中国の春節間近、だが不透明な中国でのコロナ感染実態 世界が恐れる「変異株」と中国人観光客による拡散
中国の春節が迫ってきました。タイなどの中国人観光客歓迎ムードの国は少数派で、欧米や日韓など民主主義先進国は、軒並み水際対策を強化しています。そんな中、入国時検査を実施する日韓には、ビザ発給一時停止の処置をするという暴挙に出ているのはご承知の通りです。
日本でも感染拡大が続いていましたが、つい最近はピークアウトしたのかな、と言うような動きも見せています。そこへ中国人がどっとやってくることはかなりのリスクがあります。なぜなら中国はゲノム解析をやめたとされ、変異株の状況が分らないからです。
そうした現在の中国の状況を、女性セブンの記事をNEWSポストセブンが公開していますので、以下に引用します。タイトルは『不透明な中国でのコロナ感染実態 世界が恐れる「変異株」と中国人観光客による拡散』(1/17公開)です。
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いつになったら新型コロナとの闘いに終止符が打たれるのか──。多くの人がそう感じながら、押し寄せる流行の第8波に不安を覚えている。だが、国内の感染拡大とは比べものにならないほどの大波が、春節の“観光気分”とともに届こうとしている。
火葬場では遺体を乗せた車が1km近い行列をなし、病院では廊下やロビーにまでベッドが並べられている──。
およそ3年前に世界が体験した光景が2023年年初の中国で繰り広げられている。現在、中国全土で新型コロナが猛威を振るい、感染者や死者が爆発的に増加しているのだ。
だがそうした悲惨な状況にもかかわらず、中国当局が打ち出したのはまさかの「コロナ規制撤廃」だった。1月8日、中国はコロナ対策で超厳格にしていた出入国・出入境規制を緩和。およそ3年ぶりに中国人は「移動の自由」を手に入れた。
中国在住の日本人が語る。
「これまでは空港に入場する際に陰性証明書が必要でしたが、いまはいらなくなりました。外国から中国に戻ってきたときの隔離措置やPCR検査も撤廃され、事実上の“海外旅行解禁”となりました」
そして迎えるのが、中国人が大移動する春節の連休(1月21~27日)だ。延べ21億人の移動が見込まれるなか、日本にも多くの中国人がやって来る。そのとき、いったい何が起きるのだろうか。
コロナ発生後、中国は徹底してウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策を断行し、全国民にPCR検査を繰り返し、感染者や濃厚接触者が出たら即座に隔離して一帯を封鎖した。
しかし昨年12月、当局は方針を大転換。オミクロン株は軽症、無症状が9割以上で、重症率は1%前後にとどまるなどのデータをもとに従来の検査や隔離、各種規制を次々と撤廃し、「ウィズコロナ」に踏み切った。
結果はどうか。1月上旬の段階で、中国当局が公表した昨年12月上旬〜1月上旬までの死者は中国全土でわずか数十人にとどまった。
だが「この数字は実態とは大きく異なる」と、国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎さんが指摘する。
「ワクチン接種が進んでいないのに一挙に規制を撤廃したことから、中国全土で感染が急拡大しました。ところが当局は大規模なPCR検査を取りやめ、基礎疾患の悪化で死亡してもコロナの死者には含まない方針を打ち出したため、感染者数や死者数の実態が把握できなくなった。世界保健機関(WHO)も『中国政府はコロナの本当の影響を過少報告している』と批判しています」
医療ガバナンス研究所理事長で医師の上昌広さんも中国当局の姿勢を批判する。
「中国の公式発表には信憑性がありません。現実には中国の感染状況は相当にひどく、病院では充分な医療を受けられず、ドラッグストアの薬はどこも売り切れだそうです。知人の中国人の親族がコロナで亡くなりましたが、診察の順番を待って病院に2時間いるうちに20人が運び込まれて、うち2人がその場で亡くなったと聞きました」
冒頭で紹介したように、中国・北京の病院は患者があふれかえり、葬儀場で人々が行列をなす映像がSNSで拡散された。火葬場がパンクして、30〜40体の遺体が地面に放置されているとも報じられた。
感染の規模もすさまじく、中国疾病予防センターの担当者は、人口2000万人以上の首都・北京について、12月末の時点で「感染率は80%を超えた可能性がある」との見方を示した。また、中国全土に目を移しても、全人口14億人の半数近い6億人がすでに感染している可能性があるとも報じられた。
イギリスの医療関連調査会社は、今後ピーク時に中国で1日あたり最大2万5000人が死亡すると試算する。
