だと確信し、他者を不道徳と指摘する優越的意識に陥り、無条件に日本を批判する行為は過去から、現在、そしてこれからも存在するだろう。日本がどれだけ韓国に怒っているかを知らせることが真実を国際社会に知らせる契機になる可能性もある。

 騒乱を恐れず、原則を最後まで守り通せば、問題はすぐに終結する。核心素材や部品、装置の韓国向け輸出規制という強力な制裁は、10年余り前に慰安婦像が駐韓日本大使館の前に初めて設置された時から行うべきだった。韓国が慰安婦像を撤去するまで段階的に輸出規制品目を拡大する。そうすれば慰安婦像は撤去されただろう。

 韓国裁判所の徴用工判決も同じである。最高裁判決や日本企業の資産差し押さえと現金化など注視する必要はない。1審で国際法に違反する判決が出た時点で強力な輸出規制を行うべきだった。そうしていたなら韓国政府は相応の対処を行ったはずである。

 騒乱に怯えて消極的態度を示した日本の弱腰を看破した韓国は、関東大震災による朝鮮人虐殺や、日本統治時代に就業のためにサハリンに渡り、サハリンに抑留された朝鮮人の問題、そして数多くの朝鮮人が犠牲になった浮島丸沈没件などを持ちだし、韓国人被害者をすべて当時の日本政府のせいにして、慰安婦問題と徴用工問題の反復を試みる可能性がある。

 合法的だった旭日旗を、突然として10年ほど前から「戦犯旗」と言い出し、国際社会に向けてプロパガンダを展開する韓国人の水準を考えれば、あり得ないことではない。

福沢諭吉が「脱亜論」で見抜いた本質

 福澤諭吉(1835~1901)は、慰安婦問題や徴用工問題など、 日韓間に展開される葛藤を全く知らない人物である。しかし、100年以上も前から現在の日本人よりもはるかに正確に韓国の実体を見抜いていた。「脱亜論」「朝鮮人民のためにその国の滅亡を賀す」などといった著書を通した福澤諭吉の対韓国、対中国の見解は以下の資料の通りである。

 洗脳に陥った反日全体主義国家に期待できることは何もない。自浄能力がないからだ。日本が地球上のすべての国の「良い隣人」として存在することは望ましいが、相手が非常識な国家なら話は別だ。

 非常識な国家の「良き隣人」として存在しようとすれば、絶えず譲歩し、一方的な被害にも耐えなければならない。結果、平和は遠ざかり、葛藤だけが増えていく。日本と韓国の関係を見れば、「良き隣人」になるのではなく「強い隣人」にならなければならない。そうすれば葛藤はなくなり、平和が保たれる。

 問題を太く短く終わらせる決断が重要だ。決断が早ければ早いほど日本の名誉毀損の被害はいち早く終息し、韓国の反日全体主義にも歯止めがかかるだろう。岸田首相の決断は、日本はもちろん、韓国のためでもある。

 二度も韓国と直面した岸田総理こそ、決断の必要性を強く感じていることだろう。 日韓両国の未来のために岸田総理の決断を期待する。(了)

 ◇

 ファンドビルダー氏のこの記事は、私が思い描いている対韓対応策と見事に一致しています。韓国人にもこういう人がいるのです。そういえば元ソウル大の李栄薫氏(反日種族主義の著者)、やブロガーのシンシアリー氏もそうですし、日本に帰化した評論家の呉善花氏も、そうした韓国の伝統的反日史観に洗脳されずに、現実を捉えた人たちです。そうした人たちを親日家として強く弾圧してきた、半独裁国家韓国。岸田首相はケント・ギルバート氏やファンドビルダー氏の主張に沿って、強力に対韓政策を実施して欲しいと思います。

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2021年10月13日 (水)

中国、パンデミックの陰で行ってきた数々の攻撃

17  モンゴル、ウイグル等の少数民族居住地域への蛮行・新植民地政策、香港の中国化への新たな取り組み、さらに台湾統一への展開や東シナ海、南シナ海への海洋侵略等々、習近平中国は「中国の夢」実現のため、戦狼外交、覇権主義をますますあらわにしています。AIIBの設立や一帯一路も夢実現のために組み込まれた構想でしょう。

 こうした中国の強権政治は、新型コロナウイルスで世界が混乱しているさなかに、ますます加速化しているようです。その詳細について、元アメリカ国家安全保障担当大統領補佐官のH・R・マクマスター氏が寄稿した記事を、日経ビジネスに記載しているので以下に引用します。タイトルは『パンデミックであらわになった中国共産党の真の狙い』(10/11)です。

