太田光の「TBS選挙特番での暴走」、なぜヒドいことになったのか?
SNS上で炎上し話題になった太田光氏の選挙特番。私は見ていませんので評価のしようがありませんが、「太田光」と聞いただけで、なぜか嫌悪感を感じます。上から目線で人を馬鹿にしたようなものの言い方、芸能人の多くがそうであるように、この人もコテコテの反日、反権力思想の持ち主。ですから番組を見ていなくても、おおよそ番組の状況は予想されます。
ここではフリージャーナリストの片岡亮氏に登場願い、その内容について、現代ビジネスに投稿したコラムを紹介します。タイトルは『太田光の「TBS選挙特番での暴走」、なぜヒドいことになったのか? テレビディレクターの目から見えること』(11/6)で、以下に引用し掲載します。
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「ご愁傷様でした」
マスコミ予想が大幅にハズレ、結局はフツーに自民党の勝利に終わった衆議院議員総選挙だが、賛否が渦巻いたのが、爆笑問題の太田光をMCとしたTBSの開票特番だった。
太田の政治家への物言いが無礼だったというのだが、同局ディレクターに話を聞きながら問題点を探ると、失敗したのは、無礼だったからではなく、ジャーナリズムが足りなかったからではないか、とも思える。
相手の容姿をイジったり感情を揺さぶるのは芸人の常套手段だが、今回は「どんな話を引き出したか」という観点で不満が残った。事実、番組側も既存キャスターでは引き出せないものを狙っていたが、それが果たせたとは言いにくいところがあった。
では、なぜそれが起きたのか。批判された点のひとつは、自民党・甘利明幹事長との中継で、「戦犯ですよね。負けたら」と追い込み、小選挙区で落選が濃厚となった相手に「ご愁傷様でした」と、敗北を茶化すように聞こえる発言があったこと。
また、当選した二階俊博前幹事長にも「いつまで政治家続けるつもりですか?」と聞き、「失礼だよ! 言葉を選びなさい」と怒られたが、一方で結果の良くない立憲民主党の枝野幸男代表には「僕は今回、立憲民主党に入れた」と、立場そっちのけで言っていた。
正直、その発言自体はあまり驚くことはない。バラエティー番組ではお決まりの手法ではある。お笑い芸人がバラエティー番組でゲストをイジる際、相手の表情を崩すような話を投げかけるのはセオリーだ。それで怒りや笑いを誘い、場が盛り上がる。
今回、太田が出演した番組の名称は「選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ」で、お笑い芸人の冠番組である。常識的な報道スタイルで進めるなら、そもそも太田を起用しない。はなから「バラエティー番組のノリ」が期待されたものであり、それがイヤなら他番組を見ればいいというのが、TBSの出した方向性だ。
だから、わざわざこの番組を選んで見て、「無礼だ」と怒るなら、なぜ別の番組を選ばないのか、とも思う。
ただ、太田を同番組のMCとして見て不足があったとすれば、結局「視聴者の見たいものが見られたのか」という点で物足りなさがあった点だろう。今回の起用は、もともと同局の報道番組「news23」の企画「太田光と問う!」の延長で、遠慮せず政治家に質問をぶつけていた太田が評価されてのもの。チーフプロデューサーの山崎直史氏も、番組発表時に「政治家と『言葉』を介して向き合える唯一の芸人」と太田を評し、「政治家に忖度なく問います」としていた。
つまり、普段から政治取材しているキャスターやジャーナリストでは、政治家に遠慮してしまうところがあるから、しがらみのないタレントに自由に質問をぶつけたい狙いがあったわけだ。ジャーナリストの目線から見ても、それをやられたら「太田さんだからこそできたもの」と脱帽できる。
しかし、太田の質問が、単に政治家に意地悪な質問をするものなら、得られる「回答」がない。甘利幹事長への「戦犯ですよね」という投げかけも、大物政治家を困らせる姿を見せる「イジリ演出」にすぎない。それを見て喜ぶ層はいるかもしれないが、それは視聴者が知りたいことを引き出す「取材」ではない。
二階前幹事長に厳しい言葉を投げたこともまた、結局偉そうな政治家を怒らせただけで「太田さんだから聞けた質問だ!」とはならない。
選挙特番の見せ場は結果判明後の立候補者の言葉だ。そこには国民の知る権利を埋め込む「ジャーナリズム」の観点がないと、ただ政治をネタに遊んでいるように見えてしまう。
