拉致被害者

2020年6月12日 (金)

横田めぐみさんの弟、拉致被害者の足を引っ張ってきた政治家やメディアに言及

Mca2006092211040p1  周知の通り今月5日に、拉致被害者横田めぐみさんの父、横田滋さんがご逝去されました。そして9日にはご遺族による記者会見が行われました。家族の一員を犯罪国家に拉致され、今もなおはっきりした奪還の見通しのない中でなくなった滋さん。そして同じく頑張ってこられたご家族の苦労の日々、そしてこれからも奪還に向けて努力を重ねなければならないご家族の思いが、ひしひしと伝わってきます。

 その会見の内容をSankeiBizから引用転載します。タイトルは『横田滋さん死去で家族会見(上)「何もしてない方が、政権批判するのは卑怯だ」』です。

「北朝鮮が憎くてならない」

 東京・永田町の議員会館で9日行われた、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(55)=拉致当時(13)=の父で5日に87歳で亡くなった拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんの遺族による記者会見。妻の早紀江さん(84)、滋さんの双子の息子、拓也さん(51)と哲也さん(51)が出席し、思いを語った。記者会見の主なやりとりは次の通り。

早紀江さん 皆さま、こんにちは。この度、主人の滋がだんだん衰弱いたしまして、5日に永眠しました。長い闘病生活でしたけれども、本当にいつも穏やかで苦しいとか痛いとか何もそういうことずっと言わないで、いつも笑顔で生きていましたけど、段々衰弱して息を引き取りました。

 拉致されている人たちのことをいつも思って、私たち本当に二人三脚で本当に頑張ってきましたけども、やっぱり段々年をとって、互いに体のいろんなところに不具合が出てきております。私もそうですけども、たくさんの親御さんたちがもうとっくにいらっしゃらなくなったり、まだこれからも衰弱されていかれるんじゃないかと、いつも心配しております。

 どうしてもなかなか(北朝鮮の)国柄が国柄なので、本当に難しい問題だなとつくづく思わされております。(報道各社に対し)長い間、いつも報道していただいて、めぐみたちを助けるために、献身的に私たち全員のことを被害者のことを家族のことを報道し続けていただいた長い年月に対して、心から感謝いたしております。

 滋も皆さま(報道各社)と仲良くさせていただいて、いつも穏やかに暮らすことができたこと、たくさんのこちらの先生方や救う会の指導力も素晴らしかったし、何も思い残すことがないほど全身全霊打ち込んで、頑張ったと思っています。本当に安らかに、静かないい顔で天国に引き上げられましたことを私は良かったなと思っています。これまで長いご支援いただきましたこと、感謝申し上げます。ありがとうございました。

拓也さん 私の姉はもう承知の通り、1977年に拉致をされて。両親は当時、何の手がかりもない中で、25年間、姉のめぐみを探し続けました。しかしながら何の安否の情報を得ることなく、苦しい中を走り続けてきた25年間でした。

 そして、2002年の日朝首脳会談があってから初めて姉の行方が北朝鮮にいるということがわかり、そして犯罪を北朝鮮が犯したということを、われわれ、国際社会、日本の国民、世論が知ることになり、北朝鮮っていう具体例が出てきたことによって、早期にこの問題が解決するんではないかという淡い期待を持ったのも事実です。

 そして両親は、その淡い期待を現実のものにするために18年間、戦い続けてきたわけですが、残念ながら父、滋は他界してしまいました。父は、めぐみの写真を撮ることがとても大好きでしたから、報道でもその過去の写真を使っていただくことが多いわけですが、本当によく言われるように、目の中に入れても痛くない、それほどかわいがっていた姉とですね、どれだけ会いたかっただろうと思うと、本当に悔しくて悔しくて仕方がありません。

 そして2002年の日朝首脳会談後に父が泣いていた姿を見て、そして今回、父が他界したことを受けて、私個人は本当に北朝鮮が憎くてなりません。許すことができない。どうしてこれほどひどい人権侵害を平気で行い続けることができるのかと不思議でなりません。国際社会がもっと北朝鮮に強い制裁を科して、この問題解決を図ることを期待したいと思います。

 そして、私たち横田家、両親をですね、本当にずっと長い間そばにいて、支援してくださった安倍(晋三)総理、本当に無念だとおっしゃっていただいてます。私たちはこれからも安倍総理とともに、この問題解決を図っていきたいと思っております。

そして、国会においては、与党野党の壁なくですね、この問題解決のためにもっと時間を割いて、具体的かつ迅速に解決のために行動してほしいと思いますし、そしてマスコミの皆さま方におかれましても、イデオロギーに関係なく、この問題をわがこととして、もっと取り上げてほしいと思っています。自分の子供ならどうしなきゃいけないかということを問い続けてほしいと思っています。

 そして今回、父が他界したことが、とても悔やまれてなりませんが、本当に全国1400回にも及ぶ講演会や集会に行って、現地で温かく見守ってくださった方々、1340万筆以上の署名をしてくださった皆さま方、そして、議連の先生方、救う会の先生方、そして、とりわけ同じマンションの支援してくださった皆さま、病院の皆さま方、教会の皆さま方、本当に、改めて心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

哲也さん 父は2年2カ月ほど前に地元の母が住んでいる家の近くの病院に入院をしましたが、かなり長期間におよび入院していたことになります。そこでは、主治医の先生であり、看護師さんであり、さまざまな医療関係者が治療してくださり、介護、献身的にしていただきましたことを、本当にこの場をお借りして御礼申し上げたいと思います。