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 新型コロナウイルスが世界中で感染拡大する中で、中国は国内外で様々な強硬手段をとってきたが、民主主義諸国には、中国共産党に対する二つの誤解があったため、それらを防ぐことができなかった。中国共産党の真の狙いは何なのか。習近平国家主席の本当の姿は? そして、日本、アメリカなどは中国に対してどのような姿勢で臨むべきなのか。

 トランプ政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務め、歴史的な対中政策の転換を主導したH・R・マクマスター氏の著作『戦場としての世界 自由世界を守るための闘い』から一部抜粋して紹介する。

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パンデミックの陰で行われた数々の攻撃

 中国を起源とするグローバルなパンデミックは中国共産党との競争を激化させた。そして、パンデミックの期間中に中国共産党がとった行動から指導者たちの意図が明らかになった。国内では排他的な権力を拡大・強化し、対外的には他の国々を犠牲にしてでも「民族的復興」を遂げることである。

 ところが、中国共産党との競争の本質についてアメリカなどの側に二つの誤解が残っていたため、中国共産党がそれらを隠れ蓑(みの)に、抱き込み、強要、隠蔽の工作を進めることを許してしまった。いずれの誤解も中国共産党は自らの野心を追求するために自らの意思で行動しているのではなく、もっぱら外部の動きに反応しているだけだという、ナルシシストのような慢心に根差している。

 第一の誤解は、中国の攻撃性は米中間の緊張の産物だというものである。この誤解が想定している中国共産党には自発性がない。何ら強い願望を持たず、アメリカに合わせて振る舞っている。しかし、パンデミックの間の中国共産党の行動をざっと点検しただけでも、アメリカが中国共産党の攻撃性の原因ではないことが分かるだろう。

 中国共産党は新型コロナウイルスによる感染症が発生した際に情報を抑え込み、世界に警鐘を鳴らそうとしていた医師やジャーナリストたちを迫害し、世界保健機関(WHO)の権威をないがしろにした。WHOからは台湾を排除した。中国共産党はいわゆる「戦狼(せんろう)外交」で追い打ちをかけ、パンデミックに対する自国の責任を曖昧にし、自国の対応を他国よりも優れて寛大だと言い張った。

 中国共産党はことわざにある「1人を殺し、大勢の見せしめにする(殺一儆百)」ことも実行した。オーストラリアが新型コロナウイルスの起源に関する調査を提案すると、同国を経済的に痛めつけた。また、中国のハッカーたちは日本の200以上の機関を含む世界中の研究施設に大規模なサイバー攻撃を仕掛けた。

 中国共産党はパンデミックの陰でテクノロジーを駆使した警察国家づくりを推進し、香港への弾圧を拡大し、新疆ウイグル自治区ではウイグル族に対するゆっくりとしたジェノサイド(民族大量虐殺)を継続した。中国共産党はより多くの外国からの特派員たちを追放し、諸権利の擁護を訴えるより多くの活動家たちを投獄した。

 人民解放軍(PLA)はパンデミックの間、大忙しだった。ヒマラヤの辺境でインド兵を撲殺し、日本の尖閣諸島と台湾を軍用機と軍艦で威嚇し、南シナ海で船舶に体当たりした。また、中国は戦略的な海域をめぐり根拠のない支配権を主張しているが、これを受け入れないものには発砲すると脅迫した。菅義偉首相(当時)とジョー・バイデン大統領が中国の高圧的な姿勢に抵抗する国々を支援すると誓うと、中国政府は東シナ海での領有権の主張を強化するため尖閣諸島に関する地形調査を公表した。

 これらの無数の攻撃的な行動の原因がアメリカにあるとは考えにくい。それにもかかわらず、インド太平洋の諸国、そしてその先の地域の一部の指導者たちからは、「我々にワシントンと北京のどちらかを選ぶように強要しないでほしい」という声が繰り返される。しかし、すべての指導者たちは厳然たる事実に目覚めなければならない。目の前にあるのは、主権の維持か隷属かという選択肢である。

 第二の誤解は、中国との競争は危険に満ちていて、突き進むのは無責任でさえあるというものだ。「トゥキディデスの罠(わな)」が存在するからだという。台頭する国(中国)と現状維持の国(アメリカ)の間では紛争が起きる可能性があることを示す言葉である。

 中国共産党の指導者たちが「トゥキディデスの罠」のたとえを好むのは、受け身で協調に応じるか、それとも戦争かという誤った板挟みの構図を作り出すからである。しかし、透明性のある競争こそが不要に事態をエスカレートさせることを防ぐ最良の方策である。それは中国との協力を妨げず、むしろ可能にする。

