農産物の流出

2023年1月24日 (火)

これもステルス侵略。日本の高級ブランド農産物が中国で大量栽培。その損失額は数百億に上る。

A8lwea33  日本のブランド化された農産物の流出が止まりません。先月、韓国へ高級ブドウ「ルビーロマン」の流出事件を紹介しましたが、中国への流出も数多いと言われています。

 今回は中国に流出した「シャインマスカット」の記事を取り上げます。産経新聞論説副委員長佐々木類氏がzakzakに寄稿した記事で、タイトルは『止まらないブランド農産品の流出 自治体の対策だけでは限界、国は日本の知的財産を守れ! 種苗法改正も時すでに遅し「シャインマスカット」など中国流出』(1/23公開)で、以下に引用します。

シャインマスカットは、国立研究開発法人の農研機構果樹茶業研究部門が33年かけて開発した。それを韓国に留まらず中国も盗んでいる。

日本の農家から盗んだ品種を自国で栽培し、果物市場へ流通させる。姿を隠した巧妙な手口、これも1つの「ステルス侵略」といえよう。

国や自治体、生産者が長い年月と資金をかけて開発したブランド農産品の種苗の海外流出が止まらない。

推計される生産量をもとに、日本側に支払う品種の利用許諾料(出荷額の3%と仮定)を算出すると、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が品種登録している高級ブドウ「シャインマスカット」の中国への流出だけでも、年間100億円以上の損失が発生している。

農水省によると、イチゴだけでも、5年間で最大220億円の損失に上る。最近では、みかんの産地で知られる愛媛みかんの「愛媛38号」が中国に流出していたことが判明した。

2021年4月の種苗法改正で、農作物の新品種は海外への持ち出し制限を付けられるようになったが、時すでに遅し。シャインマスカットは、改正前に中国に流出していた。改正以降も流出は後を絶たない。

同年6月、シャインマスカットの苗木4株を許可なく販売目的で保管していた愛媛県西条市の会社員の男が、種苗法違反容疑で警視庁に書類送検された。男は「小遣い稼ぎだった」と供述しているが、この行為が生産者らに甚大な被害をもたらしかねない。農水省によると、栽培面積は日本の約30倍の5万3000ヘクタールにまで拡大しているという。

たかだか書類送検事案というなかれ。事件は苗木を接ぎ木すればいくらでも増やせるという事実を物語っている。

シャインマスカットは17年ごろから、中国で「陽光バラ」「香印翡翠(ひすい)」などの名で広く販売されているのが確認されている。

流出した新品種が海外で産地化されれば、生産者らが本来得られる利益が失われてしまう。ブランド品は紛れもなく日本の知的財産であり、中国や韓国による窃盗を許してはならない。

それにはまず、日本自身が脇を固めないとならないのである。種苗法こそ改正したが、商標登録が進まず流出先の農家にやりたい放題されてしまうという現状がある。

初競りでひと房100万円以上の値がついた石川県産の高級ブドウ「ルビーロマン」と同じ名称のブドウが昨年、韓国で流通していることが県の調査で判明した。

金欲しさに苗木を盗み海外流出させる日本人がいる以上、自治体や生産者だけでは種苗の流出は防げない。海外における商標登録も煩雑だ。国が責任を持って流出防止に努めていかねば、中国や韓国のステルス侵略を防ぐことは不可能だ。

 今月初めこのブログで「農水省とJAが牛耳る日本の農業政策。実態は衰退の一途で危機が目前に迫っている」を取り上げましたが、このブランド農産品のように、数少ないとはいえ伸びている生産物の保護に対しても、農水省の怠慢が見られるようです。

 もちろん盗んだ先の中国や韓国が悪いのですが、それを持ち出す日本人がいることも大変残念なことです。一時の金儲けの為に、何百億もの損害を日本に与えてしまっています。長期の懲役刑に処したいものです。

 日本は先端技術にしろ、アイデア商品にしろ、苦労して開発したものを簡単に盗まれてしまう脇の甘さがあります。今は高度成長を終えた停滞期にあるのに、そうしたことはますます日本の弱体化につながってしまいます。政官業一体になって中韓のようなパクリ国家に盗まれないよう、気を引き締めなければならないと思います。