太田に飛んでいる批判には「無礼だ」というものが多いが、たとえ無礼でも、そのおかげで引き出せたものがあれば「知る」喜びの方が勝る。海外では日本よりも直球で質問するインタビュアーはごまんといるが、ちゃんと「回答」を引き出せれば、毒舌でも優秀なインタビュアーと評価される。太田は甘利幹事長に「日焼けしてますけどゴルフ焼け?」と聞いたが、これはバラエティー番組で相手とのやり取りに困ったときに出す“容姿イジリ”でしかなく、「回答」を引き出す技ではなかった。
反省の弁
テレビ番組として見ればそういう分析ができるのだが、ただし本件は「かなり怒っている自民党関係者がいて、局側が対応に追われているようだ」とTBS関係者。視聴者として残念だったという以前に、ヤバい空気があるようなのだ。そのせいか、2日後に放送の「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)では、この失敗を反省する話が全面的に流された。
同番組で「選挙特番はそんなに神聖な場所だったの?」と太田が言っていたのは、前述した問題の原因がまだ整理できていないことのあらわれに見えるが、妻で所属事務所の社長である光代さんから「口の聞き方気をつけなさいよ」と怒られたことを明かしたのは、リスナーよりも激怒する自民党サイドへの謝罪に見えた。「もう審判を待つしかないね。今後の仕事面においても」とまで言っており、これが別の意味で一大事であったことを匂わせる。
太田との仕事歴があるTBSディレクターに話を聞いてみると、「台本どおりにキッチリやる芸人MCが多い中、太田さんは事前にスタッフとあまり多くの言葉を交わさず、意向だけ聞いて本番で一気に流れを作るタイプ。だから、うまく流れが作れてないときは途中で修正させなきゃいけないんですが、それをするのがスタッフと綿密にやり取りする田中(裕二)さんで、彼がいなかったのが大きかったように見える」と言った。
「正直に言えば、MCの小川彩佳アナがその役をやるべきだったと思います。『太田さん、いまのはちょっと言い過ぎかも』と言って修正はできたはず」
そこをスタッフがカンペ(紙に書いての指示)で伝えるということもできなかったか。
「無責任に聞こえるかもしれませんが、スタッフ側では気を使いすぎちゃうところがあって、本番での勢いを削ぐからと待ったをかけにくい風潮があるんです。特に芸人さんは勢いで持っていきますから」
聞けば「番組前半で、進行上、長くCM休憩に入れなかった」ことも、修正を本人に伝える機会がなかった一因のようだが、そうなるとこれは太田ひとりの暴走という問題ではなくなる。なにしろ選挙特番は熟練ニュースキャスターであっても緊張を隠せない大仕事、それをあえて引き受けた太田をフォローするのも番組の仕事だ。
今回の視聴率(ビデオリサーチ調べ)は世帯平均でNHKが17.7%のトップ。太田の番組は6局中最下位の6.2%で、数字だけ見れば方向性も失敗だったといわれるだろうが、政治番組が予定調和のやり取りばかりになるのは報道としてのデメリットもあり、「別の角度から思いきった人選で政治家に忖度しない質問をぶつけたい」と考えた制作サイドの挑戦姿勢は前向きにとらえたい。
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片岡氏は「制作サイドの挑戦姿勢は前向きにとらえたい」と言っていますが、TBSはテレビ朝日を凌ぐ反日、反権力の巣窟のような局。挑戦姿勢と来れば当然反与党、親野党となるわけで、そうした背景から甘利氏、二階氏、枝野氏への対応が、ものの見事に現れているとしか言い様がありません。
更には、枝野氏には「僕は今回、立憲民主党に入れた」というあたりは、偏向番組を地で行っていて、まったく呆れ返りますね。「選挙特番」ならぬ、太田光の「反与党、親野党、偏向特番」というタイトルにすれば、分かりやすかったと思いますね。高市早苗氏にも、森友学園や公文書改竄問題を執拗に問いただした様で、完全に野党側の立場で質問するあたり、太田氏とTBS両方の「地」が出てしまっています。
炎上したのは当然として、その原因が「無礼」だと言うことだけに収めず、選挙という公平公正を必要とする報道で、こうした偏向報道をしたその罪を、しっかり問う必要があります。また太田光氏を二度と報道番組には使わないという確約を、テレビ局はするべきです。「思いあがりもいい加減にしろ!何様だと思っているのだ」、と私自身本人にそう言いたいですね。
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