 これら二つの誤解を正すことは、中国共産党が自由で民主的な社会の弱点とみなすものを競争上の優位性に変えるためにも不可欠である。そして、中国の巧みな抱き込み、強要、隠蔽の工作から防衛するために必要な集団行動への道を拓くためにも欠かせない。

習近平国家主席に対する誤解

 それでも、一部の人々はこれらの誤解にこだわり続けるだろう。短期的な利益や有利な投資のリターンを求めて中国に向かう根拠となるからだ。世界の投資家たちは中国共産党が民間への介入を強めても、それに臆することなく資金を中国企業の株式などに投じている。

 2021年には、海外から中国への新規の直接投資の金額が、アメリカへのそれを抜いて世界トップとなったことが明らかになった。間違ってウラジーミル・レーニンのものとされている言い回しに「資本家たちは自分たちの首を吊(つる)すのに使うロープまで売るだろう」というものがある。資本主義がライバルに手を貸し、自滅へと向かう姿を中国共産党の指導者たちは思い浮かべたのではないか。

 自由世界の多くのビジネス・リーダーや政治指導者たちは、自ら進んで騙(だま)されている。彼らが注意を向けているのは習近平国家主席が話していることであり、彼と中国共産党が実際に行っていることではない。

 人道主義者の習は、国境を越えて協力し合うグローバル・ガバナンスと法の支配の美徳を称揚するが、中国は国際機関から力を奪い、人間の自由を抑圧し、ウイグル族に対するジェノサイドを行っている。

 環境保護主義者の習は、2060年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすると宣言する。ところが、中国は国民のおよそ80%を安全とされるレベルをはるかに超える環境汚染にさらし、南シナ海では軍事拠点となる人工島を造成するために生態系を破壊し、世界各地で毎年多数の石炭火力発電所を建設している。

 自由貿易主義者の習は、スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムで貿易・投資の自由化について語るが、中国は借り手を苦しめる略奪的な融資や強制労働、国庫から企業への補助金、産業スパイなどに関与している。

 ロマンティックな習は、国際的な「運命共同体」を構想するが、中国はその高圧的な軍事・経済活動に影響されやすい国々を着々と隷従させている。習の発言は真実とは正反対である。それを受け入れることは、中国共産党の壮大な野望である国際秩序の新しいルールを作り、自分たちの協力者を「吊す」ことを手助けするに等しい。

日米などの指導者は中国に三つの「ノー」を!

 中国は、その指導者たちが世界に押しつけたパンデミックによって引き起こされた景気後退からいち早く抜け出した。日本、アメリカをはじめとする民主主義の国々が自由で開かれたインド太平洋というビジョンを実現するためには、各国間でより幅広い経済・科学分野の協力が欠かせないことは明らかだろう。

 ただし、民主主義の国々にまず求められるのは、政治、ビジネス、金融のリーダーたちが中国共産党を助け、後押しすることを止めるという一致した決意である。日米などの指導者たちは「三つのノー」で合意できるだろう。

1)中国共産党に機微技術が渡ってしまうような貿易・投資の関係を結ばない。

2)中国共産党が人間の自由を抑圧し、技術で固めた警察国家を完成させることに手を貸すような投資はしない。

3)短期的な利益と引き換えに、企業の長期的な存続を危うくするような知的財産の移転はしない。

 基本的に企業と株主は中国共産党との競争で何が問われているかを認識し、長期的な倫理上の要請、社会の期待と信頼に沿った決定を行うべきである。

 新型コロナウイルスのパンデミックによって露呈したことはほかにもある。日本、アメリカ、その他の国々が、中国のサプライチェーンに対して危ういほどに依存度を高めていたことだ。競争を怠った上に、慎重さを欠いて効率を優先してきたからだ。この教訓を踏まえて、蓄電池、レアアース、半導体といった他の重要なサプライチェーンでは見直しが実行された。しかし、慢心はまだ残り、競争の激しい他の分野での対応が遅れている。

 中国はグローバルな物流、データの標準化、デジタル通貨の流通、そして電子決済で圧倒的な影響力を追い求めている。日米間の協力の優先項目には、イノベーションの障壁の除去、研究開発の拡大、サプライチェーンの復元力(レジリエンシー)の改善、そしてデータやインターネットのプライバシーに関する国際基準の設定を含めなければならない。

 パンデミックは中国との経済的な競争だけでなく、軍事的な競争も加速させた。人民解放軍は台湾や南シナ海、東シナ海の国々の主権を脅かしている。我々に求められるのは、強力な軍隊を前方に配置して、同盟相手の国々を安心させることである。そして、中国やロシアが守りを固めて我々の接近を拒否すると宣言したがっている空間に我々が入り込み、競争する空間に変えることである。

