SNS・インターネット

2020年5月27日 (水)

SNS上の誹謗中傷での個人攻撃、発信者特定簡素化を早急に

2020052500011254bengocom0001view  今ある女子プロレスラーの死で、SNS上の誹謗中傷に関する話題が大きく取り上げられています。ブログやツイッターを使用している私も無関心ではいられません。政治とは少し離れますが今回はこの問題を取り上げてみます。まずは政府の動きです。高市早苗総務大臣の記者会見の内容を産経新聞の記事から引用します。タイトルは『SNS発信者特定容易に 高市総務相、誹謗中傷「許しがたい」』(5/26)です。

 フジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラー、木村花さん(22)が死亡したことについて、高市早苗総務相は26日の記者会見で「匿名で他人を誹謗(ひぼう)中傷する行為は人として卑劣で許しがたい」と述べた上で、発信者の特定を容易にするための制度改正を「スピード感を持って行う」と語った。

 木村さんは会員制交流サイト(SNS)上で誹謗中傷を受けていたとされ、遺書とみられるメモが見つかったことなどから警視庁は自殺を図ったとみている。

 SNSなどで誹謗中傷を受けた場合、被害者はプロバイダ責任制限法に基づき、SNSの管理者に発信者情報の開示を求めることができる。ただ、総務省の担当者によると「多くの場合は裁判で争うことになり、被害者にとって利用しにくい制度になっている」という。

 総務省は4月に研究会を設置し、インターネット上で他人を誹謗中傷する書き込みをした発信者を特定するため、管理者に情報開示を求める手続きの簡略化を議論し始めている。

 今頃になって、という感はありますが、そもそも表現の自由の遵守という憲法上の観点から、こうした規制は難しかったのかもしれません。しかし「気持ち悪い」とか「消えろ」とか、極端な場合は「死んでしまえ」というような、誹謗中傷も度が過ぎると、「公共の福祉のもとで許される権利」という、これも憲法に謳われた内容を逸脱する、つまり憲法違反となってしまいます。高市総務相の上記対応は正しいと思います。

 タレントだけではなく、政治家にも多くの誹謗中傷が寄せられています。その筆頭は安倍首相ではないでしょうか。「#安倍死ね」で検索すると、驚くほど多数ヒットしたと、ネットで指摘した人がいますが、容易に予測できます。

 ところでこの話題は中国でも取り上げられていて、RecordChinaに次のような記事が出ていました。タイトルは『木村花さん急逝、安倍首相は過去に「ネット暴力」についてこう語っていた=中国ネットで反響』(5/25)です。以下に引用転載します。

Images-4_20200527115501 女子プロレスラーの木村花さん(22)の訃報が波紋を広げる中、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)では安倍晋三首相のかつて出演したテレビ番組での発言が紹介された。

23日、木村さんが亡くなったことが所属団体「スターダム」から発表された。木村さんはフジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演しており、番組内での言動をめぐりSNS上で誹謗・中傷を受けていた。木村さんは自身のインスタグラムに「愛してる、楽しく長生きしてね。ごめんね」(原文ママ)との文字を入れたペットの猫との写真を投稿しており、自殺の可能性も報じられている。

ネット上での言葉の暴力に非難の声が集まる中、日本在住のある微博ユーザーは25日、2016年に放送されたフジテレビの番組「ワイドナショー」の映像を紹介した。この回には安倍首相がゲスト出演しており、「ネットの悪口を法律で規制してくれませんか」という指原莉乃の提案について、「ネットは見ます。私の悪口も山ほどあります。グサッときますよ」とし、「基本的にはインターネットは自由な空間で発展してきました。自由は基本なんですが、誹謗・中傷は今でも取り締まることができます。たとえば『殺してやる』と言ったら、これはダメなわけです」などと説明した。

また、「子どもの世界でも、昔と違ってインターネットを使ったいじめというものがありますよね。相手を傷つけるんだ、ということをしっかりと認識してもらいたいと思います」とも語っていた。なお、自身が傷付いた書き込みについて聞かれると、「まあ、だんだん免疫ができましたけどね」と返答して笑いを誘い、「意味のある批判もありますが、意味のない、ただの誹謗・中傷を繰り返している。それを見ながら、これに影響されてはならないと思うことが大切なんですね」と話した。

投稿したユーザーは、「この分野において、安倍首相はやはり豊富な経験と発言権を有していると感じた」と感想をつづった。

安倍首相の発言について、他のネットユーザーからは「論理的でない攻撃は無視すればいいってね」「無意味な批判か。一つ学んだよ」「素晴らしいことを言っている。意味のある批判は良いが、批判のための批判や人身攻撃などは本当にいただけない。何かあるとすぐにたたく人は、どの立場であってもおかしいと思う」「人であるなら完全な自由などない。この世界で生きているからには、必ず道徳と法律の制約を受ける。無限の自由など虚偽だ」「免疫ができたって。これが政治家のすごいところだな」といったコメントを寄せた。

中国のネット上ではこのほかにも、「横暴な言葉、その一つ一つが刃物だ」「急いで実名制を導入すべきだろう」「ずっと疑問なのだが、他人を貶めて本当に楽しいのだろうか」「一番怖いのが、こういうことが起こるたびにみんな『ネットの暴力はやめるべきだ』と言いながら、それでもやめない人がいること」といった声や、木村さんについて「テラスハウスはずっと見てた。本当にかわいそう」「本当に残念。来世があるなら彼女には幸せになってほしい」「どうか安らかに」といった声が上がっている。(翻訳・編集/北田)

 中国のネット上では、政治以外の分野では結構フランクにやり取りができているようですが、こと政府批判などしようものなら即座に削除され、又発信者も特定され、即拘束されるでしょう。さすがに日本ではそれはできず、今のところは上記の通り放置しているようですが、個人攻撃が中心で「死ね」などのあまりにひどい誹謗中傷なら、政治家に対してのものでも規制すべきかもしれません。

 いずれにしろ発信者特定の簡素化によって、処罰を容易にすることが大きな抑止力につながると思います。こうした制度の確立とその法制化を急ぐよう願います。

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