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2022年12月11日 (日)

韓国が日本の至宝をまた盗んだ!? 高級ブドウ「ルビーロマン」が流出するまでの一部始終

42  先月、日本の高級ブドウ、シャインマスカットが韓国に流出し、品質低下がたたって価格暴落中という記事をJBpressで見ました。ブドウ農家が猫も杓子も栽培をはじめて、供給過剰となり味もイマイチで暴落したと言うことでした。ただそういったこととは別に、問題は日本のシャインマスカットが、中国、韓国で大量に栽培され、日本のブドウ輸出の足枷になっていることでしょう。

 そこへ今度はルビーロマンの流出です。早急に対策を打たねば日本の農業は大きなダメージを受けます。この辺の事情を週刊現代の記事から引用します。タイトルは『韓国が日本の至宝をまた「盗んだ」…!? 1房150万円「ルビーロマン」が流出するまでの一部始終』です。

韓国や中国へ、ブドウやイチゴなど国内外で人気が高い日本産高級フルーツが流出し、歯止めが掛からない状況になっている。小さな苗木や種をカバンに忍ばせれば、容易に持ち出すことができ、さらに「接ぎ木」によってまるで「コピー・アンド・ペースト」するかのごとく、いとも簡単に栽培できることが背景にある。

最近では、1房150万円の値が付く日本一の高級ブドウまで韓国へ流出し、現地で栽培されていることが判明した。こうした状況を放置したままでは、日本の農業の競争力も大きく低下することは避けられない。

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14年かけて開発したのに

今回、韓国への流出が発覚したブドウは、石川県のオリジナル品種である「ルビーロマン」だ。

糖度が約20度とブドウの中でも特に甘く、粒の大きさは巨峰の2倍にもなる。同県の「農林総合研究センター」が実に14年もの歳月をかけて開発し、2008年から出荷が始まった。

金沢市中央卸売市場で今年7月に行われた初競りでは、1房150万円と過去最高値で落札された。1粒あたりでの価格でいえば、およそ5万5000円にも達することになる。

シャインマスカットが一般のスーパーにも並ぶほど普及したこともあって、ルビーロマンはいま高級贈答品として高い人気を誇るようになっており、シンガポールや香港、台湾にも輸出されている。

だがその一方で、「ルビーロマンが韓国で大量に栽培されている」といううわさが数年前から農業関係者の間で広まっていた。事態を重く捉えた石川県は、韓国で流通しているブドウと同県産ルビーロマンのDNA鑑定を国の検査機関に依頼。遺伝子型が一致したことが今年9月に判明し、韓国への流出が裏付けられた。

流出経路としては、苗木の窃盗や、生産者が第三者へ苗木を譲り渡したなどの可能性が考えられるが、判然としない。石川県は国の品種登録制度で守られているルビーロマンの苗木の譲渡を禁じ、さらに栽培を県内の生産者に限定するといった管理体制を敷いている。当然のことながら、日本国内では知的財産として保護されているため、無断栽培は御法度だ。

しかし、輸出や流出といった事態を想定しておらず、韓国の品種登録制度に届け出ていなかったために、無断栽培を招いてしまった。

実は、ブドウは比較的容易に殖やせる植物だ。人差し指ほどのサイズの苗木を持ち出して、別の普通のブドウの木に接ぎ木をすれば栽培できる。日本側の管理が甘かったと評価せざるを得ない。

損失はおよそ「100億円」

いまや日本全国で栽培されている高級ブドウ「シャインマスカット」の中国・韓国への流出も、さらに状況が悪化している。

シャインマスカットは日本国内のホームセンターなどでも苗木が流通するようになっており、そうした苗木が中国や韓国へ渡っているとみられる。さらにはタイや香港などのスーパーマーケットの店頭に並べられている中韓産シャインマスカットは品質が年々向上しており、日本産と競合するようになった。

農林水産省の推計によると、中国への苗木流出が日本産シャインマスカットにもたらしている損失額は、年間100億円以上にも相当する。仮に日本産シャインマスカットを正規のルートで中国に販売していれば、許諾料として100億円は徴収できるという計算だ。