不透明なのは、感染実態だけでない。世界が恐れるのは「中国発変異株」の出現だ。
「6億人が感染したとされる中国では新たな変異株が出現している可能性があります。しかし中国では民間のゲノム解析が禁じられているとされ、変異株の対策が不鮮明です。春節で日本国内に変異株が持ち込まれたら、大変な騒ぎになるでしょう」(一石さん・以下同)
オミクロン株から変異したウイルスは強毒化の恐れがある上、従来のワクチンが効かないかもしれない。この先、得体の知れないウイルスが日本に上陸する恐れがあるのだ。
「陰性」ばかりの検査キット
中国のコロナ対策への不信感が募るなか、中国人観光客を通じた感染拡大を恐れる各国は水際対策を強化した。日本政府も中国本土から直行便で来日する渡航者に対し、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明の提出や、入国時に抗原検査より精度の高いPCR検査などを課し、陽性の場合は7日間の隔離となる。
「それでも感染者の上陸をゼロにするのは難しい」
一石さんはそう指摘する。
「コロナ規制の緩和前も、ビジネス往来する中国人や、外国人は出入国が可能でした。昨年12月30日から1月5日までに中国本土から日本に入国した4895人のうち、408人が空港検査で陽性となりました。韓国では中国からの入国者に『入国前陰性確認書』の提出が義務付けられた初日の1月5日、ある旅客機の乗客278人のうち35人が陽性でした。
日韓の事例から見て、中国から来る入国者のうち8~12%程度がコロナに感染している可能性があります」
昨年末、中国からイタリア・ミラノに到着した航空2便に至っては、乗客の半数近くが陽性だった。
陰性確認書があってもすり抜けが起こるのはなぜか。ひとつの要因は、中国の医療用品にある。
「コロナ初期から中国産の検査キットや医療用マスクは欠陥品だと欧州各国が批判していました。実際に京都府警が中国から不正に輸入された中国製の検査キットを調べると、日本の承認品に比べて264分の1の精度しかなく、結果もほぼ陰性しか出ませんでした。日本や欧米諸国は入国時に72時間以内の陰性証明書の提出を求めていますが、中国で流通する精度の低い検査キットを用いた検査結果の信憑性は高くありません」
最後の砦となるのが日本の空港におけるPCR検査だが、こちらも盤石とは言い難い。
カギを握るのは「潜伏期間」だ。オミクロン株は2~3日程度の潜伏期間を経て発症するケースが多い。仮に中国で発行される72時間以内の陰性証明が科学的に正しいものだとしても、中国での検査後に現地で感染して潜伏期間に突入したら、日本の空港でのPCR検査では感知できず、コロナが“密輸”されてしまうのだ。
「中国と日本は渡航距離が短く、渡航中に潜伏していたウイルスが“陽転化”する可能性が低い。日本の空港でのPCR検査を潜伏してすり抜けた中国人観光客が入国後に陽性化し、観光地で感染が拡大する恐れがあります」
コロナ規制の撤廃を受けて中国では海外旅行への関心が高まり、旅行サイトによると、春節の連休は海外旅行の予約が前年比540%増となった。中でも日本は行きたい国トップ3に入る人気国で、大観光団の来日が予想される。
過去に日本では、家庭内感染から学校や職場などにウイルスが広まった。この先は、“中国版・家庭内感染”からの感染拡大が懸念される。
「潜伏期間で空港検疫をすり抜けた中国人観光客が滞在中に発症する場合、まずは旅行中に行動を共にする家族や団体に感染させて、そこから日本人に感染が波及する可能性があります。すでに日本は“世界一コロナに感染している国”なのに、今後さらに拍車がかかって厳しい状況に陥り、医療体制が逼迫することが心配されます」
中国当局は日本の水際対策強化に猛抗議して、日本人渡航者へのビザ発給を停止する対抗措置を講じた。
日本はこうした中国の強面に屈せず“コロナ密輸”の防御態勢を固める必要がある。
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中国はゼロコロナ政策を一転して、集団免疫を狙っているという情報もあります。ある都市では80%以上感染したとか、こんなことは中国でしか起こりえないでしょう。しかも死者が大量に出ているのに、最近の公式発表では先月8日から今月12日までの死者は6万人だそうです。
中国人ですら信用しない当局の数字。もう殆どの中国人が政府の公表数字は信用していないと思います。それでもそれをやってのけるのが独裁国家です。中国国内ではそれでいいかもしれませんが、周辺国はたまったものではありません。記事にあるように「“コロナ密輸”の防御態勢」をしっかり固めなければなりません。
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