 また、父が亡くなって以降、教会に遺体を運ばせていただきまして、月曜日に葬儀を実施したわけでありますけども、牧師の先生には本当に大変お世話になったことをこの場で御礼申し上げたいと思います。本当にここに来るまでに父であり、ここにいるわれわれもそうですけれども、さまざまな方々にお世話になっていることが、結果として、拉致問題が解決しないまんま、父が他界するものだったことは、父であり、私たち家族であり、そして日本国民が非常に憤りを感じ、無念を抱いていることだと思いますけども、父が果たせなかったその思い、遺志を私たちが受け継いで結果を出すこと、墓前で帰ってきたよと報告することこそが、残された者の使命だと思っております。

 北朝鮮の今のリーダーの金正恩の前のリーダー、金正日が亡くなったのが2011年、その後に金正恩がリーダーとして就いたわけでありますけれども。その時、金正恩が前の政権の悪行を否定して生まれ変わっていれば、国際社会に復帰ができ、資金や物資がどんどん流入して、国民も豊かになり、そして拉致問題が解決していれば、被害者家族なんかも幸せになれた全てがウィンウィンの関係になれたにもかかわらず、彼らはそれをやらなかった。本当に愚かなリーダーだと思います。

 また、一番悪いのは北朝鮮であることは間違いないわけですが、この拉致問題が解決しないことに対して、あるやはりジャーナリストやメディアの方々が、安倍総理は何をやっているんだというようなことをおっしゃる方もいます。

 北朝鮮問題が一丁目一番地で考えていたのに、何も動いていないじゃないかというような発言を、ここ2~3日のメディアを私も見て耳にしておりますけれども、安倍政権が問題なんではなくて、40年以上も何もしてこなかった政治家や、「北朝鮮なんて拉致なんかしてるはずないでしょ」と言ってきたメディアがあったから、ここまで安倍総理、安倍政権が苦しんでいるんです。

 安倍総理、安倍政権は動いてやってくださっています。なので、何もやってない方が、政権批判するのは卑怯(ひきょう)だと思います。拉致問題に協力して、さまざまな角度で協力して動いてきた方がおっしゃるならまだわかりますが、ちょっと的を射ていない発言をするのは、これからやめてほしいと思っております。

 拉致被害者家族は高齢者がいるのが事実ですし、(家族会の)飯塚(繁雄)代表もかなりのお年で健康も芳しくないわけでありますが、本当にこれ以上ですね、同じようなことが起こらないうちに、国会、政権におきましては、具体的な成果を出していただきたいと思っておりますし、本当に、この国内に敵も味方もないはずです。

 日本対北朝鮮、加害者対被害者の構図しかないわけなので、本当にぜひこれからもご協力をいただきながら、解決をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 会見後半の哲也さんの発言『北朝鮮問題が一丁目一番地で考えていたのに、何も動いていないじゃないかというような発言を、ここ2~3日のメディアを私も見て耳にしておりますけれども、安倍政権が問題なんではなくて、40年以上も何もしてこなかった政治家や、「北朝鮮なんて拉致なんかしてるはずないでしょ」と言ってきたメディアがあったから、ここまで安倍総理、安倍政権が苦しんでいるんです。

 安倍総理、安倍政権は動いてやってくださっています。なので、何もやってない方が、政権批判するのは卑怯(ひきょう)だと思います。拉致問題に協力して、さまざまな角度で協力して動いてきた方がおっしゃるならまだわかりますが、ちょっと的を射ていない発言をするのは、これからやめてほしいと思っております。』という部分を正確に伝えたメディアは産経新聞やABEMA TIMESなど一部のメディアだけだと言うことのようです。

 つまり多くの政治家や多くのメディアはこの拉致問題は他人事なのです。そして哲也さんが言うように、かつての社会党は幹部だった土井たか子氏が北朝鮮による拉致を「拉致はない」と明言し否定していました。そして哲也さんの言う通り、何もしていない人たちがこの機会を利用して、またぞろ政権批判の道具にしようとしているのです。

 どんなに与野党一体となっても、また国民世論が一体となっても、それでも国交のない犯罪国家から拉致被害者を奪還するのは困難です。ましてや日本人を救うために組織された自衛隊は、海外での救助活動には手枷足枷がはめられ身動きが取れません。今のようにそれは政権の仕事だと、他人事のようにふるまう政治家やメディアが足を引っ張れば、ほとんど絶望的に不可能となってしまうでしょう。つまり拉致被害の解決を邪魔して来たのは彼らでしょうね。

 数日前ラジオで辛坊治郎氏が、かつて拉致被害者帰国のため訪朝した小泉首相の動静を、ライブ特集を組んでいたTBSの出演者たちが、「北朝鮮が拉致を認めるはずがない」と言って盛り上がっていた矢先、拉致を認めて5人帰国という速報が入った瞬間、全員ずっこけたという話をしていましたが、知識人と言われる左翼の片棒を担ぐ人たちはそんな程度でしか、この国家的犯罪を考えていなかったのです。

 つくづく同じ日本人でありながら、日本人の拉致を拉致と思わない、こんなに考え方が違うグループがいるのだろうと不思議に思います。日本人から「愛国心」を奪い「同胞愛」を奪い、それを主張し日本を大切に思う人たちを誹謗中傷する人たちを大量に作った、戦後間もなくの「魔の時代」というものが、今日まで影響力を保っているこの日本。本当になぜなのか、何とかできないのか、と思います。

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