 習と中国共産党の指導部は、自分たちがインド太平洋の全域で優位性を確立し、日本を孤立させ、アメリカに対して世界規模で挑戦できる、つかの間のチャンスが今、訪れていると考えているだろう。それゆえ、日本の力強い自衛隊と日米同盟を揺るぎないものにする強固なパートナーシップを示して、中国共産党・人民解放軍の指導者たちに武力を用いてインド太平洋に排他的な優位性を確立することはできないと分からせることが不可欠である。

 そして、日米にインドとオーストラリアが加わったクアッドの枠組みは、安倍晋三首相(当時)が2007年にインド議会で演説した際に提示したインド洋と太平洋の「ダイナミックな結合」というビジョンを推進するものとしてとりわけ期待される。安倍首相はこの演説からおよそ10年後、目指す先を次のように形容した。「太平洋とインド洋、アジアとアフリカの交わりを、力や威圧とは無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場として育て豊かにする」(2016年8月、ケニアで開かれた第6回アフリカ開発会議での基調演説)。

 クアッドをはじめとする域内各国は、この目標の達成のために日本と足並みをそろえるべきである。

 ◇

 幸か不幸か、軍事力を背景とした外交を行えない日本は、現状、自由と法の支配を基盤とした外交で、世界に発信することが唯一の道です。一部の軍事大国以外、世界には数多くの力を背景にできない国が存在し、そう言った国々からは日本の指導力を求められているのです。

 残念ながら現時点では、まだ発信力は弱いと言わざるを得ません。その要因はしっかりした外交戦略がない、また人材もいないと言うこともあるからだと思います。外務省だけにその課題を任せるのではなく、与党と全省庁一丸となって対外戦略を練り上げる必要があります。

 もちろん、外交力には最終的に経済力やとりわけ軍事力(抑止力)も背景としては重要です。その点も踏まえて、今後の対外外交を戦略的に進めていかねばならないと思います。西側に存在する巨大でやっかいな独裁国家の覇権に巻き込まれないために。

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2021年9月23日 (木)

日本大使館はだれの役に立っているのか 続:アフガン検証

650x450_17619002  このブログでは、アフガニスタンからの米軍の撤退に伴う日本の対応を、何回か取り上げました。いずれも政府、とりわけ外務省の無策ぶりが、際立っていたことの検証記事が中心でした。これは今に始まったことではありませんが、省庁、現場を含めて危機意識が乏しく、その上プライドが高いので、外からどう思われようとも、結果を取り繕うことにはとりわけ長けているようです。

 私がサウジアラビアに滞在したときの記憶では、大使館との接点は、海外居住者の総選挙の投票で利用したことくらいでしょうか。それに年に一度の新年会で、酒が飲めた記憶(サウジでは飲酒ができません)があるくらいです。滞在者にとって決して身近な存在ではないのです。

 その途中でアラブの春の騒動が起こり、隣の国エジプトの大使が、空港の大混乱の前に脱出したという話を聞きました。これは以前述べましたが。

 そんな日本外交の最前線、日本大使館がこのアフガンの混乱時どう対応したか、以前にも取り上げましたが再度取り上げてみます。その詳細を作家でエッセイストの勢古浩爾氏が、JBpressに寄稿したコラム『日本大使館はだれの役に立っているのか アフガニスタンで日本大使館が示した狼狽ぶり』(9/22)を引用して、以下に掲載します。

 ◇

 8月15日、タリバンが予想を裏切るスピードで、アフガニスタンの首都カブールを制圧した。その2日後、日本の大使館員12人がドバイに脱出した、というニュースが報じられた。そのニュースを見て最初に思ったことは、そんなケツに火が付いたように大慌てで逃げ出さんでもいいんじゃないか、というものだった。それとも日本は、タリバンに恨まれるような悪いことでもしたのか。普段からタリバンとどんなに細いものでもいいから(かれらはISとちがい、犯罪集団ではない)、パイプを繋ごうと努力をしてこなかったのか、まあかれらがそんな仕事をするわけがないかと思いなおし、自分で納得したことであった。

 その後日本は、やっと自衛隊機がカブールまで行ったと思ったら、救出したのはわずかに日本人女性1人だったということが報じられ、また日本はなにかへまをやらかしたなと思っていたころに、産経新聞の8月30日付けの「産経抄」を読んだのである。