日本は規模でも圧倒されつつある。現在、中国のシャインマスカットの栽培面積は日本の30倍を越えており、今後も東南アジアなどへの輸出が拡大してゆくことは間違いない。

「盗まれ放題」の現状

2018年の韓国・平昌五輪では、カーリング女子日本代表の選手らが休憩中に食べていたイチゴをめぐり、日本から流出したものが起源となっていたことも話題になった。韓国にイチゴの苗が渡ったことにより、日本が被っている年間損失額は40億円程度と推計されている。 

人口減少、さらに農業の担い手減少が進む中、日本の農業は海外で稼ぐ力を身につけることが今まで以上に求められている。にもかかわらず、ブドウやイチゴなど海外で人気が高く、付加価値も高い日本産フルーツが盗み出され、巨額の損失が発生していることはゆゆしき事態だ。

せっかく労力と時間をかけて開発した苗木や種子が、中国や韓国に盗まれ放題という状況を放置すれば、優れた品種を開発するインセンティブが下がり、日本の研究開発能力は低下の一途をたどることになる。

また農業全体を見渡しても、農家の稼ぐ力がそがれた結果、離農者や荒れ果てた農地の増加を招き、日本の食料自給率をますます低下させる悪循環に陥る可能性がある。

取り締まりは「不可能」

農水省は、フルーツ品種の海外流出の防止強化のため、改正種苗法を昨年4月に施行した。品種の開発者が栽培地域を限定し、国外への持ち出しに制限を掛けられるようにすることが狙いだ。

これにより、ブドウやイチゴに加え、かんきつやコメなど、日本国内で知的財産として保護されている品種のうち大半は持ち出しが禁じられた。

とはいえ、それだけでは流出を完全に防ぐことはできない。空港の税関で小さな苗木や種子をすべて見付け出し、取り締まることは事実上不可能だからだ。

同法に基づき、国内での管理を徹底するとともに、中国や韓国を含む流出リスクがある国や、日本が有望な市場と見込むシンガポールなど東南アジア諸国でも、知的財産として品種を保護してもらえるよう、当局に申請することが欠かせない。

実際、さきほど例示したルビーロマンやシャインマスカットは同法施行前に流出していた。しかも不運なことに、中国の品種登録制度に届け出ていなかった上、申請期限もとっくに過ぎていた。

韓国当局もようやく「動いた」が…

一方で、ルビーロマンには明るい兆しも見えてきている。韓国当局がこのほど、韓国国内の第三者が取得していたルビーロマンの商標登録を無効とする判断を下したのである。

これを受け、石川県は韓国特許庁にルビーロマンの商標登録を出願した。県の出願が認められれば、韓国産ルビーロマンの販売に対して法的措置を講じる道が開ける。

ただし、県の申請がすんなり通るかどうかは不透明だ。これまでも日韓関係が悪化するたびに、韓国当局はさまざまな問題で日本に対する「対抗措置」と称して、恣意的な判断を下してきた経緯がある。

今後、冷え込んだ日韓関係が改善せずに行き詰まれば、審査をいたずらに先送りするなど「日本に嫌がらせをしてくることは十分想定される」(日本政府関係者)。

日本政府は、品種の海外流出を防ぐ民間専門機関の創設を後押しする方針だ。来年度に立ち上がる見込みで、無断栽培が発覚した際の証拠集めや訴訟対応などを担う。

シャインマスカットやルビーロマンの教訓から、品種の国内管理の徹底、海外での登録出願、流出の有無を探る定期的な監視などを重層的に講じなければ、日本が誇る優れた品種を守り切ることはできないことが明らかになっている。

日本の農業の再活性化や、いま世界的に懸念されている食料安全保障の強化に向けて、生産者と政府の覚悟が問われている。

 農業の担い手の不足や、品種の保護と言うことに、積極的に取りかからねば、それでなくとも日本の農業を衰退させた農水省の責任は、免れません。霞ヶ関に鎮座ましましている暇などなく、現場、現実、現物をしっかり把握することが必要でしょう。

 それにしても、中国、韓国の「パクリ」癖は留まるところがありませんね。現地での商標登録など、ありとあらゆる手段を使って、この手の流出を抑えたいものです。これはある意味日本の農産物の品種を守るための戦いでもあるのです。

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