「産経抄」は、「杉原千畝」の偉業を引いたあとで、このように書いている。「アフガニスタンの首都が陥落した直後、日本の大使館員は現地職員を置き去りにしてさっさと逃げ出し、救出作戦にも失敗した。韓国紙に『カブールの恥辱』とばかにされても仕方のない大失態だった。英国の大使は、カブールにとどまってアフガニスタン協力者のビザを出し続けていたというのに」。

過去、我さきに逃げ出した人たち

 追って9月14日、産経新聞論説委員長の乾正人は、12人の日本人外交官は「英国軍機で逃げ出した」のであり、「第一、司令官たる岡田隆大使が、カブールに不在だったのは、更迭に値する」と怒りの記事を書いた。岡田大使はそんな大事な時期にのんびりと日本に帰っていたらしいのだが、急遽アフガニスタンに戻ろうとしてイスタンブールで足止めを食らっている。

 これを読んでわたしも、満州にいた日本人開拓民をほったらかしにして我さきに逃げ出した「精強」関東軍や、おれもあとから行くと特攻隊員を激励し、米軍がくると飛行機で真っ先に台湾まで逃げた在フィリピン第4航空軍司令官を思い出した。その反対に自分の責務を果たしたひとのことも思い出した。当然、杉原千畝を思い出し、またミッドウェー海戦で空母飛龍と共に沈んだ第二航空戦隊司令官の山口多聞を思い出したりもした(艦と共に死ななくてもいいと思うが、そこは時代のちがいである)。

 米軍のアフガニスタン撤退の発表から、実際に各国が撤退するまでの経緯を簡単に記しておこう。韓国の用意周到な準備に比べ、日本大使館・外務省・日本政府の思考停止した無能さと、いざとなったときの狼狽ぶりがわかるだろう。

4月 米軍がアフガニスタンから8月末までに撤退することを表明。

6月 各国は自国の関係者の脱出準備に入る。韓国は早々に、国民と関係者を出国させはじめたという。

7月上旬 日本大使館の現地職員が最悪の事態を想定して退避計画を進言。しかし館員は、カブールが陥落することはないとこれを無視。ところが政権崩壊後、大使館の判断の誤りをマスコミに口外しないよう、その職員に命令した。

8月上旬 各国脱出準備完了。

8月15日 タリバンがカブールを制圧。

8月17日 日本人職員12人は英軍機でドバイへ脱出。JICA(国際協力機構)の6人、現地関係者・家族の500人が置き去りになった。他方、英・仏大使はぎりぎりまで残り、現地関係者にビザを発給しつづけた。

8月22日 自民党外交部会の激しい突き上げもあり、やっと政府・防衛省は救援機派遣を決定。

8月23日 自衛隊輸送機3機、政府専用機1機、隊員300人出発。

8月24日 カブール空港到着。しかしタリバンによる空港検問が厳重をきわめたため、500人は空港に入れず(そもそも500人と連絡がついていたのか、500人がまとまっていたのかも不明)。

8月25日 韓国は輸送機3機、特殊部隊員66人を投入。現地に残った4人の職員が米軍と交渉して米軍が押さえていたバス6台を確保。365人と米軍人を乗せて、空港の検問を通過。そこに自力で空港入りした26人が合流、合計391人全員の脱出に成功(もし日本人職員も何人か残っていたなら、米軍と同様の交渉ができたはず)。

8月26日 ISの自爆テロ。日本は米軍に依頼された旧アフガン政府関係者14人を輸送機で救出。

8月27日 日本は、自力で空港まで来た日本人女性1人を救出したのみ。ちなみに28日までに実現した各国の出国状況は、アメリカ11万人、カタール4万人、UAE36500人、イギリス1万500人、ドイツ5000人、イタリア500人、フランス3000人である。

 大混乱と緊迫した様子が想像できる気がする(1981年イランで起きたアメリカ大使館職員の脱出事件を描いた映画『アルゴ』を思い出す)。米軍でさえタリバンの首都奪還はまだ先だと思っていたくらいだから、すべての情報をアメリカに頼っていた日本大使館もまだ大丈夫と高をくくっていたのはわからないではない、というかといえば、冗談じゃないのである。そんなことは言い訳にもならない。

 現に韓国は早々と計画を立てて準備し、見事に成功させているのである。先の乾正人も、「米軍撤収の1カ月前には、『ごく近いうちにカブールは陥落する』との情報」が「東京にいる私の耳にも入っていた」といっているくらいである。

官僚は何をしても正しいのか

 最悪のことを考えて早めに退避準備をしたほうがいいのでは? と進言してくる現地職員は鼻であしらい、いざとなると慌てふためいて、なんとかコネをつけて英軍機に乗せてもらい、一目散にとんずらした大使館職員の無様さは非難されてしかるべきである。ところがそんなばかなことはない、大使館員が邦人を「『置き去りにして逃げる』などあり得ない」と大使館側を擁護したのは外務省出身の外交評論家・宮家邦彦である。

 宮家が直接反論したのは先の「産経抄」に対してだが、かれは、やめればいいのに、このように書いている。擁護にもなっていない。「筆者の体験でも、日本の外務省員で在留邦人や現地職員を『置き去りにして逃げる』輩(やから)がいるとは思えない。現地大使館は8月初旬の段階で邦人・現地職員らの退避につき検討を本格化させ、カブール陥落前には民間チャーター機による邦人・現地職員らの退避と大使館撤収の計画をほぼ整えていた。結果的に計画が実現しなかったことは事実だが、少なくともカブール陥落までに退避を希望した邦人は、大使館員よりも前にすでに退避していたという。『置き去りにして逃げる』などあり得ないことだ」。

 ばかいっちゃいけない。もしそれが事実だったのなら、問題はなぜその「計画が実現しなかった」のかということだ。宮家は「あり得ない」というが、実際に「あり得た」から問題なのである。ここには、官僚はなにをしでかしてもつねに正しいという、官僚無謬説が見られる。また宮家は「杉原千畝を持ち出したこと」が気に食わない。「筆者がユダヤ人であれば、欧州でのホロコーストとアフガニスタンでのアフガン人救出を同列に扱うことなど絶対に認めない」とわけのわからんことをいっている。宮家はもちろん「ユダヤ人」ではない。「絶対に認めない」もへちまもないのである。

 岡田隆大使の不在(あまりにも好機の不在で、胡乱である)や、館員たちの脱兎のような逃亡の話を聞くと、「杉原千畝」を思い出すのはふつうである。とくに英仏の大使がぎりぎりまで残ってビザを出し続けたという話をきけば、なおさらである。元時事通信外信部長で拓殖大学海外事情研究所教授の名越健郎も、「時代や状況は異なれど、ナチスに迫害されたユダヤ人を救うために『命のビザ』を発給し続けた杉原千畝のような外交官はいなかったのか」と書いている(「週刊新潮」2021年9月9日号)。

 外務省にとって、杉原千畝はいまでも本省の命令に従わなかった裏切り者なのである。杉原は「金のためにビザを書いた」などと誹謗中傷し、依願退職に追い込んだのである。外務省の抵抗を押し切って、杉原千畝が政府によって公式に名誉回復されたのは、なんと戦後55年経った2000年(平成12年)のことである。ついこの間である。

なおもアフガニスタンにとどまる日本人

 名越健郎はさらにこうも指摘している。「日本政府は過去20年で約7700億円もの援助をアフガンに行い、欧米諸国と違って自衛隊を派遣してタリバンと戦ってはいません。日本人外交官が危害を加えられることは考えられない。現地に踏みとどまる気概はなかったのでしょうか」。わたしもおなじような疑問を持つ。早くも中国はタリバンに食い込んでいる。日本は自ら蚊帳の外に逃げ出してしまったのである。

 大使館員が去ったあと、なおもアフガニスタンにとどまっている日本人はいる。そのひとりは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)カブール事務所の森山毅氏である。かれはカブールに2020年9月から勤務しているが、タリバンと交渉し「人道支援活動は今後も継続してほしい」といわれたという。高慢なだけの大使館員より、よっぽど骨も身もあるのである。

「UNHCRで20年以上難民や避難民の支援を続けてきた。今回の仕事をやらなけらば、何をやってきたのかということになる。今までは一番重要だ」「アフガンはこれからも人道援助が必要。ステイ・アンド・デリバー(残って支援)が我々の任務だ」(「アフガン支援続ける日本人「タリバン政権でも残る」

 もうひとりいる。ICRC(赤十字国際委員会)に所属し、アフガニスタン南部で人道支援を行っている藪崎拡子さんである。「生きるか死ぬかの状況に数週間、数ヵ月でなってくると思います。今以上の支援が必要になってきます」。またICRCは紛争地での人道支援のために「中立の立場でタリバンとも定期的に対話をしている」という。藪崎さんには「日本政府から退避勧告はありましたが、ICRCが明確に攻撃のターゲットにならない限り現地での活動を続けていく方針です」「ICRCの使命として紛争地で働くのが私の仕事ですので『日本にチャーター機で帰国する必要はありません』と回答しました」。

日本大使館はどんな仕事をしているのか

 いったい日本大使館とはなにか。どんな仕事をしているのか。だれの役に立っているのか。もともとこれらの問いは、外務省に対するものである。かれらはなんの仕事をしているのか。外務省には本省2550人、在外公館3450人、合計6000人がいる。在外公館数は大使館が153、総領事館は66もある。

 この6000人は料理屋・ホテル・タクシー利用などで「プール金」を貯めこみ、外交機密費から課長レベルで月20万~30万円、局長レベル50万円の枠で散財している。海外勤務の3450人の頂点に立つ「大使は閣下と呼ばれ、館内では王侯貴族のように振舞う」。「大使が交代するたびに、調度品や内装の変更が厳命され」て、「改装には、数千万から億単位のカネがかかる」。下っ端は下っ端でろくな仕事もしないのに、法外な海外勤務手当をもらっている。小林氏は、大使館や総領事館など在外公館は外務省にとって「聖域」、「在外公館の経理は、外務省の恥部」と書いている(小林祐武『私(ノンキャリア)とキャリアが外務省を腐らせました 汚れ仕事ザンゲ録』講談社、2004)。

 かれらが仕事をまともにする気になれないのには、多少同情の余地がある。海外視察の議員(これがまたろくでもない連中)のばかばかしい接待があることである。また3、4年も海外勤務をする民間商社マンにくらべても外交官は無知といわれるのも、「キャリア外交官の海外勤務には1回の在勤が平均して2年間という硬直した慣行が存在する」からだともいわれる。「どうせ2年しかいないのだから、適当にやっておけばよい」という気分になるのも無理はない。

 そのうえ、アメリカ通の財界人がハンガリー大使、中国通がブラジル駐在大使、ドイツ語の専門家がモンゴル大使になるなどの「不適在不適所の人事」がまかりとおっている(古森義久『亡国の日本大使館』小学館、2002)。

 他省庁から外務省不要論が出るのも当然である。が、当然のごとくなくならない。それだけでなく、国益も国民も眼中になく、省益だけが行動原理である内向きの「傲慢でモラルの弛緩しきった組織」(小林祐武氏)の体質はこれからも存続しつづける。これがまともな組織に生まれ変わるなど、到底考えられない。

 余談になるが、小林氏の本にこんなことが紹介されている。2000年に行われた九州・沖縄サミットで、歓迎レセプションや晩さん会を仕切ったのは電通。テーマ曲は小室哲哉に依頼し、小室はロイヤルスイートに滞在。「NEVER END」を歌った安室奈美恵のバックダンサーはアメリカから呼んだが、かれらの交通費や滞在費までサミット予算から支払った。サミット終了後、電通からなんと10億円の請求書が届いたという。もう公金に群がるハイエナのような連中は官民を問わず、すべてでたらめである。

 9月、ロシアが北方領土全域で税制優遇措置を導入した。さらなる外国資本の呼び込みや外国企業の誘致を狙ったものだ。加藤勝信官房長官はいつもの口癖のように「遺憾だ」と抗議したとされるが、外務省関係者は「必要以上に反応する必要はない」と語っただけである(「毎日新聞」2021.9.7)。

 ふふ、このざまである。大臣官房に外務報道官という部署がある。なにをやっているのか。もう北方領土4島返還などどうでもいいのだ。なにもしたくないのである。外務省批判とおなじで「必要以上に反応する必要はない」、じっとしていれば、みんな忘れるのである。

 ◇

 ネットでは外務省を「害務省」と呼ぶ向きもあります。無駄な公金を使ってろくな仕事をしない、いやむしろこの記事の例のように、仕事を投げ出して逃亡する。そんな事例でもって「害務省」と名付けたのでしょう。

 私もサウジアラビア滞在中に友人のすすめで「呆然!ニッポン大使館-外務省医務官の泣き笑い駐在記」を読みましたが、瀬古氏の記事とよく似たことが書かれています。昔から変わっていないのですね。ご興味があれば一読を。

 それにしても日本の外交の最前線で、日本の国益を守るための大使館が、すべてではないにしてもこういう体たらくの状況では、背筋が寒くなってきます。改革待ったなし、自民党総裁候補にも是非念頭に置いていただければと思います。

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2021年8月27日 (金)

与党に「中国共産党」を抱える、日本の悲劇

1223nikaiishi  来月投票の自民党総裁選、岸田文雄前政調会長の出馬表明を受けて、動きが活発化してきました。いくつかの派閥が菅首相の続投を推す中、下村氏や高市氏も出馬の機会をうかがっているようです。

 幹事長の二階氏は、派閥として菅首相を推す考えを明確にしています。その二階氏は親中派の代表格として知られています。ジャーナリストで作家の門田隆将氏が月刊hanadaプラスに寄稿したコラムから、自民党内の親中派と、同じく親中の党、公明党についての記事を、以下に引用し掲載します。タイトルは『与党に「中国共産党」を抱える、日本の悲劇』(8/25)です。

“二幹二国”については、少々、説明を要する。正式名称は、自民・公明の与党「幹事長・国対委員長会談」である。

現在、自民二階幹事長、森山裕国対委員長、そして公明石井啓一幹事長と高木陽介国対委員長の四人の会議だ。ここでどの決議や法案を上げ、どこを修正して成立を期すか等、最終決定される。言いかえれば、ここで拒否されれば全て終わる。

メンバーを見ればわかるように自民親中派の頭目・二階氏、その忠実な部下の森山氏、さらには昭和四十三年の池田大作「日中国交正常化提言」以来、中国共産党と一体化し、その意向を受けて活動してきた公明の幹事長と国対委員長との会議である。

対中非難決議の突破は至難の業なのだ。案の定、決議は日米首脳会談以降二か月間も棚ざらしになった。

「サミット前の決議が求められましたが、これもダメ。しかし立憲民主党が六月十日に正式に決議賛成に廻り、自民・公明の執行部が逆に追い詰められたんです」(同デスク)

ここで動いたのが下村博文氏。氏は政調会長であると同時にチベット議連会長でもある。同議連の顧問に安倍晋三前首相を戴き、さまざまな戦略を練ってきている。

「十四日午後、下村氏はウイグル議連の古屋圭司氏とチベット議連の長尾敬事務局長を伴って幹事長室に決議了承のサインをもらうべく乗り込んだ。人権外交議連の中谷元・共同会長と南モンゴル議連の高市早苗氏は間に合わず同席できないほど、ぎりぎりのタイミングでした。執行部側は二階氏と側近の林幹雄幹事長代理です」(同)

“中国絶対”を続ける公明

自民党には、国会決議の了承には幹事長が赤鉛筆で花押をサインする慣習がある。下村氏がサインをする用紙と赤鉛筆を差し出し、サインを求めた瞬間、「ちょっと待ってください!」と林幹事長代理が声を上げた。

そして都議選の話を持ち出し「(公明党と)いろいろ揉めている。今ここで公明を逆なでするようなことをやりたくない」と言い始めた。

下村・古屋両氏が「決議に反対するのは公明にとってもよくないことではないか」「有権者の支持を失う」と応戦すると、林氏は「公明党には池田大作さん以来の自分たちとは違う中国とのネットワークがある」と譲らない。

黙って決議案の文面を見ていた二階氏はボソっと「公明党の言うことばっかり聞いていたら、いかん」とひと言。しかし、だからサインしようということではない。そのままサインは「保留」となったのである。

だが下村氏は諦めなかった。大詰めの翌十五日朝、自民党了承の形式を整えるため党の外交部会を招集。古屋氏が「人権侵害を許さないという普遍的価値を守るため決議の支持を」と挨拶すると、部会は全会一致で支持。自民党の了承が決まったのである。

だが、

〈これで公明党を除く全党が了解したが結果として国会決議は上程されない。G7でも共同声明に盛り込まれた人権侵害。普遍的な価値観である人権侵害を許さないという立法府としての意志を決議するのは当然だ。しかし残念だが国会決議は基本的に全ての政党の了解が必要というルールが存在するのだ〉(六月十五日付・古屋圭司氏ブログ)

こうして、対中非難決議は上程されず葬られた。池田大作氏以来“中国絶対”を続ける公明と媚中の二階―林―森山が牛耳る自民執行部では決議が通るはずはなかったのだ。

中国が怖くて仕方ない政治家の浅ましい姿。先人が見たら、何というだろうか。

 ◇

 下村氏や高市氏には次期首相の芽はないかも知れませんが、こういう態度を明確にする人の方が、国民にはわかりやすいと言えます。いずれにしろ選挙目当てや国会対策のためという理由だけで、憲法改正に後ろ向きで「親中」の公明党と連立与党を続けている自民党には、本来の保守の理念が全うできず、極めて中途半端な態度を余儀なくされているようです。

 このブログで何度も取り上げていますが、日本の将来を見据えたしっかりした理念を持った野党の登場が、今の日本には不可欠だと思いますが、同時に与党も何が日本の国益に見合うのか、どうしたら独裁国家から日本の主権を守り抜けるのか、真剣に考える党員が、多数を占めるようになって欲しいと思います。

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